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*クラッシュ・バンディクー2 コルテックスの逆襲! 【くらっしゅ ばんでぃくーつー こるてっくすのぎゃくしゅう!】 |ジャンル|アクション|&amazon(B000069SQ2)| |対応機種|プレイステーション|~| |メディア|CD-ROM 1枚|~| |発売元|Sony Computer Entertainment|~| |開発元|Naughty Dog|~| |発売日|1997年12月17日|~| |定価|5,040円|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)((ゲームアーカイブス版で付与されたレーティングで記載。))|~| |廉価版(税別)|PlayStation the Best for Family&br;1998年10月8日/2,800円|~| |~|PS one Books&br;2001年11月22日/2,200円|~| |配信(税別)|ゲームアーカイブス&br;2007年8月30日/600円(PSVでは配信停止)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|ぬかりのない正当進化を果たした続編&brパワーアップしたやり応えのあるアクション&br個性的なキャラの増加&brシステム面の整理と改良で遊びやすくなった|~| |>|>|CENTER:''[[クラッシュ・バンディクーシリーズ]]''| |>|>|CENTER:''[[SIEワールドワイド・スタジオ作品]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 「宇宙初の奥スクロールアクション」として好評を博した『[[クラッシュ・バンディクー]]』の続編。~ 前作はアクションがスピンアタックとジャンプのみというシンプルさ故に難易度が高めだったが、今作は大幅なシステムの見直し・アクションの増加が行われている。 ---- **ストーリー >クラッシュとの戦いに敗れ、飛行船から落下したコルテックス。~ しかし、悪運の強いコルテックスは何と生きていた。 > 落下した洞窟の中で彼が見つけたのは、世にも珍しい宝石『パワーストーン』だった。~ コルテックスはこの石の力を利用し、宇宙から地球全体に洗脳光線を撃ち、地球上のすべての生物を奴隷にする計画を立てる。 > >それから翌年、コルテックスの参謀となった宇宙機械技師エヌ・ジンの協力により、巨大なスペース・ステーションが完成したが、~ 地球全体に光線を撃つにはコルテックスの持つパワーストーンだけでは足りず、地球に残るパワーストーンが25個必要なことが判明した。~ しかし、すでに地球上にはコルテックスの味方となる工作員は残っていない。~ そこでコルテックスは、敵であるクラッシュを利用することを思いつく。 > >クラッシュは恋人のタウナに振られたため、妹ココによるトレーニングの最中だった。~ ココに頼まれパソコンのバッテリーを取りに行く途中、クラッシュは道端に落ちていた大好物のリンゴを追い、~ その先に仕掛けられたワープ装置でコルテックスに召喚されてしまう。~ コルテックスは「地球の危機を防ぐためにパワーストーンを集めてほしい」と嘘をつき、~ クラッシュは、それを疑いもなく引き受けてしまうのだった…。~ ---- **特徴・評価点 -アクションの強化 --前作ではクラッシュはジャンプとスピンアタックしかできず、「ジャンプの飛距離が足りず穴に落ちる」「敵との距離感が掴めず接触してしまう」といったミスが少なくなかったが、本作では「しゃがみ」「スライディング」「ボディープレス」といったアクションが追加された。 --中でも重要なのがスライディング。攻撃しつつ素早く移動できる上、スライディング中にジャンプするとジャンプ力が伸びるため、クラッシュの攻撃力と機動力が大きく上がった。 ---またスライディング中は穴の上でも落下しないため、「穴のギリギリ端まで行ってジャンプ」といったシビアな操作をする大幅に必要が減った。 ---スライディング後には少し硬直があるが、その終わり際にスピンアタックを使うと硬直を消せるというテクニックがある。このスライディング→スピンアタックはタイムアタックが実装された次回作で猛威を振るう事となる。 ---スライディングジャンプにより、リスクは高いものの、前作以上にステージ設計の意図を無視して進める場面が増えた。特に『はいきょ』ステージに顕著。 -やり込み要素の向上 --新たなアイテム「パワーストーン」((余談だが、海外版では「Crystal」(水晶)と、非常にシンプルな名前だった。ちなみに、ダイヤも海外版では「Gem」(宝石)である。))が登場。ストーリーにある通り、各ステージに1つあるこれを集めるのがゲームの目的となる。とはいってもパワーストーンは取りやすい位置にこれ見よがしに存在する((取り逃す恐れがあるのは分岐のあるステージや、後戻りできないポーラのステージのみ。))ため、あくまでも「クリアの証」としての位置づけである。 ---最初のプレイでパワーストーンを取り逃すと、コルテックスから最大3回まで注意してくれる。しかも、ちゃんとパワーストーンをゲットしてクリアすればコルテックスから褒めちぎられる。そのため、最初のプレイ段階でパワーストーンを入手してクリアすることの重要さがちゃんと分かるように配慮されている。 --ダイヤは前作に引き続き出現し、ゴール後に手に入るのではなくステージ内で入手する形式に。 ---今回からコース上の箱をすべて壊すだけでなく、特殊なコースに配置されていたり特殊な条件でゴール手前に出現する「ひみつダイヤ」が登場。対して、前作同様箱をすべて壊すことで入手するダイヤは「パーフェクトダイヤ」と呼び、ゴール手前に出現する。 ---カラーダイヤも変更があり、特定の条件を満たしたり隠しルートへ行かなければ入手できない「ひみつダイヤ」扱いとなったうえ前作の6種類から5種類に減らされ(オレンジが消滅)、ダイヤを入手することで行ける隠しステージも各ダイヤにつき1コースのみ((ただし、どういうわけか隠しルートが存在しないダイヤもある。シリーズ代々にわたって扱いの悪いダイヤではあるが。))と整理された。最終ステージ【カラーダイヤのしれん】ではコース名通りに全てのカラーダイヤが必要になるコースがある。 --ステージによってタイムアタック、隠しステージ、ノーミスで辿り着くことで行ける難易度の高いステージ分岐「ドクロコース」などプレイの幅が広がった。 --前作同様に全てのダイヤを入手してクリアすれば真のEDを見られる。内容も1や3に比べるとまともなので見てみる価値は十分にある。さらにスタッフロールの最後に流れる隠しコマンドを入力すると着ぐるみのクラッシュが登場する特典ムービーも見られる((ちなみに、隠しコマンドがあるのは日本版のみ。))。 -個性あるキャラクターたちの存在 --前作のキャラに加え、兄と正反対に頭脳派のココ((本編での出番は少ないが、取扱説明書ではほぼ全ての説明を担当している。ちなみに彼女のみ日本のスタッフにより生み出されたキャラである。))や、メカニックな外見に反して侍口調で好戦的というコルテックスの参謀エヌ・ジン、クラッシュと同様に改造されたタイニータイガーやコモド兄弟といった印象的な新キャラが登場。コモド兄弟以外の3人は後の作品でもレギュラーとなっており、ココは『3』では一部ステージでのプレイヤーキャラに出世している。 --アクアクのヒントが音声付きになった。演じているのは緒方賢一氏。前作同様、ゲームのヒントも詳しく教えてくれるし、種類も前作に劣らないほど非常に豊富。カラーダイヤの入手法など重要な情報も話すことがあり、攻略の参考にしていた人も多いのでは。一度聞き洩らすとゲームをやり直さない限り聞けないのが難点。 ---海外版にはアクアクのヒント機能は無いので、彼がしゃべるのは3以降になってからである。 --声優は前作の配役が続投になったほか、新規の声優も上記の緒方氏はじめ非常に豪華で、海外版では声優が兼役のエヌ・ジン(頭にロケットが刺さっているためか、地声が判別できないほどの加工がかかっている)ですら専用のキャストを立てている。 ---ただし、クラッシュのみセリフを新録したものの、ことごとく没になったとか。使用されたボイスは海外版の流用となっている。ただ何故かオープニングのクラッシュのいびきにのみ山口氏のボイスが使われている。 -ステージの種類の増加 --白クマのポーラに乗って一直線に進むステージ、ジェットパックで宇宙空間を進むステージなど多彩なステージが用意されている。 ---ポーラのステージは前作のイノシシに乗るステージに近いが、ダッシュができるなど、前作にあった要素にも細やかな修正が施されているので、前作を遊び尽くしたプレイヤーも新鮮な気持ちで遊ぶことができる。 --サーフボードで川を上ったり、天井の金網にぶら下がって進んだり、地面に潜って進むといった通常とは異なる操作を行う場面も多い。 --ステージのギミックも飛躍的に増えた。例えば、雪山ステージにはつるつる滑る氷が張られている。スライディングで氷の上をすべると非常に爽快感がある。 --ステージデザインも終盤までは、割りと前作の雰囲気に沿っているステージが多い。ジャングル、川、廃墟など。 ---廃墟ステージやひみつのワープルームでは、背景に前作の舞台である島が描かれている。 ---前作には無かった雪山や山岳、地下道なども、所々に遺跡っぽい描写を加えることで雰囲気を保っている。 -逃げゲーステージが色々とパワーアップ --前作の大岩ステージに続き、本作では雪玉や白熊(パパぐま)から逃げるステージが存在する。 --前作では「キ」の形の障害物しか無かったが、本作ではビリビリフェンス、地雷、ニトロ箱、木のフェンス、ダッシュ床など障害物や仕掛けがかなり増えている。 ---ステージの性質上、ステージに入るとアクアクは没収されてしまう。ステージ内のひみつコースでアクアクを手に入れても、逃げゲーパートに入ると自動的に消える。 --雪玉ステージではゴール手前で箱が密集していたり、鉄枠箱が置かれたりしており、パーフェクトを目指す場合かなりスリリングに((雪玉は飛び跳ねて箱を避けるため、自分で壊さないといけない。))。ちょっとでも遅れると即ミスになるため、難易度が高い。しかし、ミスし続けると雪玉の速度が手加減してくれるため、詰むような事はまず無い。 --パパぐまステージは迫力がとてつもなく、多くの小学生にトラウマを植えつけた。 ---パパぐまステージでは最後にポーラに乗って高速手前スクロールで逃げる場面があり、反射神経が問われる。ただし、実質強制スクロールなのでパパぐまには追いつかれることはない。 -クラッシュのリアクションが豊富 --前作から引き続きクラッシュのやられモーションが無駄に豊富で面白い。ニトロ箱で爆死などのグロテスクなパターンもあるが、電気に触れてビリビリと感電したり、壁に激突して倒れたり、地面に潜っている最中に死ぬとその場に墓ができたりとユニークなのも多い。 --また、操作せずにいるとクラッシュが後述する「クラッシュ万事休す」を踊ったり、追いかけられステージでは後ろを見て驚いたり、雨や雪などの寒いステージでは身震いして息を手に吹きかけるなど、芸が細かい((前作にも放置アクションは存在している))。 -システムの改善 --前作ではセーブ手段が限られていたが、本作からセーブはワープルームにていつでも可能になった。 --ワープルームでは、最初からクラッシュが現在いる階のすべての面が攻略できるようになっている。そのため「難しいステージは後回し」「カラーダイヤ取得を最優先((もっとも、カラーダイヤ取得に先のステージを攻略しないといけないステージは1つしかなく、そのダイヤも裏技で早期入手が可能なのだが。))」などの戦略を立ててコースをクリアしていくことが可能となった。 --ステージ内で壊した箱はチェックポイントで保存されるようになった。そのため、ノーミスクリアでなくともダイヤ入手が可能に。 --初心者救済要素として、次のC箱にたどり着かないうちに8回死ぬと、復活時にアクアクがついてきてくれるようになる。それでもC箱にたどり着けず更に4回死ぬと道中の?箱がC箱に変更((新たにチェックポイントが追加。))されるため、少しずつでも進めるようになる。そのため、初心者でもごり押してゲームを進めることが可能。また、難易度の高いドクロコースへの挑戦やダイヤ集めで逆走したりする際にも便利な存在で、さっさと自殺を繰り返しアクアクをつければ楽に進めることができる。 ---後の『[[New スーパーマリオブラザーズ Wii]]』程ではないが、慣れないプレイヤーには非常にありがたい措置である。 ---因みに、このコース変更は同じセーブデータなら永遠に維持される。初回プレイでうまくクリアできなかった自分を懐かしむのもよし。 -BGMの豊富さ --PSクラッシュでは群を抜くBGMのバリエーション。前作よりも明るくキャッチーな曲が多い。大部分のステージでは通常のBGMに加え、ボーナスステージや隠しコースのBGMも通常のBGMを踏まえた別の曲になっている((ボーナスステージはスローテンポで、イントロのドラムフレーズは各ステージ共通。隠しコースはテンポが上がり、緊張感を増したアレンジである。))。 ---また、ゲーム中の通信時には話しているキャラクターのテーマ曲が流れる。特にココのテーマはここでしか聞けない((現在は作曲者のJosh Mancell(ジョシュ・マンセル)氏がSoundCloud(https://soundcloud.com/joshmancell)に、この曲を含むクラッシュシリーズの一部曲の高音質版をアップロードしている。))のだが、設定上の都合仕方ないとは言え音質が悪くて聞き取り辛いのが残念。 ---各ステージに3曲作るのはやはり至難の業だったようで、『[[3>クラッシュ・バンディクー3 ブッとび!世界一周]]』ではボーナスステージと隠しコースのメロディーはそれぞれで統一されている。 --タイトル画面に日本版クラッシュ・バンディクーのテーマである『クラッシュ万事休す』が使われている。SCEI時代の同シリーズのCMでは常に使われていたので、クラッシュ・バンディクーというとこの曲を思い浮かべる人も多いのでは? ---この曲は今作が初出だと思われていることが多いが、実は[[初代のCM>https://www.youtube.com/watch?v=GbdHC7MqjQc]]の時点で使われていた。 ---因みに作曲者は、PSのCMのサウンドロゴを作った岡田徹。2010年に彼の参加しているCTO LABが現代的なテクノアレンジで[[(セルフ)カバー>https://www.youtube.com/watch?v=IMgGSOC3vHk]]している。クラッシュファンの方は是非お聞き頂きたい。 ---残念ながら(?)この曲が使われているのは日本版のみ((海外版のタイトル画面はゲーム本編の音楽を手掛けているマンセル氏による。イントロは前作のタイトル画面に似せて作ってある。この曲は日本版プレイヤーにとっては聞く機会が無い為非常にレアなBGMである(『3』以降はワープルームのBGMのアレンジとなっている)。))。かなりの数のBGMが差し替えられた前作とは違い、これが唯一の音楽変更である。おそらくSCEJとの意思疎通が強化されたのだろう。 ---『3』以降も日本版限定のタイトル曲が使用されている。 -その他、全体的にゲームの作りが丁寧になった。 --前作では画面全体に「ロードちゅう」と大きく表示される不恰好だったロード画面だったが、今作にロード画面は存在せず、上手い演出により気にならない程度の待ち時間となっている。 --前作のステージ選択画面は「[[スーパードンキーコング]]」の様なものであったが、今作からはクラッシュを移動させてステージ選択をする形となった。 --クラッシュがしっかりとしたポリゴンで描かれるようになった。前作は3Dレタリングされたクラッシュの静止画を何枚も使っている形で、ジャンプの着地時に動きがカクカクとしていたが、今作はポリゴンで滑らかに動く。 --ポーズ画面がただのポーズ画面では無くなった。ステータスや進行度の表示、オプションまで選択でき、快適性が上がった。 --ムービーも増加。PS中期とは思えないほどの表情の豊かさでプレイヤーを楽しませてくれる。 --前作からほぼ一年後の発売だが、ここまで洗礼された進化を遂げたことは大いに評価できるだろう。 ---- **問題点 -各ルーム5つのステージでパワーストーンを全部入手するたびにボスが出現するのだが、ボスの登場する理由がやや分かりにくい。 --序盤の会話をちゃんと聞けばわかるが、今作ではボスが2陣営に分かれており、コルテックス陣営は本人とエヌ・ジンだけ、残りの3組4名(リパー・ルー、コモド兄弟、タイニータイガー)は、前作の後でコルテックスを見限ったニトラス・ブリオの配下でコルテックスに騙されたクラッシュを止めにきている。この前半3名のうち旧作から続投がリパー・ルーだけで、新顔の内タイニー・タイガーは次回作ではコルテックスの軍門に下っているなど、クリアした人でも「コルテックスが新たに作ったパワーストーン集めの尖兵」と誤解しやすい((ちなみに、コロコロコミックに連載されてたコミカライズ『クラッシュバンディクー ダンスでジャンプな大冒険!』でもコモド兄弟はパワーストーン狙いのトレジャーハンターとして登場し、兄が先に見つけたクラッシュと奪い合いをするが、弟に「それじゃ泥棒だ」と止められあきらめる話があるなど、公式に許可取っている人でもパワーストーン目当てと勘違いしているらしい描写がある。))。 ---説明書でも、彼らはエヴォルヴォレイ((前作でコルテックスがブリオと共同開発した進化光線))で改造された、としか説明されていない。そのため、新ボスの出自は作品をプレイしているだけではわからない。~ [[後年発掘された初代のデモムービー用アニメーション>https://www.youtube.com/watch?v=6d5651XSuh0]]にも登場しているので、彼らは初代の時代に改造され、クラッシュと戦わないまま足を洗ったようだ。 --第4ルームボスのエヌ・ジンに至っては、パワーストーンを渡せと言いながら有無を言わさぬ間に実力行使に出るので、成り行きで戦ってしまう。いつの間にかクラッシュが抵抗している扱いになっているようだ((ココやブリオから通信が入るが、一方的に話しかけられるだけだし、会話自体をキャンセルすることもできる。))。 ---用済みになったから排除しに来たとも取れるが、この時点で獲得したパワーストーンは20個であり、コンプリートには至っていない。~ どうせなら第3ルームクリア後にブリオが説明してクラッシュが騙されていたと気が付き、「ここまで来たならコルテックスに残りを取られないように先に回収しよう」とでも入れて、第4ルームの全パワーストーン回収後「クラッシュが離反した」と気が付いたエヌ・ジンが襲ってくれば分かりやすかったのだが。 -一部ステージの箱の配置が悪い。 --前作では「一度でもミスしたらダイヤの獲得は無し(海外版)/一応取れる場合もあるがまた最初から箱を壊さないといけない(日本版)」という仕様で、高難易度すぎたため「チェックポイント地点から再開してもそこまで壊した箱のデータは残っている」という仕様に変更されたにもかかわらず、ノーミスで辿り着くことで行ける高難度のドクロコースにも箱があるステージがあり、結局ノーミスで攻略しつつ通常の道と合わせて進まなければならないコースがある。 --奥スクロールで分岐した道の両方に箱があるステージもあり、画面下に向かって進む形で逆走しなければならない((クラッシュ・バンディクーシリーズは基本的に「奥スクロール」ゲームとして設計されているため、逆走すると手前の障害物が見えづらくなるので難易度が跳ね上がる。))ことも。 --つまり極度な緊張感のあるプレイが強いられる。 #region(逆走が必要なステージの中でも特に面倒なもの) -ステージ17「ばくふん ちゅういほう」 --このステージに登場する敵キャラクターの蜂は無限沸きかつクラッシュに向かって襲ってくるので、羽音を頼りにタイミングよく攻撃をする必要があり難易度が少し高め。 -ステージ18「ゆきやまは つづくよ」 --終盤に差し掛かるためかステージ自体が長く難易度も高い。ドクロコースも同様でほぼ全面が氷の床となっている長いコースを攻略しなければならない。 --パーフェクトダイヤを獲得するためにはドクロコースのゴール地点にある「!ブロック」を作動させて逆走、実体化した箱を壊して通常ルートに戻りそのままゴールを目指さないといけない。幸い横スクロールなので逆走はしやすいがコースの長さと難易度の高さで非常に面倒。 --更にこのステージのひみつダイヤはドクロコースのゴールから通常ルートに戻るための穴の中にある。ここから落ちると通常ルートの終盤エリアに戻され逆走は不可能になる。そのためパーフェクトダイヤと隠しダイヤを獲得する為にはドクロコースを少なくとも2回攻略しなければならない。 --そしてこのステージのボーナスチャレンジには画面外の所にひとつ箱が配置されている。初見だとなかなか気付かない配置でありやっとの思いでパーフェクトをしたと思ったら箱が1つ足りないという絶望的な状況に陥れられることになる。 -ステージ21「ピストン はつでんしょ」 --コースのかなり後半から中盤にあるドクロコースまで戻らないといけない。事前情報なしではそのことに気づきにくい。 --引き返す際にある敵を踏み台にしなければならないほど高い段差を超えなければならず知らずに倒してしまうと詰んでしまう。 #endregion -△ボタンを押すとそのステージで壊した箱の数が表示されるが、一番肝心の&b(){そのステージにいくつ箱があるのか}が表示されない。 ---ステージの箱の総数はゴール前で確認可能なのがせめてもの救い。 -一部ひみつダイヤの配置がイマイチ。 --パーフェクトダイヤに関係無い特殊コースで手に入るひみつダイヤが、なぜかその終点ではなく序盤~中盤に配置されているステージがあり、ダイヤを入手してミスしてしまうと、コースを完走できずじまいのままダイヤを入手して通常コースに戻されてしまう。箱が無いので再挑戦する意味も無い。 -フリーズバグ --とあるステージでボーナスチャレンジから通常コースへ戻る際に、極稀にフリーズすることがある。 -ボス戦が簡単すぎる --前作ではボスごとにライフが異なっておりバリエーションに溢れていたのだが、今作のボスは第4ルームのエヌ・ジンを除いて全員初期ライフが3で固定されており仕掛けも乏しいので、パターンの変化が弱い上にすぐに倒せてしまう。 ---ボスの攻撃も単調であったり隙だらけなものばかりでクラッシュの強化されたアクションに対してついていけておらず、新アクションを活かせるような戦闘が無いのであまり楽しくないと言われている。 --唯一ライフが5と多いエヌ・ジン戦についてもそれまでのボスと違い、クラッシュがリンゴを投げて攻撃するという特殊な戦闘になるが新アクションはおろかスピンアタックも使えなくなり、その影響でジャンプ以外にできるアクションが無くなるので敵の攻撃や戦闘の構成もより単調になってしまっている。 ---リンゴ投げのシューティングもクラッシュ自身は特にアクションを取らないまま投げるのでかなり違和感がある((没データとして専用のモーションはある。また、リマスター版では専用のアクションをするようになっている。))。 --ラスボスのコルテックスに至っては本作どころかシリーズ最弱と言われるほどに簡単すぎる。 ---一定のゴール地点へ逃げるまでに倒す追いかけっこ形式のボス戦なのだがコルテックスは逃げ回るだけで全く攻撃を仕掛けてこない。手には前作と同じく光線銃を持っているのにそれすら使ってこないので適当に近づいて攻撃するだけですぐに倒せてしまい、手応えがまるでない。 ---極めつけはそれまでのボスがライフを減らすと攻撃パターンや仕掛けが変化していたのに、それすら無く本当にただ逃げることしか能が無いので弱さに拍車がかかっている。 ---隕石や浮遊機雷が障害物として存在するのだが当たってもミスにならない上、スピンアタックをするだけでどちらも弾き飛ばせてしまう。よってゴール地点へ辿り着く以外にコルテックスに負ける要素がまるで無い。 --海外のレビューでもこれらの点に関して「プレイヤーをなめているほど簡単」とコメントされているほど。 ---- **総評 世界観とシンプルなゲーム性が評価された前作から更に遊びやすくなり、クラッシュシリーズの精度を高めた一作。~ 発売時期が12月だったこともあり、クリスマスプレゼントとして定着したこともあって累計販売本数89万本とシリーズ2位の売り上げを記録した。~ 良くも悪くも現在ではアクションがスピンアタックのみに限定されてた『1』と、二段ジャンプ・竜巻ジャンプ・リンゴバズーカなど強力なアクションを取得できる『3』の中間にあたるバランス。~ スライディングによるシンプルなアクション性は、純粋にプレイヤーの腕が試される事から本作をクラッシュシリーズで最も高評価する意見も少なくない。 ---- **余談 -あるステージの入口に上述のポーラが佇んでいるが、実は踏みつけることができる。 --しかも何回も踏むと1度だけ残機が10個も増えるという技があり、なぜかクリア達成度が1%上がる。 ---ヨーロッパ版ではクリア達成度の計算が違っており、この技でパーセンテージが増えない模様。 -海外版と違うやられモーションがある。 --雪山ステージで柱に潰されると国内版では丸ごと潰されてしまうが、海外版では頭のみそのままになっている。 --開発中に国内で起きた「酒鬼薔薇事件」を連想させてしまうために修正したらしい((『3』での同様のやられモーションは海外版と同じ。))。 ---- **その後の展開 -2017年8月3日に『1』『2』『3』のリマスター版をまとめて収録した『[[クラッシュ・バンディクー ブッとび3段もり!]]』((海外版タイトルは『Crash Bandicoot N. Sane Trilogy』となっている。))がPS4で発売された。 --開発はNaughty Dogではなく、[[アドバンス版>クラッシュ・バンディクー アドバンス]]を開発したVicarious Visionsが担当。詳しくは作品ページを参照。
*クラッシュ・バンディクー2 コルテックスの逆襲! 【くらっしゅ ばんでぃくーつー こるてっくすのぎゃくしゅう!】 |ジャンル|アクション|&amazon(B000069SQ2)| |対応機種|プレイステーション|~| |メディア|CD-ROM 1枚|~| |発売元|Sony Computer Entertainment|~| |開発元|Naughty Dog|~| |発売日|1997年12月17日|~| |定価|5,040円|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)((ゲームアーカイブス版で付与されたレーティングで記載。))|~| |廉価版(税別)|PlayStation the Best for Family&br;1998年10月8日/2,800円|~| |~|PS one Books&br;2001年11月22日/2,200円|~| |配信(税別)|ゲームアーカイブス&br;2007年8月30日/600円(PSVでは配信停止)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|ぬかりのない正当進化を果たした続編&brパワーアップしたやり応えのあるアクション&br個性的なキャラの増加&brシステム面の整理と改良で遊びやすくなった|~| |>|>|CENTER:''[[クラッシュ・バンディクーシリーズ]]''| |>|>|CENTER:''[[SIEワールドワイド・スタジオ作品]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 「宇宙初の奥スクロールアクション」として好評を博した『[[クラッシュ・バンディクー]]』の続編。~ 前作はアクションがスピンアタックとジャンプのみというシンプルさ故に難易度が高めだったが、今作は大幅なシステムの見直し・アクションの増加が行われている。 ---- **ストーリー >クラッシュとの戦いに敗れ、飛行船から落下したコルテックス。~ しかし、悪運の強いコルテックスは何と生きていた。 > 落下した洞窟の中で彼が見つけたのは、世にも珍しい宝石『パワーストーン』だった。~ コルテックスはこの石の力を利用し、宇宙から地球全体に洗脳光線を撃ち、地球上のすべての生物を奴隷にする計画を立てる。 > >それから翌年、コルテックスの参謀となった宇宙機械技師エヌ・ジンの協力により、巨大なスペース・ステーションが完成したが、~ 地球全体に光線を撃つにはコルテックスの持つパワーストーンだけでは足りず、地球に残るパワーストーンが25個必要なことが判明した。~ しかし、すでに地球上にはコルテックスの味方となる工作員は残っていない。~ そこでコルテックスは、敵であるクラッシュを利用することを思いつく。 > >クラッシュは恋人のタウナに振られたため、妹ココによるトレーニングの最中だった。~ ココに頼まれパソコンのバッテリーを取りに行く途中、クラッシュは道端に落ちていた大好物のリンゴを追い、~ その先に仕掛けられたワープ装置でコルテックスに召喚されてしまう。~ コルテックスは「地球の危機を防ぐためにパワーストーンを集めてほしい」と嘘をつき、~ クラッシュは、それを疑いもなく引き受けてしまうのだった…。~ ---- **特徴・評価点 -アクションの強化 --前作ではクラッシュはジャンプとスピンアタックしかできず、「ジャンプの飛距離が足りず穴に落ちる」「敵との距離感が掴めず接触してしまう」といったミスが少なくなかったが、本作では「しゃがみ」「スライディング」「ボディープレス」といったアクションが追加された。 --中でも重要なのがスライディング。攻撃しつつ素早く移動できる上、スライディング中にジャンプするとジャンプ力が伸びるため、クラッシュの攻撃力と機動力が大きく上がった。 ---またスライディング中は穴の上でも落下しないため、「穴のギリギリ端まで行ってジャンプ」といったシビアな操作をする大幅に必要が減った。 ---スライディング後には少し硬直があるが、その終わり際にスピンアタックを使うと硬直を消せるというテクニックがある。このスライディング→スピンアタックはタイムアタックが実装された次回作で猛威を振るう事となる。 ---スライディングジャンプにより、リスクは高いものの、前作以上にステージ設計の意図を無視して進める場面が増えた。特に『はいきょ』ステージに顕著。 -やり込み要素の向上 --新たなアイテム「パワーストーン」((余談だが、海外版では「Crystal」(水晶)と、非常にシンプルな名前だった。ちなみに、ダイヤも海外版では「Gem」(宝石)である。))が登場。ストーリーにある通り、各ステージに1つあるこれを集めるのがゲームの目的となる。とはいってもパワーストーンは取りやすい位置にこれ見よがしに存在する((取り逃す恐れがあるのは分岐のあるステージや、後戻りできないポーラのステージのみ。))ため、あくまでも「クリアの証」としての位置づけである。 ---最初のプレイでパワーストーンを取り逃すと、コルテックスから最大3回まで注意してくれる。しかも、ちゃんとパワーストーンをゲットしてクリアすればコルテックスから褒めちぎられる。そのため、最初のプレイ段階でパワーストーンを入手してクリアすることの重要さがちゃんと分かるように配慮されている。 --ダイヤは前作に引き続き出現し、ゴール後に手に入るのではなくステージ内で入手する形式に。 ---今回からコース上の箱をすべて壊すだけでなく、特殊なコースに配置されていたり特殊な条件でゴール手前に出現する「ひみつダイヤ」が登場。対して、前作同様箱をすべて壊すことで入手するダイヤは「パーフェクトダイヤ」と呼び、ゴール手前に出現する。 ---カラーダイヤも変更があり、特定の条件を満たしたり隠しルートへ行かなければ入手できない「ひみつダイヤ」扱いとなったうえ前作の6種類から5種類に減らされ(オレンジが消滅)、ダイヤを入手することで行ける隠しステージも各ダイヤにつき1コースのみ((ただし、どういうわけか隠しルートが存在しないダイヤもある。シリーズ代々にわたって扱いの悪いダイヤではあるが。))と整理された。最終ステージ【カラーダイヤのしれん】ではコース名通りに全てのカラーダイヤが必要になるコースがある。 --ステージによってタイムアタック、隠しステージ、ノーミスで辿り着くことで行ける難易度の高いステージ分岐「ドクロコース」などプレイの幅が広がった。 --前作同様に全てのダイヤを入手してクリアすれば真のEDを見られる。内容も1や3に比べるとまともなので見てみる価値は十分にある。さらにスタッフロールの最後に流れる隠しコマンドを入力すると着ぐるみのクラッシュが登場する特典ムービーも見られる((ちなみに、隠しコマンドがあるのは日本版のみ。))。 -個性あるキャラクターたちの存在 --前作のキャラに加え、兄と正反対に頭脳派のココ((本編での出番は少ないが、取扱説明書ではほぼ全ての説明を担当している。ちなみに彼女のみ日本のスタッフにより生み出されたキャラである。))や、メカニックな外見に反して侍口調で好戦的というコルテックスの参謀エヌ・ジン、クラッシュと同様に改造されたタイニータイガーやコモド兄弟といった印象的な新キャラが登場。コモド兄弟以外の3人は後の作品でもレギュラーとなっており、ココは『3』では一部ステージでのプレイヤーキャラに出世している。 --アクアクのヒントが音声付きになった。演じているのは緒方賢一氏。前作同様、ゲームのヒントも詳しく教えてくれるし、種類も前作に劣らないほど非常に豊富。カラーダイヤの入手法など重要な情報も話すことがあり、攻略の参考にしていた人も多いのでは。一度聞き洩らすとゲームをやり直さない限り聞けないのが難点。 ---海外版にはアクアクのヒント機能は無いので、彼がしゃべるのは3以降になってからである。 --声優は前作の配役が続投になったほか、新規の声優も上記の緒方氏はじめ非常に豪華で、海外版では声優が兼役のエヌ・ジン(頭にロケットが刺さっているためか、地声が判別できないほどの加工がかかっている)ですら専用のキャストを立てている。 ---ただし、クラッシュのみセリフを新録したものの、ことごとく没になったとか。使用されたボイスは海外版の流用となっている。ただ何故かオープニングのクラッシュのいびきにのみ山口氏のボイスが使われている。 -ステージの種類の増加 --白クマのポーラに乗って一直線に進むステージ、ジェットパックで宇宙空間を進むステージなど多彩なステージが用意されている。 ---ポーラのステージは前作のイノシシに乗るステージに近いが、ダッシュができるなど、前作にあった要素にも細やかな修正が施されているので、前作を遊び尽くしたプレイヤーも新鮮な気持ちで遊ぶことができる。 --サーフボードで川を上ったり、天井の金網にぶら下がって進んだり、地面に潜って進むといった通常とは異なる操作を行う場面も多い。 --ステージのギミックも飛躍的に増えた。例えば、雪山ステージにはつるつる滑る氷が張られている。スライディングで氷の上をすべると非常に爽快感がある。 --ステージデザインも終盤までは、割りと前作の雰囲気に沿っているステージが多い。ジャングル、川、廃墟など。 ---廃墟ステージやひみつのワープルームでは、背景に前作の舞台である島が描かれている。 ---前作には無かった雪山や山岳、地下道なども、所々に遺跡っぽい描写を加えることで雰囲気を保っている。 -逃げゲーステージが色々とパワーアップ --前作の大岩ステージに続き、本作では雪玉や白熊(パパぐま)から逃げるステージが存在する。 --前作では「キ」の形の障害物しか無かったが、本作ではビリビリフェンス、地雷、ニトロ箱、木のフェンス、ダッシュ床など障害物や仕掛けがかなり増えている。 ---ステージの性質上、ステージに入るとアクアクは没収されてしまう。ステージ内のひみつコースでアクアクを手に入れても、逃げゲーパートに入ると自動的に消える。 --雪玉ステージではゴール手前で箱が密集していたり、鉄枠箱が置かれたりしており、パーフェクトを目指す場合かなりスリリングに((雪玉は飛び跳ねて箱を避けるため、自分で壊さないといけない。))。ちょっとでも遅れると即ミスになるため、難易度が高い。しかし、ミスし続けると雪玉の速度が手加減してくれるため、詰むような事はまず無い。 --パパぐまステージは迫力がとてつもなく、多くの小学生にトラウマを植えつけた。 ---パパぐまステージでは最後にポーラに乗って高速手前スクロールで逃げる場面があり、反射神経が問われる。ただし、実質強制スクロールなのでパパぐまには追いつかれることはない。 -クラッシュのリアクションが豊富 --前作から引き続きクラッシュのやられモーションが無駄に豊富で面白い。ニトロ箱で爆死などのグロテスクなパターンもあるが、電気に触れてビリビリと感電したり、壁に激突して倒れたり、地面に潜っている最中に死ぬとその場に墓ができたりとユニークなのも多い。 --また、操作せずにいるとクラッシュが後述する「クラッシュ万事休す」を踊ったり、追いかけられステージでは後ろを見て驚いたり、雨や雪などの寒いステージでは身震いして息を手に吹きかけるなど、芸が細かい((前作にも放置アクションは存在している))。 -システムの改善 --前作ではセーブ手段が限られていたが、本作からセーブはワープルームにていつでも可能になった。 --ワープルームでは、最初からクラッシュが現在いる階のすべての面が攻略できるようになっている。そのため「難しいステージは後回し」「カラーダイヤ取得を最優先((もっとも、カラーダイヤ取得に先のステージを攻略しないといけないステージは1つしかなく、そのダイヤも裏技で早期入手が可能なのだが。))」などの戦略を立ててコースをクリアしていくことが可能となった。 --ステージ内で壊した箱はチェックポイントで保存されるようになった。そのため、ノーミスクリアでなくともダイヤ入手が可能に。 --初心者救済要素として、次のC箱にたどり着かないうちに8回死ぬと、復活時にアクアクがついてきてくれるようになる。それでもC箱にたどり着けず更に4回死ぬと道中の?箱がC箱に変更((新たにチェックポイントが追加。))されるため、少しずつでも進めるようになる。そのため、初心者でもごり押してゲームを進めることが可能。また、難易度の高いドクロコースへの挑戦やダイヤ集めで逆走したりする際にも便利な存在で、さっさと自殺を繰り返しアクアクをつければ楽に進めることができる。 ---後の『[[New スーパーマリオブラザーズ Wii]]』程ではないが、慣れないプレイヤーには非常にありがたい措置である。 ---因みに、このコース変更は同じセーブデータなら永遠に維持される。初回プレイでうまくクリアできなかった自分を懐かしむのもよし。 -BGMの豊富さ --PSクラッシュでは群を抜くBGMのバリエーション。前作よりも明るくキャッチーな曲が多い。大部分のステージでは通常のBGMに加え、ボーナスステージや隠しコースのBGMも通常のBGMを踏まえた別の曲になっている((ボーナスステージはスローテンポで、イントロのドラムフレーズは各ステージ共通。隠しコースはテンポが上がり、緊張感を増したアレンジである。))。 ---また、ゲーム中の通信時には話しているキャラクターのテーマ曲が流れる。特にココのテーマはここでしか聞けない((現在は作曲者のJosh Mancell(ジョシュ・マンセル)氏がSoundCloud(https://soundcloud.com/joshmancell)に、この曲を含むクラッシュシリーズの一部曲の高音質版をアップロードしている。))のだが、設定上の都合仕方ないとは言え音質が悪くて聞き取り辛いのが残念。 ---各ステージに3曲作るのはやはり至難の業だったようで、『[[3>クラッシュ・バンディクー3 ブッとび!世界一周]]』ではボーナスステージと隠しコースのメロディーはそれぞれで統一されている。 --タイトル画面に日本版クラッシュ・バンディクーのテーマである『クラッシュ万事休す』が使われている。SCEI時代の同シリーズのCMでは常に使われていたので、クラッシュ・バンディクーというとこの曲を思い浮かべる人も多いのでは? ---この曲は今作が初出だと思われていることが多いが、実は[[初代のCM>https://www.youtube.com/watch?v=GbdHC7MqjQc]]の時点で使われていた。 ---因みに作曲者は、PSのCMのサウンドロゴを作った岡田徹。2010年に彼の参加しているCTO LABが現代的なテクノアレンジで[[(セルフ)カバー>https://www.youtube.com/watch?v=IMgGSOC3vHk]]している。クラッシュファンの方は是非お聞き頂きたい。 ---残念ながら(?)この曲が使われているのは日本版のみ((海外版のタイトル画面はゲーム本編の音楽を手掛けているマンセル氏による。イントロは前作のタイトル画面に似せて作ってある。この曲は日本版プレイヤーにとっては聞く機会が無い為非常にレアなBGMである(『3』以降はワープルームのBGMのアレンジとなっている)。))。かなりの数のBGMが差し替えられた前作とは違い、これが唯一の音楽変更である。おそらくSCEJとの意思疎通が強化されたのだろう。 ---『3』以降も日本版限定のタイトル曲が使用されている。 -その他、全体的にゲームの作りが丁寧になった。 --前作では画面全体に「ロードちゅう」と大きく表示される不恰好だったロード画面だったが、今作にロード画面は存在せず、上手い演出により気にならない程度の待ち時間となっている。 --前作のステージ選択画面は「[[スーパードンキーコング]]」の様なものであったが、今作からはクラッシュを移動させてステージ選択をする形となった。 --クラッシュがしっかりとしたポリゴンで描かれるようになった。前作は3Dレタリングされたクラッシュの静止画を何枚も使っている形で、ジャンプの着地時に動きがカクカクとしていたが、今作はポリゴンで滑らかに動く。 --ポーズ画面がただのポーズ画面では無くなった。ステータスや進行度の表示、オプションまで選択でき、快適性が上がった。 --ムービーも増加。PS中期とは思えないほどの表情の豊かさでプレイヤーを楽しませてくれる。 --前作からほぼ一年後の発売だが、ここまで洗礼された進化を遂げたことは大いに評価できるだろう。 ---- **問題点 -各ルーム5つのステージでパワーストーンを全部入手するたびにボスが出現するのだが、ボスの登場する理由がやや分かりにくい。 --序盤の会話をちゃんと聞けばわかるが、今作ではボスが2陣営に分かれており、コルテックス陣営は本人とエヌ・ジンだけ、残りの3組4名(リパー・ルー、コモド兄弟、タイニータイガー)は、前作の後でコルテックスを見限ったニトラス・ブリオの配下でコルテックスに騙されたクラッシュを止めにきている。この前半3名のうち旧作から続投がリパー・ルーだけで、新顔の内タイニー・タイガーは次回作ではコルテックスの軍門に下っているなど、クリアした人でも「コルテックスが新たに作ったパワーストーン集めの尖兵」と誤解しやすい((ちなみに、コロコロコミックに連載されてたコミカライズ『クラッシュバンディクー ダンスでジャンプな大冒険!』でもコモド兄弟はパワーストーン狙いのトレジャーハンターとして登場し、兄が先に見つけたクラッシュと奪い合いをするが、弟に「それじゃ泥棒だ」と止められあきらめる話があるなど、公式に許可取っている人でもパワーストーン目当てと勘違いしているらしい描写がある。))。 ---説明書でも、彼らはエヴォルヴォレイ((前作でコルテックスがブリオと共同開発した進化光線))で改造された、としか説明されていない。そのため、新ボスの出自は作品をプレイしているだけではわからない。~ [[後年発掘された初代のデモムービー用アニメーション>https://www.youtube.com/watch?v=6d5651XSuh0]]にも登場しているので、彼らは初代の時代に改造され、クラッシュと戦わないまま足を洗ったようだ。 --第4ルームボスのエヌ・ジンに至っては、パワーストーンを渡せと言いながら有無を言わさぬ間に実力行使に出るので、成り行きで戦ってしまう。いつの間にかクラッシュが抵抗している扱いになっているようだ((ココやブリオから通信が入るが、一方的に話しかけられるだけだし、会話自体をキャンセルすることもできる。))。 ---用済みになったから排除しに来たとも取れるが、この時点で獲得したパワーストーンは20個であり、コンプリートには至っていない。~ どうせなら第3ルームクリア後にブリオが説明してクラッシュが騙されていたと気が付き、「ここまで来たならコルテックスに残りを取られないように先に回収しよう」とでも入れて、第4ルームの全パワーストーン回収後「クラッシュが離反した」と気が付いたエヌ・ジンが襲ってくれば分かりやすかったのだが。 -一部ステージの箱の配置が悪い。 --前作では「一度でもミスしたらダイヤの獲得は無し(海外版)/一応取れる場合もあるがまた最初から箱を壊さないといけない(日本版)」という仕様で、高難易度すぎたため「チェックポイント地点から再開してもそこまで壊した箱のデータは残っている」という仕様に変更されたにもかかわらず、ノーミスで辿り着くことで行ける高難度のドクロコースにも箱があるステージがあり、結局ノーミスで攻略しつつ通常の道と合わせて進まなければならないコースがある。 --奥スクロールで分岐した道の両方に箱があるステージもあり、画面下に向かって進む形で逆走しなければならない((クラッシュ・バンディクーシリーズは基本的に「奥スクロール」ゲームとして設計されているため、逆走すると手前の障害物が見えづらくなるので難易度が跳ね上がる。))ことも。 --つまり極度な緊張感のあるプレイが強いられる。 #region(逆走が必要なステージの中でも特に面倒なもの) -ステージ17「ばくふん ちゅういほう」 --奥に進んでいくステージで、左手側にあるドクロコースをクリアした後、右手側のコースへ逆走しなければならない。 ---先述の通り逆走時は手前の状況が見えないにも拘らず、このステージに登場する敵キャラクターの蜂は無限沸きかつクラッシュに向かって襲ってくるので、羽音を頼りにタイミングよく攻撃をする必要があり、難易度が高め。 --嫌がらせの如く、このステージの道中には隠しステージへ続くワープゾーンまで存在する。ダイヤをコンプリートしながら隠し通路に進むにはやはり逆走しなければならないので、それが面倒なら大人しくもう1度このステージに挑む必要がある。 ---たまたま隠しステージのワープゾーンに辿り着いてしまうと、パーフェクトダイヤを逃してしまうという悲劇まで発生する。 -ステージ18「ゆきやまは つづくよ」 --終盤に差し掛かるためかステージ自体が長く難易度も高い。ドクロコースも同様で、ほぼ全面が氷の床となっている長いコースを攻略しなければならない。 --パーフェクトダイヤを獲得するためにはドクロコースのゴール地点にある「!ブロック」を作動させて逆走、実体化した箱を壊して通常ルートに戻りそのままゴールを目指さないといけない。幸い横スクロールなので逆走はしやすいが、コースの長さと難易度の高さで非常に面倒。 --更にこのステージのひみつダイヤはドクロコースのゴールから通常ルートに戻るための穴の中にある。ここから落ちると通常ルートの終盤エリアに戻され逆走は不可能になる。そのため、パーフェクトダイヤと隠しダイヤを獲得する為には、ドクロコースを少なくとも2回攻略しなければならない。 --そして、このステージのボーナスチャレンジには画面外の所にひとつ箱が配置されている。初見だとなかなか気付かない配置であり、やっとの思いでパーフェクトをしたと思ったら箱が1つ足りないという絶望的な状況に陥れられることになる。 -ステージ21「ピストン はつでんしょ」 --コースのかなり後半から中盤にあるドクロコースまで戻らないといけない。事前情報なしではそのことに気づきにくい。 --引き返す際にある敵を踏み台にしなければならないほど高い段差を超えなければならず、知らずに倒してしまうと詰んでしまう(スライディングからのジャンプで強引に突破できなくもないが、やや難易度の高い操作を求められる)。 --更に踏むと光弾が飛んでくるトラップが存在しており、逆走するにはどうしてもこれを踏まないとならない場面が存在する。中にはトラップが作動する床の真横から光弾が飛んできて、ジャンプでは回避不可能なところまである。 ---この光弾はスピンアタックで消せるのだが、それを知る手立てが無いのが厄介なところ。気付けないとアクアクがいなければほぼ逆走は不可能で、かつアクアクを消費した状態でドクロコースに挑まなければならなくなる。 #endregion -△ボタンを押すとそのステージで壊した箱の数が表示されるが、一番肝心の&b(){そのステージにいくつ箱があるのか}が表示されない。 ---ステージの箱の総数はゴール前で確認可能なのがせめてもの救い。 -一部ひみつダイヤの配置がイマイチ。 --パーフェクトダイヤに関係無い特殊コースで手に入るひみつダイヤが、なぜかその終点ではなく序盤~中盤に配置されているステージがあり、ダイヤを入手してミスしてしまうと、コースを完走できずじまいのままダイヤを入手して通常コースに戻されてしまう。箱が無いので再挑戦する意味も無い。 -ポーラに乗って進むステージでは落下判定が見た目とズレている場合がある。 --「ばくそう オールナイト」ではダッシュからのジャンプでギリギリ届く穴を乗り越えなければならないが、少しでも早く飛んでしまうと、一見穴を乗り越えたはずなのに落ちた判定になってしまう。 -フリーズバグ --とあるステージでボーナスチャレンジから通常コースへ戻る際に、極稀にフリーズすることがある。 -ボス戦が簡単すぎる --前作ではボスごとにライフが異なっておりバリエーションに溢れていたのだが、今作のボスは第4ルームのエヌ・ジンを除いて全員初期ライフが3で固定されており仕掛けも乏しいので、パターンの変化が弱い上にすぐに倒せてしまう。 ---ボスの攻撃も単調であったり隙だらけなものばかりでクラッシュの強化されたアクションに対してついていけておらず、新アクションを活かせるような戦闘が無いのであまり楽しくないと言われている。 --唯一ライフが5と多いエヌ・ジン戦についてもそれまでのボスと違い、クラッシュがリンゴを投げて攻撃するという特殊な戦闘になるが新アクションはおろかスピンアタックも使えなくなり、その影響でジャンプ以外にできるアクションが無くなるので敵の攻撃や戦闘の構成もより単調になってしまっている。 ---リンゴ投げのシューティングもクラッシュ自身は特にアクションを取らないまま投げるのでかなり違和感がある((没データとして専用のモーションはある。また、リマスター版では専用のアクションをするようになっている。))。 --ラスボスのコルテックスに至っては本作どころかシリーズ最弱と言われるほどに簡単すぎる。 ---一定のゴール地点へ逃げるまでに倒す追いかけっこ形式のボス戦なのだがコルテックスは逃げ回るだけで全く攻撃を仕掛けてこない。手には前作と同じく光線銃を持っているのにそれすら使ってこないので適当に近づいて攻撃するだけですぐに倒せてしまい、手応えがまるでない。 ---極めつけはそれまでのボスがライフを減らすと攻撃パターンや仕掛けが変化していたのに、それすら無く本当にただ逃げることしか能が無いので弱さに拍車がかかっている。 ---隕石や浮遊機雷が障害物として存在するのだが当たってもミスにならない上、スピンアタックをするだけでどちらも弾き飛ばせてしまう。よってゴール地点へ辿り着く以外にコルテックスに負ける要素がまるで無い。 ---海外のレビューでもこれらの点に関して「プレイヤーをなめているほど簡単」とコメントされているほど。 ---- **総評 世界観とシンプルなゲーム性が評価された前作から更に遊びやすくなり、クラッシュシリーズの精度を高めた一作。~ 発売時期が12月だったこともあり、クリスマスプレゼントとして定着したこともあって累計販売本数89万本とシリーズ2位の売り上げを記録した。~ 良くも悪くも現在ではアクションがスピンアタックのみに限定されてた『1』と、二段ジャンプ・竜巻ジャンプ・リンゴバズーカなど強力なアクションを取得できる『3』の中間にあたるバランス。~ スライディングによるシンプルなアクション性は、純粋にプレイヤーの腕が試される事から本作をクラッシュシリーズで最も高評価する意見も少なくない。 ---- **余談 -あるステージの入口に上述のポーラが佇んでいるが、実は踏みつけることができる。 --しかも何回も踏むと1度だけ残機が10個も増えるという技があり、なぜかクリア達成度が1%上がる。 ---ヨーロッパ版ではクリア達成度の計算が違っており、この技でパーセンテージが増えない模様。 -海外版と違うやられモーションがある。 --雪山ステージで柱に潰されると国内版では丸ごと潰されてしまうが、海外版では頭のみそのままになっている。 --開発中に国内で起きた「酒鬼薔薇事件」を連想させてしまうために修正したらしい((『3』での同様のやられモーションは海外版と同じ。))。 ---- **その後の展開 -2017年8月3日に『1』『2』『3』のリマスター版をまとめて収録した『[[クラッシュ・バンディクー ブッとび3段もり!]]』((海外版タイトルは『Crash Bandicoot N. Sane Trilogy』となっている。))がPS4で発売された。 --開発はNaughty Dogではなく、[[アドバンス版>クラッシュ・バンディクー アドバンス]]を開発したVicarious Visionsが担当。詳しくは作品ページを参照。

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