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*ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島 前編/後編 【ふぁみこんむかしばなし しん・おにがしま ぜんぺん/こうへん】 |ジャンル|アドベンチャー|CENTER:&amazon(B00605LQCK)&amazon(B00605M1WY)&amazon(B0002M2U9A)| |対応機種|ファミリーコンピュータ ディスクシステム|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|パックスソフトニカ&br;任天堂情報開発部|~| |発売日|前編:1987年9月4日&br;後編:1987年9月30日|~| |書換開始日|共通:1987年9月30日|~| |定価|前編:2,600円&br;後編:2,500円|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)((バーチャルコンソール版で付与されたレーディングで記載。))|~| |配信|バーチャルコンソール(前後編同時収録)&br;【Wii】2007年6月19日/600Wiiポイント&br;COLOR(red){''※2019年1月31日に配信終了''}&br;【3DS】2013年6月5日/500円&br;【WiiU】2013年9月18日/500円&br;COLOR(red){''※2023年3月28日に配信終了''}|~| |備考|【GBA】『[[ファミコンミニシリーズ]]』第3弾&br;2004年8月10日発売|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|昔話の寄せ鍋&br;死と背中合わせの冒険絵巻&br;ほのぼのタッチのキャラが演じる深いドラマ|~| |>|>|CENTER:''ふぁみこんむかし話シリーズ''&br;''新・鬼ヶ島'' / [[遊遊記>ふぁみこんむかし話 遊遊記 前編/後編]] / [[平成 新・鬼ヶ島>平成 新・鬼ヶ島 前編/後編]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 アクションゲームの制作がメインというイメージが強かった任天堂初となる、ディスクシステム向けのアドベンチャーゲーム。~ 2枚組ディスクという手法は、当時メガロムの登場によりロムカセットに対して不利になった容量を補うべく用いられた。~ それまでのアドベンチャーものに推理ものやSF的な世界観の物語が多かったのとは一線を画し、日本の昔話をモチーフにした牧歌的でほのぼのとした作風が幅広い層に受け入れられ、任天堂初のアドベンチャーゲームとして大きな人気を集めた。 ---- **ストーリー 昔々、ながくし村というところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。~ 子供のいなかった2人は毎日神様に子供を授けてくれるようお祈りしていました。 そんなあるとき、山に芝刈りに出かけたおじいさんは竹やぶで竹から生まれた女の子を、~ 川に洗濯に出てきたおばあさんは拾った不思議なおわんから生まれた男の子をそれぞれ授かります。~ 2人は子供たちを喜んで育てることにします。 時が過ぎ子供たちが8歳の誕生日を迎えた頃。~ 西の都で鬼が暴れ、人々の魂を奪って廻っているという噂がながくし村にも届いてきます。~ そしてながくし村にも鬼の魔の手が伸び、おじいさんとおばあさんは魂を奪われてしまうのでした。 悲しみを乗り越え、2人はおじいさんとおばあさんを救うべく、冒険に旅立つのでした。 ---- **特徴 -シナリオは日本昔話の世界をベースにしているので、メッセージ・コマンドはすべてが縦書きのひらがな表記。 -「ひとかえる」コマンドによるザッピングシステムの搭載。 --プレイヤーの視点を主人公の男の子、女の子の双方に切り替えながらフラグ立てを進めていくことで進行する。 -ゲーム進行上、取る必要のない行動を自由に取れるなど、選択肢が幅広い。が、その分ゲームオーバーを誘うトラップも多い。 -主人公のデフォルトの名前は、男の子が「どんべ」、女の子が「ひかり」、犬が「りんご」、猿が「まつのすけ」、雉が「おはな」となっている。 --名前を変えられるのは主人公の2人のみで、名前つけイベントの時にコントローラーのスタートボタンを押すと、前につけられた名前が自動でつけられる((さらに、後編スタート時にもう一度キャラの名前設定ができる裏技もある。))。 ---初プレイの場合だと上記の自動で入力される名前は公式の「どんべ」「ひかり」となる((この名前自体公にはされず攻略書籍でも使われた例が少ないため、1回きりのチャンスを逃したら見る機会がなくなるので主人公のデフォルトネームを知らないという人も多かったようである。また当時は名前を自分で考える人が多く公式名そのものをさほど気にしない風潮だった。))。 ---- **評価点 -昔懐かしい日本昔話の世界が独特な切り口で融合され、ほのぼのとした温かみのある世界観を作っている。 --シナリオ周りも、何かを調査したときの反応や仲間との会話での反応のメッセージ、演出などに思わず笑ってしまうようなユーモアとギャグがちりばめられている。 ---物語が後半に差し掛かると一転してギャグ要素は少なくなり、最終局面に向かうにつれてシリアスさが徐々に増してくる。前編のほのぼのとした雰囲気から打って変わったドラマチックな展開には引き込まれるものがある。 -テキストとコマンドはすべて縦書きで、『日本昔話』の雰囲気を強調している。 --テキストは掛け軸型、コマンドは巻物型のウィンドウに表示される。 --日本の昔話という点を考慮してか、使われている文字はひらがなのみ。 ---当時としては恒例の「使用文字を制限して容量節約」という意図もあるのだろうが全体的に和テイストで統一されていることもあって違和感も緩和されている。 -「サングラスをかけ英語を話す金太郎」など、昔話のキャラクターにこのゲームならではのコミカルな味付けがなされており、より個性的なキャラに仕上がっている。 -BGMのほとんどは、日本民謡的なリズムと音感に終始しており、コミカルで、時にシリアスで哀愁漂う秀逸なメロディラインは一級品。 --作曲は[[マリオシリーズ]]でおなじみの近藤浩治。ファミコン20周年記念で発売された食玩CD内のブックレットによると、プログラムを圧縮しやすいように作曲したといい、職人芸が垣間見える。 -ゲームオーバーを誘う選択肢も数多いのだが、基本的にはベースとなった昔話を知っていれば結果が予測できるものが多い。 --とはいえ、あえてやってみたくやるようなものが多いのでついついやってしまうことも。もちろん、間違った選択に対するペナルティは「ゲームオーバー」という容赦のないもの。 ---また、一部、原典の昔話の内容を逆手に取ったフラグ展開も用意されており、一筋縄ではいかない。 --ゲームオーバーの内容そのものは、正真正銘の死に直結してしまうシビアな内容のものが多いが、純粋なネタとして面白いものもある。 -基本、ノーヒント。ただ、片割れや連れ歩いているお供に話しかけると、何かしら進展するコマンドが出てきたりする。 -主人公を切り替えて、NPCやもう1人の主人公に話しかければ違う台詞が聞けたりと、それなりにテキスト周りが細かい。 -女の子、男の子の役割分担がある程度決まっている。 --特に前編では、荷物の運搬と敵との戦いは男の子担当、文字を読むなどの頭脳労働は女の子担当といった具合に明確に分かれている。 ---後編では男の子が戦うことが多く、女の子はバックアップのような位置付けといった感じで主役が男の子に寄ったストーリー展開になるが、それでもお互い食い合わず最後まで見せ場がある。 -ザッピングシステム --これにより、各主人公の個性をテキスト面で上手く表現している。 -隠れキャラなどのお遊び要素も豊富。 --有名なところでは「金太郎ロケット」や、最終章で天狗に何度も話しかけることで移行する「てんちゃんのなぞなぞこーなー((それまでのゲーム本編から出題される。「なぞなぞ」と称しているがとんちや駄洒落に絡むものは一切ないので「クイズ」と言った方が正しい。))」がある。 ---- **問題点 -コマンドを決定・キャンセルするたびに画面下部の巻物型コマンドウィンドウが開閉する演出が入るが、アニメーション速度が遅めなので若干テンポが悪い。 -物語を読むことより謎解きに重点が置かれていて難易度が高い。 --黎明期のアドベンチャーによく見られた「謎解きのロジック」を重視した作風となっているため、フラグ立てが非常に複雑。~ 進行させるために同じコマンドを2回以上繰り返して選択しなければならない場所が多かったり、「やってはいけない」とテキスト上でほのめかしつつ実はゲーム進行に必要な行動があるなどのひっかけもある。~ ゲームオーバー要因も多いうえに上述の通りノーヒントで意地の悪いひっかけも存在していたりするため、自力での初見クリアは難しい。~ 終盤には、一定時間内に特定のコマンドを選択しないとゲームオーバーになる局面まで存在する。 -グラフィックウィンドウの左右上下に東西南北が割り当てられて移動の際の選択肢の東西南北に対応しており、グラフィック自体が1つのマップ状になっている。移動の際はこのことを意識する必要があるのだが、中盤から後半にかけてフラグ立てが複雑になってくるのに合わせてマップ構成も複雑になるため、現在位置からどのようにマップが繋がるかをメモしておかないと移動の際に迷い易い。 -ゲームオーバーになった場合の再開地点が「セーブした地点から」か「プレイ中の章の冒頭から」の2択のみで、ゲームオーバー直前のシーンからやりなおすことができない。 ---- **総評 話の大筋は桃太郎だが、他の物語の道具や人物の絡め方に違和感があまりない。~ 男の子と女の子の性格、台詞周り、それぞれのキャラで話しかけたときの反応の違いなど、テキスト周りが充実しており、くすっと笑ってしまうような改変が多く、飽きが来ない。コミカルなパロディを織り込みつつもシリアスなテーマが根底に敷かされたストーリーも光っている。~ 難易度の高さを十分に補う魅力を持つ作品と言えよう。 ---- ***関係する昔話一覧 #region -桃太郎(男主人公・犬・猿・雉・鬼 物語の大筋) -かぐや姫(女主人公) -鶴の恩返し(おつうさん・反物) -金太郎(金太郎・熊) -傘地蔵 -雪女 -おむすびころりん(ねずみ)((当時は女子大生ブーム真っ只中で、その時事ネタも兼ねて「女子大生ねずみ」というキャラになっている。1995年に女子大生ブームが女子高生ブームに切り替わった世相を反映して移植版などでは「女子高生ねずみ」に変えられている。)) -河童 -UFO(アダムスキー型円盤) -天狗の隠れ蓑(天狗・隠れ蓑の灰) -花咲か爺さん(花を咲かせる灰) -かちかち山(木の船とウサキ・泥の船とタヌキ) -一寸法師(打出の小槌) -牛若丸(弁慶) -番町皿屋敷(お菊さん) -きつねとぶどう(これ自体はイソップ物語が原点) -ききみみずきん -舌切り雀(子スズメ・スズメのお宿) -こぶとり爺さん(こぶを取られる前のおじいさん) -浦島太郎(玉手箱・乙姫様) -龍神伝説(龍) -一休さん(いったいさん)((毛が一本あるので「休」に一本足して「体」で「一体さん」。)) #endregion ---- **移植版 -''『ふぁみこん昔話 新・鬼ヶ島 前後編』(GBA)'' --GBA向けの『[[ファミコンミニシリーズ]]』第3弾『ディスクシステムセレクション』の1作として、前後編を同時収録している。 ---機種変による音質とグラフィックの多少の変質はあるが、ストーリーや台詞などに変更はない。一定時間コマンド選択をせずに待つ必要のある場面での待ち時間が短縮されテンポが良くなった。 -''『ふぁみこん昔話 新鬼ヶ島 前後編』(配信日:2007年6月19日 600Wiiポイント ※配信終了につき現在はDL不可)'' --GBA版同様、前後編をひとまとめにしたものがダウンロードできる。 ---こちらはテキストのゲーム進行に関わる部分に変更点が存在する。 -''『平成新・鬼ヶ島前後編』(SFC)'' --ゲーム中に一定条件を満たすことで前編、後編のクリア後にディスク版が追加される。章ごとに幕間の小芝居デモが挿入される、BGMがSFC音源でアレンジしなおされ音声もステレオ化されている、グラフィックの若干の劣化、テキストの一部修正((オリジナル版のVC版で表現が変更された部分はそのまま変更なしで維持されているが、セリフの言い回しが微妙に変わっている箇所がある。))、スタッフクレジットに一部変更点があるなどの変更点が加えられている他はオリジナルを踏襲している。 ---- **余談 -本作のCMは「昔話の寄せ鍋」と称し昔話の登場人物たちが巨大な鍋の中に次々と飛び込むというユニークなもの。 -任天堂のテキストアドベンチャーは第2弾として同年12月『[[アイドルホットライン 中山美穂のトキメキハイスクール]]』が発売されている。 --[[ディスクファクスイベント>ディスクファクスイベントシリーズ]]を絡めた展開で話題になった。 -ロムカセットに対しての容量的な不利を補うべく用いられた「2枚組ディスクアドベンチャー」というスタイルは翌1988年『[[ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者>ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者 前編/後編]]』に引き継がれている((ただし開発のチームは全く違い、上記の『中山美穂のトキメキハイスクール』を制作した面々によって作られた。))。 --この作品も本作には及ばないものの前後編ともスマッシュヒット級の売上を記録した。 -昔話をベースとしたファミコンゲームとしてはハドソンの[[桃太郎シリーズ]]が有名だが、本作はその第1作『[[桃太郎伝説>桃太郎伝説 (FC)]]』(同年10月26日発売)よりも先んじている。 -ソフト発売から少し後に徳間書店のわんぱっくコミックス『必勝テクニック完ペキ版((ゲーム攻略本+コミックのようなもの。))』の30(前編・昭和62年11月20日初版)・31(後編・昭和63年1月20日初版)として漫画化もされた。 --作者は同シリーズでおなじみのみなづき由宇氏((代表作としては同シリーズの攻略漫画『アトランチスの謎』『レイラ』やゲームコミックの『マドゥーラの翼(完全にビキニアーマー化したルシアで有名)』などがある。))。本書では男の子は「太郎」、女の子は「姫子」という名前が使われており、この名前を愛好して使うファンも多い((徳間コミュニケーションズ発行の攻略本でもこの名前になっている。))。 --物語の要点がまとめられており作者の画風も世界観と見事に調和しているので、ゲームそのものを知らなかったりゲーム攻略という観点を抜きにしても非常に楽しめる内容になっている。 ---前編には「番外編」というおまけの漫画がついており『[[メトロイド]]』や『[[リンクの冒険]]』のパロディ((サムスやリンクが直接登場するわけではなく、太郎がリンクに、姫子がサムスに変身する。作者のみなづき氏は以前この2作の攻略漫画も描いていた。))も織り交ぜた鬼退治の内容になっており、これも攻略漫画本編とは違った面白さがあるので一見の価値ありと言える。 ---『必勝テクニック完ペキ版』シリーズとしては、これが最後となった。この後に発売されたわんぱっくコミックスの単行本ではゲームを扱った作品は2月に『[[リップルアイランド]]』(作:もりけん)1巻、3月に『[[リンクの冒険]]』(作:乱丸)2巻、5月に『[[スーパーマリオブラザーズ2]]』(作:沢田ユキオ)3巻の3冊のみで、他はゲームと無関係な『無茶の猫丸』(作:田森庸介)、『キョンちゃん』(作:ぜんきよし)、『ど根性ガエル』(作:吉沢やすみ)をもって1989年1月、その歴史に幕を閉じた。 //ゲーム展開とは違うので移動 -上記のコミックスと同時期に双葉社からゲームブックも刊行された。 --ゲームブックでは女の子は「ひかり」と公式名と同じだが、男の子の方は「太郎」になっている。 --鬼や龍との戦いという大筋は共通するが、その展開はだいぶ変わっている。オリジナルな展開が非常に多いので、ゲーム本編を知っていても楽しめる。 ---またゲーム本編とは異なり成長前の男の子のキャラクターがゲーム本編と異なっている。 ---ゲーム本編で登場するキャラも、登場するポイントやその役回りが違う点が多々ある。 ---本作での隠しバッドエンド、目的を遂げないままながくし村に帰ってしまうバッドエンドもある。 --ただ、こちらも現在では非常に入手困難なのが残念なところ。 -頸文社発行の攻略本では、前編の表紙イラストに後編のものが使われており、後編の方はオリジナルのもの、しかも''公式のパッケージデザインより高頭身になっている''。 --こちらでも男の子は「たろう」と、女の子は「はなこ」となっている((ビッグアップル社発行のものも同じ名前が使われている。))。 -上記の通り公式名自体が触れる機会が少なかったためか大多数の書籍では使われていなかったが、実業之日本社の攻略本ではそれが使われていた。 --本書も、本編を踏襲したギャグ漫画がついていたり、表紙裏にはスゴロクゲーム((コマは最終ページの裏側なので切り取ると反対側の最終ページが大穴になるのはお約束。一応、その大穴が開くページはイラストのみなので攻略には差し支えないが。))があったりとゲーム攻略を抜きにしても楽しめる内容になっている。 --もちろん、これも現在では非常に入手困難。 -ファミマガ恒例のウソテクのネタにも使われていた。 --第一章の川のシーンでIIコンのマイクに「桃から生まれた桃太郎~!」と叫ぶと川上から桃が流れてくるというウソテクでは恒例のIIコンマイクネタ((言うまでもないがファミコンのマイクは「音が入ったか入っていないか(ON・OFF)」しか認識できないので、それを知っている者からすれば「マイクで○○と言う」はウソとまるわかりだった(『グラディウス』の「オップション」など)。))(1987年18号)。 -2枚組ディスクという販売形式は前例がなかったため「後編を遊ぶためには前編のディスクが必要です」と説明書やTVCMで明示されていたにもかかわらず、前編のディスクを後編に書き換えてしまったため再び「前編のディスク買いなおし」&「前編クリアしなおし」になったという悲劇が多々あった。 --上記の意味を「前編をクリアした場合、そのカードを後編に書き換えてもらえる」と勘違いした人もいたようだ((本作を未経験で『ファミコン探偵倶楽部』などで前後編ディスクを初体験した層も、同様の誤解をしたという例がある。))。ちなみに、ハナから後編を入れると「前編ディスクからロードしてください」というメッセージが出る。 ---これは『遊遊記』『タイムツイスト』も同様。『[[ファミコン探偵倶楽部>ファミコン探偵倶楽部シリーズ]]』シリーズや『[[探偵 神宮寺三郎 危険な二人>探偵 神宮寺三郎 危険な二人 前編/後編]]』はエラーが出る。 --後編はパッケージ版発売と同日に書換開始だったこともそれが多発した一因と思われる。 -ハドソンのRPG『[[天外魔境 ZIRIA]]』に「名作昔話 じらいあ」というミニコントが始まる裏技がある。 --名称やコントの演出、グラフィックなどどことなく本作を意識していると思われる節がある。 -『[[大乱闘スマッシュブラザーズDX]]』に「どんべ&ひかり」のフィギュアが登場。 -裏スマブラこと『[[キャプテン★レインボー]]』に、女の子のひかりがメインヒロインとして参戦した。 --ただし、キャラデザはかなり強いアレンジがなされているうえ、一部『遊遊記』のヒロイン、ちゃおの設定を含んでいる((恋愛小説が好きという件。))。 -どんべとひかりが『[[スーパーマリオメーカー]]』のキャラマリオとして登場している。 ---- **その後の展開 -2枚組アドベンチャーとしてだけではなく『ふぁみこんむかし話』そのものも後にシリーズ化されることになる。 --2年後の1989年後期に正式なシリーズ続編として西遊記を原作とするシリーズ第2弾『[[ふぁみこんむかし話 遊遊記>ふぁみこんむかし話 遊遊記 前編/後編]]』が同じく前後編ディスクソフトで発売され、本作のキャラが一部ゲスト出演している。 ---ディスク末期の発売であったため、ソフト売上本数では任天堂ソフトとしてはかなり低く、本作に比べるとマイナーではあるが、奇抜でユニークな内容のCMで知られている。 -1996年9~10月、SFC向けの衛星データ放送受信用周辺機器「サテラビュー」にて『BS新鬼ヶ島』が「サウンドリンクゲーム」として配信された。これは本作の主人公たちの前世とお供の動物たちの過去を明らかにした外伝作品である。 --ちなみに、サウンドリンクゲームとは、あらかじめ決められた1時間にゲームデータとラジオ音声を同時に配信し、制限時間内に謎解きしてゲームを進めたり、スコア稼ぎを競うというもの。『ゼルダの伝説』や『ファミコン探偵倶楽部』などの過去の名作がBS向けに制作され、配信されていた。 ---しかし、サテラビューは存在自体こそTVCMで知られていても当時さほど普及していなかった衛星放送の環境が必要なことなどから利用者は極端に少なかった。 -1997年12月には、SFCの書き換えサービス「ニンテンドウパワー」にて『平成 新・鬼ヶ島』前編/後編が発売((ちなみに、これがニンテンドウパワー専用ソフト第1号でもある。))、1998年5月にはパッケージ版も発売された。これは上記『BS新鬼ヶ島』のリメイク版((サテラビューは認知度が極端に低かったことと奇しくもディスク版発売から10年後となったため、本作の10周年を記念したものと誤認したファンもいた。))で、物語自体も細部で多少の改変がなされている。 --音源などに多少の違いはあれど、ディスク版も収録されている。平成版本編をクリア後にプレイ可能となる。 --ただ、これも後継機たる64がすでに発売後に加えて当時はPS全盛期だったため注目度が低かった。そのため、ゲーム誌でもあまり掲載されず、さらにニンテンドウパワーは基本ローソンのLoppiのみによるサービス提供だった。 ---ゆえにあまり広く知れ渡ることはなく、あまり認知されなかった。存在自体は認知していた層でも、価格面で割高((空状態の「メモリカセット」が3,980円で書換え料金は別。4Mbや8Mbで8,000円超だったスーパーファミコン初期を思えば相対的に安いと言えなくもないが、上記の通り本作はパッケージ版が3,800円で発売されているのでニンテンドウパワーで購入すると6,980円と倍近くにもなる。))だったことが災いし積極的に利用する者は少なかった((ローソンでのサービスは2002年8月で終了。任天堂サービスセンターへ移行した翌月からはただでさえ少なかった利用者はさらに激減し、2007年2月いっぱいで完全終了した。))。 //その後の展開を本作の直接的な新作に絞り、残りは余談に移しました。
*ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島 前編/後編 【ふぁみこんむかしばなし しん・おにがしま ぜんぺん/こうへん】 |ジャンル|アドベンチャー|CENTER:&amazon(B00605LQCK)&amazon(B00605M1WY)&amazon(B0002M2U9A)| |対応機種|ファミリーコンピュータ ディスクシステム|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|パックスソフトニカ&br;任天堂情報開発部|~| |発売日|前編:1987年9月4日&br;後編:1987年9月30日|~| |書換開始日|共通:1987年9月30日|~| |定価|前編:2,600円&br;後編:2,500円|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)((バーチャルコンソール版で付与されたレーディングで記載。))|~| |配信|バーチャルコンソール(前後編同時収録)&br;【Wii】2007年6月19日/600Wiiポイント&br;COLOR(red){''※2019年1月31日に配信終了''}&br;【3DS】2013年6月5日/500円&br;【WiiU】2013年9月18日/500円&br;COLOR(red){''※2023年3月28日に配信終了''}|~| |備考|【GBA】『[[ファミコンミニシリーズ]]』第3弾&br;2004年8月10日発売|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|昔話の寄せ鍋&br;死と背中合わせの冒険絵巻&br;ほのぼのタッチのキャラが演じる深いドラマ|~| |>|>|CENTER:''ふぁみこんむかし話シリーズ''&br;''新・鬼ヶ島'' / [[遊遊記>ふぁみこんむかし話 遊遊記 前編/後編]] / [[平成 新・鬼ヶ島>平成 新・鬼ヶ島 前編/後編]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 アクションゲームの制作がメインというイメージが強かった任天堂初となる、ディスクシステム向けのアドベンチャーゲーム。~ 2枚組ディスクという手法は、当時メガロムの登場によりロムカセットに対して不利になった容量を補うべく用いられた。~ それまでのアドベンチャーものに推理ものやSF的な世界観の物語が多かったのとは一線を画し、日本の昔話をモチーフにした牧歌的でほのぼのとした作風が幅広い層に受け入れられ、任天堂初のアドベンチャーゲームとして大きな人気を集めた。 ---- **ストーリー 昔々、ながくし村というところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。~ 子供のいなかった2人は毎日神様に子供を授けてくれるようお祈りしていました。 そんなあるとき、山に芝刈りに出かけたおじいさんは竹やぶで竹から生まれた女の子を、~ 川に洗濯に出てきたおばあさんは拾った不思議なおわんから生まれた男の子をそれぞれ授かります。~ 2人は子供たちを喜んで育てることにします。 時が過ぎ子供たちが8歳の誕生日を迎えた頃。~ 西の都で鬼が暴れ、人々の魂を奪って廻っているという噂がながくし村にも届いてきます。~ そしてながくし村にも鬼の魔の手が伸び、おじいさんとおばあさんは魂を奪われてしまうのでした。 悲しみを乗り越え、2人はおじいさんとおばあさんを救うべく、冒険に旅立つのでした。 ---- **特徴 -シナリオは日本昔話の世界をベースにしているので、メッセージ・コマンドはすべてが縦書きのひらがな表記。 -「ひとかえる」コマンドによるザッピングシステムの搭載。 --プレイヤーの視点を主人公の男の子、女の子の双方に切り替えながらフラグ立てを進めていくことで進行する。 -ゲーム進行上、取る必要のない行動を自由に取れるなど、選択肢が幅広い。が、その分ゲームオーバーを誘うトラップも多い。 -主人公のデフォルトの名前は、男の子が「どんべ」、女の子が「ひかり」、犬が「りんご」、猿が「まつのすけ」、雉が「おはな」となっている。 --名前を変えられるのは主人公の2人のみで、名前つけイベントの時にコントローラーのスタートボタンを押すと、前につけられた名前が自動でつけられる((さらに、後編スタート時にもう一度キャラの名前設定ができる裏技もある。))。 ---初プレイの場合だと上記の自動で入力される名前は公式の「どんべ」「ひかり」となる((この名前自体公にはされず攻略書籍でも使われた例が少ないため、1回きりのチャンスを逃したら見る機会がなくなるので主人公のデフォルトネームを知らないという人も多かったようである。また当時は名前を自分で考える人が多く公式名そのものをさほど気にしない風潮だった。))。 ---- **評価点 -昔懐かしい日本昔話の世界が独特な切り口で融合され、ほのぼのとした温かみのある世界観を作っている。 --シナリオ周りも、何かを調査したときの反応や仲間との会話での反応のメッセージ、演出などに思わず笑ってしまうようなユーモアとギャグがちりばめられている。 ---物語が後半に差し掛かると一転してギャグ要素は少なくなり、最終局面に向かうにつれてシリアスさが徐々に増してくる。前編のほのぼのとした雰囲気から打って変わったドラマチックな展開には引き込まれるものがある。 -テキストとコマンドはすべて縦書きで、『日本昔話』の雰囲気を強調している。 --テキストは掛け軸型、コマンドは巻物型のウィンドウに表示される。 --日本の昔話という点を考慮してか、使われている文字はひらがなのみ。 ---当時としては恒例の「使用文字を制限して容量節約」という意図もあるのだろうが全体的に和テイストで統一されていることもあって違和感も緩和されている。 -「サングラスをかけ英語を話す金太郎」など、昔話のキャラクターにこのゲームならではのコミカルな味付けがなされており、より個性的なキャラに仕上がっている。 -BGMのほとんどは、日本民謡的なリズムと音感に終始しており、コミカルで、時にシリアスで哀愁漂う秀逸なメロディラインは一級品。 --作曲は[[マリオシリーズ]]でおなじみの近藤浩治。ファミコン20周年記念で発売された食玩CD内のブックレットによると、プログラムを圧縮しやすいように作曲したといい、職人芸が垣間見える。 -ゲームオーバーを誘う選択肢も数多いのだが、基本的にはベースとなった昔話を知っていれば結果が予測できるものが多い。 --とはいえ、あえてやってみたくやるようなものが多いのでついついやってしまうことも。もちろん、間違った選択に対するペナルティは「ゲームオーバー」という容赦のないもの。 ---また、一部、原典の昔話の内容を逆手に取ったフラグ展開も用意されており、一筋縄ではいかない。 --ゲームオーバーの内容そのものは、正真正銘の死に直結してしまうシビアな内容のものが多いが、純粋なネタとして面白いものもある。 -基本、ノーヒント。ただ、片割れや連れ歩いているお供に話しかけると、何かしら進展するコマンドが出てきたりする。 -主人公を切り替えて、NPCやもう1人の主人公に話しかければ違う台詞が聞けたりと、それなりにテキスト周りが細かい。 -女の子、男の子の役割分担がある程度決まっている。 --特に前編では、荷物の運搬と敵との戦いは男の子担当、文字を読むなどの頭脳労働は女の子担当といった具合に明確に分かれている。 ---後編では男の子が戦うことが多く、女の子はバックアップのような位置付けといった感じで主役が男の子に寄ったストーリー展開になるが、それでもお互い食い合わず最後まで見せ場がある。 -ザッピングシステム --これにより、各主人公の個性をテキスト面で上手く表現している。 -隠れキャラなどのお遊び要素も豊富。 --有名なところでは「金太郎ロケット」や、最終章で天狗に何度も話しかけることで移行する「てんちゃんのなぞなぞこーなー((それまでのゲーム本編から出題される。「なぞなぞ」と称しているがとんちや駄洒落に絡むものは一切ないので「クイズ」と言った方が正しい。))」がある。 ---- **問題点 -コマンドを決定・キャンセルするたびに画面下部の巻物型コマンドウィンドウが開閉する演出が入るが、アニメーション速度が遅めなので若干テンポが悪い。 -物語を読むことより謎解きに重点が置かれていて難易度が高い。 --黎明期のアドベンチャーによく見られた「謎解きのロジック」を重視した作風となっているため、フラグ立てが非常に複雑。~ 進行させるために同じコマンドを2回以上繰り返して選択しなければならない場所が多かったり、「やってはいけない」とテキスト上でほのめかしつつ実はゲーム進行に必要な行動があるなどのひっかけもある。~ ゲームオーバー要因も多いうえに上述の通りノーヒントで意地の悪いひっかけも存在していたりするため、自力での初見クリアは難しい。~ 終盤には、一定時間内に特定のコマンドを選択しないとゲームオーバーになる局面まで存在する。 -グラフィックウィンドウの左右上下に東西南北が割り当てられて移動の際の選択肢の東西南北に対応しており、グラフィック自体が1つのマップ状になっている。移動の際はこのことを意識する必要があるのだが、中盤から後半にかけてフラグ立てが複雑になってくるのに合わせてマップ構成も複雑になるため、現在位置からどのようにマップが繋がるかをメモしておかないと移動の際に迷い易い。 -ゲームオーバーになった場合の再開地点が「セーブした地点から」か「プレイ中の章の冒頭から」の2択のみで、ゲームオーバー直前のシーンからやりなおすことができない。 ---- **総評 話の大筋は桃太郎だが、他の物語の道具や人物の絡め方に違和感があまりない。~ 男の子と女の子の性格、台詞周り、それぞれのキャラで話しかけたときの反応の違いなど、テキスト周りが充実しており、くすっと笑ってしまうような改変が多く、飽きが来ない。コミカルなパロディを織り込みつつもシリアスなテーマが根底に敷かされたストーリーも光っている。~ 難易度の高さを十分に補う魅力を持つ作品と言えよう。 ---- ***関係する昔話一覧 #region -桃太郎(男主人公・犬・猿・雉・鬼 物語の大筋) -かぐや姫(女主人公) -鶴の恩返し(おつうさん・反物) -金太郎(金太郎・熊) -傘地蔵 -雪女 -おむすびころりん(ねずみ)((当時は女子大生ブーム真っ只中で、その時事ネタも兼ねて「女子大生ねずみ」というキャラになっている。1995年に女子大生ブームが女子高生ブームに切り替わった世相を反映して移植版などでは「女子高生ねずみ」に変えられている。)) -河童 -UFO(アダムスキー型円盤) -天狗の隠れ蓑(天狗・隠れ蓑の灰) -花咲か爺さん(花を咲かせる灰) -かちかち山(木の船とウサキ・泥の船とタヌキ) -一寸法師(打出の小槌) -牛若丸(弁慶) -番町皿屋敷(お菊さん) -きつねとぶどう(これ自体はイソップ物語が原点) -ききみみずきん -舌切り雀(子スズメ・スズメのお宿) -こぶとり爺さん(こぶを取られる前のおじいさん) -浦島太郎(玉手箱・乙姫様) -龍神伝説(龍) -一休さん(いったいさん)((毛が一本あるので「休」に一本足して「体」で「一体さん」。)) #endregion ---- **移植版 -''『ふぁみこん昔話 新・鬼ヶ島 前後編』(GBA)'' --GBA向けの『[[ファミコンミニシリーズ]]』第3弾『ディスクシステムセレクション』の1作として、前後編を同時収録している。 ---機種変による音質とグラフィックの多少の変質はあるが、ストーリーや台詞などに変更はない。一定時間コマンド選択をせずに待つ必要のある場面での待ち時間が短縮されテンポが良くなった。 -''『ふぁみこん昔話 新鬼ヶ島 前後編』(配信日:2007年6月19日 600Wiiポイント ※配信終了につき現在はDL不可)'' --GBA版同様、前後編をひとまとめにしたものがダウンロードできる。 ---こちらはテキストのゲーム進行に関わる部分に変更点が存在する。 -''『平成新・鬼ヶ島前後編』(SFC)'' --ゲーム中に一定条件を満たすことで前編、後編のクリア後にディスク版が追加される。章ごとに幕間の小芝居デモが挿入される、BGMがSFC音源でアレンジしなおされ音声もステレオ化されている、グラフィックの若干の劣化、テキストの一部修正((オリジナル版のVC版で表現が変更された部分はそのまま変更なしで維持されているが、セリフの言い回しが微妙に変わっている箇所がある。))、スタッフクレジットに一部変更点があるなどの変更点が加えられている他はオリジナルを踏襲している。 ---- **余談 -本作のCMは「昔話の寄せ鍋」と称し昔話の登場人物たちが巨大な鍋の中に次々と飛び込むというユニークなもの。 -任天堂のテキストアドベンチャーは第2弾として同年12月『[[アイドルホットライン 中山美穂のトキメキハイスクール]]』が発売されている。 --[[ディスクファクスイベント>ディスクファクスイベントシリーズ]]を絡めた展開で話題になった。 -ロムカセットに対しての容量的な不利を補うべく用いられた「2枚組ディスクアドベンチャー」というスタイルは翌1988年『[[ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者>ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者 前編/後編]]』に引き継がれている((ただし開発のチームは全く違い、上記の『中山美穂のトキメキハイスクール』を制作した面々によって作られた。))。 --この作品も本作には及ばないものの前後編ともスマッシュヒット級の売上を記録した。 -昔話をベースとしたファミコンゲームとしてはハドソンの[[桃太郎シリーズ]]が有名だが、本作はその第1作『[[桃太郎伝説>桃太郎伝説 (FC)]]』(同年10月26日発売)よりも先んじている。 -ソフト発売から少し後に徳間書店のわんぱっくコミックス『必勝テクニック完ペキ版((ゲーム攻略本+コミックのようなもの。))』の30(前編・昭和62年11月20日初版)・31(後編・昭和63年1月20日初版)として漫画化もされた。 --作者は同シリーズでおなじみのみなづき由宇氏((代表作としては同シリーズの攻略漫画『アトランチスの謎』『レイラ』やゲームコミックの『マドゥーラの翼(完全にビキニアーマー化したルシアで有名)』などがある。))。本書では男の子は「太郎」、女の子は「姫子」という名前が使われており、この名前を愛好して使うファンも多い((徳間コミュニケーションズ発行の攻略本でもこの名前になっている。))。 --物語の要点がまとめられており作者の画風も世界観と見事に調和しているので、ゲームそのものを知らなかったりゲーム攻略という観点を抜きにしても非常に楽しめる内容になっている。 ---前編には「番外編」というおまけの漫画がついており『[[メトロイド]]』や『[[リンクの冒険]]』のパロディ((サムスやリンクが直接登場するわけではなく、太郎がリンクに、姫子がサムスに変身する。作者のみなづき氏は以前この2作の攻略漫画も描いていた。))も織り交ぜた鬼退治の内容になっており、これも攻略漫画本編とは違った面白さがあるので一見の価値ありと言える。 ---『必勝テクニック完ペキ版』シリーズとしては、これが最後となった。この後に発売されたわんぱっくコミックスの単行本ではゲームを扱った作品は2月に『[[リップルアイランド]]』(作:もりけん)1巻、3月に『[[リンクの冒険]]』(作:乱丸)2巻、5月に『[[スーパーマリオブラザーズ2]]』(作:沢田ユキオ)3巻の3冊のみで、他はゲームと無関係な『無茶の猫丸』(作:田森庸介)、『キョンちゃん』(作:ぜんきよし)、『ど根性ガエル』(作:吉沢やすみ)をもって1989年1月、その歴史に幕を閉じた。 //ゲーム展開とは違うので移動 -上記のコミックスと同時期に双葉社からゲームブックも刊行された。 --ゲームブックでは女の子は「ひかり」と公式名と同じだが、男の子の方は「太郎」になっている。 --鬼や龍との戦いという大筋は共通するが、その展開はだいぶ変わっている。オリジナルな展開が非常に多いので、ゲーム本編を知っていても楽しめる。 ---またゲーム本編とは異なり成長前の男の子のキャラクターがゲーム本編と異なっている。 ---ゲーム本編で登場するキャラも、登場するポイントやその役回りが違う点が多々ある。 ---本作での隠しバッドエンド、目的を遂げないままながくし村に帰ってしまうバッドエンドもある。 --ただ、こちらも現在では非常に入手困難なのが残念なところ。 -頸文社発行の攻略本では、前編の表紙イラストに後編のものが使われており、後編の方はオリジナルのもの、しかも''公式のパッケージデザインより高頭身になっている''。 --こちらでも男の子は「たろう」と、女の子は「はなこ」となっている((ビッグアップル社発行のものも同じ名前が使われている。))。 -上記の通り公式名自体が触れる機会が少なかったためか大多数の書籍では使われていなかったが、実業之日本社の攻略本ではそれが使われていた。 --本書も、本編を踏襲したギャグ漫画がついていたり、表紙裏にはスゴロクゲーム((コマは最終ページの裏側なので切り取ると反対側の最終ページが大穴になるのはお約束。一応、その大穴が開くページはイラストのみなので攻略には差し支えないが。))があったりとゲーム攻略を抜きにしても楽しめる内容になっている。 --もちろん、これも現在では非常に入手困難。 -ファミマガ恒例のウソテクのネタにも使われていた。 --第一章の川のシーンでIIコンのマイクに「桃から生まれた桃太郎~!」と叫ぶと川上から桃が流れてくるというウソテクでは恒例のIIコンマイクネタ((言うまでもないがファミコンのマイクは「音が入ったか入っていないか(ON・OFF)」しか認識できないので、それを知っている者からすれば「マイクで○○と言う」はウソとまるわかりだった(『グラディウス』の「オップション」など)。))(1987年18号)。 -2枚組ディスクという販売形式は前例がなかったため「後編を遊ぶためには前編のディスクが必要です」と説明書やTVCMで明示されていたにもかかわらず、前編のディスクを後編に書き換えてしまったため再び「前編のディスク買いなおし」&「前編クリアしなおし」になったという悲劇が多々あった。 --上記の意味を「前編をクリアした場合、そのカードを後編に書き換えてもらえる」と勘違いした人もいたようだ((本作を未経験で『ファミコン探偵倶楽部』などで前後編ディスクを初体験した層も、同様の誤解をしたという例がある。))。ちなみに、ハナから後編を入れると「前編ディスクからロードしてください」というメッセージが出る。 ---これは『遊遊記』『タイムツイスト』も同様。『[[ファミコン探偵倶楽部>ファミコン探偵倶楽部シリーズ]]』シリーズや『[[探偵 神宮寺三郎 危険な二人>探偵 神宮寺三郎 危険な二人 前編/後編]]』はエラーが出る。 --後編はパッケージ版発売と同日に書換開始だったこともそれが多発した一因と思われる。 -ハドソンのRPG『[[天外魔境 ZIRIA]]』に「名作昔話 じらいあ」というミニコントが始まる裏技がある。 --名称やコントの演出、グラフィックなどどことなく本作を意識していると思われる節がある。 -『[[大乱闘スマッシュブラザーズDX]]』に「どんべ&ひかり」のフィギュアが登場。 -裏スマブラこと『[[キャプテン★レインボー]]』に、女の子のひかりがメインヒロインとして参戦した。 --ただし、キャラデザはかなり強いアレンジがなされているうえ、一部『遊遊記』のヒロイン、ちゃおの設定を含んでいる((恋愛小説が好きという件。))。 -どんべとひかりが『[[スーパーマリオメーカー]]』のキャラマリオとして登場している。 ---- **その後の展開 -2枚組アドベンチャーとしてだけではなく『ふぁみこんむかし話』そのものも後にシリーズ化されることになる。 --2年後の1989年後期に正式なシリーズ続編として西遊記を原作とするシリーズ第2弾『[[ふぁみこんむかし話 遊遊記>ふぁみこんむかし話 遊遊記 前編/後編]]』が同じく前後編ディスクソフトで発売され、本作のキャラが一部ゲスト出演している。 ---ディスク末期の発売であったため、ソフト売上本数では任天堂ソフトとしてはかなり低く、本作に比べるとマイナーではあるが、奇抜でユニークな内容のCMで知られている。 -1996年9~10月、SFC向けの衛星データ放送受信用周辺機器「サテラビュー」にて『BS新鬼ヶ島』が「サウンドリンクゲーム」として配信された。これは本作の主人公たちの前世とお供の動物たちの過去を明らかにした外伝作品である。 --ちなみに、サウンドリンクゲームとは、あらかじめ決められた1時間にゲームデータとラジオ音声を同時に配信し、制限時間内に謎解きしてゲームを進めたり、スコア稼ぎを競うというもの。『ゼルダの伝説』や『ファミコン探偵倶楽部』などの過去の名作がBS向けに制作され、配信されていた。 ---しかし、サテラビューは存在自体こそTVCMで知られていても当時さほど普及していなかった衛星放送の環境が必要なことなどから利用者は極端に少なかった。 -1997年12月には、SFCの書き換えサービス「ニンテンドウパワー」にて『平成 新・鬼ヶ島』前編/後編が発売((ちなみに、これがニンテンドウパワー専用ソフト第1号でもある。))、1998年5月にはパッケージ版も発売された。これは上記『BS新鬼ヶ島』のリメイク版((サテラビューは認知度が極端に低かったことと奇しくもディスク版発売から10年後となったため、本作の10周年を記念したものと誤認したファンもいた。))で、物語自体も細部で多少の改変がなされている。 --音源などに多少の違いはあれど、ディスク版も収録されている。平成版本編をクリア後にプレイ可能となる。 --ただ、これも後継機たる64がすでに発売後に加えて当時はPS全盛期だったため注目度が低かった。そのため、ゲーム誌でもあまり掲載されず、さらにニンテンドウパワーは基本ローソンのLoppiのみによるサービス提供だった。 ---ゆえにあまり広く知れ渡ることはなく、あまり認知されなかった。存在自体は認知していた層でも、価格面で割高((空状態の「メモリカセット」が3,980円で書換え料金は別。4Mbや8Mbで8,000円超だったスーパーファミコン初期を思えば相対的に安いと言えなくもないが、上記の通り本作はパッケージ版が3,800円で発売されているのでニンテンドウパワーで購入すると6,980円と倍近くにもなる。))だったことが災いし積極的に利用する者は少なかった((ローソンでのサービスは2002年8月で終了。任天堂サービスセンターへ移行した翌月からはただでさえ少なかった利用者はさらに激減し、2007年2月いっぱいで完全終了した。))。 //その後の展開を本作の直接的な新作に絞り、残りは余談に移しました。

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