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#contents(fromhere) ---- *アフターバーナー 【あふたーばーなー】 |ジャンル|3Dシューティング|&image(https://encrypted-tbn1.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcTMvx7YhyqVYxx0SqvMPPTle8bbGxu3PksRGCL1aZuBmjzwdm4rAQ,height=160)| |対応機種|アーケード|~| |発売・開発元|セガ・エンタープライゼス|~| |稼働開始日|1987年7月|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|諸事情により未完成でのデビュー&br;アフターバーナー非搭載なアフターバーナー|~| |>|>|CENTER:''アフターバーナーシリーズ''&br;''I / II'' / III /[[クライマックス>AFTER BURNER CLIMAX]]| **概要 ジェット戦闘機のドッグファイトを題材にした擬似3Dシューティングゲームの''未完成版''。~ 鈴木裕陣頭指揮のもとで開発されたセガ体感ゲーム第6弾だが、初代『アフターバーナー(I)』はβ版の位置付けとなっている。 **開発経緯 -『[[スペースハリアー]]』開発時、戦闘機を題材にした体感ゲームの構想が鈴木氏の中にあった。 --当初は第二次大戦をテーマに企画を練っていたが、ちょうどその頃、映画『トップガン』が世界的なヒットを記録し日本でもブームが巻き起こっていた。 --この成功に便乗しない策はないと言わんばかりに方針は「近代戦闘機によるドッグファイトもの」に定まった。 -開発は順調だったようだが、会社側から「出荷を決算に合わせろ」という絶対命令が出されてしまい、止む無く細部が未完成のまま「修正版が完成次第、交換する」という条件つきで全国への出荷が決まった。 --リリースから3ヶ月後の10月、修正版『アフターバーナーII』が無事に完成。稼働中の『I』は片っ端から『II』にコンバージョンされ全国から姿を消した。 **ストーリー >西暦199X年…、世界はA国とZ国の2大勢力の下、既に慢性化した冷戦状態に置かれていた。~ 張りつめた糸を思わせる絶対的な緊張の中、A国海軍に所属する1人のパイロットに、ある極秘指令が下された。~ 指令の内容は「Z国の領空を強行突破し、秘密兵器の情報ディスクを軍の秘密研究所に届けよ。」~ 今、空母から1機の戦闘機が飛び立とうとしている。A国の、いや、世界の運命を賭けた孤独な任務が始まる…。~ **ルール -艦上戦闘機F-14XXを操作して、敵機を撃墜しつつステージを進行していく。一撃死の残機制。 -一定距離まで飛行するとステージクリア。アラームと同時に背景が変わり、淀みなく次のステージへと移行する。ボス敵のようなものはない。 **操作方法 戦闘機の操縦桿を模したアナログスティック+1ボタン1トリガー制。 -スティックを握ると人差し指部分にガントリガー、親指部分にミサイルボタンがある。 --機銃は自機前方のロックオンサイトに向かってまっすぐ発射される。 ---弾数無制限でガントリガーを引いてる間は無尽蔵に掃射される。 --ロックオンサイト内に敵機を捉えると「Fire!」の音声とともに約1秒間、敵機をコンテナが囲いロックオンをする。 ---その1秒内にミサイルボタンを押す事でミサイル発射、導かれるように敵機に向けて飛んでいく。 ---ミサイルは弾数制限があり、ゲーム中に各所で挿入される給油シーンで一定数補給される。最大50発までストック可能。 --アナログレバーを左右いずれかに入れ、素早く逆方向に切り返すと360°ローリングをする。無敵時間はない。 ---主な用途は前方から迫るミサイルの回避。 ---また後方から機銃掃射を仕掛けてくる追撃機や追尾ミサイルを回避する際にも有効で、振り切るような形で画面外へ追いやる事ができる。 **特徴・評価点 -画期的な2種類の視覚効果で『スペースハリアー』からビジュアル面での進歩を実感することができる。 --ミサイルが白煙を引いて軌跡を残す。華麗な白煙を引きながら画面内を飛び交う大量のミサイルは圧巻。 --機体を左右へ動かすだけで背景が大きく傾き、ローリングをすると派手に1回転する。 -自機の動きに連動する大型筐体。 --据置筐体の他に、前後左右に揺れる「ダブルクレイドル」と左右に揺れる「シングルクレイドル」という2タイプの専用大型筐体を採用。~ これに加えてスペースに余裕が無いロケーション用に、無可動の筐体も用意された。 --ローリング操作の際にはシートも大きく傾き、本作の一つの見せ場となっている。 -『スペースハリアー』同様、抜群のスピード感、軽快なBGM、美しいグラフィックはプレイヤーの心を捉えて離さない。 -ステージごとに激しくシーンが切り替わり、プレイヤーを世界観へ引き込んでくれる。 **『I』独自の特徴 -タイトル画面。3機のF-14がデルタ飛行で雲海の彼方へと消えてゆく、やがて敵機であるハリアー3機が「AFTER BURNER」の文字を引っさげて戻ってくる、という内容。 -デモ画面。直前のプレイでのステージ1のプレイヤーの動きが再現される。 -一部のBGMの曲調が異なる。またステージ中のBGM切り替えのタイミングや使用されるシーンが『II』と大きく異なる。 --「エンディング」と「ネームエントリー」は固有のBGMが存在せず、ステージ用BGMが流用されている。 -全19ステージ。ラストステージは自動操縦による着艦シーンのみの為、実質18ステージとなる。 --ステージ3、7、10、13、15、17開始時に空中給油機によるミサイル補充を受けられる。 --ステージ6と12にボーナスステージがある。ボーナスと言えどもミスすると残機を失ってしまう。鉄塔は破壊不可。 -速度調節ができず、『II』でいうところのマッハ2弱あたりの速度で固定されている。 --その為、ボーナスステージは素人ほど残機を複数奪われる”死のステージ”と化し、ただでさえ速い中盤以降の敵ミサイルが刹那に飛んでくる。 -ミサイルが胴体下より深々と沈みながら点火し、徐々に推進して目標に向かうという実物のF-14に近い工程を経て飛んでいく為、いくら先制攻撃しても後手に回される。 --飛び方と形状が映画のそれではなくF-14搭載の「AIM-54」に近い。おそらく実際の発射映像を元に作られたと思われる。 --その緩慢さと自機の速度問題もあり、殆どの敵機から反撃を受け、敵ヘリコプター相手にしか先手が取れない。 **賛否両論点 -メロディの無いBGM --本作のBGMは作曲段階で存在したシンセサイザーの音色が一部カットされている。これは不具合などではなく意図的なものであり、一つの楽曲としてよりもBGMとしての機能が考えられたものである。 --特にこの影響が大きいのが本作のメインテーマと言える4面到達時に流れ始めるBGM「After Burner」で、哀愁のあるメロディが奏でられるシンセパートがあるとないのとではまるで印象が異なり、一曲としての完成度が高いメロディ入りのBGMも非常に人気が高い。 ---サウンドトラックに収録されたのはメロディ有り版のみ((後にゲームで使われたものと同じメロディなし版を収録したサウンドトラックも発売された。))であり、「こっちをゲームにも流してほしかった」という意見も当時からあったようで、それに応えるように家庭用版ではメロディ有り版に切り替える機能があったり、またはPCエンジン版のように切り替え機能が無いにもかかわらずメロディ有り版が流れるという移植版も存在する。 **問題点 -当時の可動機構付き大型筐体を使っているが故に仕方がないが、プレイ料金が割高。 -画面エフェクトが全体的に派手になった代償として、画面の視認性が少々悪い所がある。 --慣れない内は何が起こっているのか理解しきれないうちにやられてしまうことが起こりがち。 -ローリングの使いどころが難しい。 --ローリング中は移動操作を受け付けず、途中でキャンセルできないのが理由。そのため、無闇に回りまくると逆にピンチを招いてしまう。後半ステージは不用意なローリングをするとほぼ死が確定する。 --左右いずれかへ移動中に逆方向へ素早くレバーを倒すというコマンドの関係上、不慣れなプレイヤーがミサイルを咄嗟に避けようとして暴発させてしまうケースが多い。 -地平線の描写が不完全で空母が宙に浮いていたり、着艦シーンで自機が空母に埋まるなど「未完成」と感じられる箇所が随所に見られる。 **総評(I) 「開発経緯」にあるように上層部の指示で強引に出荷された未完成版。既にダイナミックに流れる背景、白煙を引くミサイルの表現などは完成していたが、ゲーム性に関わる部分は調整が行き届いていないことがわかるレベルの出来であった。 &br ---- *アフターバーナーII 【あふたーばーなーつー】 |ジャンル|3Dシューティング|~| |対応機種|アーケード|~| |発売・開発元|セガ・エンタープライゼス|~| |稼働開始日|1987年10月|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''アフターバーナーシリーズ''&br;''I / II'' / III /[[クライマックス>AFTER BURNER CLIMAX]]| **概要(II) ジェット戦闘機の空中戦を題材としたセガの体感3DSTGの''完成版''。~ 初代『アフターバーナー(I)』も含めてセガ体感シリーズ第6弾。セガゲーム史を語る上で欠かす事のできない作品の一つ。~ 内部事情により未完成のまま出荷した『I』を三ヶ月後に改良、バランス修正してリリースしたのがこの『アフターバーナーII』である。~ 『I』はβ試作品あるいは最初からなかったものとされ、世間一般でも『アフターバーナー』は基本的に『II』の事を指す。 **『I』からの変更点(II) -タイトルアトラクトの変更。 --球体で描かれた『I』の文字を4機の敵戦闘機がミサイル攻撃、球体はバラバラに飛散するも徐々に元に戻ってゆく…が、そこには『II』の文字が。 ---これは商業的な事情で未完成品と知りながら出荷せねなければならなかった気持ちを『I』の破壊で表現したものである。 -デモ画面も一新し、操縦桿を握った手のアニメーションや「Lock on」の文字など視覚効果が加わる。 -スロットルレバーが追加され、速度を自在に調節できる。 --爆発的な推力を得る機能「''アフターバーナー''」も使用可能に。タイトルに違わぬ作品となった。 -ステージ構成の順序変更とステージ数の増加。全19ステージから全23ステージに。 --ただし『I』同様、ラストステージの23は自動での着艦シーンの為、ステージ22が実質的な最終面となっている。 -空中給油機とは別にステージ5と13で基地での補給シーンが追加され、全自動で滑走路への離着陸が行われる。 --基地での補給シーンは1ステージとしてカウントされる為、本作は厳密に言うと全20ステージ構成と言える。 --隠しメッセージ、裏技の追加、ゲストキャラも応援に駆けつけてくれる。 -ボーナスステージは8と17で行われる。速度を下げれば危険度も大幅に激減。『I』以上のスリルを求めるならアフターバーナー全開で挑む事もできる。 -敵機の配置とパターンが調整された。それに伴いローリング時の被撃墜率も低下。(使わないほうが安全なのは相変わらず) -他の体感ゲーム同様、飛行中は点数が入るようになった。 -ミサイルのストック数が倍増、最大100発に。また発射モーションが改善され、敵機の反撃を許さず即撃墜できるようになった。 -BGMが改良され、2~3ステージクリアごとに曲目が変化する。 --『I』ではステージBGMの流用だった「エンディング」と「ネームエントリー」の場面で新曲が割り当てられた。 **評価点(II) -『I』での好評な点はそのままに、より発展。 --スピード変化が可能になったおかで、戦い方も多彩に。 ---このため難易度が下がり、ゲームとしてはバランスがさらに良くなった。 ---アフターバーナー連続使用で強引に突き進むとステージがあっという間に終わるなど、速度に比例して難易度、総プレイ時間、興奮度も上下する。 ---もっともアフターバーナーを頻繁に使うとミスが起こりやすく、使いどころは限られるのだが。 --ミサイルの増加によるプレイしやすさ。 ---『I』ではミサイルが少ないため使い所を選ばなければならなかったが、『II』ではかなり自由に使え爽快感も増した。もちろん使い放題という訳ではないが。 -補給シーンも種類を増し、世界観がより豊かに。 -BGMの変化も、ゲームを盛り上げる。 **問題点(II) -ローリングの使いどころの難しさは『I』から改善されていない。 **総評(II) 『スペースハリアー』開発の頃に温めていた構想「戦闘機を使った体感STG」を見事に実現させた作品である。~ 臨場感あふれるゲームシステムに加え、その硬派な世界観は『スペースハリアー』以上に多くのプレイヤーを惹きつけた。 特に、ダブルクレイドルタイプの『アフターバーナーII』は、プレイヤーに「特別な経験」を味わわせてくれる。~ アフターバーナーが名作と呼ばれる所以は、ゲームの世界に引き込んでくれる数々の仕様なのだろう。 ---- **移植 数多くの機種に移植されているが、『I』の移植は意外に少なくほとんどが『II』の移植になっている。~ 以下、国内で発売された移植版を列挙する。 #region(一覧) -セガ・マークIII/マスターシステム版(1987年12月12日、セガ)アフターバーナー。 --初の4Mカートリッジでグラフィックはスペハリ式のBG書き換え式だがBGキャラ同士の重ねあわせをソフトウェアで処理しているというハード性能からするととんでもないグラフィック。しかし残念ながら肝心のゲームがゲームになっていない。 ---ちなみに重ね合わせる毎にキャラクターテーブルを消費するため、テーブルが枯渇すると豆腐が表示されるようになる。 --あまりの移植度の低さに雑誌「BEEP」誌上で「アウアーアーアー((このフレーズだけが独り歩きし、よく本作への蔑称として引用されているが、これはBEEP誌が雑誌をあげてのセガ押しだったために、セガのソフトへの批判的な文章は自粛気味な空気の中、弁護しようのない本作が出てしまったために、あえて名前をボカしてあるライターが引用したというのが正しい。バカにした言い方ではなく逆にタイトルをズバリあげないための自主規制だった。))」と揶揄されてしまった。 --レバーを斜めに入れている「だけ」で初期面は完全無敵という粗い作りが目立った。スコアなども常時表示できず画面が寂しい。 --本来ボスが無いゲームではあったが、MK3版はボスとして「グラントノフ」が追加されている。 --ミサイルの弾数制限が無くなったので、本来ミサイルを補給する給油シーンがボーナスゲームになっている。そのため給油がオートでなく自分でロックする方式になっており、失敗すると撃墜数で得られるボーナススコアが得られなくなる。 --FM音源によるBGMは、良くも悪くもFMサウンドユニットの限界がわかる出来であった。 -FM TOWNS版(1989年2月、CSK総合研究所)アフターバーナーII。 --ボーナスステージは両側に岩壁があり、かなり正確に操作しないとすぐミスしてしまう。通常のステージよりも難しいと思えるほど。ボーナスステージ開始時からできるだけ右側に寄せていくと岩壁部分を抜けるのが楽になる裏技があるが。 --三機失うとゲームオーバーだが、メニュー画面から無制限にコンティニューできる。コンティニュー要素に関しては数ステージ単位でセットになっていて、そのセットの初めのステージからになる。 --今作のようなFM TOWNS版に移植されたゲームはCD音源のため、移植によるゲームBGMのアレンジのクオリティの高さに定評がある。しかしアレンジしか収録されずオリジナルのBGMが楽しめない問題があったり、まれにゲームと噛み合わない方向性のアレンジで不評を買うこともあった。 ---BGM:AFTER BURNERはメロディライン入りバージョンのため一聴の価値あり。 --同時発色数が多くスプライト欠けのないハードのため、止絵だとすばらしいグラフィックに見えるが実際動いているところを見るとガクガク感がすごい。 ---特にデシタル式(十字キーニュートラルで機体と地平線がセンターに戻る方式)で操作した場合画面の傾きのガクガク感がやばいが、有志パッチで操作を疑似アナログ(メガドラ版のように方向キーニュートラルにしても地平線が傾いたままのタイプ)にすることで劇的に改善される。 -X68000版(1989年4月26日、電波新聞社/マイコンソフト)アフターバーナーII。 --アナログ操作重視のため、デジタル式のコントローラー及びキーボード単体では対応しておらず、基本はマウスとキーボードを併用する形になっている。 --シャープが本作のX68000版と同時発売した操縦桿型コントローラー「サイバースティック((当時の価格は23,800円(税別)と高価。後に電波新聞社も型番違いのOEMとして発売している))」に対応しており、これを使用することでAC版に近いスタイルでプレイできる。また、MD版「アフターバーナーII」と同時発売されたアナログジョイパッドである「XE-1AP」にも対応している。 --グラフィック面では地上物が簡略・省略されているところやミサイルの白煙がメッシュ状になっていたりと劣化要素と見られかねない部分もあるが、プログラムを担当した松島徹氏((PC6001版『タイニーゼビウス』やPC6001版『スペースハリアー』の開発者としても知られる人物))は「スピード感を落とさないよう処理速度を稼ぐために、グラフィックに関してはある程度犠牲にせざるを得なかった」と述懐している。 --本作のゲームディスクに収録されているドキュメントファイル((MS-DOS以降のパソコンゲームではOS上からゲームディスクの内容を覗くことができるものもあり、ファイルリストを眺めていると時折「Readme.doc」や「開発日誌.読」などといった名前のスタッフによる裏話やコメントなどが書かれたテキストファイルが存在してたりする。内容を読むにはテキストエディタなどでそういったファイルを開くのが一般的な方法))には本作の移植にあたってのよもやま話が書かれている。 ---それによるとセガに払うライセンス料がかなりの高額であったことや他のソフト会社との兼ね合いでソフトの価格も安価にはできなかったとのこと。その為、ゲームディスクには3Dフライトシミューレーターもどきやグラフィックエディタ、エディタ用の外部関数ライブラリ、X68000版「スペースハリアー」をサイバースティック及びマウスに対応させるパッチを収録し、そしてマウスパッドも標準で同梱するという充実したおまけをつけたと語っている。 --本体のメインメモリを2MB以上に増設している場合はSHIFTキーを押しながら起動させることで、完全にオンメモリ動作となり、電源を切るまで以後一切のディスクアクセスがなくなるという何気に快適な機能まで付いている。 -ファミリーコンピュータ版(1989年3月30日、サンソフト)アフターバーナー。 --タイトルは『I』だが、急加速装置アフターバーナーの概念を導入しているので中身は紛れも無く『II』である。 --当時としては破格の容量3メガビット。十字ボタンをニュートラルにする事で機体と地平線がセンター位置に戻る方式を採用。本気で無茶ながら最大限の再現を果たした移植をしている。 --点数が表示されない、ミサイルが白煙を引かない、キャラクターのサイズがオリジナルより大幅に小さくなっている等の劣化要素はあるものの、アフターバーナー本来のスピード感を見事に再現してみせ、基地への離着陸、ボーナスステージ、合成音声、更にアニメーションによるオリジナルOPデモまで実装している。 --敵機の出現パターンもアーケード版を踏襲しており、見た目だけのマークIII版と違ってゲーム性も高い。 --PSG音源によるBGMの再現も評価が高い。スペックが明らかに落ちる機種でここまで出来たのは素晴らしいと言える。 --一部、地平線グラデーションと敵機が重なって見づらいステージがあるせいか、オリジナルを含む全作品で唯一「前方」の敵を感知するレーダー機能を搭載している。それを頼りに視認しづらい敵機の存在を素早く察知する事ができる。本来は後方から機銃掃射を仕掛けてくる追撃機の位置関係を表示し、光の大小を便りにオーバーシュートさせる(加減速して敵機を前に釣り出す)用途に用いるものだが、容量の都合で後方からの脅威は追尾ミサイルしか存在せず、需要が低下したのも仕様変更の理由に挙げられる。気合の移植+実物のF-14も前方しかレーダーは搭載していないというのもあって、この措置はむしろ好評だった。 --またボーナスステージが本家オリジナルにもないコーナーの応酬。某戦闘機漫画にも似たシチュエーションがあるが、峡谷を攻めているような臨場感を醸しているのは全機種を通してサンソフト版だけである。 --テンゲンのアフターバーナー(海外版)をベースに、文字フォントをアーケード版に近づけ、スタートボタンでアフターバーナー点火できるという、アーケード版の『アフターバーナーII』の要素を再現していた。また、合成音声の再現やBGMの再現度等、音源関係の強化も特徴。最初に飛び立つ空母が、アーケード版では「SEGA・エンタープライズ」だったのが、テンゲン版では「TENGEN・エンタープライズ」、サンソフト版では「SUN・エンタープライズ」に、それぞれ変更されている。 -メガドライブ版(1990年3月23日、電波新聞社/マイコンソフト)アフターバーナーII。 --北米及び欧州ではSEGAから発売。 --方向ボタンをニュートラルにしても機体と地平線が傾いたまま進行するタイプ。別売のアナログジョイパッド XE-1APとの接続でアナログ操作に切り替わる。 --ゲーム性としては忠実な移植で好感触。 --パッケージイラストが非オリジナル。 --発艦時や復活時の拡大演出はない。 --デフォルト設定では無制限に撃てる機銃を常時発射。オプションで速度調節変更と引き換えに止めなければならない。 --地平線グラデーションなし、地形オブジェの数と種類が圧倒的に少ないなど視覚的に貧しいグラフィック。よく見ると動いているのはオブジェだけで地面は1ミリも動いていない。 ---地平線にグラデーションがないのは、回転処理をパターン書き換えではなくラスタースクロールで行っているため。 --基地での補給シーンがばっさりカットされ、空中給油機での補給シーンを使い回している。 --BGMのコンバートは後に『ラングリッサー』シリーズや『ルナ』、『グランディア』シリーズの音楽制作などで知られる岩垂徳行氏が手掛けている。本人曰く「ゲーム音楽制作会社((本人のインタビュー等ではぼかしていたが、最初に所属していた株式会社キューブのことを指している))入社後の初仕事がこれだった」と述懐している。 ---ちなみにPCM音声をFM音源側のDACとPSG側の1ビットサウンドポートで2ch化するという荒技を行っていたりする。 --2022年10月29日に発売されたメガドライブミニ2に収録されており、同ハードと同時発売されたUSB仕様のサイバースティックに対応している。また、収録にあたりノースロップ・グラマンとのライセンス許諾を再度取得しており、ゲーム選択画面にもその旨が記載されている。 -PCエンジン版(1990年9月28日、NECアベニュー)アフターバーナーII。 --十字キーニュートラルで機体と地平線がセンターに戻る方式。専用アダプタを介す事でアナログジョイパッド XE-1APに対応。 --起動後いきなりステージ14のデモ画面から始まる。タイトル画面の「II」の球体文字は見るたびにオリジナル版にはない奇抜な色と動きを見せてくれる。 --加減速とアフターバーナーをRUNボタンの押し方で調節する。拡大演出、基地着陸、白煙も再現されている。 --BGM:AFTER BURNERはメロディラインが入っているバージョン //当時はユーザーから「NECアベニュー得意の独自にアレンジしたもの」と誤解された。 --タイトル画面で回転しながらフレームインしてくる「II」の球体文字を様々な配列パターンに動かして愛でるという珍妙なモードがオプションとして搭載されている。 ---今では何ら珍しくもない3D描写、動かせるパターンも限られているが、当時は3Dの物体を自由自在に動かせる事自体が貴重で衝撃的なものだった。球体を重ね過ぎるとスプライト欠けを起こして消えまくるのが難点。 -スーパー32X版(1995年1月13日、セガ/ゲームのるつぼ)アフターバーナーコンプリート。 --方向ボタンニュートラルにしても機体と地平線が傾いたまま進行するタイプ。アナログジョイパッド XE-1APとの接続でアナログ操作に対応する。 --コンプリートと銘打つだけあって殆ど完全移植。 ---[[ゲーム雑誌のインタビュー>https://twitter.com/JfodxVSqgXSoeOY/status/1073936924736315392]]によると、厳密に言えば完全移植ではないようで、「色々とごまかしている部分がある」とコメントしている。 --ロムカセットの利点で、電源を入れてからすぐ遊べる点も評価できる。 -セガサターン版(1996年9月27日、セガ/ゲームのるつぼ)SEGA AGESアフターバーナーII。 --最もACに忠実な移植。純正パッドは方向ボタンニュートラルにしても機体と地平線が傾いたまま進行するが、マルコン接続にてアナログ操作が可能になる。 --ところが残念なことに、よりアーケードに近い操作感覚が期待できるはずのアナログミッションスティックを接続すると、ミサイルが撃てなくなるバグが発生してしまう。 --オプションに、ロックオンサイトを敵機に少し寄せるだけで簡単にロックオンできるモードなどが追加されている。 -ドリームキャスト版(2001年9月6日、セガ/ゲームのるつぼ)『シェンムーII』内のミニゲーム、書籍『鈴木裕ゲームワークス Vol.1』いずれもアフターバーナーII。 --シェンムーIIは終盤戦(DISC3)九龍城朱雀楼1Fまで攻略せねばならず、プレイにありつくには相当な時間を要す。今にも崩落しそうな薄暗い楼内に大理石調の台座の上に光で照らされ神々しく湛えるダブルクレイドル筐体が…という、他の3筐体(スペースハリアー、ハングオン、アウトラン)にはない特別な存在として描かれている。プレイ後はソフト立ち上げ後の項目「ミニゲーム」にて即プレイ可能になる。 --アナログスティックに触れるとニュートラル時に機体と地平線はセンターに戻り、方向ボタンに触れるとニュートラルにしても機体と地平線が傾いたまま進行する、という2つの操作形式を併せ持つ。 --容量の都合上BGMの音源がDC内蔵音源に変更されている。他のミニゲームも同様。2018年に発売されたPS4版シェンムーI&IIではアーケード版と同様のBGM音源に変更されている。PS4版はポーズ画面で○ボタンを押すとレバーの上下を反転させることができる。『[[スペースハリアー]]』も同様の方法で反転可能。 -プレイステーション2版(2004年3月25日、3Dエイジス、D3パブリッシャー)SEGA AGES 2500 vol.10 アフターバーナーII。 --ニュートラルでセンターに戻るタイプ。ゲームとしては問題なく成立し、一時期ではあるが定価を上回るプレミア価格も付いた。 --パッケージイラストは非オリジナルだが、ルーズリーフ型ライナーノートの1ページが同梱され、その表紙には正規のイラストが描かれている。 --ポリゴンで世界を一新し、新世代に受け入れてもらおうとするそのコンセプトは褒められる。 --しかしF-14XXのモデルがMig-23を双発エンジン、二枚垂直尾翼に改造したかのような細い胴体をしているなど、第一印象から怪しい空気を漂わせている。 --オマケ要素に使用機体の追加されているのだが、この選考が斜め上を行っている。カタパルト無しで空母や揚陸艦から離陸できるハリアーIIはともかく、F-117やA-10は空母では運用できない地上攻撃機。またこの3機はいずれもアフターバーナー非搭載機。タイトルを考えると選考から真っ先に除外されるべき存在。 ---F-117(開発/製造)やA-10の一部形式(原型機からC型への改造請負)の商標を管理するロッキード・マーティン(アメリカの軍用機メーカー)とセガはあまり相性が良くないようで、P-38が登場予定だった『プロペラアリーナ』は発売中止、『アフターバーナークライマックス』では同時期に発売された他社のフライトシム/フライトシューティングでは当たり前のように登場するF-16やF-22、F-35といったロッキードの製品が一切出てこない。((セガは、ロッキード社と合併する前のマーティン・マリエッタ社と、MODEL2基板とそれを使用したアーケードゲーム『デザートタンク』の共同開発をしているため、この段階では相性は悪くなかったようだ。)) --対G限界を超えて超機動で動き回るナイトホークはシュールで格好良いが、本来はジャンボジェット機よりに運動性能が悪く、大規模な爆撃部隊が他所で騒動を起こしている隙に重要拠点を爆撃して逃げ帰る機体のため、強制スクロールの『エースコンバット』をプレイさせられている気分になってしまう。 //『本来は空対空ミサイルはおろか機銃すら搭載できない機体なので、』を書き換え、あと、模型なんかでは部品が付いてませんが、本物も自衛用とAWACSを狩りを目的に空対空ミサイルの運用できます。(世界の傑作機SPECIAL EDITION (Vol.2)ロッキードF-117ナイトホークを参照) -プレイステーション3、Xbox360版(2010年4月21日、セガ)アフターバーナークライマックス。 --DL専売ソフト。ネーミングは略すと「ABC」になる事から付けられた。そういう意味では同社のエアバイクコップ第二弾。→[[AFTER BURNER CLIMAX]] -ニンテンドー3DS版(2013年12月18日、セガ/M2)3DアフターバーナーII。 --単体版はDL専売ソフト((2022年12月21日に配信終了))。上記のSS版と同様、ACに忠実な移植で、裸眼立体視に対応したアフターバーナーII。 --オプション設定が充実し、8インチフロッピー((作曲者のHiro師匠こと川口氏が所有していたもの))から読みだしたメロディ付きBGMへの切り替えや、画面の中に各筐体のガワ(外枠)部分を表示できたりする。 --更にアーケード筐体の体感性を再現したムービング筐体モードにより、機体の旋回や360°ローリングに反応して画面が傾斜する。 ---3DS画面の中に当時のゲーム画面を表示させるので、画面サイズは多少犠牲となる。 --第2期ということで制作にも余裕が出来たのか、「グラントノフ」と呼ばれるようになった3D復刻版でのオリジナル要素がパワーアップ。追加要素ではなく、ゲームをほぼ作り変えるレベルのアレンジモードが収録されるようになった。~ それがアーケードモードをクリアすると出現するスペシャルモード。「クライマックスの2D版を意識した」とインタビューで語っているように、スコア稼ぎや回避に優れたバーストの追加や、ボーナスステージ及びステージ22~23で耐久力のある赤いライバル機が出現し、ライバル機とのドッグファイトを繰り広げる事が可能。~ なお「グラントノフ」の名の通りグラントノフを出そうという意見もあったようだが、松岡Dに断固拒否されたとのこと((後の3Dサンダーブレードインタビューにて「飛び回るABIIのゲーム性に動かないグラントノフが合わないと感じた」と語られている。))。 --第2期のトップを飾った割には、アーカイブス1/2へ収録されていなかったが、アーカイブス3にてようやく収録。これはパッケージ化に伴い、再びノースロップ・グラマンとの版権使用契約が必要になったため、予算的な関係で後に回されていたためである。 #endregion **関連作品 #region(一覧) -『G-LOC』:Yボード基板使用。システムは制限時間制のミッションクリア型になった。大型可動筐体である「R360版」も存在する。((R360版はアトラクション要素を強めた内容になっている)) -『ストライクファイター』:『G-LOC』のシステムをアフターバーナー寄りにしたマイナーチェンジ版。後に『AFTER BURNER Ⅲ』のタイトルでメガCDとFM-TOWNSに移植された(移植版の発売元はどちらもCSK総合研究所)。 -『セガ・ストライクファイター』:2000年に稼働したNAOMI基板による新作。上記の作品とは内容が別物となっており、システムは『G-LOC』に近い。3画面を使った筐体も存在する。開発はワウ・エンターテインメント(分社化時代のAM1研)。 -『スカイターゲット』:自機でF-14Dが使用できるほか、ミッション3-B、6-AいずれもCITYステージでAfter BurnerのアレンジBGMが流れる。 -『スーパー大戦略(MD)』:隠しユニットとして登場、ゲームを意識してか各ミサイル搭載量が多く20mmバルカン砲は99発。他の体感ゲームからの参戦はサンダーブレードとギャラクシーフォース(TRY-Z)。 -『ファイターズメガミックス』:BMステージで特殊なコマンドを入力するとF-14XXが飛来する。 -『[[パワードリフト]]』:A、C、Eコースを全ステージ1位で通過すると現れるエクストラステージのプレイヤー使用機として登場。スタート後バギーから変形する。元が飛行機なので宙に浮いてコースを”走る”。ちなみにB、Dコースではハングオンのバイクに変形する。 -『シェンムーII』:啓徳空港名物「ジャンボ機が市街地上空をかすめる」演出があるのだが、福仙街の某所にて低確率でジャンボ機の代わりにF-14XX編隊が横切る #endregion **海外でのみ販売された移植作、続編 #region(一覧) -LCD版アフターバーナー(ゲーム&ウオッチ型とアップライト筐体の小型版の2種類) -GBA SEGA ARCADE GALLERY アフターバーナーI(鈴木裕4大作品を収録) -PSP アフターバーナー ブラックファルコン(収録機体が3Dエイジスと匹敵する) -携帯電話アプリ アフターバーナー #endregion **余談(II)(稼働状況について) -大阪新世界で謎の業者が営むゲーセン「ザリガニ」に現役で稼働するダブルクレイドル仕様筐体が存在する((いつまで稼働出来るかの不安もある為に2019年現在としておく。))。~ ただし話題に上がったが故の稼働率の高さが災いし、他のゲームでは考えにくいペースで故障を繰り返していた。~ 流石にこの状態で動態保存は難しいということで、プレイ料金が300円に値上がりした((店長曰く「プレイ100円+修繕積立費200円で考えてください。」とのこと。))。~ そして2020年、出どころはわからないのだが、なんと2台新たに発掘されオーバーホール完了、2021年現在は3台体制での稼働になっている。ただし3台稼働は休日のみで、平日は負担低減のため3台のうち1台がローテーションで稼働している。 -池袋ゲーセンミカドと秋葉原SEGA3号館((元々5号館にあったレトロコーナーから移設されたもの。))、天野ゲーム博物館で無可動タイプの純正アップライト筐体が稼働中。入れ替わりが激しいので常設では無いが、Heyのようにシティタイプ筐体に基板のみ移植((レバー等はスペハリ用のアップライトコンパネにスロットルレバーを追加したもの。))という形で稼働する店も存在する。 -2016年9月10日~2017年3月12日に川口市で開催された「あそぶ!ゲーム展-ステージ2 ~ゲームセンターVSファミコン~」にて完動状態のシングルクレイドル筐体が展示。来館者は自由にプレイ可能だった。 --同展では他にも『[[アウトラン]]』『スーパーハングオン』など数々の大型筐体ゲームが完璧に近いコンディションで展示されておりプレイもできた。
#contents(fromhere) ---- *アフターバーナー 【あふたーばーなー】 |ジャンル|3Dシューティング|&image(https://encrypted-tbn1.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcTMvx7YhyqVYxx0SqvMPPTle8bbGxu3PksRGCL1aZuBmjzwdm4rAQ,height=160)| |対応機種|アーケード|~| |発売・開発元|セガ・エンタープライゼス|~| |稼働開始日|1987年7月|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|諸事情により未完成でのデビュー&br;アフターバーナー非搭載なアフターバーナー|~| |>|>|CENTER:''アフターバーナーシリーズ''&br;''I / II'' / III /[[クライマックス>AFTER BURNER CLIMAX]]| **概要 ジェット戦闘機のドッグファイトを題材にした擬似3Dシューティングゲームの''未完成版''。~ 鈴木裕陣頭指揮のもとで開発されたセガ体感ゲーム第6弾だが、初代『アフターバーナー(I)』はβ版の位置付けとなっている。 **開発経緯 -『[[スペースハリアー]]』開発時、戦闘機を題材にした体感ゲームの構想が鈴木氏の中にあった。 --当初は第二次大戦をテーマに企画を練っていたが、ちょうどその頃、映画『トップガン』が世界的なヒットを記録し日本でもブームが巻き起こっていた。 --この成功に便乗しない策はないと言わんばかりに方針は「近代戦闘機によるドッグファイトもの」に定まった。 -開発は順調だったようだが、会社側から「出荷を決算に合わせろ」という絶対命令が出されてしまい、止む無く細部が未完成のまま「修正版が完成次第、交換する」という条件つきで全国への出荷が決まった。 --リリースから3ヶ月後の10月、修正版『アフターバーナーII』が無事に完成。稼働中の『I』は片っ端から『II』にコンバージョンされ全国から姿を消した。 **ストーリー >西暦199X年…、世界はA国とZ国の2大勢力の下、既に慢性化した冷戦状態に置かれていた。~ 張りつめた糸を思わせる絶対的な緊張の中、A国海軍に所属する1人のパイロットに、ある極秘指令が下された。~ 指令の内容は「Z国の領空を強行突破し、秘密兵器の情報ディスクを軍の秘密研究所に届けよ。」~ 今、空母から1機の戦闘機が飛び立とうとしている。A国の、いや、世界の運命を賭けた孤独な任務が始まる…。~ **ルール -艦上戦闘機F-14XXを操作して、敵機を撃墜しつつステージを進行していく。一撃死の残機制。 -一定距離まで飛行するとステージクリア。アラームと同時に背景が変わり、淀みなく次のステージへと移行する。ボス敵のようなものはない。 **操作方法 戦闘機の操縦桿を模したアナログスティック+1ボタン1トリガー制。 -スティックを握ると人差し指部分にガントリガー、親指部分にミサイルボタンがある。 --機銃は自機前方のロックオンサイトに向かってまっすぐ発射される。 ---弾数無制限でガントリガーを引いてる間は無尽蔵に掃射される。 --ロックオンサイト内に敵機を捉えると「Fire!」の音声とともに約1秒間、敵機をコンテナが囲いロックオンをする。 ---その1秒内にミサイルボタンを押す事でミサイル発射、導かれるように敵機に向けて飛んでいく。 ---ミサイルは弾数制限があり、ゲーム中に各所で挿入される給油シーンで一定数補給される。最大50発までストック可能。 --アナログレバーを左右いずれかに入れ、素早く逆方向に切り返すと360°ローリングをする。無敵時間はない。 ---主な用途は前方から迫るミサイルの回避。 ---また後方から機銃掃射を仕掛けてくる追撃機や追尾ミサイルを回避する際にも有効で、振り切るような形で画面外へ追いやる事ができる。 **特徴・評価点 -画期的な2種類の視覚効果で『スペースハリアー』からビジュアル面での進歩を実感することができる。 --ミサイルが白煙を引いて軌跡を残す。華麗な白煙を引きながら画面内を飛び交う大量のミサイルは圧巻。 --機体を左右へ動かすだけで背景が大きく傾き、ローリングをすると派手に1回転する。 -自機の動きに連動する大型筐体。 --据置筐体の他に、前後左右に揺れる「ダブルクレイドル」と左右に揺れる「シングルクレイドル」という2タイプの専用大型筐体を採用。~ これに加えてスペースに余裕が無いロケーション用に、無可動の筐体も用意された。 --ローリング操作の際にはシートも大きく傾き、本作の一つの見せ場となっている。 -『スペースハリアー』同様、抜群のスピード感、軽快なBGM、美しいグラフィックはプレイヤーの心を捉えて離さない。 -ステージごとに激しくシーンが切り替わり、プレイヤーを世界観へ引き込んでくれる。 **『I』独自の特徴 -タイトル画面。3機のF-14がデルタ飛行で雲海の彼方へと消えてゆく、やがて敵機であるハリアー3機が「AFTER BURNER」の文字を引っさげて戻ってくる、という内容。 -デモ画面。直前のプレイでのステージ1のプレイヤーの動きが再現される。 -一部のBGMの曲調が異なる。またステージ中のBGM切り替えのタイミングや使用されるシーンが『II』と大きく異なる。 --「エンディング」と「ネームエントリー」は固有のBGMが存在せず、ステージ用BGMが流用されている。 -全19ステージ。ラストステージは自動操縦による着艦シーンのみの為、実質18ステージとなる。 --ステージ3、7、10、13、15、17開始時に空中給油機によるミサイル補充を受けられる。 --ステージ6と12にボーナスステージがある。ボーナスと言えどもミスすると残機を失ってしまう。鉄塔は破壊不可。 -速度調節ができず、『II』でいうところのマッハ2弱あたりの速度で固定されている。 --その為、ボーナスステージは素人ほど残機を複数奪われる”死のステージ”と化し、ただでさえ速い中盤以降の敵ミサイルが刹那に飛んでくる。 -ミサイルが胴体下より深々と沈みながら点火し、徐々に推進して目標に向かうという実物のF-14に近い工程を経て飛んでいく為、いくら先制攻撃しても後手に回される。 --飛び方と形状が映画のそれではなくF-14搭載の「AIM-54」に近い。おそらく実際の発射映像を元に作られたと思われる。 --その緩慢さと自機の速度問題もあり、殆どの敵機から反撃を受け、敵ヘリコプター相手にしか先手が取れない。 **賛否両論点 -メロディの無いBGM --本作のBGMは作曲段階で存在したシンセサイザーの音色が一部カットされている。これは不具合などではなく意図的なものであり、一つの楽曲としてよりもBGMとしての機能が考えられたものである。 --特にこの影響が大きいのが本作のメインテーマと言える4面到達時に流れ始めるBGM「After Burner」で、哀愁のあるメロディが奏でられるシンセパートがあるとないのとではまるで印象が異なり、一曲としての完成度が高いメロディ入りのBGMも非常に人気が高い。 ---サウンドトラックに収録されたのはメロディ有り版のみ((後にゲームで使われたものと同じメロディなし版を収録したサウンドトラックも発売された。))であり、「こっちをゲームにも流してほしかった」という意見も当時からあったようで、それに応えるように家庭用版ではメロディ有り版に切り替える機能があったり、またはPCエンジン版のように切り替え機能が無いにもかかわらずメロディ有り版が流れるという移植版も存在する。 **問題点 -当時の可動機構付き大型筐体を使っているが故に仕方がないが、プレイ料金が割高。 -画面エフェクトが全体的に派手になった代償として、画面の視認性が少々悪い所がある。 --慣れない内は何が起こっているのか理解しきれないうちにやられてしまうことが起こりがち。 -ローリングの使いどころが難しい。 --ローリング中は移動操作を受け付けず、途中でキャンセルできないのが理由。そのため、無闇に回りまくると逆にピンチを招いてしまう。後半ステージは不用意なローリングをするとほぼ死が確定する。 --左右いずれかへ移動中に逆方向へ素早くレバーを倒すというコマンドの関係上、不慣れなプレイヤーがミサイルを咄嗟に避けようとして暴発させてしまうケースが多い。 -地平線の描写が不完全で空母が宙に浮いていたり、着艦シーンで自機が空母に埋まるなど「未完成」と感じられる箇所が随所に見られる。 **総評(I) 「開発経緯」にあるように上層部の指示で強引に出荷された未完成版。既にダイナミックに流れる背景、白煙を引くミサイルの表現などは完成していたが、ゲーム性に関わる部分は調整が行き届いていないことがわかるレベルの出来であった。 &br ---- *アフターバーナーII 【あふたーばーなーつー】 |ジャンル|3Dシューティング|~| |対応機種|アーケード|~| |発売・開発元|セガ・エンタープライゼス|~| |稼働開始日|1987年10月|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''アフターバーナーシリーズ''&br;''I / II'' / III /[[クライマックス>AFTER BURNER CLIMAX]]| **概要(II) ジェット戦闘機の空中戦を題材としたセガの体感3DSTGの''完成版''。~ 初代『アフターバーナー(I)』も含めてセガ体感シリーズ第6弾。セガゲーム史を語る上で欠かす事のできない作品の一つ。~ 内部事情により未完成のまま出荷した『I』を三ヶ月後に改良、バランス修正してリリースしたのがこの『アフターバーナーII』である。~ 『I』はβ試作品あるいは最初からなかったものとされ、世間一般でも『アフターバーナー』は基本的に『II』の事を指す。 **『I』からの変更点(II) -タイトルアトラクトの変更。 --球体で描かれた『I』の文字を4機の敵戦闘機がミサイル攻撃、球体はバラバラに飛散するも徐々に元に戻ってゆく…が、そこには『II』の文字が。 ---これは商業的な事情で未完成品と知りながら出荷せねなければならなかった気持ちを『I』の破壊で表現したものである。 -デモ画面も一新し、操縦桿を握った手のアニメーションや「Lock on」の文字など視覚効果が加わる。 -スロットルレバーが追加され、速度を自在に調節できる。 --爆発的な推力を得る機能「''アフターバーナー''」も使用可能に。タイトルに違わぬ作品となった。 -ステージ構成の順序変更とステージ数の増加。全19ステージから全23ステージに。 --ただし『I』同様、ラストステージの23は自動での着艦シーンの為、ステージ22が実質的な最終面となっている。 -空中給油機とは別にステージ5と13で基地での補給シーンが追加され、全自動で滑走路への離着陸が行われる。 --基地での補給シーンは1ステージとしてカウントされる為、本作は厳密に言うと全20ステージ構成と言える。 --隠しメッセージ、裏技の追加、ゲストキャラも応援に駆けつけてくれる。 -ボーナスステージは8と17で行われる。速度を下げれば危険度も大幅に激減。『I』以上のスリルを求めるならアフターバーナー全開で挑む事もできる。 -敵機の配置とパターンが調整された。それに伴いローリング時の被撃墜率も低下。(使わないほうが安全なのは相変わらず) -他の体感ゲーム同様、飛行中は点数が入るようになった。 -ミサイルのストック数が倍増、最大100発に。また発射モーションが改善され、敵機の反撃を許さず即撃墜できるようになった。 -BGMが改良され、2~3ステージクリアごとに曲目が変化する。 --『I』ではステージBGMの流用だった「エンディング」と「ネームエントリー」の場面で新曲が割り当てられた。 **評価点(II) -『I』での好評な点はそのままに、より発展。 --スピード変化が可能になったおかで、戦い方も多彩に。 ---このため難易度が下がり、ゲームとしてはバランスがさらに良くなった。 ---アフターバーナー連続使用で強引に突き進むとステージがあっという間に終わるなど、速度に比例して難易度、総プレイ時間、興奮度も上下する。 ---もっともアフターバーナーを頻繁に使うとミスが起こりやすく、使いどころは限られるのだが。 --ミサイルの増加によるプレイしやすさ。 ---『I』ではミサイルが少ないため使い所を選ばなければならなかったが、『II』ではかなり自由に使え爽快感も増した。もちろん使い放題という訳ではないが。 -補給シーンも種類を増し、世界観がより豊かに。 -BGMの変化も、ゲームを盛り上げる。 **問題点(II) -ローリングの使いどころの難しさは『I』から改善されていない。 **総評(II) 『スペースハリアー』開発の頃に温めていた構想「戦闘機を使った体感STG」を見事に実現させた作品である。~ 臨場感あふれるゲームシステムに加え、その硬派な世界観は『スペースハリアー』以上に多くのプレイヤーを惹きつけた。 特に、ダブルクレイドルタイプの『アフターバーナーII』は、プレイヤーに「特別な経験」を味わわせてくれる。~ アフターバーナーが名作と呼ばれる所以は、ゲームの世界に引き込んでくれる数々の仕様なのだろう。 ---- **移植 数多くの機種に移植されているが、『I』の移植は意外に少なくほとんどが『II』の移植になっている。~ 以下、国内で発売された移植版を列挙する。 #region(一覧) -セガ・マークIII/マスターシステム版(1987年12月12日、セガ)アフターバーナー。 --初の4Mカートリッジでグラフィックはスペハリ式のBG書き換え式だがBGキャラ同士の重ねあわせをソフトウェアで処理しているというハード性能からするととんでもないグラフィック。しかし残念ながら肝心のゲームがゲームになっていない。 ---ちなみに重ね合わせる毎にキャラクターテーブルを消費するため、テーブルが枯渇すると豆腐が表示されるようになる。 --あまりの移植度の低さに雑誌「BEEP」誌上で「アウアーアーアー((このフレーズだけが独り歩きし、よく本作への蔑称として引用されているが、これはBEEP誌が雑誌をあげてのセガ押しだったために、セガのソフトへの批判的な文章は自粛気味な空気の中、弁護しようのない本作が出てしまったために、あえて名前をボカしてあるライターが引用したというのが正しい。バカにした言い方ではなく逆にタイトルをズバリあげないための自主規制だった。))」と揶揄されてしまった。 --レバーを斜めに入れている「だけ」で初期面は完全無敵という粗い作りが目立った。スコアなども常時表示できず画面が寂しい。 --本来ボスが無いゲームではあったが、MK3版はボスとして「グラントノフ」が追加されている。 --ミサイルの弾数制限が無くなったので、本来ミサイルを補給する給油シーンがボーナスゲームになっている。そのため給油がオートでなく自分でロックする方式になっており、失敗すると撃墜数で得られるボーナススコアが得られなくなる。 --FM音源によるBGMは、良くも悪くもFMサウンドユニットの限界がわかる出来であった。 -FM TOWNS版(1989年2月、CSK総合研究所)アフターバーナーII。 --ボーナスステージは両側に岩壁があり、かなり正確に操作しないとすぐミスしてしまう。通常のステージよりも難しいと思えるほど。ボーナスステージ開始時からできるだけ右側に寄せていくと岩壁部分を抜けるのが楽になる裏技があるが。 --三機失うとゲームオーバーだが、メニュー画面から無制限にコンティニューできる。コンティニュー要素に関しては数ステージ単位でセットになっていて、そのセットの初めのステージからになる。 --今作のようなFM TOWNS版に移植されたゲームはCD音源のため、移植によるゲームBGMのアレンジのクオリティの高さに定評がある。しかしアレンジしか収録されずオリジナルのBGMが楽しめない問題があったり、まれにゲームと噛み合わない方向性のアレンジで不評を買うこともあった。 ---BGM:AFTER BURNERはメロディライン入りバージョンのため一聴の価値あり。 --同時発色数が多くスプライト欠けのないハードのため、止絵だとすばらしいグラフィックに見えるが実際動いているところを見るとガクガク感がすごい。 ---特にデシタル式(十字キーニュートラルで機体と地平線がセンターに戻る方式)で操作した場合画面の傾きのガクガク感がやばいが、有志パッチで操作を疑似アナログ(メガドラ版のように方向キーニュートラルにしても地平線が傾いたままのタイプ)にすることで劇的に改善される。 -X68000版(1989年4月26日、電波新聞社/マイコンソフト)アフターバーナーII。 --アナログ操作重視のため、デジタル式のコントローラー及びキーボード単体では対応しておらず、基本はマウスとキーボードを併用する形になっている。 --シャープが本作のX68000版と同時発売した操縦桿型コントローラー「サイバースティック((当時の価格は23,800円(税別)と高価。後に電波新聞社も型番違いのOEMとして発売している))」に対応しており、これを使用することでAC版に近いスタイルでプレイできる。また、MD版「アフターバーナーII」と同時発売されたアナログジョイパッドである「XE-1AP」にも対応している。 --グラフィック面では地上物が簡略・省略されているところやミサイルの白煙がメッシュ状になっていたりと劣化要素と見られかねない部分もあるが、プログラムを担当した松島徹氏((PC6001版『タイニーゼビウス』やPC6001版『スペースハリアー』の開発者としても知られる人物))は「スピード感を落とさないよう処理速度を稼ぐために、グラフィックに関してはある程度犠牲にせざるを得なかった」と述懐している。 --本作のゲームディスクに収録されているドキュメントファイル((MS-DOS以降のパソコンゲームではOS上からゲームディスクの内容を覗くことができるものもあり、ファイルリストを眺めていると時折「Readme.doc」や「開発日誌.読」などといった名前のスタッフによる裏話やコメントなどが書かれたテキストファイルが存在してたりする。内容を読むにはテキストエディタなどでそういったファイルを開くのが一般的な方法))には本作の移植にあたってのよもやま話が書かれている。 ---それによるとセガに払うライセンス料がかなりの高額であったことや他のソフト会社との兼ね合いでソフトの価格も安価にはできなかったとのこと。その為、ゲームディスクには3Dフライトシミューレーターもどきやグラフィックエディタ、エディタ用の外部関数ライブラリ、X68000版「スペースハリアー」をサイバースティック及びマウスに対応させるパッチを収録し、そしてマウスパッドも標準で同梱するという充実したおまけをつけたと語っている。 --本体のメインメモリを2MB以上に増設している場合はSHIFTキーを押しながら起動させることで、完全にオンメモリ動作となり、電源を切るまで以後一切のディスクアクセスがなくなるという何気に快適な機能まで付いている。 -ファミリーコンピュータ版(1989年3月30日、サンソフト)アフターバーナー。 --タイトルは『I』だが、急加速装置アフターバーナーの概念を導入しているので中身は紛れも無く『II』である。 --当時としては破格の容量3メガビット。十字ボタンをニュートラルにする事で機体と地平線がセンター位置に戻る方式を採用。本気で無茶ながら最大限の再現を果たした移植をしている。 --点数が表示されない、ミサイルが白煙を引かない、キャラクターのサイズがオリジナルより大幅に小さくなっている等の劣化要素はあるものの、アフターバーナー本来のスピード感を見事に再現してみせ、基地への離着陸、ボーナスステージ、合成音声、更にアニメーションによるオリジナルOPデモまで実装している。 --敵機の出現パターンもアーケード版を踏襲しており、見た目だけのマークIII版と違ってゲーム性も高い。 --PSG音源によるBGMの再現も評価が高い。スペックが明らかに落ちる機種でここまで出来たのは素晴らしいと言える。 --一部、地平線グラデーションと敵機が重なって見づらいステージがあるせいか、オリジナルを含む全作品で唯一「前方」の敵を感知するレーダー機能を搭載している。それを頼りに視認しづらい敵機の存在を素早く察知する事ができる。本来は後方から機銃掃射を仕掛けてくる追撃機の位置関係を表示し、光の大小を便りにオーバーシュートさせる(加減速して敵機を前に釣り出す)用途に用いるものだが、容量の都合で後方からの脅威は追尾ミサイルしか存在せず、需要が低下したのも仕様変更の理由に挙げられる。気合の移植+実物のF-14も前方しかレーダーは搭載していないというのもあって、この措置はむしろ好評だった。 --またボーナスステージが本家オリジナルにもないコーナーの応酬。某戦闘機漫画にも似たシチュエーションがあるが、峡谷を攻めているような臨場感を醸しているのは全機種を通してサンソフト版だけである。 --テンゲンのアフターバーナー(海外版)をベースに、文字フォントをアーケード版に近づけ、スタートボタンでアフターバーナー点火できるという、アーケード版の『アフターバーナーII』の要素を再現していた。また、合成音声の再現やBGMの再現度等、音源関係の強化も特徴。最初に飛び立つ空母が、アーケード版では「SEGA・エンタープライズ」だったのが、テンゲン版では「TENGEN・エンタープライズ」、サンソフト版では「SUN・エンタープライズ」に、それぞれ変更されている。 -メガドライブ版(1990年3月23日、電波新聞社/マイコンソフト)アフターバーナーII。 --北米及び欧州ではSEGAから発売。 --方向ボタンをニュートラルにしても機体と地平線が傾いたまま進行するタイプ。別売のアナログジョイパッド XE-1APとの接続でアナログ操作に切り替わる。 --ゲーム性としては忠実な移植で好感触。 --パッケージイラストが非オリジナル。 --発艦時や復活時の拡大演出はない。 --デフォルト設定では無制限に撃てる機銃を常時発射。オプションで速度調節変更と引き換えに止めなければならない。 --地平線グラデーションなし、地形オブジェの数と種類が圧倒的に少ないなど視覚的に貧しいグラフィック。よく見ると動いているのはオブジェだけで地面は1ミリも動いていない。 ---地平線にグラデーションがないのは、回転処理をパターン書き換えではなくラスタースクロールで行っているため。 --基地での補給シーンがばっさりカットされ、空中給油機での補給シーンを使い回している。 --BGMのコンバートは後に『ラングリッサー』シリーズや『ルナ』、『グランディア』シリーズの音楽制作などで知られる岩垂徳行氏が手掛けている。本人曰く「ゲーム音楽制作会社((本人のインタビュー等ではぼかしていたが、最初に所属していた株式会社キューブのことを指している))入社後の初仕事がこれだった」と述懐している。 ---ちなみにPCM音声をFM音源側のDACとPSG側の1ビットサウンドポートで2ch化するという荒技を行っていたりする。 --2022年10月29日に発売されたメガドライブミニ2に収録されており、同ハードと同時発売されたUSB仕様のサイバースティックに対応している。また、収録にあたりノースロップ・グラマンとのライセンス許諾を再度取得しており、ゲーム選択画面にもその旨が記載されている。 -PCエンジン版(1990年9月28日、NECアベニュー)アフターバーナーII。 --十字キーニュートラルで機体と地平線がセンターに戻る方式。専用アダプタを介す事でアナログジョイパッド XE-1APに対応。 --起動後いきなりステージ14のデモ画面から始まる。タイトル画面の「II」の球体文字は見るたびにオリジナル版にはない奇抜な色と動きを見せてくれる。 --加減速とアフターバーナーをRUNボタンの押し方で調節する。拡大演出、基地着陸、白煙も再現されている。 --BGM:AFTER BURNERはメロディラインが入っているバージョン //当時はユーザーから「NECアベニュー得意の独自にアレンジしたもの」と誤解された。 --タイトル画面で回転しながらフレームインしてくる「II」の球体文字を様々な配列パターンに動かして愛でるという珍妙なモードがオプションとして搭載されている。 ---今では何ら珍しくもない3D描写、動かせるパターンも限られているが、当時は3Dの物体を自由自在に動かせる事自体が貴重で衝撃的なものだった。球体を重ね過ぎるとスプライト欠けを起こして消えまくるのが難点。 -スーパー32X版(1995年1月13日、セガ/ゲームのるつぼ)アフターバーナーコンプリート。 --方向ボタンニュートラルにしても機体と地平線が傾いたまま進行するタイプ。アナログジョイパッド XE-1APとの接続でアナログ操作に対応する。 --コンプリートと銘打つだけあって殆ど完全移植。 ---厳密に言えば完全移植ではないようで、「色々とごまかしている部分がある」と開発者はコメントしている([[参照>https://twitter.com/JfodxVSqgXSoeOY/status/1073936924736315392]])。 --ロムカセットの利点で、電源を入れてからすぐ遊べる点も評価できる。 -セガサターン版(1996年9月27日、セガ/ゲームのるつぼ)SEGA AGESアフターバーナーII。 --最もACに忠実な移植。純正パッドは方向ボタンニュートラルにしても機体と地平線が傾いたまま進行するが、マルコン接続にてアナログ操作が可能になる。 --ところが残念なことに、よりアーケードに近い操作感覚が期待できるはずのアナログミッションスティックを接続すると、ミサイルが撃てなくなるバグが発生してしまう。 --オプションに、ロックオンサイトを敵機に少し寄せるだけで簡単にロックオンできるモードなどが追加されている。 -ドリームキャスト版(2001年9月6日、セガ/ゲームのるつぼ)『シェンムーII』内のミニゲーム、書籍『鈴木裕ゲームワークス Vol.1』いずれもアフターバーナーII。 --シェンムーIIは終盤戦(DISC3)九龍城朱雀楼1Fまで攻略せねばならず、プレイにありつくには相当な時間を要す。今にも崩落しそうな薄暗い楼内に大理石調の台座の上に光で照らされ神々しく湛えるダブルクレイドル筐体が…という、他の3筐体(スペースハリアー、ハングオン、アウトラン)にはない特別な存在として描かれている。プレイ後はソフト立ち上げ後の項目「ミニゲーム」にて即プレイ可能になる。 --アナログスティックに触れるとニュートラル時に機体と地平線はセンターに戻り、方向ボタンに触れるとニュートラルにしても機体と地平線が傾いたまま進行する、という2つの操作形式を併せ持つ。 --容量の都合上BGMの音源がDC内蔵音源に変更されている。他のミニゲームも同様。2018年に発売されたPS4版シェンムーI&IIではアーケード版と同様のBGM音源に変更されている。PS4版はポーズ画面で○ボタンを押すとレバーの上下を反転させることができる。『[[スペースハリアー]]』も同様の方法で反転可能。 -プレイステーション2版(2004年3月25日、3Dエイジス、D3パブリッシャー)SEGA AGES 2500 vol.10 アフターバーナーII。 --ニュートラルでセンターに戻るタイプ。ゲームとしては問題なく成立し、一時期ではあるが定価を上回るプレミア価格も付いた。 --パッケージイラストは非オリジナルだが、ルーズリーフ型ライナーノートの1ページが同梱され、その表紙には正規のイラストが描かれている。 --ポリゴンで世界を一新し、新世代に受け入れてもらおうとするそのコンセプトは褒められる。 --しかしF-14XXのモデルがMig-23を双発エンジン、二枚垂直尾翼に改造したかのような細い胴体をしているなど、第一印象から怪しい空気を漂わせている。 --オマケ要素に使用機体の追加されているのだが、この選考が斜め上を行っている。カタパルト無しで空母や揚陸艦から離陸できるハリアーIIはともかく、F-117やA-10は空母では運用できない地上攻撃機。またこの3機はいずれもアフターバーナー非搭載機。タイトルを考えると選考から真っ先に除外されるべき存在。 ---F-117(開発/製造)やA-10の一部形式(原型機からC型への改造請負)の商標を管理するロッキード・マーティン(アメリカの軍用機メーカー)とセガはあまり相性が良くないようで、P-38が登場予定だった『プロペラアリーナ』は発売中止、『アフターバーナークライマックス』では同時期に発売された他社のフライトシム/フライトシューティングでは当たり前のように登場するF-16やF-22、F-35といったロッキードの製品が一切出てこない。((セガは、ロッキード社と合併する前のマーティン・マリエッタ社と、MODEL2基板とそれを使用したアーケードゲーム『デザートタンク』の共同開発をしているため、この段階では相性は悪くなかったようだ。)) --対G限界を超えて超機動で動き回るナイトホークはシュールで格好良いが、本来はジャンボジェット機よりに運動性能が悪く、大規模な爆撃部隊が他所で騒動を起こしている隙に重要拠点を爆撃して逃げ帰る機体のため、強制スクロールの『エースコンバット』をプレイさせられている気分になってしまう。 //『本来は空対空ミサイルはおろか機銃すら搭載できない機体なので、』を書き換え、あと、模型なんかでは部品が付いてませんが、本物も自衛用とAWACSを狩りを目的に空対空ミサイルの運用できます。(世界の傑作機SPECIAL EDITION (Vol.2)ロッキードF-117ナイトホークを参照) -プレイステーション3、Xbox360版(2010年4月21日、セガ)アフターバーナークライマックス。 --DL専売ソフト。ネーミングは略すと「ABC」になる事から付けられた。そういう意味では同社のエアバイクコップ第二弾。→[[AFTER BURNER CLIMAX]] -ニンテンドー3DS版(2013年12月18日、セガ/M2)3DアフターバーナーII。 --単体版はDL専売ソフト((2022年12月21日に配信終了))。上記のSS版と同様、ACに忠実な移植で、裸眼立体視に対応したアフターバーナーII。 --オプション設定が充実し、8インチフロッピー((作曲者のHiro師匠こと川口氏が所有していたもの))から読みだしたメロディ付きBGMへの切り替えや、画面の中に各筐体のガワ(外枠)部分を表示できたりする。 --更にアーケード筐体の体感性を再現したムービング筐体モードにより、機体の旋回や360°ローリングに反応して画面が傾斜する。 ---3DS画面の中に当時のゲーム画面を表示させるので、画面サイズは多少犠牲となる。 --第2期ということで制作にも余裕が出来たのか、「グラントノフ」と呼ばれるようになった3D復刻版でのオリジナル要素がパワーアップ。追加要素ではなく、ゲームをほぼ作り変えるレベルのアレンジモードが収録されるようになった。~ それがアーケードモードをクリアすると出現するスペシャルモード。「クライマックスの2D版を意識した」とインタビューで語っているように、スコア稼ぎや回避に優れたバーストの追加や、ボーナスステージ及びステージ22~23で耐久力のある赤いライバル機が出現し、ライバル機とのドッグファイトを繰り広げる事が可能。~ なお「グラントノフ」の名の通りグラントノフを出そうという意見もあったようだが、松岡Dに断固拒否されたとのこと((後の3Dサンダーブレードインタビューにて「飛び回るABIIのゲーム性に動かないグラントノフが合わないと感じた」と語られている。))。 --第2期のトップを飾った割には、アーカイブス1/2へ収録されていなかったが、アーカイブス3にてようやく収録。これはパッケージ化に伴い、再びノースロップ・グラマンとの版権使用契約が必要になったため、予算的な関係で後に回されていたためである。 #endregion **関連作品 #region(一覧) -『G-LOC』:Yボード基板使用。システムは制限時間制のミッションクリア型になった。大型可動筐体である「R360版」も存在する。((R360版はアトラクション要素を強めた内容になっている)) -『ストライクファイター』:『G-LOC』のシステムをアフターバーナー寄りにしたマイナーチェンジ版。後に『AFTER BURNER Ⅲ』のタイトルでメガCDとFM-TOWNSに移植された(移植版の発売元はどちらもCSK総合研究所)。 -『セガ・ストライクファイター』:2000年に稼働したNAOMI基板による新作。上記の作品とは内容が別物となっており、システムは『G-LOC』に近い。3画面を使った筐体も存在する。開発はワウ・エンターテインメント(分社化時代のAM1研)。 -『スカイターゲット』:自機でF-14Dが使用できるほか、ミッション3-B、6-AいずれもCITYステージでAfter BurnerのアレンジBGMが流れる。 -『スーパー大戦略(MD)』:隠しユニットとして登場、ゲームを意識してか各ミサイル搭載量が多く20mmバルカン砲は99発。他の体感ゲームからの参戦はサンダーブレードとギャラクシーフォース(TRY-Z)。 -『ファイターズメガミックス』:BMステージで特殊なコマンドを入力するとF-14XXが飛来する。 -『[[パワードリフト]]』:A、C、Eコースを全ステージ1位で通過すると現れるエクストラステージのプレイヤー使用機として登場。スタート後バギーから変形する。元が飛行機なので宙に浮いてコースを”走る”。ちなみにB、Dコースではハングオンのバイクに変形する。 -『シェンムーII』:啓徳空港名物「ジャンボ機が市街地上空をかすめる」演出があるのだが、福仙街の某所にて低確率でジャンボ機の代わりにF-14XX編隊が横切る #endregion **海外でのみ販売された移植作、続編 #region(一覧) -LCD版アフターバーナー(ゲーム&ウオッチ型とアップライト筐体の小型版の2種類) -GBA SEGA ARCADE GALLERY アフターバーナーI(鈴木裕4大作品を収録) -PSP アフターバーナー ブラックファルコン(収録機体が3Dエイジスと匹敵する) -携帯電話アプリ アフターバーナー #endregion **余談(II)(稼働状況について) -大阪新世界で謎の業者が営むゲーセン「ザリガニ」に現役で稼働するダブルクレイドル仕様筐体が存在する((いつまで稼働出来るかの不安もある為に2019年現在としておく。))。~ ただし話題に上がったが故の稼働率の高さが災いし、他のゲームでは考えにくいペースで故障を繰り返していた。~ 流石にこの状態で動態保存は難しいということで、プレイ料金が300円に値上がりした((店長曰く「プレイ100円+修繕積立費200円で考えてください。」とのこと。))。~ そして2020年、出どころはわからないのだが、なんと2台新たに発掘されオーバーホール完了、2021年現在は3台体制での稼働になっている。ただし3台稼働は休日のみで、平日は負担低減のため3台のうち1台がローテーションで稼働している。 -池袋ゲーセンミカドと秋葉原SEGA3号館((元々5号館にあったレトロコーナーから移設されたもの。))、天野ゲーム博物館で無可動タイプの純正アップライト筐体が稼働中。入れ替わりが激しいので常設では無いが、Heyのようにシティタイプ筐体に基板のみ移植((レバー等はスペハリ用のアップライトコンパネにスロットルレバーを追加したもの。))という形で稼働する店も存在する。 -2016年9月10日~2017年3月12日に川口市で開催された「あそぶ!ゲーム展-ステージ2 ~ゲームセンターVSファミコン~」にて完動状態のシングルクレイドル筐体が展示。来館者は自由にプレイ可能だった。 --同展では他にも『[[アウトラン]]』『スーパーハングオン』など数々の大型筐体ゲームが完璧に近いコンディションで展示されておりプレイもできた。

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