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*星のカービィ トリプルデラックス 【ほしのかーびぃ とりぷるでらっくす】 |ジャンル|アクション|&amazon(B00GW8TKP0)| |対応機種|ニンテンドー3DS|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|ハル研究所|~| |発売日|2014年1月11日|~| |定価|4,571円(税別)|~| |プレイ人数|1~4人|~| |セーブデータ|3個|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |3D映像の表現|あり|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|新要素『ビッグバンすいこみ』&br;ハードを活かしたステージ&br;BGMやサブゲームも好評&br;デデデ大王リスペクト|~| |>|>|CENTER:''[[星のカービィシリーズリンク>星のカービィシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ニンテンドー3DS初となるカービィ。携帯機で展開される本編作品としては『[[参上!ドロッチェ団>星のカービィ 参上!ドロッチェ団]]』以来7年ぶり((リメイク作品である『ウルトラスーパーデラックス』もカウントするなら5年ぶり))となる。~ グラフィックやゲームシステムは『[[星のカービィ Wii]]』(以下Wiiと表記)をベースにしつつ、奥行きを活かしたステージ設計、ジャイロセンサーを利用した仕掛けなど、3DSならではの要素を取り入れている。~ なおタイトルに「デラックス」とついているが、『[[スーパーデラックス>星のカービィ スーパーデラックス]]』・『ウルトラスーパーデラックス』とは特に関係は無い((トリプルの「3」、デラックスの頭文字「D」を繋げると「3D」となり、本作の目玉要素と掛けたサブタイトルだと考えられる))。 **ストーリー >なぞの敵、タランザにさらわれたデデデ大王を助けるため、~ カービィは巨大な植物「ワールドツリー」をのぼって~ 「浮遊大陸 フロラルド」へと向かいます。(公式サイトより) **特徴 ***システム ''基本操作'' -操作方法は携帯機向けの過去作と大差がない。 --十字ボタンorスライドパッドで移動、Aボタンでジャンプ、Bボタンですいこみ・コピー能力での攻撃、L/Rボタンでガードなど。 -新アクションとして、「そのばかいひ」「くうちゅうかいひ」が登場 --早い話が『[[スマブラ>ニンテンドウオールスター! 大乱闘スマッシュブラザーズ]]』の緊急回避である。L/R+方向キーを入力(空中ではL/Rのみ)すると、回転して敵の攻撃を回避可能。無敵時間は短いため使える状況は限られる。 -アシストスターの登場。ステージ中でバンダナワドルディが投げ、ストックしたアイテムをYボタンor下画面タッチでいつでも使用可能。 --ドロッチェ団のコピーパレットのようなシステムだが、合成の概念を廃止、ストックできるアイテムが1個のみと、よりシンプルになり「スーパーマリオワールド」などのアイテムストックに近いものとなった。前作のトマトボックスよりも使いやすいため好評。 --中身は元気ドリンクや食べ物が殆ど。救済措置としてふっかつトマト((持っていると体力が無くなった時に自動で全回復。同じボスに4回以上連続で負けているとバンダナワドルディが投げてくれる。))が初登場。 --[[次回作>星のカービィ ロボボプラネット]]にもこのシステムは引き継がれている。 ''冒険の舞台'' -今回の舞台は前述したとおりプププランドではなく、フロラルドおよびワールドツリー。レベルごとのボスを倒すことでワールドツリーが成長し、次のレベルへ進めるようになっている。 --レベル名は『夢の泉の物語』『Wii』などと同じく2つの英単語でできており、一部を除いて2つの単語の頭文字は同じになっている((レベル1「ファイン フィールド(Fine Field)」など))。レベル1から全てのステージの頭文字を並べると……? ''ジャイロセンサー'' -謎解きの1つとして、3DSのジャイロセンサーを使った仕掛けが登場。本体を傾けると仕掛けが連動して動く。 --水瓶の水をこぼして火を消す、ゴンドラを動かすなど。 -カービィシリーズお約束のシューティングも本作ではジャイロセンサーを使ったものになった(スライドパッドで代用可)。 ''コピー能力'' -全部で25種類(下記の「ビッグバン」をコピー能力に含めるなら26種類)。『Wii』と同じくコマンド入力でさまざまな技が出せるが、『Wii』から技が削除されたコピーや、逆に追加されたコピーもある。ウォーターなど『Wii』に登場した一部の能力はなくなった一方で、新たに追加されたものや復活したものもある。 --本作で新たに追加された能力は「スナイパー」「ベル」「ビートル」「サーカス」「ビッグバン」の5種類。 ''ビッグバンすいこみ'' -本作の目玉要素の1つ。特定のステージに配置されている「きせきの実」を取ると、虹色に輝く「ビッグバンカービィ」に変身。吸い込み性能が飛躍的に強化される。 --『Wii』のスーパー能力とは異なり、時間制限はない。またきせきの実取得時に持っていたコピー能力は、ビッグバン終了時も保持されている。 -普段は吸い込めないものであろうと吸い込んだり動かしたりでき、実に気分爽快。これを利用した仕掛けが多数存在する。 ***奥行きのあるステージが、デラックス -ビッグバンすいこみと並ぶ目玉要素であり、今作は「奥行き」を活かしたステージ設計が非常に多い。 --これに伴い、画面の手前と奥を行き来できるギミック「3Dワープスター」が登場している。 -手前と奥の概念ができた事で、これまでは平面的な攻撃しかしてこなかった敵が立体的な攻撃を繰り出すようになった((例えばザコキャラのサーキブルは同じ軸にいると、これまでの作品同様横にカッターを投げてくるだけだが、軸がずれていると奥や手前に向かってカッターを投げてくる。))。 --ボスキャラはこれが顕著であり、画面奥や手前など、カービィとは別の軸から攻撃してくる機会が多い。 ***収集要素 ''サンストーン'' -各ステージに1~4個隠されており、各レベルのボスに挑むにはこれが一定数必要。 -各レベルのサンストーンを全て集めると、EXステージに挑戦できる。 ''キーホルダー'' -歴代作品のキャラクターやアイテムを、当時のグラフィックのままキーホルダー化。''その数なんと256種類。'' --3D作品のキャラクターのみ例外で、新規ドット絵が作られている。 -サンストーン同様、各ステージにいくつか配置されており、ノーマル/レアの2種類が存在する。すれちがい通信での交換や、3DSのゲームコインと引き換えに入手も可能。 --ノーマルは1度入手してもステージを出れば復活、何が出るかはランダム(ダブりもある)。レアは1ステージに1個のみで中身が固定、復活しない。 前作に当たる『Wii』ではアイテム収集が比較的コンプリートしやすかったために熟練者からは少々物足りないとの声も上がっていたが、本作のアイテムは巧妙な隠し方をされていることが多く(特にレアキーホルダー)、攻略情報に頼らず自力で完全収集を達成しようとするとかなりの手応えがある。 ***ミニゲーム ''カービィファイターズ!'' -いうなればカービィ版『スマブラ』の体力制バトル。10種類のコピー能力((ソード、カッター、ビーム、パラソル、ハンマー、ボム、ファイター、ニンジャ、ウィップ、スナイパー))から1つを選んでバトルし、最後まで残っていた人が勝利。 --ワイヤレス通信、ダウンロードプレイに対応しており、最大4人で遊ぶことが可能。 ''大王のデデデでデン'' -デデデ大王を操作するリズムゲーム。リズムに合わせてデデデ大王をジャンプさせ、空中に配置されている「おんぷメダル」を集めて高得点を目指す。 --BGMは「グリーングリーンズ」「激突!グルメレース」など過去作の名曲をアレンジしたもの。 -どちらも追加要素が入ったものが単独でダウンロード配信された。 **評価点 -奥行きを活かしたギミックの数々 --過去作でも画面奥からの攻撃をしてくる敵や仕掛けは存在したが、あくまでごく一部、または奥行きを感じられない平面的なものだった。 --手前と奥の概念ができ、裸眼立体視にも対応している本作では、それらが本当の意味で立体的になり、過去作で感じられた違和感はなくなっている。 --仕掛けやボスの攻撃も全体的に派手になり、プレイヤーを飽きさせない。 -爽快なビッグバンすいこみ --『Wii』の目玉要素であるスーパー能力は、多数の敵やオブジェクトをまとめて破壊でき爽快感溢れる一方、発動時に一瞬ゲーム内時間が止まるため、テンポが悪いと感じるプレイヤーもいた。 --本作のビッグバンすいこみは爽快さをそのままに、変身時の演出を除いて時間が停止しないようになっている。 --流石にあまりに巨大な、或いは沢山の物を吸い込むには時間がかかるが、自分より遥かに大きな物であろうと容赦なく吸い込む様は見ていて実に爽快。 ---超巨大なウツボを頭から踊り食いする、ボスキャラをライフゲージごと吸い込み消滅させるといった様は必見。 --後述するがスーパー能力から改善された点はあるが劣化してしまった部分もある。 -安心と信頼のBGM --BGMの良さに定評のあるカービィシリーズだが、本作でもそれは健在。『Wii』と比べると過去曲のアレンジ・流用が多く新曲はやや少なめだが、カービィらしいポップな曲を筆頭に、高いレベルで纏まっている。 ---作曲は今まで通り、石川淳、安藤浩和の両氏が担当。サウンドテストの音符が赤=石川氏、青=安藤氏作曲となる。 --「とびだせ!奥へ手前へボスバトル」、「王位の復権:D.D.D.」、「Dirty&Beauty」、「よみがえる最強の影」等、ボス戦BGMを中心に評価が高い。 ---その中でもラスボス第二形態戦で流れる「狂花水月」「この星をかけた魂の戦い」は本作のみならず、''シリーズ全体で見ても群を抜いて評価が高い。'' ---従来のラスボス戦BGMとは趣向が異なり、美しくもどこか切ない曲である。クラブニンテンドー限定のサントラにて、スタッフも''「月に映える妖艶な女性らしさがテーマ」「かつてのシリーズボスにある威厳や怖さより、美しさを意識した」''とのコメントを載せている。異色ながらもラスボス戦時の状況、更にラスボスの設定を考えるとまさにピッタリの曲名・演出であろう。 ---「狂花水月」は発売直後から話題となり、現在では前作『Wii』の「CROWNED」と共にカービィシリーズでも一二を争う人気曲という評価を受けている。 --シリーズで定番の中ボスタワーでは『64』のとあるステージのアレンジ曲が使用される、最終決戦のBGMにおなじみのフレーズが組み込まれるなど、過去曲の使い方についてもファンのツボを突いたものが多く好評。 -ファンサービスの数々 --HAL部屋、過去作BGMのアレンジ等々、ファンならニヤリとするものが多い。 --収集要素も兼ねているキーホルダーは、当時のグラフィックそのままであるため、懐かしさを感じられる。集めるのが大変な分、コンプリート時の喜びはひとしおである。 --2面のボスは名前や設定、その容姿から、過去作のあるボスの姉妹であることが示唆されている。さらに、シナリオクリア後に遊べるモードでも、別作のとあるボスがゲスト出演しており、ファンを喜ばせた。 ---後者は隠し要素だけあって原作よりも強化されており、手応え十分。ただのゲストではなく、ストーリー中に起こった事件との関連性も考えられる。(真相は定かではないが) --『ウルトラスーパーデラックス』以降お約束となっている「真・格闘王への道」「ソウル系ボス」といった要素も続投。 --おなじみのボス「ウィスピーウッズ」の流れを汲む「ウィスピーフラワーズ」や「クラッコ」が登場。双方とも過去作とは比べ物にならないほど攻撃パターンが豊富でこちらも古参ファンを喜ばせている。 ---「ウィスピーフラワーズ」は1面ボスとは思えないほどに強い上になんと''ジャンプする''、また強化版の「DX」に至っては「初代EXモードのウィスピーと肩を並べる」とも「歴代ぶっちぎりで最強」とも言われる程の強さを誇っている((しかもこちらは短時間だが空を飛ぶ))。 -ガードが出しやすくなった --『Wii』ではボタン配置の関係でガードが使いにくい事が問題点として挙げられていた。 --本作では3DSのボタン配置の関係上、ガード及び派生技の「そのばかいひ」「くうちゅうかいひ」が出しやすくなり、改善された。 -ミニゲームにしておくのが惜しい「カービィファイターズ!」 --10種類のコピー能力、豊富なアイテムや仕掛け、全7種類のステージなど、ミニゲームとは思えないほどの作りこみ。多人数で遊ぶと盛り上がるゲームだけに、Wi-Fi非対応が悔やまれる。 ---ホバリングやガードに制限がつくなど、全体的にスマブラ寄りの調整。 ---アイテムや仕掛けのオンオフは設定で変更できるため、乱闘派・ガチタイマン派のどちらでも楽しめる。 --CPUがやたらと強い事も特徴。 ---最高難易度の「めちゃむず」でのCPUは超反応と言っても過言ではないレベルになる。こちらの攻撃をガードや回避で華麗にさばき、すかさずコンボで大ダメージを与えてくる様はまごうことなき''%%ピンクの悪魔%%''(CPUのカービィらは色違いである)。ぶっちゃけ裏ラスボスより遥かに強い。ラストで仕掛け&アイテム無し1VS1で戦う事になるシャドーカービィは10数回以上のコンティニューを覚悟した方がいい。 ---強い分、動きの面で参考になる部分はある。勝てない時はCPUの動きを観察してみるのもいい。 -近年では珍しいデデデ優遇 --近年は『鏡の大迷宮』『ドロッチェ』などで不遇なポジションが多かっただけに多くのファンを驚かせた。((熊崎氏が関わった『USDX』と『wii』では比較的優遇な立場ではあったが、『64』のような目立った活躍は本作まで無かった。)) ---なんと言っても今回のカービィの目的は''「攫われたデデデを救う事」''。''%%今作の事実上のヒロインである。%%''そしてデデデ本人もただ救出を待つだけではなく終盤ストーリーにも深く関わり見せ場が多い。''助けられたデデデがカービィを助ける''というカッコいいシーンもあるので必見。 --加えて『メタナイトでゴー!』から派生した新モード・『デデデでゴー!』である。 ---『デデデでゴー!』ではデデデ大王を操作してステージを攻略し、ストーリーモードに登場したボスの強化版と戦うことになるが、終盤ではこのモードオリジナルのボスも登場。いずれも非常に手強い。 --余談だが、本作以降カービィシリーズではデデデの声やSEがディレクターの熊崎信也氏のものとなっている。((『64』や『スマブラ』シリーズではカービィシリーズ元ディレクターの桜井政博氏が担当しており、そこもリスペクトしている。)) -ストーリー・キャラクター --前述のデデデ優遇に加え、古き良きアクションRPGのような王道系のストーリーは評価が高い。BGMも相まって非常に盛り上げてくれる。 --終盤で物語の真相が明かされる流れ、本作のラストバトルは前述の「狂花水月」「この星をかけた魂の戦い」も相乗して、熱くもどこか切ないものとなっており、「星をつかむもの」~エンディングに掛けての展開はカービィ史上最高の演出とまで言われている。 --新キャラクターの評価も高く、続編での活躍が期待されている。 -想像力をかき立てる裏設定 --今作からはボス戦中にポーズをかけると(すべての敵ボスで)説明文を見られる。 ---特に、本作のラスボス関連は細かく作り込まれており、強化版では通常ボスでは見られなかったさらなる設定を見られる。 --ただし細かい設定はプレイヤーの解釈にゆだねている部分もあり、また意図的に思わせぶりな要素を盛り込んである箇所もいくつか存在。いわゆる「フロム脳」への刺激も抜かりない。 ---こうした要素は前作『[[星のカービィ Wii]]』にも盛り込まれていたが、本作はそれをさらに発展させたものとなっている。 --特に、100%クリアの上で最後に戦うことになる真ラスボスの説明文はいい意味でカービィらしからぬ異彩を放っており、必見。 **賛否両論点 -新コピー能力の「スナイパー」は前述の通り弓矢で攻撃するのだが、弓矢で攻撃する点が『[[鏡の大迷宮>星のカービィ 鏡の大迷宮]]』の「エンジェル」と被ってしまっている。 --「鏡の大迷宮」と「[[参上!ドロッチェ団>星のカービィ 参上!ドロッチェ団]]」は技が少なく、攻撃力も低かった点もあるかもしれないが、前作と今作で「ストーン」「トルネイド」「ニードル」「ホイール」といったコピー能力の技の数が増えていた事を考えると、「エンジェルを強化させて再登場させる」ではダメだったのだろうか? ---キーホルダーに「エンジェルカービィ」がある事を考えると、忘れていたわけではないようだが… #region(再登場したあるアイテムについて(ネタバレ注意)) -『[[星のカービィ 鏡の大迷宮]]』に登場したディメンションミラーが復活しているのだが、本作のラスボスはその強い力により暴君と化してしまったという設定がある。しかもディメンションミラーからは前からいたダークメタナイトだけでなく新たな心の影ブラックデデデが誕生している。 --純粋に再登場を喜び、何故再び心の闇を映すようになったのか考察する人もいれば、ディメンションミラーの一件はすでに『鏡の大迷宮』で解決したのでは無かったのかという疑問の声もあがっている。 ---鏡の大迷宮のEDでは「また悪い心を持った者が現れるかもしれないが、これからは鏡の国のカービィが守るから安心してほしい」という記述がある。 --ただしこれは本編の時間軸とはパラレルの関係にある可能性があることも留意すべきである。 #endregion **問題点 -ボス戦のテンポが悪い。ストーリーモードでは特に問題ないが、「格闘王の道」でそれが顕著になる。 --開始時及び攻撃パターンが変わる際に長めの演出が入る。 ---この間は完全に動けないものと動けるものがあるが、動けるものであってもボスの防御力が増大しているため、&bold(){体力を削れないというわけではないがほぼ無駄な時間となっている。}} ---攻撃力の高いコピー能力でのタイムアタック時にはボスと戦っている時間よりも演出を見ている時間の方が長くなることまである。特にラスボス第一形態は攻撃パターン変化時の演出が長いため、非常に邪魔に感じる。 --また、攻撃パターンに奥行きを活かしたものが多めであり、その間ボスがカービィと同軸にいないため、回避しかできないということが多い。 --最大の問題ボスがレベル5ボスの「ヴォルゲロム」である。 ---強さ自体は大したことはないが、他のボスと比べてカービィと同じ軸にいる事が少なく、攻撃パターンの多くが画面奥からの攻撃。そのため高火力のコピー能力を駆使しても速攻撃破が難しい。タイムアタックでは最大の難敵とも(最速レベルでも所要時間約1分)。 ---おかげでプレイヤーからは「チキンガエル」「クソガエル」と呼ばれ、蛇蝎のごとく嫌われている。 ---ちなみに今作のボスはストーリーモードの中で倒した際にそれぞれちょっとした演出がある(例:絵が実体化したボスは元のキャンバスに戻される)のだが、タイムアタックがやり込み要素となる「格闘王への道」「新•格闘王への道」では時間短縮のために省略されている。しかしながらヴォルゲロムは何故か略されていない(ただしタイマーは止まるので実害はない)((「ウィスピーフラワーズ」も同様。))。 その理由は定かではないが、意図的となっているかのように「イライラさせられたプレイヤーに憂さ晴らしさせるため」などと噂されることも。 --また、中ボス群は『[[星のカービィ Wii]]』と同じく登場時に長い硬直があるため、高火力コピーならこの間に相当の体力を削れてしまう。((ただし、登場してすぐは防御力が高くなっている。)) -ビッグバン能力 --前述の通りスーパー能力の攻撃テンポが悪い欠点を解消しているのだが、『Wii』と違ってステージ設計の都合上使用が義務化しており、常に取らないと先に進めない。 --そのため、今度は「使用を強制される」という観点からテンポの悪さ、自由度の狭さを指摘する声が出るようになった。『Wii』ではスーパー能力が必要なエリアがあっても素通り自体は可能であった(難易度は高くなる)事から、尚更この短所が目立つ格好となっている。 --次回作以降はこういった能力の強制は無くなった。 -キーホルダー関係 --コンプリートが達成率に含まれている。 --ノーマルキーホルダーは「取得済みのキーホルダー」でも普通に出る為、数を集める程未入手の物が出にくくなる。そのため、コンプリートを目指す場合、効率重視でステージが短い1-2あたりを繰り返しプレイする作業になりがち。 ---ただし、3DSのゲームコインを消費すればキーホルダーがランダムで一つ手に入るため、ゲームコインが溜まりすぎて持て余している場合などはこの限りではない。 ---また「(新含む)格闘王への道」の休憩所でもキーホルダーが手に入る。 --また、各ステージに一つ配置されているレアキーホルダーは、そのステージで取得済みか否かが確認できない。そのため、自力でコンプしようとするならば、どのステージで獲得済かメモしていない限り、最悪全ステージを総当たりするはめになる。 --レアキーホルダーについては次回作では未獲得のステージが簡単に確認できるよう改善されている。 --レアキーホルダーの入手難易度は前述の通りかなり高く、「そこかよ!」と思わず突っ込まざるを得ないような意外過ぎる場所に隠してあることも多い。本当にノーヒントで集めようとする際の難易度は「手応えがある」どころかもはや''鬼畜レベル''の領域。次回作では一部を除いてではあるが、簡単な方になった。 ---前作『Wii』のエナジースフィアが全体的に簡単だったのとは正反対である。ゲーム内でヒントを設けてよかったのではないだろうか… --ちなみに『64』のカード収集はこちらより更に面倒な仕様だったが、達成率には影響していなかった。 -サンストーンのネタバレ --サンストーンを全て集めると、まだ対面していなくても関係なく、ラスボスのキーホルダーを入手できてしまう。 --収集要素をコンプリートしてからラスボスに挑む((ちなみに過去作の2,3,64(いわゆる数字カービィ)では収集要素をコンプリートしないと真のラスボスと戦えなかったため、自ずと効率を重視して今作も収集要素を先に済ませるプレイヤーも存在したと思われる。))主義のプレイヤーはネタバレの憂き目に。そのため、既プレイ者からの「サンストーン集めは後回しにしろ」という警告がしばしば見受けられた。 //---次回作ではラスボスのステッカーはない。((親玉ポジションなキャラのステッカーはあるが、大きくネタバレになるような物ではない。)) -ダメージ補正による一部コピー能力の大幅弱体化 --今作には「一度ダメージを与えると一定時間与えるダメージが減少する」という仕様が存在する。(対人戦モードの導入によるもの?)この仕様によって「連続ヒットする技」や「発生が速く連発可能な技」がこれまでより目に見えて威力が低くなった。 --パラソルやファイターなどもこの影響を受けたが、特に酷いのは「ソード」で、メイン技であった回転ぎりが『Wii』のおよそ半分程度の威力になってしまった。 ---ちなみにこれらの能力と同じように「カービィファイターズ!」に登場するハンマーはメイン技(おにごろしかえんハンマー)がこの仕様を受けず、圧倒的な火力を何度も出せるため、本作最強とも噂される。 ---この仕様に関係なく「スパーク」など技の没収等の理由で弱体化した能力もある。 --結果的にコピー能力間の格差が広がってしまった。とりわけ「ハンマー」と他のコピー能力との差が大きい。 ---ストーリーやカービィファイターズ!をプレイする分にはあまり気にならないが、格闘王などのモードで「この能力でタイムアタックをしてみたい!」と思うプレイヤーにとってはどうしても気になってしまう仕様かもしれない。 -画面前後を意味もなく行き来させるステージが散見される。 --画面前後の移動自体は1回数秒程度でテンポも悪くないが、繰り返し移動させられる個所があり、無駄な時間を取られたりする。 --よりによって「格闘王の道」のインターバルエリアでもこのエリア奥への移動が必須だったりする。 **総評 3DS第1号となる王道カービィは、新要素として「奥行き」を使ったギミックを違和感のないレベルで取り入れ、演出性能を大幅に高める事に成功。~ 見逃せない不満点は所々に見られるものの、良質なBGM、ファンサービス、ミニゲームなどの評価点はそれを補って尚余りある。~ **余談 #region(ラスボスについて) -本作のラスボスにはボイスがあてられている。シリーズ通してカービィ(とデデデ)以外で明確に声がついたのは初。(マルクなどはSE) --さらにそのCVがカービィと同じ。イメージがかなり異なるため、なんとなく察しがついていたとしても衝撃は大きかった。 -このボイスは好評で、次回作以降は二人以上CVがつくようになった。 #endregion
*星のカービィ トリプルデラックス 【ほしのかーびぃ とりぷるでらっくす】 |ジャンル|アクション|&amazon(B00GW8TKP0)| |対応機種|ニンテンドー3DS|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|ハル研究所|~| |発売日|2014年1月11日|~| |定価|4,571円(税別)|~| |プレイ人数|1~4人|~| |セーブデータ|3個|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |3D映像の表現|あり|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|新要素『ビッグバンすいこみ』&br;ハードを活かしたステージ&br;BGMやサブゲームも好評&br;デデデ大王リスペクト|~| |>|>|CENTER:''[[星のカービィシリーズリンク>星のカービィシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ニンテンドー3DS初となるカービィ。携帯機で展開される本編作品としては『[[参上!ドロッチェ団>星のカービィ 参上!ドロッチェ団]]』以来7年ぶり((リメイク作品である『ウルトラスーパーデラックス』もカウントするなら5年ぶり))となる。~ グラフィックやゲームシステムは『[[星のカービィ Wii]]』(以下Wiiと表記)をベースにしつつ、奥行きを活かしたステージ設計、ジャイロセンサーを利用した仕掛けなど、3DSならではの要素を取り入れている。~ なおタイトルに「デラックス」とついているが、『[[スーパーデラックス>星のカービィ スーパーデラックス]]』・『ウルトラスーパーデラックス』とは特に関係は無い((トリプルの「3」、デラックスの頭文字「D」を繋げると「3D」となり、本作の目玉要素と掛けたサブタイトルだと考えられる))。 **ストーリー >なぞの敵、タランザにさらわれたデデデ大王を助けるため、~ カービィは巨大な植物「ワールドツリー」をのぼって~ 「浮遊大陸 フロラルド」へと向かいます。(公式サイトより) **特徴 ***システム ''基本操作'' -操作方法は携帯機向けの過去作と大差がない。 --十字ボタンorスライドパッドで移動、Aボタンでジャンプ、Bボタンですいこみ・コピー能力での攻撃、L/Rボタンでガードなど。 -新アクションとして、「そのばかいひ」「くうちゅうかいひ」が登場 --早い話が『[[スマブラ>ニンテンドウオールスター! 大乱闘スマッシュブラザーズ]]』の緊急回避である。L/R+方向キーを入力(空中ではL/Rのみ)すると、回転して敵の攻撃を回避可能。無敵時間は短いため使える状況は限られる。 -アシストスターの登場。ステージ中でバンダナワドルディが投げ、ストックしたアイテムをYボタンor下画面タッチでいつでも使用可能。 --ドロッチェ団のコピーパレットのようなシステムだが、合成の概念を廃止、ストックできるアイテムが1個のみと、よりシンプルになり「スーパーマリオワールド」などのアイテムストックに近いものとなった。前作のトマトボックスよりも使いやすいため好評。 --中身は元気ドリンクや食べ物が殆ど。救済措置としてふっかつトマト((持っていると体力が無くなった時に自動で全回復。同じボスに4回以上連続で負けているとバンダナワドルディが投げてくれる。))が初登場。 --[[次回作>星のカービィ ロボボプラネット]]にもこのシステムは引き継がれている。 ''冒険の舞台'' -今回の舞台は前述したとおりプププランドではなく、フロラルドおよびワールドツリー。レベルごとのボスを倒すことでワールドツリーが成長し、次のレベルへ進めるようになっている。 --レベル名は『夢の泉の物語』『Wii』などと同じく2つの英単語でできており、一部を除いて2つの単語の頭文字は同じになっている((レベル1「ファイン フィールド(Fine Field)」など))。レベル1から全てのステージの頭文字を並べると……? ''ジャイロセンサー'' -謎解きの1つとして、3DSのジャイロセンサーを使った仕掛けが登場。本体を傾けると仕掛けが連動して動く。 --水瓶の水をこぼして火を消す、ゴンドラを動かすなど。 -カービィシリーズお約束のシューティングも本作ではジャイロセンサーを使ったものになった(スライドパッドで代用可)。 ''コピー能力'' -全部で25種類(下記の「ビッグバン」をコピー能力に含めるなら26種類)。『Wii』と同じくコマンド入力でさまざまな技が出せるが、『Wii』から技が削除されたコピーや、逆に追加されたコピーもある。ウォーターなど『Wii』に登場した一部の能力はなくなった一方で、新たに追加されたものや復活したものもある。 --本作で新たに追加された能力は「スナイパー」「ベル」「ビートル」「サーカス」「ビッグバン」の5種類。 ''ビッグバンすいこみ'' -本作の目玉要素の1つ。特定のステージに配置されている「きせきの実」を取ると、虹色に輝く「ビッグバンカービィ」に変身。吸い込み性能が飛躍的に強化される。 --『Wii』のスーパー能力とは異なり、時間制限はない。またきせきの実取得時に持っていたコピー能力は、ビッグバン終了時も保持されている。 -普段は吸い込めないものであろうと吸い込んだり動かしたりでき、実に気分爽快。これを利用した仕掛けが多数存在する。 ***奥行きのあるステージが、デラックス -ビッグバンすいこみと並ぶ目玉要素であり、今作は「奥行き」を活かしたステージ設計が非常に多い。 --これに伴い、画面の手前と奥を行き来できるギミック「3Dワープスター」が登場している。 -手前と奥の概念ができた事で、これまでは平面的な攻撃しかしてこなかった敵が立体的な攻撃を繰り出すようになった((例えばザコキャラのサーキブルは同じ軸にいると、これまでの作品同様横にカッターを投げてくるだけだが、軸がずれていると奥や手前に向かってカッターを投げてくる。))。 --ボスキャラはこれが顕著であり、画面奥や手前など、カービィとは別の軸から攻撃してくる機会が多い。 ***収集要素 ''サンストーン'' -各ステージに1~4個隠されており、各レベルのボスに挑むにはこれが一定数必要。 -各レベルのサンストーンを全て集めると、EXステージに挑戦できる。 ''キーホルダー'' -歴代作品のキャラクターやアイテムを、当時のグラフィックのままキーホルダー化。''その数なんと256種類。'' --3D作品のキャラクターのみ例外で、新規ドット絵が作られている。 -サンストーン同様、各ステージにいくつか配置されており、ノーマル/レアの2種類が存在する。すれちがい通信での交換や、3DSのゲームコインと引き換えに入手も可能。 --ノーマルは1度入手してもステージを出れば復活、何が出るかはランダム(ダブりもある)。レアは1ステージに1個のみで中身が固定、復活しない。 前作に当たる『Wii』ではアイテム収集が比較的コンプリートしやすかったために熟練者からは少々物足りないとの声も上がっていたが、本作のアイテムは巧妙な隠し方をされていることが多く(特にレアキーホルダー)、攻略情報に頼らず自力で完全収集を達成しようとするとかなりの手応えがある。 ***ミニゲーム ''カービィファイターズ!'' -いうなればカービィ版『スマブラ』の体力制バトル。10種類のコピー能力((ソード、カッター、ビーム、パラソル、ハンマー、ボム、ファイター、ニンジャ、ウィップ、スナイパー))から1つを選んでバトルし、最後まで残っていた人が勝利。 --ワイヤレス通信、ダウンロードプレイに対応しており、最大4人で遊ぶことが可能。 ''大王のデデデでデン'' -デデデ大王を操作するリズムゲーム。リズムに合わせてデデデ大王をジャンプさせ、空中に配置されている「おんぷメダル」を集めて高得点を目指す。 --BGMは「グリーングリーンズ」「激突!グルメレース」など過去作の名曲をアレンジしたもの。 -どちらも追加要素が入ったものが単独でダウンロード配信された。 **評価点 -奥行きを活かしたギミックの数々 --過去作でも画面奥からの攻撃をしてくる敵や仕掛けは存在したが、あくまでごく一部、または奥行きを感じられない平面的なものだった。 --手前と奥の概念ができ、裸眼立体視にも対応している本作では、それらが本当の意味で立体的になり、過去作で感じられた違和感はなくなっている。 --仕掛けやボスの攻撃も全体的に派手になり、プレイヤーを飽きさせない。 -爽快なビッグバンすいこみ --『Wii』の目玉要素であるスーパー能力は、多数の敵やオブジェクトをまとめて破壊でき爽快感溢れる一方、発動時に一瞬ゲーム内時間が止まるため、テンポが悪いと感じるプレイヤーもいた。 --本作のビッグバンすいこみは爽快さをそのままに、変身時の演出を除いて時間が停止しないようになっている。 --流石にあまりに巨大な、或いは沢山の物を吸い込むには時間がかかるが、自分より遥かに大きな物であろうと容赦なく吸い込む様は見ていて実に爽快。 ---超巨大なウツボを頭から踊り食いする、ボスキャラをライフゲージごと吸い込み消滅させるといった様は必見。 --後述するがスーパー能力から改善された点はあるが劣化してしまった部分もある。 -安心と信頼のBGM --BGMの良さに定評のあるカービィシリーズだが、本作でもそれは健在。『Wii』と比べると過去曲のアレンジ・流用が多く新曲はやや少なめだが、カービィらしいポップな曲を筆頭に、高いレベルで纏まっている。 ---作曲は今まで通り、石川淳、安藤浩和の両氏が担当。サウンドテストの音符が赤=石川氏、青=安藤氏作曲となる。 --「とびだせ!奥へ手前へボスバトル」、「王位の復権:D.D.D.」、「Dirty&Beauty」、「よみがえる最強の影」等、ボス戦BGMを中心に評価が高い。 ---その中でもラスボス第二形態戦で流れる「狂花水月」「この星をかけた魂の戦い」は本作のみならず、''シリーズ全体で見ても群を抜いて評価が高い。'' ---従来のラスボス戦BGMとは趣向が異なり、美しくもどこか切ない曲である。クラブニンテンドー限定のサントラにて、スタッフも''「月に映える妖艶な女性らしさがテーマ」「かつてのシリーズボスにある威厳や怖さより、美しさを意識した」''とのコメントを載せている。異色ながらもラスボス戦時の状況、更にラスボスの設定を考えるとまさにピッタリの曲名・演出であろう。 ---「狂花水月」は発売直後から話題となり、現在では前作『Wii』の「CROWNED」と共にカービィシリーズでも一二を争う人気曲という評価を受けている。 --シリーズで定番の中ボスタワーでは『64』のとあるステージのアレンジ曲が使用される、最終決戦のBGMにおなじみのフレーズが組み込まれるなど、過去曲の使い方についてもファンのツボを突いたものが多く好評。 -ファンサービスの数々 --HAL部屋、過去作BGMのアレンジ等々、ファンならニヤリとするものが多い。 --収集要素も兼ねているキーホルダーは、当時のグラフィックそのままであるため、懐かしさを感じられる。集めるのが大変な分、コンプリート時の喜びはひとしおである。 --2面のボスは名前や設定、その容姿から、過去作のあるボスの姉妹であることが示唆されている。さらに、シナリオクリア後に遊べるモードでも、別作のとあるボスがゲスト出演しており、ファンを喜ばせた。 ---後者は隠し要素だけあって原作よりも強化されており、手応え十分。ただのゲストではなく、ストーリー中に起こった事件との関連性も考えられる。(真相は定かではないが) --『ウルトラスーパーデラックス』以降お約束となっている「真・格闘王への道」「ソウル系ボス」といった要素も続投。 --おなじみのボス「ウィスピーウッズ」の流れを汲む「ウィスピーフラワーズ」や「クラッコ」が登場。双方とも過去作とは比べ物にならないほど攻撃パターンが豊富でこちらも古参ファンを喜ばせている。 ---「ウィスピーフラワーズ」は1面ボスとは思えないほどに強い上になんと''ジャンプする''、また強化版の「DX」に至っては「初代EXモードのウィスピーと肩を並べる」とも「歴代ぶっちぎりで最強」とも言われる程の強さを誇っている((しかもこちらは短時間だが空を飛ぶ))。 -ガードが出しやすくなった --『Wii』ではボタン配置の関係でガードが使いにくい事が問題点として挙げられていた。 --本作では3DSのボタン配置の関係上、ガード及び派生技の「そのばかいひ」「くうちゅうかいひ」が出しやすくなり、改善された。 -ミニゲームにしておくのが惜しい「カービィファイターズ!」 --10種類のコピー能力、豊富なアイテムや仕掛け、全7種類のステージなど、ミニゲームとは思えないほどの作りこみ。多人数で遊ぶと盛り上がるゲームだけに、Wi-Fi非対応が悔やまれる。 ---ホバリングやガードに制限がつくなど、全体的にスマブラ寄りの調整。 ---アイテムや仕掛けのオンオフは設定で変更できるため、乱闘派・ガチタイマン派のどちらでも楽しめる。 --CPUがやたらと強い事も特徴。 ---最高難易度の「めちゃむず」でのCPUは超反応と言っても過言ではないレベルになる。こちらの攻撃をガードや回避で華麗にさばき、すかさずコンボで大ダメージを与えてくる様はまごうことなき''%%ピンクの悪魔%%''(CPUのカービィらは色違いである)。ぶっちゃけ裏ラスボスより遥かに強い。ラストで仕掛け&アイテム無し1VS1で戦う事になるシャドーカービィは10数回以上のコンティニューを覚悟した方がいい。 ---強い分、動きの面で参考になる部分はある。勝てない時はCPUの動きを観察してみるのもいい。 -近年では珍しいデデデ優遇 --近年は『鏡の大迷宮』『ドロッチェ』などで不遇なポジションが多かっただけに多くのファンを驚かせた。((熊崎氏が関わった『USDX』と『wii』では比較的優遇な立場ではあったが、『64』のような目立った活躍は本作まで無かった。)) ---なんと言っても今回のカービィの目的は''「攫われたデデデを救う事」''。''%%今作の事実上のヒロインである。%%''そしてデデデ本人もただ救出を待つだけではなく終盤ストーリーにも深く関わり見せ場が多い。''助けられたデデデがカービィを助ける''というカッコいいシーンもあるので必見。 --加えて『メタナイトでゴー!』から派生した新モード・『デデデでゴー!』である。 ---『デデデでゴー!』ではデデデ大王を操作してステージを攻略し、ストーリーモードに登場したボスの強化版と戦うことになるが、終盤ではこのモードオリジナルのボスも登場。いずれも非常に手強い。 --余談だが、本作以降カービィシリーズではデデデの声やSEがディレクターの熊崎信也氏のものとなっている。((『64』や『スマブラ』シリーズではカービィシリーズ元ディレクターの桜井政博氏が担当しており、そこもリスペクトしている。)) -ストーリー・キャラクター --前述のデデデ優遇に加え、古き良きアクションRPGのような王道系のストーリーは評価が高い。BGMも相まって非常に盛り上げてくれる。 --終盤で物語の真相が明かされる流れ、本作のラストバトルは前述の「狂花水月」「この星をかけた魂の戦い」も相乗して、熱くもどこか切ないものとなっており、「星をつかむもの」~エンディングに掛けての展開はカービィ史上最高の演出とまで言われている。 --新キャラクターの評価も高く、続編での活躍が期待されている。 -想像力をかき立てる裏設定 --今作からはボス戦中にポーズをかけると(すべての敵ボスで)説明文を見られる。 ---特に、本作のラスボス関連は細かく作り込まれており、強化版では通常ボスでは見られなかったさらなる設定を見られる。 --ただし細かい設定はプレイヤーの解釈にゆだねている部分もあり、また意図的に思わせぶりな要素を盛り込んである箇所もいくつか存在。いわゆる「フロム脳」への刺激も抜かりない。 ---こうした要素は前作『[[星のカービィ Wii]]』にも盛り込まれていたが、本作はそれをさらに発展させたものとなっている。 --特に、100%クリアの上で最後に戦うことになる真ラスボスの説明文はいい意味でカービィらしからぬ異彩を放っており、必見。 **賛否両論点 -新コピー能力の「スナイパー」は前述の通り弓矢で攻撃するのだが、弓矢で攻撃する点が『[[鏡の大迷宮>星のカービィ 鏡の大迷宮]]』の「エンジェル」と被ってしまっている。 --「鏡の大迷宮」と「[[参上!ドロッチェ団>星のカービィ 参上!ドロッチェ団]]」は技が少なく、攻撃力も低かった点もあるかもしれないが、前作と今作で「ストーン」「トルネイド」「ニードル」「ホイール」といったコピー能力の技の数が増えていた事を考えると、「エンジェルを強化させて再登場させる」ではダメだったのだろうか? ---キーホルダーに「エンジェルカービィ」がある事を考えると、忘れていたわけではないようだが… #region(再登場したあるアイテムについて(ネタバレ注意)) -『[[星のカービィ 鏡の大迷宮]]』に登場したディメンションミラーが復活しているのだが、本作のラスボスはその強い力により暴君と化してしまったという設定がある。しかもディメンションミラーからは前からいたダークメタナイトだけでなく新たな心の影ブラックデデデが誕生している。 --純粋に再登場を喜び、何故再び心の闇を映すようになったのか考察する人もいれば、ディメンションミラーの一件はすでに『鏡の大迷宮』で解決したのでは無かったのかという疑問の声もあがっている。 ---鏡の大迷宮のEDでは「また悪い心を持った者が現れるかもしれないが、これからは鏡の国のカービィが守るから安心してほしい」という記述がある。 --ただしこれは本編の時間軸とはパラレルの関係にある可能性があることも留意すべきである。 #endregion **問題点 -ボス戦のテンポが悪い。ストーリーモードでは特に問題ないが、「格闘王の道」でそれが顕著になる。 --開始時及び攻撃パターンが変わる際に長めの演出が入る。 ---この間は完全に動けないものと動けるものがあるが、動けるものであってもボスの防御力が増大しているため、&bold(){体力を削れないというわけではないがほぼ無駄な時間となっている。} ---攻撃力の高いコピー能力でのタイムアタック時にはボスと戦っている時間よりも演出を見ている時間の方が長くなることまである。特にラスボス第一形態は攻撃パターン変化時の演出が長いため、非常に邪魔に感じる。 ---動けないものの場合、コピー能力を外されるタイミングによっては動けないまま時間が経過して能力星が消えるリスクがある。この仕様は次回作では削除された。 --また、攻撃パターンに奥行きを活かしたものが多めであり、その間ボスがカービィと同軸にいないため、回避しかできないという事が多い。 --最大の問題ボスがレベル5ボスの「ヴォルゲロム」である。 ---強さ自体は大したことはないが、他のボスと比べてカービィと同じ軸にいる事が少なく、攻撃パターンの多くが画面奥からの攻撃。そのため高火力のコピー能力を駆使しても速攻撃破が難しい。タイムアタックでは最大の難敵とも(最速レベルでも所要時間約1分)。 ---おかげでプレイヤーからは「チキンガエル」「クソガエル」と呼ばれ、蛇蝎のごとく嫌われている。 ---ちなみに今作のボスはストーリーモードの中で倒した際にそれぞれちょっとした演出がある(例:絵が実体化したボスは元のキャンバスに戻される)のだが、タイムアタックがやり込み要素となる「格闘王への道」「新•格闘王への道」では時間短縮のために省略されている。しかしながらヴォルゲロムは何故か略されていない(ただしタイマーは止まるので実害はない)((「ウィスピーフラワーズ」も同様。))。 その理由は定かではないが、意図的となっているかのように「イライラさせられたプレイヤーに憂さ晴らしさせるため」などと噂されることも。 --また、中ボス群は『[[星のカービィ Wii]]』と同じく登場時に長い硬直があるため、高火力コピーならこの間に相当の体力を削れてしまう。((ただし、登場してすぐは防御力が高くなっている。)) -ビッグバン能力 --前述の通りスーパー能力の攻撃テンポが悪い欠点を解消しているのだが、『Wii』と違ってステージ設計の都合上使用が義務化しており、常に取らないと先に進めない。 --そのため、今度は「使用を強制される」という観点からテンポの悪さ、自由度の狭さを指摘する声が出るようになった。『Wii』ではスーパー能力が必要なエリアがあっても素通り自体は可能であった(難易度は高くなる)事から、尚更この短所が目立つ格好となっている。 --次回作以降はこういった能力の強制は無くなった。 -キーホルダー関係 --コンプリートが達成率に含まれている。 --ノーマルキーホルダーは「取得済みのキーホルダー」でも普通に出る為、数を集める程未入手の物が出にくくなる。そのため、コンプリートを目指す場合、効率重視でステージが短い1-2あたりを繰り返しプレイする作業になりがち。 ---ただし、3DSのゲームコインを消費すればキーホルダーがランダムで一つ手に入るため、ゲームコインが溜まりすぎて持て余している場合などはこの限りではない。 ---また「(新含む)格闘王への道」の休憩所でもキーホルダーが手に入る。 --また、各ステージに一つ配置されているレアキーホルダーは、そのステージで取得済みか否かが確認できない。そのため、自力でコンプしようとするならば、どのステージで獲得済かメモしていない限り、最悪全ステージを総当たりするはめになる。 --レアキーホルダーについては次回作では未獲得のステージが簡単に確認できるよう改善されている。 --レアキーホルダーの入手難易度は前述の通りかなり高く、「そこかよ!」と思わず突っ込まざるを得ないような意外過ぎる場所に隠してあることも多い。本当にノーヒントで集めようとする際の難易度は「手応えがある」どころかもはや''鬼畜レベル''の領域。次回作では一部を除いてではあるが、簡単な方になった。 ---前作『Wii』のエナジースフィアが全体的に簡単だったのとは正反対である。ゲーム内でヒントを設けてよかったのではないだろうか… --ちなみに『64』のカード収集はこちらより更に面倒な仕様だったが、達成率には影響していなかった。 -サンストーンのネタバレ --サンストーンを全て集めると、まだ対面していなくても関係なく、ラスボスのキーホルダーを入手できてしまう。 --収集要素をコンプリートしてからラスボスに挑む((ちなみに過去作の2,3,64(いわゆる数字カービィ)では収集要素をコンプリートしないと真のラスボスと戦えなかったため、自ずと効率を重視して今作も収集要素を先に済ませるプレイヤーも存在したと思われる。))主義のプレイヤーはネタバレの憂き目に。そのため、既プレイ者からの「サンストーン集めは後回しにしろ」という警告がしばしば見受けられた。 ---一応、道中でもラスボスの描かれた旗もあるにはあるが… //---次回作ではラスボスのステッカーはない。((親玉ポジションなキャラのステッカーはあるが、大きくネタバレになるような物ではない。)) -ダメージ補正による一部コピー能力の大幅弱体化 --今作には「一度ダメージを与えると一定時間与えるダメージが減少する」という仕様が存在する。(対人戦モードの導入によるもの?)この仕様によって「連続ヒットする技」や「発生が速く連発可能な技」がこれまでより目に見えて威力が低くなった。 --パラソルやファイターなどもこの影響を受けたが、特に酷いのは「ソード」で、メイン技であった回転ぎりが『Wii』のおよそ半分程度の威力になってしまった。 ---ちなみにこれらの能力と同じように「カービィファイターズ!」に登場するハンマーはメイン技(おにごろしかえんハンマー)がこの仕様を受けず、圧倒的な火力を何度も出せるため、本作最強とも噂される。 ---この仕様に関係なく「スパーク」など技の没収等の理由で弱体化した能力もある。 --結果的にコピー能力間の格差が広がってしまった。とりわけ「ハンマー」と他のコピー能力との差が大きい。 ---ストーリーやカービィファイターズ!をプレイする分にはあまり気にならないが、格闘王などのモードで「この能力でタイムアタックをしてみたい!」と思うプレイヤーにとってはどうしても気になってしまう仕様かもしれない。 -画面前後を意味なく行き来させるステージが散見される。 --画面前後の移動自体は1回数秒程度でテンポも悪くないが、繰り返し移動させられる個所があり、無駄な時間を取られたりする。 --よりによって「格闘王の道」のインターバルエリアでもこのエリア奥への移動が必須だったりする。 **総評 3DS第1号となる王道カービィは、新要素として「奥行き」を使ったギミックを違和感のないレベルで取り入れ、演出性能を大幅に高める事に成功。~ 見逃せない不満点は所々に見られるものの、良質なBGM、ファンサービス、ミニゲームなどの評価点はそれを補って尚余りある。~ **余談 #region(ラスボスについて) -本作のラスボスにはボイスがあてられている。シリーズ通してカービィ(とデデデ)以外で明確に声がついたのは初。(マルクなどはSE) --さらにそのCVがカービィと同じ。イメージがかなり異なるため、なんとなく察しがついていたとしても衝撃は大きかった。 -このボイスは好評で、次回作以降は二人以上CVがつくようになった。 #endregion

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