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探偵 神宮寺三郎 新宿中央公園殺人事件」(2023/12/01 (金) 23:14:34) の最新版変更点

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「[[判定不一致修正依頼]]」にて判定と記事内容の不一致が指摘されています。対応できる方はご協力をお願いします。~ 依頼内容はバカゲー要素の補強あるいは修正です。 *探偵 神宮寺三郎 新宿中央公園殺人事件 【たんてい じんぐうじさぶろう しんじゅくちゅうおうこうえんさつじんじけん】 |ジャンル|推理アドベンチャー|&amazon(B00AFS0F98)| |対応機種|ファミリーコンピュータ ディスクシステム|~| |発売元|データイースト&br;【VC】アークシステムワークス|~| |開発元|酒田SAS、データイースト|~| |発売日&br()()は書換開始日|1987年4月24日(1987年6月24日)|~| |定価|3,300円(書き換え:500円)|~| |配信|【Wii】バーチャルコンソール:2008年2月19日/500Wiiポイント|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)((※バーチャルコンソールで付与されたレーティングを記載))|~| |判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~| |ポイント|杜撰な犯人|~| |>|>|CENTER:''[[探偵 神宮寺三郎シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ハードボイルドな世界観が魅力の『探偵 神宮寺三郎』シリーズ第1作。~ 『ポートピア連続殺人事件』に代表されるコマンド選択式のアドベンチャーゲームであり、シリーズ1作目ということもあってか、実験的要素が強い。 **ストーリー 新宿中央公園でホステス・高田桃子の絞殺死体が発見される。私立探偵の神宮寺三郎は友人の熊野刑事から犯人探しを依頼される。 捜査を進めていく中で桃子が勤めていたバーのマスター、常連客の資産家、暴力団の組長など容疑者が次々と浮かび上がる。 **特徴 -基本はコマンド選択式のADV --「タバコすう」「おどす」などの独特なコマンドがある。推理をひらめくための「タバコすう」は、後に本シリーズを象徴するコマンドへと発展していく。 -「ナマエトウロク」でプレイヤー名を登録すると、捜査段階が自動でセーブされる。 --ゲームオーバー時に「ソウササイカイ」を選択するとゲームオーバーの直前から再開できる。 --別プレイヤー名を登録すると新規データで上書きされてしまうので、セーブ枠は一つ。 -時間の概念が存在し、特定のコマンドを実行するたびに時間または1日が経過する。 --定められた期日までに事件を解決できないとバッドエンド→ゲームオーバーとなる。また、曜日に注意して進めないと詰んでしまうことがある。 --捜査の中断時には「そうさやめる」を選択する事で捜査状況を保存できるが、中断時と再開時には1日経過してしまう。その為、特定の曜日の捜査が必要な上に捜査期間の長くない本作では結構致命的。 -事件現場の新宿中央公園は『[[ドラクエ>ドラゴンクエスト]]』のようなフィールドマップで表現されている。移動の際は二頭身のキャラになる、マップ上に人がいて会話ができるといった点もドラクエっぽい。 ---- **評価点 -作品全体に漂うハードボイルドな雰囲気とアダルトな渋さ。 --主人公がヘビースモーカーの大人の男性であり、わざわざ煙草を吸うコマンドまで存在する。周りの登場人物も助手に大人の女性、太った壮年の警察官、大物やくざと、大人向けのテイストで渋くまとめられている。~ このアダルトテイストな作風に人気が集まったことでシリーズ化され、後のシリーズの路線として貫かれていく。 --BGMも作風にあった良質なもの。 **賛否両論点 -全体的に捜査難易度は高め。 --下記、バカゲー要素にある通り、間違った選択肢を選ぶと即ゲームオーバーになる箇所がある。 --新宿公園内の捜査もコマンド式でないためにしらみつぶしに捜査が必要。 --日にちによって違う人がいるという時間経過の概念も、捜査難航の原因ではあるが、捜査感を出すことには成功している。 **問題点 -理不尽ともいえる一部の捜査難易度。 --まず''捜査に大事な公園内の派出所が見つからない''。 ---公園内の人に派出所は北西にあると言われるのだが、''北西にある建物が派出所ではない''。近くにいる男性に話しかけても、事件の事は何も知らないとしか返ってこない。ではどこにあるかというと…… #region(ネタバレにつき隠し) -北西の端の特に何もない場所で「あたりをみまわす」を実行することで発見できる。~ せめて1マス分の建物グラフィックでも用意できなかったのだろうか。 それともDECO製だし''わざとだろうか''。~ どちらにしろ、当時派出所が見つからずに詰んだプレイヤーも多かった。 #endregion ---ちなみに『[[探偵 神宮寺三郎DS 伏せられた真実>探偵 神宮寺三郎DS きえないこころ#id_ffc630cf]]』のおまけ"神宮寺の住む町" 内で御苑洋子が「新宿中央公園の派出所の位置はオリジナルの『新宿中央公園殺人事件』でご確認下さい」とネタにしている。 ---加えて、派出所を見つけられても、捜査に必要な警官が特定の曜日にしかいない為、派出所を見つけたのに特に捜査は進展しないという事態にも陥りやすい。曜日でいる人が変わるというのがここにしかない要素の上、「第一発見者の警官はこの曜日にいる」というような情報も得られない。この点を除けば曜日(日付)を進めるのはゲームオーバーを近づける要素でしかない為、出来るだけ日は進めないようにプレイする形になりやすく、気軽に試せる要素でもない。 --派出所の場所ばかりネタにされやすいが、上記の警官に話を聞いた後、同じく公園内で目印のない場所を調べないとゲームが進行しない要素があり、そちらも詰みやすいポイント。 -単調で作業感が強い --捜査に関係ないセリフに遊び心を仕込んで楽しませるといった遊びの要素がなく、事件に関係ない人に色々尋ねてもそっけない返事が返ってくるばかりで味気ないため作業感が強く感じられやすく、ゲームとしては非常に飽きやすい。 **バカゲー要素 -本作がバカゲーと言われる最大の原因は''事件の真相''である。 #region(事件の真相(ネタバレ注意)) -事件を捜査していくと「死体発見現場は土の上で、雨が降った後なのに犯人の足跡がない」という謎が提示されるのだが、その真相は「近くのホテルで桃子を殺害したあと、''ホテルの屋上からハンググライダーで飛んで中央公園に遺体を捨てる''」というもの。 --ハンググライダーをホテルの屋上に運ぶだけでもどうやっても目立つし、飛んだ時や着陸後の撤収時にもどうやっても目立つ。~ いざ飛ぶ際にも死体を抱えてハンググライダーに乗ったまま公園の狙った場所に落とすだけでトンデモな話だが、そもそも都会のビル群で電線等にも引っかからずに飛ぶだけでも凄いとしか言いようがない。そして何より''わざわざこんな事をする意味が分からない''というのが一番のツッコミ所。 ---このトリックで得られる物は「どうやってこの状況を作ったか分からない」という謎の状況だけであり、犯人のアリバイ確保等には全く役立っていない。(現場近くのホテルに泊まっていた為、どの道犯行現場にはすぐ行けた)しかも、派出所の警官に共犯者(犯人は2人いる)の車を見られていたり、真犯人と共犯者の間に関わりがあることを知られる証拠を残していたりと犯人たちの行動もきわめて杜撰である。~ こんな体たらくにもかかわらず真犯人の最後の台詞は''「やっぱり完全犯罪なんてできないものですね…」''。杜撰極まりないトリックで完全犯罪を遂行したつもりとは、失笑物である。 -殺害理由もかなりツッコミどころがある。 --実行犯の男の方は「被害者である恋人に別れ話を持ち掛けられただけ」で殺害を考えている。被害者への執着心から自暴自棄になったとか、衝動的に殺人を犯してしまうような危険な性格であったとか、そのような描写や伏線もない。 --共犯の女性の方は「5億の資産を持つ事務所の社長に隠し子(被害者)がいる事が分かり、加えて資産についても知られていないので社長が病死し、遺産の受け継ぎ先も死ねば秘書の自分がその遺産を横取り出来る」という狙いで被害者殺害を企み男と共謀した。 ---しかしその病死した社長が資産家という事は一般人への捜査で普通に情報が出てくるくらいには知れ渡っているし、そもそもいくら事務所の全てを一人で管理しているとはいえ、血縁関係もなく遺書もないのに秘書が遺産を横取り出来るはずもない。秘書が横領していたという情報も捜査上知る事が出来るが、逆に言えば横領していた事が少し捜査するだけで出てくる程にはやり方が杜撰という事であり、もし遺産の横領が上手くいったとしても早晩バレただろう。 --どちらの犯人も考えが浅すぎて、わざわざこんな面倒なトリックを仕掛けてまで殺人を犯す程の動機としては納得しづらい。 #endregion -他にもゲーム進行上ツッコミどころは多い --理不尽なゲームオーバー箇所はシリアスな雰囲気にそぐわない破天荒な内容になっている。 ---探偵ものの常として誰にでも事件当夜のアリバイを聞く事が出来るのだが、依頼者の熊野刑事にアリバイを聞くと怒って依頼を取り下げてしまいゲームオーバーになってしまう。 ---事件の延長線上に神宮寺と交流のあるヤクザが上がってくるのだが、ヤクザの事務所を訪れた際に入口の組員に挨拶せずに中に入ろうとするとボコボコにされてこちらもゲームオーバー。引き留めるくらいならともかく、組長と交流のある人物を問答無用でボコボコにするのはそれこそ組員の教育はどうなっているのかという話だが…。 --犯行当日に事件に関する物を目撃した警官も警官として如何なものかという杜撰な対応か記憶をしている。 ---犯人の一人が駐車禁止エリアに車を止めており、不審車として車種とナンバーを覚えているくらいにはこの警官の記憶に残っているのだが、最初に聞いた段階では「そういえば公園の南西に白い車が止まっていた」くらいしか教えてくれず、駐車禁止エリアという事を確認してから問い詰めるとやっと車種やナンバーを思い出す始末。殺人事件当夜の事でそこまではっきり覚えているのを忘れていたり、報告書等にも記載がない(熊野刑事に情報が伝わっていない)のは流石に警察官としてどうなのか。 --事件の関係者が泊まっていたホテルでルームサービスに対応したサービス係の中野というホテルマンがいるのだが、フラグを立てるまでは何を聞いても「…………」としか返ってこない。 ---事件の容疑者として扱われているわけでもないのに殺人事件の捜査に対してその態度はどうかというのもそうだが、接客が大事なホテルマンとしてもありえない。しかもフラグを立てると普通に会話してくれる上、こうして黙っていたのに特に理由があるわけでもない。 //↑2つはツッコミどころではあるがバカ要素ではないでしょう。 //シリアス寄りの探偵ものとして作ってる中でこういうツッコミどころがあるのはバカゲー要素になるかと ---- **総評 即死ゲームオーバー、後半の詰みパターンなど往年のアドベンチャーゲームらしい難しさはあるが、グラフィック(新宿中央公園を除く)やBGMの渋い雰囲気は秀逸で、後のシリーズに連なる要素はほぼ本作で確立されており、ハードボイルドな世界観を楽しみながらゲームを進められる。~ それだけに、最後の最後で''「ハードボイルドな世界観であるにもかかわらず真相が間抜け」''というおバカ要素が際立ってしまった。~ 締めでやらかさなければ、独特の雰囲気と意欲的なアイデアを併せ持った「シリーズ初代作にして異色作」あたりで落ち着いていたことだろう。 とはいえ、本作が名作シリーズの初代作として十分な魅力を持ちえている事は、シリーズ化される程の人気を集めた事が証明していると言えよう。 ---- **その後の展開 -本作はディスクで発売されたが、第2作『[[横浜港連続殺人事件>探偵 神宮寺三郎 横浜港連続殺人事件]]』([[参考>https://www.nintendo.co.jp/wii/vc/vc_jyr/index.html]])はカセットで発売された。その後はメディアがディスクとカセットを往復したり、数年の空白があったり、開発会社が変わったりといった紆余曲折がありつつも、着々とタイトル数を伸ばす長寿シリーズとなった。シリーズ累計販売本数は2007年5月時点で222万本(エンターブレイン調べ)。 -2000年代初頭までは据置型機種で新作が展開された。その後、2000年代中期から2010年代中期あたりまでの十数年間は新作は携帯機での展開が中心だった。また、携帯アプリ版の配信やその逆輸入なども見られる。 --2010年代末期からは再び据置型機種で新作が展開されている。 -後に携帯アプリでリメイクされ、『[[いにしえの記憶>探偵 神宮寺三郎DS いにしえの記憶]]』(DS)にも移植されたが、シナリオと真犯人は大きく変更され、物語はまったくの別物になった。まあ、そりゃそうだ。 ---- **余談 -本作の登場人物の名前は新宿周辺の地名や商店・建物の名前に由来している。後の作品でも登場人物の名前が舞台となる地名に由来していることがある。 -人気ゲーム番組『ゲームセンターCX』でも挑戦したことがある。 --パッケージの寺田克也のイラストと、始まった瞬間のドラクエのようなマップ画面の二等身の神宮寺とのギャップに戸惑うなど、課長が初見プレイヤーの代弁を行うシーンが見られた。 -本作のパッケージイラストには、パンティ一枚で横たわる女性の姿が描かれている。中々アダルトチックだが、本編にはそのような要素はない。 --実は被害者である高田桃子の発見時をイメージしたものだが、さすがにゲーム内での説明にある発見状況の全裸ではマズいため下着を着用している。 -説明書には神宮寺が捜査に出かけるまでのプロローグがイラスト付きで掲載されているが、拳銃を持っているイラストで締められている。 --アメリカ時代に携帯許可は持っているが、当然この作品は日本が舞台で神宮寺はただの探偵なので本当に拳銃を所持していれば銃刀法違反となるのは言うまでもない。 --これは発売当時(1980年代)のテレビドラマ等で、探偵もの自体が刑事もの・アクションものとほぼ同ジャンル扱いだった時代背景が大きいだろう。「馴染みの刑事は武器のことを知っているが黙認」というパターンも多かった。 -タイトル画面のロゴには血が飛び散っているようなグラフィックがあるが、本作の被害者は血の飛び散るような殺され方をしていない。
「[[判定不一致修正依頼]]」にて判定と記事内容の不一致が指摘されています。対応できる方はご協力をお願いします。~ 依頼内容はバカゲー要素の補強あるいは修正です。 *探偵 神宮寺三郎 新宿中央公園殺人事件 【たんてい じんぐうじさぶろう しんじゅくちゅうおうこうえんさつじんじけん】 |ジャンル|推理アドベンチャー|&amazon(B00AFS0F98)| |対応機種|ファミリーコンピュータ ディスクシステム|~| |発売元|データイースト&br;【VC】アークシステムワークス|~| |開発元|酒田SAS、データイースト|~| |発売日&br()()は書換開始日|1987年4月24日(1987年6月24日)|~| |定価|3,300円(書き換え:500円)|~| |配信|【Wii】バーチャルコンソール:2008年2月19日/500Wiiポイント|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)((※バーチャルコンソールで付与されたレーティングを記載))|~| |判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~| |ポイント|杜撰な犯人|~| |>|>|CENTER:''[[探偵 神宮寺三郎シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ハードボイルドな世界観が魅力の『探偵 神宮寺三郎』シリーズ第1作。~ 『ポートピア連続殺人事件』に代表されるコマンド選択式のアドベンチャーゲームであり、シリーズ1作目ということもあってか、実験的要素が強い。 **ストーリー 新宿中央公園でホステス・高田桃子の絞殺死体が発見される。私立探偵の神宮寺三郎は友人の熊野刑事から犯人探しを依頼される。 捜査を進めていく中で桃子が勤めていたバーのマスター、常連客の資産家、暴力団の組長など容疑者が次々と浮かび上がる。 **特徴 -基本はコマンド選択式のADV --「タバコすう」「おどす」などの独特なコマンドがある。推理をひらめくための「タバコすう」は、後に本シリーズを象徴するコマンドへと発展していく。 -「ナマエトウロク」でプレイヤー名を登録すると、捜査段階が自動でセーブされる。 --ゲームオーバー時に「ソウササイカイ」を選択するとゲームオーバーの直前から再開できる。 --別プレイヤー名を登録すると新規データで上書きされてしまうので、セーブ枠は一つ。 -時間の概念が存在し、特定のコマンドを実行するたびに時間または1日が経過する。 --定められた期日までに事件を解決できないとバッドエンド→ゲームオーバーとなる。また、曜日に注意して進めないと詰んでしまうことがある。 --捜査の中断時には「そうさやめる」を選択する事で捜査状況を保存できるが、中断時と再開時には1日経過してしまう。その為、特定の曜日の捜査が必要な上に捜査期間の長くない本作では結構致命的。 -事件現場の新宿中央公園は『[[ドラクエ>ドラゴンクエスト]]』のようなフィールドマップで表現されている。移動の際は二頭身のキャラになる、マップ上に人がいて会話ができるといった点もドラクエっぽい。 ---- **評価点 -作品全体に漂うハードボイルドな雰囲気とアダルトな渋さ。 --主人公がヘビースモーカーの大人の男性であり、わざわざ煙草を吸うコマンドまで存在する。周りの登場人物も助手に大人の女性、太った壮年の警察官、大物やくざと、大人向けのテイストで渋くまとめられている。~ このアダルトテイストな作風に人気が集まったことでシリーズ化され、後のシリーズの路線として貫かれていく。 --BGMも作風にあった良質なもの。 **賛否両論点 -全体的に捜査難易度は高め。 --下記、バカゲー要素にある通り、間違った選択肢を選ぶと即ゲームオーバーになる箇所がある。 --新宿公園内の捜査もコマンド式でないためにしらみつぶしに捜査が必要。 --日にちによって違う人がいるという時間経過の概念も、捜査難航の原因ではあるが、捜査感を出すことには成功している。 **問題点 -理不尽ともいえる一部の捜査難易度。 --まず''捜査に大事な公園内の派出所が見つからない''。 ---公園内の人に派出所は北西にあると言われるのだが、''北西にある建物が派出所ではない''。近くにいる男性に話しかけても、事件の事は何も知らないとしか返ってこない。ではどこにあるかというと…… #region(ネタバレにつき隠し) -北西の端の特に何もない場所で「あたりをみまわす」を実行することで発見できる。~ せめて1マス分の建物グラフィックでも用意できなかったのだろうか。 それともDECO製だし''わざとだろうか''。~ どちらにしろ、当時派出所が見つからずに詰んだプレイヤーも多かった。 #endregion ---ちなみに『[[探偵 神宮寺三郎DS 伏せられた真実>探偵 神宮寺三郎DS きえないこころ#id_ffc630cf]]』のおまけ"神宮寺の住む町" 内で御苑洋子が「新宿中央公園の派出所の位置はオリジナルの『新宿中央公園殺人事件』でご確認下さい」とネタにしている。 ---加えて、派出所を見つけられても、捜査に必要な警官が特定の曜日にしかいない為、派出所を見つけたのに特に捜査は進展しないという事態にも陥りやすい。曜日でいる人が変わるというのがここにしかない要素の上、「第一発見者の警官はこの曜日にいる」というような情報も得られない。この点を除けば曜日(日付)を進めるのはゲームオーバーを近づける要素でしかない為、出来るだけ日は進めないようにプレイする形になりやすく、気軽に試せる要素でもない。 --派出所の場所ばかりネタにされやすいが、上記の警官に話を聞いた後、同じく公園内で目印のない場所を調べないとゲームが進行しない要素があり、そちらも詰みやすいポイント。 -単調で作業感が強い --捜査に関係ないセリフに遊び心を仕込んで楽しませるといった遊びの要素がなく、事件に関係ない人に色々尋ねてもそっけない返事が返ってくるばかりで味気ないため作業感が強く感じられやすく、ゲームとしては非常に飽きやすい。 **バカゲー要素 -本作がバカゲーと言われる最大の原因は''事件の真相''である。 #region(事件の真相(ネタバレ注意)) -事件を捜査していくと「死体発見現場は土の上で、雨が降った後なのに犯人の足跡がない」という謎が提示されるのだが、その真相は「近くのホテルで桃子を殺害したあと、''ホテルの屋上からハンググライダーで飛んで中央公園に遺体を捨てる''」というもの。 --ハンググライダーをホテルの屋上に運ぶだけでもどうやっても目立つし、飛んだ時や着陸後の撤収時にもどうやっても目立つ。~ いざ飛ぶ際にも死体を抱えてハンググライダーに乗ったまま公園の狙った場所に落とすだけでトンデモな話だが、そもそも都会のビル群で電線等にも引っかからずに飛ぶだけでも凄いとしか言いようがない。そして何より''わざわざこんな事をする意味が分からない''というのが一番のツッコミ所。 ---このトリックで得られる物は「どうやってこの状況を作ったか分からない」という謎の状況だけであり、犯人のアリバイ確保等には全く役立っていない。(現場近くのホテルに泊まっていた為、どの道犯行現場にはすぐ行けた)しかも、派出所の警官に共犯者(犯人は2人いる)の車を見られていたり、真犯人と共犯者の間に関わりがあることを知られる証拠を残していたりと犯人たちの行動もきわめて杜撰である。~ こんな体たらくにもかかわらず真犯人の最後の台詞は''「やっぱり完全犯罪なんてできないものですね…」''。杜撰極まりないトリックで完全犯罪を遂行したつもりとは、失笑物である。 -殺害理由もかなりツッコミどころがある。 --実行犯の男の方は「被害者である恋人に別れ話を持ち掛けられただけ」で殺害を考えている。被害者への執着心から自暴自棄になったとか、衝動的に殺人を犯してしまうような危険な性格であったとか、そのような描写や伏線もない。 --共犯の女性の方は「5億の資産を持つ事務所の社長に隠し子(被害者)がいる事が分かり、加えて資産についても知られていないので社長が病死し、遺産の受け継ぎ先も死ねば秘書の自分がその遺産を横取り出来る」という狙いで被害者殺害を企み男と共謀した。 ---しかしその病死した社長が資産家という事は一般人への捜査で普通に情報が出てくるくらいには知れ渡っているし、そもそもいくら事務所の全てを一人で管理しているとはいえ、血縁関係もなく遺書もないのに秘書が遺産を横取り出来るはずもない。秘書が横領していたという情報も捜査上知る事が出来るが、逆に言えば横領していた事が少し捜査するだけで出てくる程にはやり方が杜撰という事であり、もし遺産の横領が上手くいったとしても早晩バレただろう。 --どちらの犯人も考えが浅すぎて、わざわざこんな面倒なトリックを仕掛けてまで殺人を犯す程の動機としては納得しづらい。 #endregion -他にもゲーム進行上ツッコミどころは多い --理不尽なゲームオーバー箇所はシリアスな雰囲気にそぐわない破天荒な内容になっている。 ---探偵ものの常として誰にでも事件当夜のアリバイを聞く事が出来るのだが、依頼者の熊野刑事にアリバイを聞くと怒って依頼を取り下げてしまいゲームオーバーになってしまう。 ---事件の延長線上に神宮寺と交流のあるヤクザが上がってくるのだが、ヤクザの事務所を訪れた際に入口の組員に挨拶せずに中に入ろうとするとボコボコにされてこちらもゲームオーバー。引き留めるくらいならともかく、組長と交流のある人物を問答無用でボコボコにするのはそれこそ組員の教育はどうなっているのかという話だが…。 --犯行当日に事件に関する物を目撃した警官も警官として如何なものかという杜撰な対応か記憶をしている。 ---犯人の一人が駐車禁止エリアに車を止めており、不審車として車種とナンバーを覚えているくらいにはこの警官の記憶に残っているのだが、最初に聞いた段階では「そういえば公園の南西に白い車が止まっていた」くらいしか教えてくれず、駐車禁止エリアという事を確認してから問い詰めるとやっと車種やナンバーを思い出す始末。殺人事件当夜の事でそこまではっきり覚えているのを忘れていたり、報告書等にも記載がない(熊野刑事に情報が伝わっていない)のは流石に警察官としてどうなのか。 --事件の関係者が泊まっていたホテルでルームサービスに対応したサービス係の中野というホテルマンがいるのだが、フラグを立てるまでは何を聞いても「…………」としか返ってこない。 ---事件の容疑者として扱われているわけでもないのに殺人事件の捜査に対してその態度はどうかというのもそうだが、接客が大事なホテルマンとしてもありえない。しかもフラグを立てると普通に会話してくれる上、こうして黙っていたのに特に理由があるわけでもない。 //↑2つはツッコミどころではあるがバカ要素ではないでしょう。 //シリアス寄りの探偵ものとして作ってる中でこういうツッコミどころがあるのはバカゲー要素になるかと ---- **総評 即死ゲームオーバー、後半の詰みパターンなど往年のアドベンチャーゲームらしい難しさはあるが、グラフィック(新宿中央公園を除く)やBGMの渋い雰囲気は秀逸で、後のシリーズに連なる要素はほぼ本作で確立されており、ハードボイルドな世界観を楽しみながらゲームを進められる。~ それだけに、最後の最後で''「ハードボイルドな世界観であるにもかかわらず真相が間抜け」''というおバカ要素が際立ってしまった。~ 締めでやらかさなければ、独特の雰囲気と意欲的なアイデアを併せ持った「シリーズ初代作にして異色作」あたりで落ち着いていたことだろう。 とはいえ、本作が名作シリーズの初代作として十分な魅力を持ちえている事は、シリーズ化される程の人気を集めた事が証明していると言えよう。 ---- **その後の展開 -本作はディスクで発売されたが、第2作『[[横浜港連続殺人事件>探偵 神宮寺三郎 横浜港連続殺人事件]]』([[参考>https://www.nintendo.co.jp/wii/vc/vc_jyr/index.html]])はカセットで発売された。その後はメディアがディスクとカセットを往復したり、数年の空白があったり、開発会社が変わったりといった紆余曲折がありつつも、着々とタイトル数を伸ばす長寿シリーズとなった。シリーズ累計販売本数は2007年5月時点で222万本(エンターブレイン調べ)。 -2000年代初頭までは据置型機種で新作が展開された。その後、2000年代中期から2010年代中期あたりまでの十数年間は新作は携帯機での展開が中心だった。また、携帯アプリ版の配信やその逆輸入なども見られる。 --2010年代末期からは再び据置型機種で新作が展開されている。 -後に携帯アプリでリメイクされ、『[[いにしえの記憶>探偵 神宮寺三郎DS いにしえの記憶]]』(DS)にも移植されたが、シナリオと真犯人は大きく変更され、物語はまったくの別物になった。まあ、そりゃそうだ。 ---- **余談 -本作の登場人物の名前は新宿周辺の地名や商店・建物の名前に由来している。後の作品でも登場人物の名前が舞台となる地名に由来していることがある。 -人気ゲーム番組『ゲームセンターCX』でも挑戦したことがある。 --パッケージの寺田克也のイラストと、始まった瞬間のドラクエのようなマップ画面の二頭身の神宮寺とのギャップに戸惑うなど、課長が初見プレイヤーの代弁を行うシーンが見られた。 -本作のパッケージイラストには、パンティ一枚で横たわる女性の姿が描かれている。中々アダルトチックだが、本編にはそのような要素はない。 --実は被害者である高田桃子の発見時をイメージしたものだが、さすがにゲーム内での説明にある発見状況の全裸ではマズいため下着を着用している。 -説明書には神宮寺が捜査に出かけるまでのプロローグがイラスト付きで掲載されているが、拳銃を持っているイラストで締められている。 --アメリカ時代に携帯許可は持っているが、当然この作品は日本が舞台で神宮寺はただの探偵なので本当に拳銃を所持していれば銃刀法違反となるのは言うまでもない。 --これは発売当時(1980年代)のテレビドラマ等で、探偵もの自体が刑事もの・アクションものとほぼ同ジャンル扱いだった時代背景が大きいだろう。「馴染みの刑事は武器のことを知っているが黙認」というパターンも多かった。 -タイトル画面のロゴには血が飛び散っているようなグラフィックがあるが、本作の被害者は血の飛び散るような殺され方をしていない。

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