カービィのすいこみ大作戦
【かーびぃのすいこみだいさくせん】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ニンテンドー3DS (ニンテンドー3DSダウンロードソフト)
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メディア
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ダウンロード専売ソフト
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発売元
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任天堂
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開発元
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ハル研究所
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発売日
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2017年7月4日
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定価
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750円
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1個
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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周辺機器
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amiibo対応
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判定
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良作
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ポイント
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カービィ初の本格3D作品 奥の深いスコアアタック
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星のカービィシリーズ
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概要
Nintendo Direct 2017.4.13で発表された、カービィ初の本格3Dアクション。
『星のカービィ ロボボプラネット』(以下ロボプラ)のサブゲーム『カービィの3Dチャレンジ』(以下前作)の拡張版。
サブゲーム版よりもステージが広くなり、より本編のアクションゲームに近くなった。25以上のステージを収録。
特徴
基本システム
変更された仕様
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大きな敵や複数の敵をまとめて吸い込むと、吸い込んだ量に応じてカービィが巨大化する「まんぷくカービィ」に変化する。
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まんぷくカービィは当たり判定が大きくなるのでコインを集めやすくなり、星ブロックの上に乗るとブロックを壊す事ができる。ただし動きは鈍くなってしまう上、体が大きくなるので敵からの攻撃を受けやすくなってしまう。
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コンボの仕様が変更され、一回の吸い込みから吐き出しまでの流れで、倒した敵の数で記録されるようになり、星型弾や空気弾で敵を同時に2体以上倒せば2ヒット以上扱いになる。
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またスコアやそれに応じたトロフィー(ブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナの四段階)も一つのレベルの中の一つ一つのステージについて記録されるようになっている。各レベルの全ステージでゴールドトロフィー以上を取るとそのレベルのEXステージが出現する。EXステージも全てゴールド以上にすると…
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時間の計測もカウントダウンに変更。時間切れになるとミスになる。
amiibo・ロボプラとの連動
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また、カービィシリーズのamiiboの使用や本体に『ロボプラ』のすれちがい通信のデータがあることでそれに対応した像がステージセレクトに配置され、対応したBGMが流れるようになる。
評価点
貴重なカービィの3Dゲーム
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本作発売時点でカービィを3Dで動かして遊べるゲームは、前作・今作を除けば『カービィのエアライド』(ただし制限あり)のみであった。その後『カービィ バトルデラックス!』『星のカービィ ディスカバリー』が発売されている。
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操作性はばっちり、エイムもしっかりできる。カメラはあまり大きく動かないので酔いにくく、また物の奥に何かがいるときはシルエットが見えるので、カービィを見失ったり敵の急襲に遭ったりすることはない。
前作の純粋な強化版となっている
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純粋にステージが増えているので、やりごたえが上昇している。
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ボス戦についても体力ゲージが表示されるなど前作以上に本編のカービィに近いものが味わえるようになった。
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前作ボスのマッシャーはそれに伴い、中ボス扱いになっている。
おなじみのファンサービス
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今回はコピー能力が使えないつながりか初代を意識した要素が多め。
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初代が出典の「スカ」のキャラクターが多く登場している。
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但しコピー能力持ちのワドルドゥ・ポピーブロスJr. などは不参戦。
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BGMも初代に原曲を持つものがほとんどだが、タイトル画面は前作のタイトルのBGMとの重複になるためか、夢の泉のものがアレンジされて使われている。3Dカービィ二作目という意味合いでカービィシリーズ二作目の夢の泉を使ったのだと思われる。
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特に「CASTLE LOLOLO」は今回初めてステージ曲路線のアレンジ。最近の作品でも良く使われているが、それらはボス曲として壮大にアレンジされたものばかりだった。
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「デデデ大王のテーマ」も初代をイメージしたアレンジになっている。ちなみにサビが無いアレンジは『コロコロカービィ』以来17年ぶり。また、曲調が初代のサビ付きアレンジも聞くことができる。
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「あしたはあしたのかぜがふく」は、ED曲として使われているのはもちろん、あるステージで今までとは大きく曲調の異なる名アレンジがなされている。
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他にも、秘宝「きらきらぼし」の設定を上手く生かした展開があったり、あるシーンでデデデの見せる顔芸が初代のものと全く同じだったりと、往年のファンを唸らせるネタがいくつもある。
奥の深いスコアアタック
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普通に全ステージをクリアしようとするだけならさほどの難しさにはならないが、極限までスコアを突き詰めるとなると、1コンボでも多くできる倒し方を考えたりとパズル的になってくる。
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スコアタガチ勢のプレイは意外なプレイの連続である。
作りこみが細かい
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落下したときのカービィの悲鳴が「まんぷくカービィ」状態だと変わる、キャピィの傘を吸い込むと傘を無くしたキャピィが悲しむ、Cスティックを使うことで確認できるステッカーなどの小ネタが豊富で楽しめる。
賛否両論点
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ネタバレ注意!
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ラスボスは「ジャイアント マスクド・デデデ」。近年は熊崎Dによるデデデプッシュが盛んなこともあり、一部では「またマスクドデデデか」という意見がちらほら見られる。
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しかし、実はマスクドデデデ本人が登場したのはまだ3回目。戦闘BGMも今作で5回目の「VS.マスクドデデデ」だが、『「強大なボスとの決戦」とのメタルミックスアレンジ』という斬新なアレンジが施されており、他のものとはがらっと違う雰囲気を感じられる。そこにマンネリを感じることはほとんど無いだろう。
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ミサイル・レーザー攻撃の追加、初めて付ける意味を得たマスクなど、ゲーム性の面で見ても十分良い形態変化と言える。
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問題点
少々シンプルすぎる上、ボリュームも薄い
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シンプルでカービィらしいという意見もあるが、もう少し凝ったギミックがあって欲しかったという意見がある。
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しかし、元がサブゲームであることや値段を考慮すると仕方ないという意見もある。
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また、スコアアタックを突き詰めようとすればそこまで薄くならない。
キャラクターの選出について
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初代のボスキャラのうち、ウィスピーウッズと飛行砲台カブーラーは欠席。代わりに中ボスだったロロロ(単体)とクラッコJr.がボスを務めている。
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特にウィスピーウッズは「シリーズ最初の1ボス」ということもあり、不参戦を嘆く声が聞かれる。しかし、リンゴ降らし攻撃ややきいもシューティングが、見下ろし3Dゲームでは再現が難しいのもまた事実。
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なお、やきいもシューティングのBGMはレベル5・マウント デデデでアレンジされている。
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初代以外の作品が出典の雑魚敵が割といる。これも元がサブゲームであり、尚且つ3Dモデルのある初代の雑魚敵が主要なキャラばかりというのもあって仕方ない事ではあるが、少々惜しいところ。
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エクストラステージに登場する「セクトルディ」「セクトラバート」は『星のカービィ トリプルデラックス』が出典のキャラクターだが、設定ではロイヤルロードの住人である虫の種族ということになっているので、今作にも登場しているのには少し違和感を感じる。
旧とNewの機種間格差
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New3DSでプレイするとCスティックで視点を調節できるが、これをしないと見れない隠し要素がある。
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またスコアタを極めようとした際に、視点調節を活かしてスコアを伸ばすテクニックもある。
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例えば、コインを持って奈落へ飛び降りる「ウォンキィ」を手前から星型弾で倒すシーンは、通常はカメラが真正面からになるため、距離感が掴みづらく難しい。Cスティックで上から覗き込む事で難易度を緩和できる。
最高評価を取る基準が従来よりもシビア
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一部ステージでは達成項目をクリアするだけでなく、敵の倒し方を工夫しないと最高評価が取れないステージもある。
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それだからこそ面白いという意見もあるので一概に問題とは言えない。
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逆にあるステージでは工夫次第では素点の時点で最高評価を確定でき、達成項目を一つもクリアしなくても最高評価が取れる。
ボス戦のテンポについて
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こちらが手を出せない時間の長さ等、最近の本編シリーズでも言われることがある問題。
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しかも、本作はコピー能力がなく、敵の攻撃を利用しなければ何もできないので特にこの問題が浮き彫りになる。
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ボスステージは最初に雑魚と少し戦ったらすぐにボス戦で、やり直しのストレスはそこまで大きくならないのが救い。
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また、ボス出現のイベントもスキップできず、スコアタで繰り返す時には煩わしい。
総評
カービィシリーズの原点回帰とも言えるシンプルな3Dアクションゲーム。
原点同様、初心者も上級者も楽しめる。特にスコアアタックなどをやり込むのが好きな人はハマること間違いなし。
初代カービィを意識したファンサービスもあるのでガチ勢で無くても十分に楽しめる。
余談
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Nintendo Switchで、本編としては初の3Dアクションとなる『星のカービィ ディスカバリー』が2022年に発売されたが、本作の開発経験が大きな糧となり、開発に必要な環境整備を具体的にすることができたことが、開発者から明かされている。
最終更新:2022年06月25日 19:03