北斗無双
【ほくとむそう】
ジャンル
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タクティカルアクション
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対応機種
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プレイステーション3 Xbox 360
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メディア
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【PS3】BD-ROM 【360】DVD-ROM 各1枚
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発売・開発元
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コーエー
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発売日
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2010年3月25日
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定価
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通常版:7,800円 TREASURE BOX(限定版):12,800円 ※全て税別
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プレイ人数
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1~2人
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通信機能
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【PS3】Playstation Network対応 【360】Xbox LIVE対応 ※いずれもDLC配信
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レーティング
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CERO:D(17才以上対象)
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コンテンツアイコン
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暴力
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廉価版
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【360】プラチナコレクション 2011年3月3日/3,800円(税別)
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判定
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なし
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ポイント
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ボリューム不足 不出来な原作再現に原作改変 アクションはPVほど悪くない ボッタクリレベルのDLC 後述のInternational版で大幅改善
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無双シリーズ
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北斗の拳シリーズ
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概要
『週刊少年ジャンプ』に連載されていた、大人気漫画『北斗の拳』を原作としたゲーム。
『北斗の拳』を原作にしたゲームはFC時代から多数出ていたが、その多数が駄作レベルの作品ばかりで、「出ればクソゲー」の名をほしいままにしていた。
比較的評価の高い『北斗の拳 世紀末救世主伝説』とAC版『北斗の拳』の2作も、「キャラゲー」としては及第点としても「アクションゲーム」や「格闘ゲーム」の基準からすれば良作の域には達していない(詳しくはそれぞれの作品を参照)。
そんな中、無双シリーズでお馴染みコーエーより『北斗無双』が発表された。原作で文字通り無双しているケンシロウ達で無双が楽しめる…ということで、ファンは大いに期待(と不安)を寄せていたのだが…。
なお、本作の開発において従来の無双シリーズの開発を担当しているコーエー内の開発チーム、オメガフォース(ω-force)は関与していない。
評価点
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グラフィックが綺麗。
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『北斗』の世界を美麗なグラフィックで堪能できるのは大きい。
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爽快なアクション。
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各キャラそれぞれの特徴に合わせた攻撃で原作さながらにザコを吹き飛ばせる。壁や障害物をぶっ飛ばしたり、槍を投げたり、その辺に落ちている柱や鉄骨、果ては不発弾で敵を場外ホームランしたりするなど、バカバカしくも原作通りカッコいいアクションが可能。
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北斗三兄弟は原作通りの差別化をされ、南斗キャラはタイミングに合わせて強攻撃を出すことで発動する「見切り」という、一定時間自己強化を受けられる固有のシステムが搭載されている。
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ジャギとマミヤは「特殊タイプ」に分類され、拳法をほとんど使わない代わりに、様々な武器を駆使して戦うタイプとなっている。
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熱中できる成長システム。
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敵を倒すと得られるカルマポイント(いわゆる経験値)を溜めることでスキルポイントを獲得できる。さらにそのスキルポイントを消費することで「経絡秘孔図」(いわゆるスキルツリー)に従い様々な技能を習得できる。
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攻撃力、防御力、体力といった基礎能力もこれにより成長する。ほとんどのキャラは初期値が最大値の1/4程度しかなく、良くも悪くも成長度合による格差が大きい。
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その他にも攻撃回数の増加・キャンセルルートの追加・伝承奥義の習得・ゲージ本数の増加・ガード能力の強化・アイテム効果の上昇・敵へのデバフ効果の強化といった多種多様な技能が存在する。
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どの程度能力を強化し、どの程度技能を習得しているかによって使用感はまったく異なる。
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オーソドックスなRPGの育成によく似たシステムであり、目に見えてキャラの強さが変わるため、非常にやりこみがいのあるポイントとなっている。
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IFストーリーの幻闘編。
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「マミヤとユリアが似ている」という設定を利用した展開、北斗と南斗に分かれて戦う展開などのシナリオを進めていく。
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IFということを最大限利用しており、例えば「病を克服したトキ」が使用できるようになったり、ジャギとアミバを組ませたお笑い路線全開のストーリーを楽しんだりできる。
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ちなみに、この病を克服したトキは咳き込みモーションによる大きな硬直が発生しなくなる。設定上だけの話ではなく、性能的にも僅かではあるが通常トキより上となっている。
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また、伝説編と異なり幻闘編では敵がわらわらと登場する。本家無双とほぼ同じシステムであり、どちらかと言えばこちらがメインのモードとなる。
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でかいババアや汚物消毒男など、小ネタは細かい部分まで良くできている。
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特にトキのネタっぷりは凄まじく、バイクを乗り回してモヒカンを轢き逃げしたり、ビームを出しながら回転して全方向を「ちにゃ!」したりとやりたい放題。かのAC北斗になぞらえて「ドルンドルントキィ」「グルングルントキィ」という異名がつけられた。
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もちろん「あべし」「ひでぶ」と言った北斗において欠かせない断末魔の叫びもバッチリ再現されている。
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まあ小ネタに拘るのは基本をしっかり作ってからにしてくれ、という声も少なくはないが。
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BGMも全体的に良質。『北斗の拳』らしい物悲しいBGMなど世界観にマッチしている。
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戦闘BGMでは「Moral Defect」や「Cheap Thrill」などメタル調の曲が、物悲しげなBGMでは「Hurry On」や「Time of Fate」などが場の雰囲気を盛り上げてくれる。
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また「愛をとりもどせ!! 」のアレンジも非常にカッコよく仕上がっており好評を得た。
賛否両論点
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声優がテレビアニメ版(以下アニメ版)と異なる。
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アニメ版の声優が良かったと言うプレイヤーも居れば、アニメ版を見たことがない・アニメとは別物として割り切る等の理由で声優陣に関しては気にしないプレイヤーもいる。
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残念ながら、アニメ版の声優に関しては既に鬼籍に入っているレイ役の塩沢兼人氏やジャギ役の戸谷公次氏、リン役の鈴木富子氏やウイグル獄長等の悪役を担当した郷里大輔氏など数多く、完全なアニメ版のキャスティングは今日では不可能である。
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アニメ放送当時から20年以上経過しているため、ほとんどの声優陣は軒並み高齢。そのため「仕方ない」「いつ世代交代しても受け入れる」とするプレイヤーも割と多い。
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本作でレイを演じた子安武人氏は他の作品でも塩沢氏の代役・役の引き継ぎとして活躍していることもあって、本作の中では高評価寄りである。
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余談だが、子安氏はOVAでケンシロウの声を当てていたことがある。しかし、そちらはケンシロウのキャラにあっていないとして不評であった。
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サウザーはアニメ版声優との声質の変化が特に顕著であり、声優陣に拘りがない、またはプレイしている内に慣れた層からも、「(単純にサウザーという)キャラに合っていない」との批判が出ていた。
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ただし、最近では「最初は違和感しかなかったがこの声も悪くない」「このグラフィックでアニメ版の声ではかえって不自然」「見た目の若さには合っている」「慣れてしまうとむしろ今までの声が渋すぎたのでは、と感じる」という意見もちらほらと出るようになった。
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また、幻闘編のシナリオはどうにもサウザーが小物臭くなっているため、「そう言う意味では合っている」という皮肉めいた評価をする者もいる。
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少なくとも、本作でサウザーの声を演じた神奈延年氏の演技そのものは決しておかしいわけではなく、氏に非はないと言えるだろう。
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サウザーよりは話題にあがらないが、シン役の杉田智和氏の演技も一部では不評。杉田氏の声質とシンとはいまいち相性がよくなかったといわざるをえない。特に「ユリアーッ!」と声高らかに叫ぶ演技は、AC北斗でシンを勤めた古川登志夫氏の演技に比べると明らかに重みに欠けてしまう。
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本作の前に発売されていたAC版『北斗の拳』では、プレイアブルキャラクターに関してはケンシロウとレイ以外はアニメ版準拠のキャストで、またその2名に関しても原作漫画やアニメ版のイメージとほとんどマッチしているキャスティングだった為、比較される事も少なくない。
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このゲームは被弾すると服が破れるのだが、DLCコスチュームのマミヤの服が破れると結構エロい(というか、ほぼ下着姿)。「このDLCだけでも買う価値はある」という意見もあれば、不快に感じる人もいるだろう。
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ゲーム本編は両機種ともフレームレートは30fpsなのだが、ムービーシーンのみPS3版は60fps、360版は30fpsとなっている。
問題点
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肝心のケンシロウが弱い。総合的には最下位争いをしてしまうほど。
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問題なのは、主人公であるがゆえに伝説編のミッション数がダントツで最多、さらに伝説編のクリアが他キャラの開放条件に関わっていること。しばらくは嫌でも我慢して付き合わざるをえない。
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とはいえ、前述の通り成長による伸び代が非常に大きいシステムのため、辛抱して育てれば無双らしいキャラに生まれ変わる。技能配置の関係で基礎能力は最も伸ばしやすい部類に入る。
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また、優秀な固有体術とタイマン向けの奥義のお陰でボス戦は非常に得意。まったく強みのないキャラというわけではない。
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他キャラはもちろん、ケンシロウでも育てれば爽快感あふれるゲームと言えるようになるが…。慣れれば楽しいが慣れるまでが大変という構成になってしまっているのが残念な所。
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因みに、武器を使った攻撃が中心となっているおかげで、原作では弱かったマミヤやジャギが本作ではトップクラスの性能を持つキャラとなってしまっている。なんでやねん!!
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本家無双との差異
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「動きのもっさり感」「微妙な内容の伝説編」「やたら面倒な中ボス」など、やはり無双の名を冠していながら本家と異なる部分についてはあまり肯定的な評価を受けていない。
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ただし、攻撃動作が遅いことに関しては敵も同様なので、こちらの攻撃を頻繁に潰されるというような理不尽さがあるわけではない。伝説編も公式で「アクションアドベンチャー」と称され、普通の無双とは少し違うことは一応明言されている。
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直接攻撃するとこちらがダメージを受けてしまい対処が非常に面倒な「トゲ鎧ボス」や、ただただテンポを悪くするだけの「無双闘舞(むそうとうぶ)」というQTEなど、単純にストレスでしかない要素も多々あるのは頂けないが。
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ボリューム不足
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プレイアブルキャラの数が少ない。
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「キャラクター数が少ない」と批判されていたAC北斗でさえ10人なのに今作は8人。他の無双シリーズ(『三國無双』『戦国無双』)はおろか、PS版『世紀末救世主伝説』よりも少ない。
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人気キャラクターであるユダ、シュウ、ジュウザ、フドウ、主要キャラクターであるリュウガはCPU専用キャラ。フドウなどは人気キャラにもかかわらずモーションは中ボスとコンパチ。
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カーネル、ジャッカル&デビルリバース、シュレン、ヒューイ等に至っては地味な人気のあるキャラクターであるにもかかわらずそもそも登場すらしない。南斗「五」車星なのに2人しか居ないという、新規ユーザーにとっても少々良く分からない事になっている。
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一応、DLCとして追加キャラクターはいるが、その追加キャラというのが何故かハート様と「無法者(いわゆる「モヒカン」)」という微妙なチョイスである。確かにハート様は人気キャラではあるのだが…。
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ただし無法者は優先順位がおかしい、という問題を除いて1キャラとして見た場合は原作のギャグ描写を多数盛り込んだ力の入った作りこみをされており、また本来雑魚でしかないが、世紀末という世界観を最も体現したモヒカンをプレイアブルに持ってきた事はむしろ評価されている面もある。
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敵のバリエーションも少ない。中ボスに至っては基本的にジード(大柄)、ハート(肥満)、牙大王(超巨漢)のコンパチ。
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中ボスがボスのコンパチなのは珍しい事でもないが、そのためにバリエーションに劣り、さらに牙大王固有の奥義であるはずの「華山鋼鎧呼法」をただのモヒカンや上記のでかいババアが使用してくるといった不自然なことに。
そもそも牙大王自体がスーパーアーマー持ちにもかかわらず、華山鋼鎧呼法も同じような性能なため、存在意義がよく分からない(華山鋼鎧呼法にもガードブレイクは存在する)。
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また原作でケンシロウを苦しめ、ハート固有の特異体質でもあった「拳法殺し」を持つ中ボスも多数登場している。
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伝説編も上記の理由により再現度が中途半端。原作にはあった「GOLAN編」「ジャッカル編」に至っては丸々カットされている。
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これにより「原作ファンからしてみれば不満な出来」「新規ユーザーにとっては良く分からないストーリー」になってしまっている。
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原作不再現や原作改変。
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挙動が大幅に変わっている技がある。
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AC北斗のように「どういう技なのか原作で詳しく描写されていない技を独自に改変して取り入れる」「ゲーム性に合わせて若干性能を変える」というのはよくある事だが、
『北斗無双』の場合は「原作にて描写されている技」までも大幅に改変されている。
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「ジャンプして上から放つ北斗柔破斬」「チョップで衝撃波が走る岩山両斬波」「広範囲の敵を吸い寄せて出す極星十字拳」など、原作で1人に対して使っていた奥義は無双の「一対多」のゲーム性に合わせてアレンジされているものもある。北斗鋼裂把、北斗羅漢撃、七星点心などはアレンジが過ぎて別物になってしまっているが。
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オリジナル奥義に関しても「分かってない」モーションが多いとされ不評。もっとも原作者が考案したモーションであるため、プロデューサーの責任とばかりは言えないが…。
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モーション以前に「なぜかプロレスのような投げ技を使用するレイ」「原作にはそんな描写なかったのに、やけに闘気を使う技が多い(全体のおよそ3分の1)シン」「唐突に雷を落とすサウザー」など他の奥義から浮いた変な技が多い。
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またPCの一人ジャギは、原作では「拳法をベースとした銃火器・暗器何でもありの戦法を使うキャラ」だった筈が、北斗無双では何故か銃火器をメインで使用している上に、挙動もチンピラじみており、拳法家としての要素が薄くなってしまっている。
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そのほか、鳳凰呼闘塊天や極星十字衝破風等の技も輸入されている。
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その一方で、AC北斗の技に似ていたり元ネタが同じと思われるのに名前が違う奥義や、同じ名前なのに全く別物になっている技がいくつかある。
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ムービーシーンの原作不再現については上記の「伝説編」参照。
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各種のインタビューや『コミックバンチ』に掲載されたレポート漫画などから、プロデューサーの原作知識不足や発言のブレなどの問題点が見て取れる。
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2人プレイにすると、それまでの無双シリーズ作品と違って縦に線が入り、画面が横に分割されるため、視点がかなり狭くなる。はっきりいって見づらい事この上ない。
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ちなみに2人プレイ対応はオフラインの幻闘編のみ。オンラインプレイはできない点も不評。
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ステージ中のミッションの条件が理不尽なものが多い。「攻略本無しで分かるか!」と言いたくなるレベルのものも。
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DLCの難点。
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現在、DLCとして原作コスチュームが配信されているが、影が不自然だったりと作りこみが甘い。
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しかもせっかくの原作コスチュームなのにムービーシーンには適用されない不親切な仕様になっている。そのため原作のシーンをそのまま再現といった遊びが出来ず、原作ファンとしては少しがっかりする。
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値段も300円(360版は360円)と、デフォルトで収録されてても良いぐらいの「コスチューム一着」などという要素の割には若干高い。
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追加キャラクターも配信されたが、800円と高額。前述の追加コスチュームも合わせ、DLC商法と取られてもおかしくない。
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先述したようにキャラも非常に微妙なチョイス。ハート様は人気キャラではあるしモヒカン気分が味わえたら確かに北斗ファンとしては嬉しいだろうが、
しかし基本の主要キャラすら全く揃っていない状態でそれをやられても、値段のぼったくり具合も合わせて本当に微妙である。
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基本的なデータはほとんど既にゲーム中に存在しているため、実質アンロック商法である。もちろん幻闘編の固有ストーリーも無しという低クオリティぶり。
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ただ、「無法者」の技のバリエーションは「分かっている」技が多いため中身自体は好評。何故小ネタばかりがしっかり作ってあるのだろうか。
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せめて追加コスチュームは100円、追加キャラクターは300~500円程度ならばまだ納得のいく範囲と言えたが…。
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そもそも本当にファンサービスだと思っているのなら最初から隠し要素として入れておくべきだろう。
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ちなみに現在は後述のインターナショナル版と同様の値段に値下げされている。
総評
PVではアクションのもっさり感・アニメと違うキャスティング・無双シリーズとは思えない敵の少なさなど欠点ばかりが目に付き、アニメファンからは「アニメや劇場版で演じた声優が一人もいない」といった理由から敬遠され、無双ファンからも「敵の描写数が相当少なく、アクション面でも爽快感が感じられない」という理由で批判される等、前評判は最悪であった。
そしていざ発売されても、原作改変や再現不足、テンポの悪さやボリュームの無さ、全体的に敵が無駄に固すぎるといった点から、ガッカリゲーの烙印を押されてしまった。
反面、PVでは目に付いたアクションの問題点は、実際にプレイしてみるとそれほど気にはならず、むしろキャラによっては爽快感があるとしてそこそこの評価を得ている。
問題点はかなり多いが、それでも「北斗」キャラゲーの中ではそこそこ良い方の出来とは言える……もっとも、比較対象が酷すぎるというのもあるのだが。
余談
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コミックバンチにこのゲームのメイキング漫画「北斗無双を創った男たち」が掲載された。
元々宣伝の為の漫画である事を考えればフィクションゆえの誇張や自画自賛な内容なのは仕方がないのだが、その自賛の内容が、このゲームを肯定的に見ている人間でも割と擁護出来ないほどの的のずれた物だったため、大いに不評を買った。
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2024年現在、マンガほっとwebの公式ページで全話無料で閲覧できるので、興味のある方は一読してみると良いだろう。
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牙一族ステージでは不自然に丸い巨岩がやたら飛んできて、「死ねぇ~」などと敵が楽しそうに絶叫する場面がある。某ゲームとの関係性は不明。
北斗無双 International
【ほくとむそう いんたーなしょなる】
ジャンル
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タクティカルアクション
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対応機種
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プレイステーション3
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メディア
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BD-ROM 1枚
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発売・開発元
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コーエーテクモゲームス
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発売日
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2010年12月2日
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定価
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3,800円(税別)
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廉価版
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コーエーテクモ the Best 2012年11月8日/1,800円(税別)
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備考
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他詳しい情報は上記参考の事
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判定
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なし
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2010年12月2日に海外版をベースにバランスを再調整した『北斗無双 International』が発売された。
価格は3,990円(税込)とリーズナブルになっているが、対応ハードはPS3のみのリリースとなった。
ちなみに、海外版北斗無双は『Fist of the North Star: Ken's Rage』というタイトルになっている。
追加要素である英語音声はこの通りだが、海外向けバイオレンス表現は公式サイトの「海外版に近い表現」の表記の通り、敵のやられポーズは増えたが破裂した際の肉片の描写はない。
+
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海外版のプレイ動画 ※破裂描写がアップしているためグロ注意
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評価点(International)
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無印で問題となっていた、アクション面の不満が大きく解消された。
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ほぼ全てのキャラが上方修正を受けており、もっさりと批判されたケンシロウですらアクションのスピードが元の1.2倍くらいに増加し、もっさり感が大分減っている。
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ジャンプ攻撃が相手のガードを(ほぼ)必ず割る上、着地硬直もほとんど無い。その為、ボス相手でも(相手の闘気覚醒に気をつければ)タイマンなら、ジャンプ攻撃からの攻撃で容易く勝つ事が可能となっている。
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一部技が大幅に性能UP。たとえばジャギの「鉄の暴風」だが、低コスト・広範囲・高威力のクソ技(いい意味で)と化している。
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また技が不発に終わった場合は技名を叫ぶ演出が入らなくなった。
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木の棒や電柱などの攻撃力が大幅に上昇し攻撃速度も速くなっている上、武器を振り回している間はある程度の攻撃になら耐えるスーパーアーマーが付与される。これにより、前述したトゲ鎧だろうが、アーマー持ちの中ボスだろうが、数回殴れば倒せてしまう。寧ろ下手な奥義より凶器の方が強いといってもいい。
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全キャラが初期状態で『疾風の体術』などの規定のスキルを4つもっている仕様に変更。本家無双のように、攻撃をガードされてもジャンプで逃げる事が最初から可能となっている。これらの4つのスキルは無印ではスキルポイントを払わないと使えなかったが、International版は無償で習得しており、その点でもお得。
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無双闘舞を失敗した場合の、ボス敵の体力回復が1~2割程度に減った。最終的にはパンチ1発当てれば無双闘舞に突入できるほどに回復量が減る。ただ、無双闘舞の難易度そのものは変わらないが…。
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原作コスチュームでも戦闘開始デモなどが見られるようになったほか、購入済みであればCPUも原作コスチュームで登場するようになった。
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また、原作コスチュームの耐久力も大幅に減少。マミヤを脱がしたい人には特に朗報である。
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また、インターナショナル版の発売に合わせて問題視されていたDLCの価格が大幅に改訂された。詳細は下記の通り。
コンテンツ
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旧価格
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新価格
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各種原作コスチューム
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286円/1キャラクター
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96円/1キャラクター
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各種追加プレイアブルキャラクター
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762円/1キャラクター
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191円/1キャラクター
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各種追加シナリオ
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96円/1シナリオ
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48円/1シナリオ
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全DLCのパック ※International版のみ
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1,429円 ※新規追加
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※価格は全て消費税別の値段を表記している。
…最初からこの仕様で出してもらいたかったものである。
問題点(International)
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パッケージには「いきなり最強状態で遊べるステージ追加!」とあるが、ステージ後には初期状態に戻される。尚、初回プレイ時しかプレイする事が出来ない。
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このステージは伝説編の最終ステージを切り取ったもので「ケンシロウを極限まで育てるとこうなるよ」というアプローチをしたものと思われるがボスのラオウが出現するとそのままフェードアウトして終了するという中途半端な内容で、正直いって不要だったとの声が多い。
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そもそもこの程度の内容なら各流派のキャラクター操作が練習できる入門編に追加すればいいだけだが何故かセールスポイントとして大アピールしていた。
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ボーカルソングが削除(無印はEDで主題歌が流れる)。使用料の問題かと思われる。
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海外版がボーカルソングなしだったのでそれを基にしたインターナショナル版でもそのままの仕様になったのだろう。まあ、そこは日本版向けにボーカルソングに差し替えてほしいところだが。
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セーブデータの引継ぎはできるが、トロフィーが無印と共有する仕様になっている。
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無印でプラチナトロフィーを取得しているとゲーム自体は引継ぎなしで最初からプレイできるがトロフィーは全く取得できないという状態となる。
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一部MAPでバイク兵が増えている為、少々、倒すのが煩わしい。
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また批判されているのが「DLCが無印とInternational版で別枠扱い」ということ。
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前述のようにセーブデータとトロフィーは引継ぎのくせに金銭が絡む為かDLCのみ無印で購入していようとも、International版で改めて買う必要がある。
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基本的に無印購入者へのフォローは投げ捨てられているといっていい。
総評(International)
無印購入者の意見が反映されたようで、総合的には大分よくなっている。
今から買うならインターナショナル版を選ぶのがベストである。
最終更新:2024年04月08日 15:55