「神がかりクロスハート!」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

神がかりクロスハート!」(2021/01/19 (火) 09:32:17) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*神がかりクロスハート! 【かみがかりくろすはーと】 |ジャンル|神がかり的ハプニングAVG|&amazon(B007CPT8ZE,image);| |対応機種|Windows XP/Vista/7|~| |メディア|DVD-ROM 1枚|~| |発売・開発元|ういんどみる|~| |発売日|2012年5月25日|~| |定価|8,800円(税別)|~| |セーブデータ|120個&br;※プレイヤーの任意で最大1,188個まで12個単位でセーブスロットの追加可能|~| |ディスクレス起動|可能|~| |レーティング|BGCOLOR(black):''&font(#FF69B4){アダルトゲーム}''|~| |発売日|DMM:2018年5月25日/2,139円|~| |判定|なし|~| |ポイント|原点回帰を謳った作品&br;ストレスを溜めさせる一部のキャラクター&br;蛇足なエピローグルート&br;イチャラブゲーとしては一定の評価|~| |>|>|CENTER:''[[ういんどみる作品リンク>ういんどみる作品]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 有限会社アレスのゲームブランド「ういんどみる」から発売されたゲーム。~ 本作はういんどみるの10周年記念作品の第1弾とされ、「''初心、そして原点回帰''」をコンセプトに「''「萌え」と「えっち」の両立''」という初期作の方向性に倣った作品となっている。 原画・キャラクターデザインは''鳴海ゆう・有河サトル''の両氏が、シナリオは''ちゃとら・高嶋栄二・保住圭''の3氏が担当している。 ---- **あらすじ ''「願い事をしたら、神様の使いが憑いちゃった!?」'' 10年会っていなければ、女の子ってヤツはあちこち成長する。~ 久々に再会した幼馴染も身体つきは全体的に丸みを帯び、胸だって随分大きくなってた。~ だけど、そんな幼馴染がまさか裸でお風呂に転移して(飛び込んで)来るなんて! ''「ほら、お姉ちゃんの願い、ちゃんと叶ったでしょ?」''~ どうやらそれは、杏子と一緒にいた、喋る謎の子犬のせいらしくて。~ 「神使」と名乗るその子犬は、憑いた対象に神通力を与える力を持っていた――。 いったいこれはどういうことなんだ?~ その謎を解明している間もなく、幼馴染のみならず、クラスメイトや同居する従兄弟までが次々と神使憑きに。~ 絶え間なく巻き起こる騒動、肌色のハプニング。~ どうするどうなる俺の新生活……!? >※amazonの商品詳細ページより一部手を加えて転記。 ---- **用語紹介(一部) #region(クリックで参照) :&size(15){''天見崎町(あまみさきちょう)''}|本作の舞台となる街。&br;温泉と大きな神社で知られ、街自体もどこか情緒あるものとなっている観光地。&br;物語はかつてこの街に住んでいた主人公が約10年ぶりに戻ってくる所から始まる。 :&size(15){''瑞葉荘(みずはそう)''}|天見崎町の中で最大級の旅館。&br;主人公の下宿先となり、同時に半ば無理矢理に手伝いをさせられることになる。 :&size(15){''御崎神社(みさきじんじゃ)''}|天見崎町の高台にある大きな神社。&br;夏祭りの際には巫女による神楽舞が奉納される。 :&size(15){''神使(しんし)''}|字の通りの神の使い。&br;神が願いを聞き届けた者に憑き、願いを叶えるための力を与える。&br;神使は犬や猫などの動物の姿を取る。 :&size(15){''神通力(じんつうりき)''}|神使が憑いた者が得られる、その者の持つ願いを叶えるための力。&br;神使が憑いていれば力を行使出来るが、効果を高めるには変身してより力を発揮出来るようにする必要がある。&br;ただし、変身した状態で力を行使するとかなり強烈な発情状態になってしまう。 #endregion ---- **キャラクター紹介 ***主人公・ヒロイン #region(クリックで参照) :&size(15){''天ヶ瀬 翔悟(あまがせ しょうご)''}|本作の主人公。&br;両親の仕事の都合で海外に行くことになっていたが、学生のうちは日本にいたいという理由から約10年ぶりに天見崎町に帰ってきた。&br;物事の筋は通し、また、他人のために本気になれる性格。&br;下宿先の瑞葉荘で寝泊まりする代わりに旅館の手伝いを半ば強制的にやらされることになる。 :&size(15){''七咲 杏子(ななさき あんず)''}|本作のヒロインの1人。&br;翔悟が天見崎町に住んでいた時からの幼馴染みでお隣さん。&br;当時から翔悟に良く懐いていたりなどの理由から翔悟は「わんこ」と呼んでいる。&br;信心深い性格で、毎日の御崎神社へのお参りが日課となっている。&br;子犬の神使が憑いたことで「瞬間移動」の神通力を得るが、あくまで移動出来るのは''杏子自身だけ''であり、着ていた衣服はその場に置き去りになってしまう。&br;なお、彼女に憑いた神使は作中では「ミサキ犬」と呼ばれる。 :&size(15){''神楽坂 こねこ(かぐらざか -)''}|本作のヒロインの1人。&br;翔悟が天見崎町から引っ越したのとほぼ入れ替わるようにして杏子と知り合った。&br;杏子とは親友であるが、翔悟が戻ってきてからは杏子と仲良くする翔悟を一方的に目の敵にしている。&br;表向きは非常に強気な性格だが、実際は寂しがり屋で臆病な所があり、暇を見ては御崎神社の裏側に行っては野良猫に餌をやっていたりする。&br;子猫の神使が憑いたことで「他者の心を読む」ことが出来る神通力を得るが…。&br;なお、彼女に憑いた神使は作中では「ミサキ猫」と呼ばれる。 :&size(15){''汐崎 聖(しおさき ひじり)''}|本作のヒロインの1人。&br;翔悟の居候先の「瑞葉荘」の一人娘で、翔悟のいとこ。&br;明るく活発で茶目っ気にあふれる性格で、翔悟や杏子を茶化したりして楽しむことも。&br;旅館の手伝いは当然のこと、大抵のことはそつなくこなす器量よし。&br;猫の神使が憑いたことで異次元にあるものも含めた「ものを見る」ことが出来る能力を得る。&br;なお、彼女に憑いた神使は「ミサキ猫」との混同を避けるためか、「聖猫(ひじりねこ)」と呼ばれる。 :&size(15){''狐塚 沙菜(こづか さな)''}|本作のヒロインの1人で、翔悟達の先輩。&br;物静かで積極的に話したりはしないが、見た目のクールで近寄りがたい雰囲気に対して、こちらから話しかけると柔らかで優しく話に乗ってくれる。&br;お茶漬けが好物らしく、お茶漬けが絡むと一転して物凄く熱く語ることもあり、最近のお気に入りは商店街の甘味処にある「''小倉抹茶茶漬''」らしい。&br;オカルトじみたことに詳しいが、自分からは積極的に口にはしない。&br;それ故にオカルト研究会の副会長から現在空席の会長になって欲しいと熱烈アピールをされているが、全く興味が無いようで聞き流している。 :&size(15){''宮乃 青梅(みやの おうめ)''}|本作のヒロインの1人で、翔悟達の先輩。&br;柔らかでおっとりとした性格で、杏子達にとっては近所の優しいお姉さん的な存在。&br;前述のような性格ながらも責任感は人一倍強く、行動を起こす時は常に強い信念を持っている。&br;御崎神社の巫女さんでもあるため、杏子達に憑いた神使に関しても詳しいが、その反面、機械類は大の苦手。&br;希にではあるが、大胆なことを平然と言ってのけることがあり、翔悟達を戸惑わせることも。 #endregion ***サブキャラクター #region(クリックで参照) :&size(15){''小巻 香奈恵(こまき かなえ)''}|オカルト研究会(通称:オカ研)の副会長だが、現在会長職が空席なために実質の会長を務める、翔悟達のクラスメイト。&br;副会長を務めるだけあって割としっかりしているが、意外と押しに弱い面も。&br;オカルトが大好きで常に調べ回っており、その手の知識には詳しいが、沙菜の持つその知識に惚れ込んでおり、オカ研に入って会長になって欲しいとアタックしているが、上手く行った例しがなく、これからも上手く行きそうにない。 :&size(15){''西小路 美代(にしこうじ みよ)''}|小柄で元気なオカ研の会員で、翔悟達から見て後輩。&br;オカ研に籍を置いてはいるが、可愛い服や女の子の方に興味津々。&br;オカ研では写真撮影を担当しているが、とにかく先輩である香奈恵を撮りたいと思っている。&br;そのため、日頃からあの手この手で香奈恵を振り回してはそれに翻弄される姿を写真に収めようと奮闘している。 :&size(15){''汐崎 瑞葉(しおさき みずは)''}|聖の母親であり、翔悟にとっては叔母にあたる瑞葉荘の名物女将。&br;一児の母親とは思えないほどに若々しい見た目と物凄いノリの良さも相まってどことなく子供っぽさを感じさせる。&br;ただし、年齢に関わる話を振るのはかなり危険な行為であり、例えば、「若くて綺麗ですね」と褒めても「若くて」を付けたことを怒られる。 #endregion ---- **評価点 ''とにかくイチャイチャしまくり、そしてエロい'' -一応全体的なストーリーがあるが、共通ルートはともかくとして、個別ルートに入るともはやストーリーなど知ったことかと言わんばかりにイチャイチャしまくる。 --ルートによってはそれこそ口から砂糖を吐きたくなるほどだったりするので、そういったものが好きな人からの評価は高い。 --ここ最近のういんどみる作品に比べて18禁シーンの量も尺もかなり豊富で、そちら目的でも評価が高い。 ---特に言われるのが聖ルートと青梅ルートの2つ。 -神使が憑いた時には獣耳が生えたりするので、そちら方面が好きなユーザーもそれなりに楽しめるものになっている。 ''ヴォーカル曲・BGM'' -本作のヴォーカル曲はういんどみる系列作品ではおなじみの「''Elements Garden''」が、非ヴォーカル曲は「''Ecnemuse''」が作曲を担当しており、これまでの実績に違わぬ質の高い曲が用意されている。 --曲だけではなく、OP曲「神がかりクロスハート!」を歌うNANA氏、ED曲「風とキミの足跡」を歌う新田恵海氏も高く評価されている。 ''グラフィック'' -コンセプトがコンセプトだけにかなり力が入っている。 --複数原画の作品の場合、キャラごとの落差が激しかったりすると違和感が強烈な場合があるが、本作の場合は塗りのおかげか、異なる原画担当のキャラクターが並んでも違和感はやや少ない。 ---また、台詞や状況に合わせてキャラが動きを見せる所も相変わらずの長所である。 ---- **問題点 ''一部のキャラクターが与える異常な不快感'' -この手の意見が出る時によく名が挙がるのがオカ研の2人とヒロインのこねこ。 -小巻はあるヒロインが命を落としていたかも知れない危険な目に遭い、それによって翔悟達が不安がっているにもかかわらず、その出来事がオカルト絡みというだけで空気を読まずに大喜びし、更にその危険な現象に翔悟達を再び巻き込もうとする。当然「危険すぎる」と翔悟達は反発するのだが、それに対して子供のように駄々をこねるわ癇癪を起こすなど…徹頭徹尾主人公達と''ユーザー''の反感を買う行動ばかり。 --更には神使の件を知った時に証拠となり得る写真を西小路が盗撮(この時は尾行などはしておらず、撮影自体は偶然の賜物。)できたので、それをオカ研の新聞に載せると''脅迫して''強引にオカ研に翔悟達を巻き込む((同好会レベルのオカ研とはいえ、写真込みでそんな記事を載せた新聞を学園内に出すのはかなり非常識な行動。翔悟達はまともな学園生活を送れなくなる可能性もある。ついでに問題行動としてオカ研も存続の危機に陥ることが推測できる(要は自爆する)。))。 ---それでいて、特に制裁や罰を受けることもなく、小巻達の都合の良いように話が進む点も不満やストレスを煽っている((ただし、前述の駄々をこねたり癇癪を起こしたという時点においては翔悟達も付き合いきれないと無視をしている。))。 ---主にネット上で「''マスゴミ''」という蔑称があるが、小巻のやっていることは完全にそのレベルであり、とにかくイライラさせられるという意見が非常に多い。 -西小路も大して面白くないネタを延々と引っ張ったりするので作品のテンポが明らかに悪くなり、先述の小巻の暴挙も止めるどころか乗っかったりしているため、まとめて「''ユーザーに喧嘩を売る為に作ったのか?''」と批判されている。 --小巻ほど直接的に不快感を与える訳ではなく、ちょくちょく小巻を弄り倒しているからか、一種の清涼剤として扱われることも極稀にだが見受けられる。 ---しかしながら''小巻を振り回してその姿を取りたがる''屑としか言い表せない行動を平然と行っている(オカ研に入っていることも、小巻の暴挙を煽っていることもその一環でしかなく、わざとやっている)。あくまでも''目的しか見ていない''天然な小巻よりも心根がかなり悪い。''真正の下衆''である。 -オカ研の2人は共通ルートが終わると目に見えて出番が減るのだが、あるヒロインのルートではそれなりに付きまとってくるため、既にイライラが溜まっている、それもそのヒロインのルートを特に楽しみにしていた者にとっては、もはや拷問の域になっている。 --姉妹ブランドで出した『''[[祝福のカンパネラ]]''』に登場する、サルサとリトスのトルティア姉妹と非常に立ち位置が似ており、恐らくはトルティア姉妹的なキャラクターとして用意したのであろうが、完全に滑ってしまっている。 ---比較しても小巻を「アホの子」として片付けるには無理なほどに言動が悪い方向に突き抜けている場面が多く、西小路もそれを悪化させることしかしないので、ストレスの発生源にしかなっていない。 -また、オカ研と並んで言われるこねこは概ねキャラクター紹介に書いた通りなのだが、その度合いがかなり極端なものとなっており、何かにつけて勝手な思い込みで一方的に突っかかってくるため、「''意味解らない理由でヒスを起こし続けているキチ○イなレズ女''」と評する者も多い。 --我慢して彼女のルートまで入れば見方が変わるとする意見もあるのだが、余りにも落差が激しすぎることと過去を忘れないユーザーも多いため、逆に共通・個別双方に対して批判を産んでいたりする。他のルートの大半においてもキチ〇イじみた行動を取るので、キャラの描写が下手と言わざるを得ない。 --また、彼女の迂闊な行動が、先の小巻達による神使に絡む脅迫の発端になっているため、「こねこのせいでオカ研が出しゃばるようになった」とする意見もあり、こねこ自体のストレスとオカ研が出しゃばる下地を作ったという相乗効果で更に叩かれている面もある。 -時折、「彼女たちが出て来るシーンをスキップすれば良い」という意見も出るが、一言二言口を挟んでくる不快キャラなどなら兎も角、こちらはそこそこストーリー自体に関わっているので無闇に飛ばすとストーリーの内容が歯抜け状態になり理解しにくくなる。 --加えて、並んで不快とする意見の多いこねこに関してはヒロインである上、元々登場人物もそれ程多くない作品故に出番も多いため、ほとんど中身がスッカラカンになってしまいかねない。 ---そもそもこのテの方法は一時的な精神的自衛にはなりうるかもしれないが「臭いものに蓋をしている」に過ぎず、そのキャラの影響を受けたシナリオから逃れた事にはならない為、根本からの解決策にはなりえないのである。 ''ストーリー'' -完全なネタバレになってしまうので伏せるが、本作のヒロインは5人と別にもう1人おり、5人のそれぞれのルートが結果としてエピローグルートと呼ばれる、いわゆる最終ルートに繋がる形を取っている。 --そのため、それぞれのルートで伏線を張ってそれをエピローグルートで回収する形なのだが、杏子・こねこ・聖の3人のルートはそれを適当に付けた感があるもので、とってつけた感の印象の方が強い。 ---酷いと、ぱっと見は伏線っぽいが、最後の最後まで回収されずに何の意図で挟んだのかが解らないものすらある。 --一方で青梅と沙菜のルートはエピローグルートに繋げることに振り回されてしまい、逆に萌えという意味では弱くなっているという指摘もある。 -また、そうして入れたエピローグルート自体もかなり無理矢理な所があり、ストーリーの展開の悪さも相まって「エピローグルート自体が蛇足」「5人のルートだけで終わらせておくべきだった」とする意見も多い。 --エピローグルートの別問題として、翔悟にも問題点が生じてしまった(後述)。 #region(エピローグルートの翔悟の問題。ネタバレ注意。) -これまでの翔悟は地味ではあるものの主人公として不足はなかったのだが、エピローグルートに入った途端に徹頭徹尾ヒロインの足を引っ張り続ける。~ これはエピローグルートのヒロインと敵対などして妨害をし続けるといった事ではなく、翔悟自身はヒロインのために必死に尽力するのだが、ヒロインの事情が深刻過ぎる、あるいは単純に力が及ばずに悉く裏目に出てしまうというもの。 --この影響でヒロインは事ある毎に一層苦しい思いをさせられてしまうのだが、ヒロインの方は「(結果は芳しくなかったとしても)自分のことを想ってやってくれたことが嬉しい」と文句の1つも言わずにその事態を受け入れる。 ---この文句も言わずに一途に翔悟を慕ってくれる様と、翔悟はおろか杏子といった他のヒロイン勢のために自分が犠牲になろうとも苦しみながら自分のすべき事をなそうとする様に、彼女たちの魅力を見出す前に主人公の分身としての罪悪感ややるせなさが先行してしまいがちな図になっているのが辛い、そのせいで感情移入出来ないとする意見がある。 ---また、このルートは完全に物語重視のせいで、全体的に萌え重視と目されているゲームなのに萌えられるシーンが少ないというのも痛い。中途半端な路線変更の弊害がモロに出てしまっている。 --エピローグルートのヒロインが上に書いたように一途で健気というキャラクターであり、それに最後の最後まで全く応えられないことが翔悟の不甲斐なさを余計に際立たせてしまった。主人公である以上、成功や見せ場で山場を飾ってほしかったものである。 #endregion ---- **賛否両論点 -神使達もオカ研達ほどではないものの、空気を読めていないことが多い。 --ただし、神使達は元々人ではないので見た目通りに犬や猫っぽい思考だったり、あくまでも独自の目的のために動いていることが理由。~ 終盤になるまではやや不気味な様子さえ伺えるが、設定を考えるとこれが自然である。~ また、全員が画一的に空気を読めない訳ではなく、意外と配慮は出来そうだが目的のためにあえて空気を読まない、配慮もしようとするが空気を読めない、自然に人を思いやれている…の様に個性が分かれている。 ---- **総評 結論として「''「萌え」と「えっち」の両立''」という方向性で言えば十分に果たせている作品である。~ しかし、中途半端にストーリー性を強めてしまったことで、ただイチャラブを楽しむ作品と割り切りにくくなり、~ ストーリーの完成度も個々のシナリオはともかくとしても、エピローグルートまでをひっくるめると高評価とは言い難いものとなっている。~ 特にオカ研などのストレスにしかならない要素が悪目立ちしていることから、~ 「''ういんどみるの「初心(原点)」はプレイヤーにストレスを溜めさせる(イライラさせる)ことか''」と揶揄する者もいる。 個別ルートのいちゃつきぶりなどから、オカ研とこねこの極端な態度を除けば、良好なイチャラブゲー・萌えゲーと評する意見も少なくない。~ 緻密なストーリーや良識と個性を両立したキャラなどを期待してしまうと、完全にハズレになる危険性も孕んでいる作品であると言えるものの、~ ブランドの傾向や宣伝もストーリー面を前面には押し出してはいなかったこともあるので、ストーリー性を期待してガッカリという例は多くないと思われる。 ---- ---- **余談 ''宣伝面の問題'' -本作のシナリオは概要で書いた3氏が表向きには担当していることになっている。 --しかし、実際にはその3氏と別に望月JET、やすべえ、マサキ・ジーノの3氏が関わっていたことがエンディングのスタッフロールの中で初めて明らかになる。 ---質を保っていたならば別に問題なかったのだが、共通ルートのオカ研絡みの不快感やテンポの悪さなどが目立ち、『''[[色に出でにけり わが恋は]]''』で生じ、その後の『''[[Hyper→Highspeed→Genius (ハイパー・ハイスピード・ジーニアス)>Hyper→Highspeed→Genius]]''』で多少は払拭されたういんどみるへの不信感を再燃させる者も少なくない。 -「『原点回帰』を謳うならむしろこ~ちゃを使うべきじゃないのか」とする意見もあったりする。 --とはいえ、こ~ちゃ氏は姉妹ブランドの次作品『''[[ウィッチズガーデン]]''』の原画・キャラクターデザインを担当しているため、時期的に難しかったと思われる。
*神がかりクロスハート! 【かみがかりくろすはーと】 |ジャンル|神がかり的ハプニングAVG|&amazon(B007CPT8ZE,image);| |対応機種|Windows XP/Vista/7|~| |メディア|DVD-ROM 1枚|~| |発売・開発元|ういんどみる|~| |発売日|2012年5月25日|~| |定価|8,800円(税別)|~| |セーブデータ|120個&br;※プレイヤーの任意で最大1,188個まで12個単位でセーブスロットの追加可能|~| |ディスクレス起動|可能|~| |レーティング|BGCOLOR(black):''&font(#FF69B4){アダルトゲーム}''|~| |発売日|FANZA:2018年5月25日/2,139円|~| |判定|なし|~| |ポイント|原点回帰を謳った作品&br;ストレスを溜めさせる一部のキャラクター&br;蛇足なエピローグルート&br;イチャラブゲーとしては一定の評価|~| |>|>|CENTER:''[[ういんどみる作品リンク>ういんどみる作品]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 有限会社アレスのゲームブランド「ういんどみる」から発売されたゲーム。~ 本作はういんどみるの10周年記念作品の第1弾とされ、「''初心、そして原点回帰''」をコンセプトに「''「萌え」と「えっち」の両立''」という初期作の方向性に倣った作品となっている。 原画・キャラクターデザインは''鳴海ゆう・有河サトル''の両氏が、シナリオは''ちゃとら・高嶋栄二・保住圭''の3氏が担当している。 ---- **あらすじ ''「願い事をしたら、神様の使いが憑いちゃった!?」'' 10年会っていなければ、女の子ってヤツはあちこち成長する。~ 久々に再会した幼馴染も身体つきは全体的に丸みを帯び、胸だって随分大きくなってた。~ だけど、そんな幼馴染がまさか裸でお風呂に転移して(飛び込んで)来るなんて! ''「ほら、お姉ちゃんの願い、ちゃんと叶ったでしょ?」''~ どうやらそれは、杏子と一緒にいた、喋る謎の子犬のせいらしくて。~ 「神使」と名乗るその子犬は、憑いた対象に神通力を与える力を持っていた――。 いったいこれはどういうことなんだ?~ その謎を解明している間もなく、幼馴染のみならず、クラスメイトや同居する従兄弟までが次々と神使憑きに。~ 絶え間なく巻き起こる騒動、肌色のハプニング。~ どうするどうなる俺の新生活……!? >※amazonの商品詳細ページより一部手を加えて転記。 ---- **用語紹介(一部) #region(クリックで参照) :&size(15){''天見崎町(あまみさきちょう)''}|本作の舞台となる街。&br;温泉と大きな神社で知られ、街自体もどこか情緒あるものとなっている観光地。&br;物語はかつてこの街に住んでいた主人公が約10年ぶりに戻ってくる所から始まる。 :&size(15){''瑞葉荘(みずはそう)''}|天見崎町の中で最大級の旅館。&br;主人公の下宿先となり、同時に半ば無理矢理に手伝いをさせられることになる。 :&size(15){''御崎神社(みさきじんじゃ)''}|天見崎町の高台にある大きな神社。&br;夏祭りの際には巫女による神楽舞が奉納される。 :&size(15){''神使(しんし)''}|字の通りの神の使い。&br;神が願いを聞き届けた者に憑き、願いを叶えるための力を与える。&br;神使は犬や猫などの動物の姿を取る。 :&size(15){''神通力(じんつうりき)''}|神使が憑いた者が得られる、その者の持つ願いを叶えるための力。&br;神使が憑いていれば力を行使出来るが、効果を高めるには変身してより力を発揮出来るようにする必要がある。&br;ただし、変身した状態で力を行使するとかなり強烈な発情状態になってしまう。 #endregion ---- **キャラクター紹介 ***主人公・ヒロイン #region(クリックで参照) :&size(15){''天ヶ瀬 翔悟(あまがせ しょうご)''}|本作の主人公。&br;両親の仕事の都合で海外に行くことになっていたが、学生のうちは日本にいたいという理由から約10年ぶりに天見崎町に帰ってきた。&br;物事の筋は通し、また、他人のために本気になれる性格。&br;下宿先の瑞葉荘で寝泊まりする代わりに旅館の手伝いを半ば強制的にやらされることになる。 :&size(15){''七咲 杏子(ななさき あんず)''}|本作のヒロインの1人。&br;翔悟が天見崎町に住んでいた時からの幼馴染みでお隣さん。&br;当時から翔悟に良く懐いていたりなどの理由から翔悟は「わんこ」と呼んでいる。&br;信心深い性格で、毎日の御崎神社へのお参りが日課となっている。&br;子犬の神使が憑いたことで「瞬間移動」の神通力を得るが、あくまで移動出来るのは''杏子自身だけ''であり、着ていた衣服はその場に置き去りになってしまう。&br;なお、彼女に憑いた神使は作中では「ミサキ犬」と呼ばれる。 :&size(15){''神楽坂 こねこ(かぐらざか -)''}|本作のヒロインの1人。&br;翔悟が天見崎町から引っ越したのとほぼ入れ替わるようにして杏子と知り合った。&br;杏子とは親友であるが、翔悟が戻ってきてからは杏子と仲良くする翔悟を一方的に目の敵にしている。&br;表向きは非常に強気な性格だが、実際は寂しがり屋で臆病な所があり、暇を見ては御崎神社の裏側に行っては野良猫に餌をやっていたりする。&br;子猫の神使が憑いたことで「他者の心を読む」ことが出来る神通力を得るが…。&br;なお、彼女に憑いた神使は作中では「ミサキ猫」と呼ばれる。 :&size(15){''汐崎 聖(しおさき ひじり)''}|本作のヒロインの1人。&br;翔悟の居候先の「瑞葉荘」の一人娘で、翔悟のいとこ。&br;明るく活発で茶目っ気にあふれる性格で、翔悟や杏子を茶化したりして楽しむことも。&br;旅館の手伝いは当然のこと、大抵のことはそつなくこなす器量よし。&br;猫の神使が憑いたことで異次元にあるものも含めた「ものを見る」ことが出来る能力を得る。&br;なお、彼女に憑いた神使は「ミサキ猫」との混同を避けるためか、「聖猫(ひじりねこ)」と呼ばれる。 :&size(15){''狐塚 沙菜(こづか さな)''}|本作のヒロインの1人で、翔悟達の先輩。&br;物静かで積極的に話したりはしないが、見た目のクールで近寄りがたい雰囲気に対して、こちらから話しかけると柔らかで優しく話に乗ってくれる。&br;お茶漬けが好物らしく、お茶漬けが絡むと一転して物凄く熱く語ることもあり、最近のお気に入りは商店街の甘味処にある「''小倉抹茶茶漬''」らしい。&br;オカルトじみたことに詳しいが、自分からは積極的に口にはしない。&br;それ故にオカルト研究会の副会長から現在空席の会長になって欲しいと熱烈アピールをされているが、全く興味が無いようで聞き流している。 :&size(15){''宮乃 青梅(みやの おうめ)''}|本作のヒロインの1人で、翔悟達の先輩。&br;柔らかでおっとりとした性格で、杏子達にとっては近所の優しいお姉さん的な存在。&br;前述のような性格ながらも責任感は人一倍強く、行動を起こす時は常に強い信念を持っている。&br;御崎神社の巫女さんでもあるため、杏子達に憑いた神使に関しても詳しいが、その反面、機械類は大の苦手。&br;希にではあるが、大胆なことを平然と言ってのけることがあり、翔悟達を戸惑わせることも。 #endregion ***サブキャラクター #region(クリックで参照) :&size(15){''小巻 香奈恵(こまき かなえ)''}|オカルト研究会(通称:オカ研)の副会長だが、現在会長職が空席なために実質の会長を務める、翔悟達のクラスメイト。&br;副会長を務めるだけあって割としっかりしているが、意外と押しに弱い面も。&br;オカルトが大好きで常に調べ回っており、その手の知識には詳しいが、沙菜の持つその知識に惚れ込んでおり、オカ研に入って会長になって欲しいとアタックしているが、上手く行った例しがなく、これからも上手く行きそうにない。 :&size(15){''西小路 美代(にしこうじ みよ)''}|小柄で元気なオカ研の会員で、翔悟達から見て後輩。&br;オカ研に籍を置いてはいるが、可愛い服や女の子の方に興味津々。&br;オカ研では写真撮影を担当しているが、とにかく先輩である香奈恵を撮りたいと思っている。&br;そのため、日頃からあの手この手で香奈恵を振り回してはそれに翻弄される姿を写真に収めようと奮闘している。 :&size(15){''汐崎 瑞葉(しおさき みずは)''}|聖の母親であり、翔悟にとっては叔母にあたる瑞葉荘の名物女将。&br;一児の母親とは思えないほどに若々しい見た目と物凄いノリの良さも相まってどことなく子供っぽさを感じさせる。&br;ただし、年齢に関わる話を振るのはかなり危険な行為であり、例えば、「若くて綺麗ですね」と褒めても「若くて」を付けたことを怒られる。 #endregion ---- **評価点 ''とにかくイチャイチャしまくり、そしてエロい'' -一応全体的なストーリーがあるが、共通ルートはともかくとして、個別ルートに入るともはやストーリーなど知ったことかと言わんばかりにイチャイチャしまくる。 --ルートによってはそれこそ口から砂糖を吐きたくなるほどだったりするので、そういったものが好きな人からの評価は高い。 --ここ最近のういんどみる作品に比べて18禁シーンの量も尺もかなり豊富で、そちら目的でも評価が高い。 ---特に言われるのが聖ルートと青梅ルートの2つ。 -神使が憑いた時には獣耳が生えたりするので、そちら方面が好きなユーザーもそれなりに楽しめるものになっている。 ''ヴォーカル曲・BGM'' -本作のヴォーカル曲はういんどみる系列作品ではおなじみの「''Elements Garden''」が、非ヴォーカル曲は「''Ecnemuse''」が作曲を担当しており、これまでの実績に違わぬ質の高い曲が用意されている。 --曲だけではなく、OP曲「神がかりクロスハート!」を歌うNANA氏、ED曲「風とキミの足跡」を歌う新田恵海氏も高く評価されている。 ''グラフィック'' -コンセプトがコンセプトだけにかなり力が入っている。 --複数原画の作品の場合、キャラごとの落差が激しかったりすると違和感が強烈な場合があるが、本作の場合は塗りのおかげか、異なる原画担当のキャラクターが並んでも違和感はやや少ない。 ---また、台詞や状況に合わせてキャラが動きを見せる所も相変わらずの長所である。 ---- **問題点 ''一部のキャラクターが与える異常な不快感'' -この手の意見が出る時によく名が挙がるのがオカ研の2人とヒロインのこねこ。 -小巻はあるヒロインが命を落としていたかも知れない危険な目に遭い、それによって翔悟達が不安がっているにもかかわらず、その出来事がオカルト絡みというだけで空気を読まずに大喜びし、更にその危険な現象に翔悟達を再び巻き込もうとする。当然「危険すぎる」と翔悟達は反発するのだが、それに対して子供のように駄々をこねるわ癇癪を起こすなど…徹頭徹尾主人公達と''ユーザー''の反感を買う行動ばかり。 --更には神使の件を知った時に証拠となり得る写真を西小路が盗撮(この時は尾行などはしておらず、撮影自体は偶然の賜物。)できたので、それをオカ研の新聞に載せると''脅迫して''強引にオカ研に翔悟達を巻き込む((同好会レベルのオカ研とはいえ、写真込みでそんな記事を載せた新聞を学園内に出すのはかなり非常識な行動。翔悟達はまともな学園生活を送れなくなる可能性もある。ついでに問題行動としてオカ研も存続の危機に陥ることが推測できる(要は自爆する)。))。 ---それでいて、特に制裁や罰を受けることもなく、小巻達の都合の良いように話が進む点も不満やストレスを煽っている((ただし、前述の駄々をこねたり癇癪を起こしたという時点においては翔悟達も付き合いきれないと無視をしている。))。 ---主にネット上で「''マスゴミ''」という蔑称があるが、小巻のやっていることは完全にそのレベルであり、とにかくイライラさせられるという意見が非常に多い。 -西小路も大して面白くないネタを延々と引っ張ったりするので作品のテンポが明らかに悪くなり、先述の小巻の暴挙も止めるどころか乗っかったりしているため、まとめて「''ユーザーに喧嘩を売る為に作ったのか?''」と批判されている。 --小巻ほど直接的に不快感を与える訳ではなく、ちょくちょく小巻を弄り倒しているからか、一種の清涼剤として扱われることも極稀にだが見受けられる。 ---しかしながら''小巻を振り回してその姿を取りたがる''屑としか言い表せない行動を平然と行っている(オカ研に入っていることも、小巻の暴挙を煽っていることもその一環でしかなく、わざとやっている)。あくまでも''目的しか見ていない''天然な小巻よりも心根がかなり悪い。''真正の下衆''である。 -オカ研の2人は共通ルートが終わると目に見えて出番が減るのだが、あるヒロインのルートではそれなりに付きまとってくるため、既にイライラが溜まっている、それもそのヒロインのルートを特に楽しみにしていた者にとっては、もはや拷問の域になっている。 --姉妹ブランドで出した『''[[祝福のカンパネラ]]''』に登場する、サルサとリトスのトルティア姉妹と非常に立ち位置が似ており、恐らくはトルティア姉妹的なキャラクターとして用意したのであろうが、完全に滑ってしまっている。 ---比較しても小巻を「アホの子」として片付けるには無理なほどに言動が悪い方向に突き抜けている場面が多く、西小路もそれを悪化させることしかしないので、ストレスの発生源にしかなっていない。 -また、オカ研と並んで言われるこねこは概ねキャラクター紹介に書いた通りなのだが、その度合いがかなり極端なものとなっており、何かにつけて勝手な思い込みで一方的に突っかかってくるため、「''意味解らない理由でヒスを起こし続けているキチ○イなレズ女''」と評する者も多い。 --我慢して彼女のルートまで入れば見方が変わるとする意見もあるのだが、余りにも落差が激しすぎることと過去を忘れないユーザーも多いため、逆に共通・個別双方に対して批判を産んでいたりする。他のルートの大半においてもキチ〇イじみた行動を取るので、キャラの描写が下手と言わざるを得ない。 --また、彼女の迂闊な行動が、先の小巻達による神使に絡む脅迫の発端になっているため、「こねこのせいでオカ研が出しゃばるようになった」とする意見もあり、こねこ自体のストレスとオカ研が出しゃばる下地を作ったという相乗効果で更に叩かれている面もある。 -時折、「彼女たちが出て来るシーンをスキップすれば良い」という意見も出るが、一言二言口を挟んでくる不快キャラなどなら兎も角、こちらはそこそこストーリー自体に関わっているので無闇に飛ばすとストーリーの内容が歯抜け状態になり理解しにくくなる。 --加えて、並んで不快とする意見の多いこねこに関してはヒロインである上、元々登場人物もそれ程多くない作品故に出番も多いため、ほとんど中身がスッカラカンになってしまいかねない。 ---そもそもこのテの方法は一時的な精神的自衛にはなりうるかもしれないが「臭いものに蓋をしている」に過ぎず、そのキャラの影響を受けたシナリオから逃れた事にはならない為、根本からの解決策にはなりえないのである。 ''ストーリー'' -完全なネタバレになってしまうので伏せるが、本作のヒロインは5人と別にもう1人おり、5人のそれぞれのルートが結果としてエピローグルートと呼ばれる、いわゆる最終ルートに繋がる形を取っている。 --そのため、それぞれのルートで伏線を張ってそれをエピローグルートで回収する形なのだが、杏子・こねこ・聖の3人のルートはそれを適当に付けた感があるもので、とってつけた感の印象の方が強い。 ---酷いと、ぱっと見は伏線っぽいが、最後の最後まで回収されずに何の意図で挟んだのかが解らないものすらある。 --一方で青梅と沙菜のルートはエピローグルートに繋げることに振り回されてしまい、逆に萌えという意味では弱くなっているという指摘もある。 -また、そうして入れたエピローグルート自体もかなり無理矢理な所があり、ストーリーの展開の悪さも相まって「エピローグルート自体が蛇足」「5人のルートだけで終わらせておくべきだった」とする意見も多い。 --エピローグルートの別問題として、翔悟にも問題点が生じてしまった(後述)。 #region(エピローグルートの翔悟の問題。ネタバレ注意。) -これまでの翔悟は地味ではあるものの主人公として不足はなかったのだが、エピローグルートに入った途端に徹頭徹尾ヒロインの足を引っ張り続ける。~ これはエピローグルートのヒロインと敵対などして妨害をし続けるといった事ではなく、翔悟自身はヒロインのために必死に尽力するのだが、ヒロインの事情が深刻過ぎる、あるいは単純に力が及ばずに悉く裏目に出てしまうというもの。 --この影響でヒロインは事ある毎に一層苦しい思いをさせられてしまうのだが、ヒロインの方は「(結果は芳しくなかったとしても)自分のことを想ってやってくれたことが嬉しい」と文句の1つも言わずにその事態を受け入れる。 ---この文句も言わずに一途に翔悟を慕ってくれる様と、翔悟はおろか杏子といった他のヒロイン勢のために自分が犠牲になろうとも苦しみながら自分のすべき事をなそうとする様に、彼女たちの魅力を見出す前に主人公の分身としての罪悪感ややるせなさが先行してしまいがちな図になっているのが辛い、そのせいで感情移入出来ないとする意見がある。 ---また、このルートは完全に物語重視のせいで、全体的に萌え重視と目されているゲームなのに萌えられるシーンが少ないというのも痛い。中途半端な路線変更の弊害がモロに出てしまっている。 --エピローグルートのヒロインが上に書いたように一途で健気というキャラクターであり、それに最後の最後まで全く応えられないことが翔悟の不甲斐なさを余計に際立たせてしまった。主人公である以上、成功や見せ場で山場を飾ってほしかったものである。 #endregion ---- **賛否両論点 -神使達もオカ研達ほどではないものの、空気を読めていないことが多い。 --ただし、神使達は元々人ではないので見た目通りに犬や猫っぽい思考だったり、あくまでも独自の目的のために動いていることが理由。~ 終盤になるまではやや不気味な様子さえ窺えるが、設定を考えるとこれが自然である。~ また、全員が画一的に空気を読めない訳ではなく、意外と配慮は出来そうだが目的のためにあえて空気を読まない、配慮もしようとするが空気を読めない、自然に人を思いやれている…の様に個性が分かれている。 ---- **総評 結論として「''「萌え」と「えっち」の両立''」という方向性で言えば十分に果たせている作品である。~ しかし、中途半端にストーリー性を強めてしまったことで、ただイチャラブを楽しむ作品と割り切りにくくなり、~ ストーリーの完成度も個々のシナリオはともかくとしても、エピローグルートまでをひっくるめると高評価とは言い難いものとなっている。~ 特にオカ研などのストレスにしかならない要素が悪目立ちしていることから、~ 「''ういんどみるの「初心(原点)」はプレイヤーにストレスを溜めさせる(イライラさせる)ことか''」と揶揄する者もいる。 個別ルートのいちゃつきぶりなどから、オカ研とこねこの極端な態度を除けば、良好なイチャラブゲー・萌えゲーと評する意見も少なくない。~ 緻密なストーリーや良識と個性を両立したキャラなどを期待してしまうと、完全にハズレになる危険性も孕んでいる作品であると言えるものの、~ ブランドの傾向や宣伝もストーリー面を前面には押し出してはいなかったこともあるので、ストーリー性を期待してガッカリという例は多くないと思われる。 ---- ---- **余談 ''宣伝面の問題'' -本作のシナリオは概要で書いた3氏が表向きには担当していることになっている。 --しかし、実際にはその3氏と別に望月JET、やすべえ、マサキ・ジーノの3氏が関わっていたことがエンディングのスタッフロールの中で初めて明らかになる。 ---質を保っていたならば別に問題なかったのだが、共通ルートのオカ研絡みの不快感やテンポの悪さなどが目立ち、『''[[色に出でにけり わが恋は]]''』で生じ、その後の『''[[Hyper→Highspeed→Genius (ハイパー・ハイスピード・ジーニアス)>Hyper→Highspeed→Genius]]''』で多少は払拭されたういんどみるへの不信感を再燃させる者も少なくない。 -「『原点回帰』を謳うならむしろこ~ちゃを使うべきじゃないのか」とする意見もあったりする。 --とはいえ、こ~ちゃ氏は姉妹ブランドの次作品『''[[ウィッチズガーデン]]''』の原画・キャラクターデザインを担当しているため、時期的に難しかったと思われる。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: