SUPER MARIO BROS. 35

【すーぱーまりおぶらざーず さんじゅうご】

ジャンル おくりあいバトル
対応機種 Nintendo Switch
発売元 任天堂
開発元 アリカ
配信開始日 2020年10月1日
定価 無料 (Nintendo Switch Online 加入者限定特典)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
備考 2021年4月1日にサービス終了
現在プレイ不可
*1
判定 良作
ポイント 『テトリス99』のシステムでマリオをプレイ
操作性はややマイルドに
一部はマリオメーカーを越えるパニック感
手軽に遊べる良作だが期間限定なのが悔やまれる
マリオシリーズ
99シリーズ
TETRIS 99 / マリオ35 / PAC-MAN 99 / F-ZERO 99


概要

スーパーマリオブラザーズ』35周年特別タイトルとして配信された、初代『スーパーマリオブラザーズ』のバトルロイヤル。
「35人のプレイヤーで『スーパーマリオブラザーズ』を一斉にプレイ、ただし倒した敵はライバルの元に送られる」というルールで、最後の1人になるまで生き残ることが目的。

開発は『TETRIS 99』を手がけたアリカが担当。そのためか、画面のインターフェイスは『TETRIS 99』と似通った部分がいくつかある。


ゲームモード

35人バトル

  • 基本となるモード。開始前にそれぞれのプレイヤーが希望するコース*2を1つずつ選択し、選ばれたコースが登場する。登場順はランダムだが全員同じになっている。
  • 開始タイムは原則35(秒)だが、コース指定状況によっては稀に1-3といった時間回復の難しいコースで開始する場合があり、代わりに少し多めの持ち時間で始まることもある。
  • 開始時にコイン(後述)を支払って開始時のパワーアップ(キノコ、フラワー、スター)を選択することができる。
    • もちろん使わない選択も可能で、その場合だとゲーム終了時に得られるコインが倍になる。

スペシャルバトル

  • 日本時間で毎週金曜日の16時から翌月曜日の15時59分まで行われる特別ルールによるバトルロイヤル。
  • 出現するコースとパワーアップの条件、開始タイムがあらかじめ決められた状態で開始する。

コースれんしゅう

  • 35人バトル、もしくはスペシャルバトルで一度クリアしたコースを1人で練習することができる。

その他

  • メニュー画面からはこれまでの成績を確認できるステータス、キーコンフィグができるオプションが選べる。また、メニュー画面でXボタンを押すと、プレイヤーのアイコンを変えることができる。
    • キーコンフィグはAボタンでジャンプ・Bボタンでダッシュのファミコンタイプ、Bボタンでジャンプ・Yボタンでダッシュのスーファミタイプに切り替えられる。
  • 1日の最初の起動時に35人バトルでのデイリーミッションが3つ出題され、クリアすると報酬として100~300コインがもらえる。
  • ランキング要素もあり、期間中に集めたコイン数が競われ、ランク付けされる。35人バトル・スペシャルバトルで別にカウントされる。
    • スペシャルバトルでの上位プレイヤーはスーパーマリオ35周年公式Twitterで紹介されることがある。
  • 2021年1月からは月に一度、「ワールドカウントチャレンジ」として、全世界のプレイヤーが協力してノルマ(特定の敵を倒すorコインを集める)を達成しよう、というイベントが行われている。この期間はスペシャルバトルも一週間行われる。
    • カウントの対象は35人バトルおよびスペシャルバトルで、ノルマを達成するとマイニンテンドーのプラチナポイントが対象の行動を1回でも達成した人全員に進呈される。

ルール

  • 基本的なアクションの仕方はスーパーマリオブラザーズと同じ。ただし残機は1機限りで、一度ミスしたら即ゲームオーバー。そして最後まで生き残っていたプレイヤーが優勝。*3
    • ミス条件は原作と同じく、「穴に落ちる」「チビマリオの状態で敵やその攻撃、障害物に触れる」「タイムがゼロになる」のいずれか。残機が増えることはないので、1UPキノコは取るとコインが20枚増える効果に変更されている。
    • 途中で脱落した場合、決着がつくまで他のプレイヤーの様子を観戦することができる。もちろんすぐに次のバトルへ進むこともできる。
  • コインを20枚以上持っている状態でXボタンを押すと、20コインを消費してアイテムルーレットを回すことができる。
    • ルーレットの中身は「キノコ」「フラワー」「スター」「POW」のいずれか。POWを引いたらその時点で画面上にいる敵を一掃できる。
    • 「POW」の出典は『マリオブラザーズ』だが、そちらと異なり、空中にいるものを含む画面内すべての敵を一撃で倒す。オリジナルでは接地している敵にのみ有効で、一回殴った分のダメージを与えるだけの効果だった。
    • 「キノコ」「フラワー」「スター」は、決定された時点で、それぞれのアイテムを取得したときと同じ効果が即座に発生する。
    • ルーレットはXボタンを押してもすぐには効果が決定されず、数秒間の演出を経た後でランダムにアイテムが選ばれる。このタイムラグとランダム性を考慮したうえで、少し早めの時点から回す判断が求められる。
      • 実はもう一度Xボタンを押すとすぐ止まるのだが、この挙動に関してはノーヒント。また、すぐといっても若干のタイムラグは発生する。
  • 敵を倒したり、ファイアマリオの状態でフラワーを取ったり、コースをクリアしたりすることで残りタイムを増やすことができる。バトル開始時のタイムは非常に少ないので、まずはあらゆる手段を使ってタイムを確保することが重要である。タイムは最大400まで増やすことができる。
    • 敵の倒し方で増えるタイムの量は異なり、概ね原作の獲得スコアに倣っている。例えばファイアボールでクリボーを倒しても1しか増えないが、連続で踏んづけたり、蹴ったコウラをぶつけたりすると2、3、4…と増えるタイムの量が増えていく。このため、連続で敵を踏みつける、ノコノコやメットのコウラを蹴って次々敵を倒すといった原作で使われた敵を倒すテクニックが本作でも有効である。
    • アイテムルーレットでキノコやフラワーが選ばれた際も、それらの効果が既に発揮されている状態であれば、かわりにタイムが加算される。
      • なので局面によっては効果が必要でなくても、タイム稼ぎのためだけに回す選択が有効となることもある。ルーレットそのものにタイムラグがあるうえ、目的のアイテムを引くかどうかも運頼みだが。
  • 倒した敵は自分以外の誰かのコース上に追加される。送り込む対象はRスティックで「ランダム」「ピンチねらい(残りタイムの少ない人)」「コインねらい(持っているコインの多い人)」「カウンター(自分を狙っている人全員)」の4つの作戦から選ぶことができる他、Lスティックで任意の相手を選択することもできる。
    • 「カウンター」は複数のプレイヤーへ敵を送り込むことが可能で、実質的には送り込む敵の数が増えるため強力。ただし相手は「自分を狙っている人」なので、数倍に増えた敵がそのまま自分に帰ってくる可能性も高くハイリスク。
    • 「ピンチねらい」「コインねらい」の対象は、該当する当人以外の全員にとって共通。このためタイムの最も少ない人と、コインを最も多く持っている人は、攻撃のターゲットになりやすい。
    • 送り込まれた敵は画面上で薄く表示されているので、本来いる敵とはちゃんと区別ができる。また、画面下にはこの先出てくる敵の予告が表示される。*4
    • 自分が送り込んだ敵で他のプレイヤーがミスをする*5 と、相手が持っていたコインの半分と残りタイム全てを奪うことができ、更に50コインのボーナスを獲得できる。
    • 作戦の変更操作は、ゲーム開始前のカウントダウン(3・2・1……GO!)の時点から受け付けている。普段よく選ぶ作戦が決まっているなら、この時点で入力しておくとゲーム中の手間やリスクが軽減できる。
  • マリオの挙動はマリオメーカー風に原作よりも強化されている。「敵を踏んだ後に高くジャンプできる」「水中でクリボーやノコノコなどが踏める」「ファイアマリオの状態で敵に触れると(チビマリオではなく)スーパーマリオにパワーダウンする」「チビマリオの状態でフラワーを取るとファイアマリオにパワーアップできる」など。
    • また、原作ではクッパはファイアボール5発でしか倒せなかったが、本作では「ノコノコのコウラを当てる」「スターを取得した無敵の状態で接触する」「ルーレットでPOWを引く」など、一発で倒せる手段が増えた。
  • 長時間その場にじっととどまっていると、残りタイムの減り方が一時的に速くなる*6。原作とは違い、ジュゲムとノコノコによる無限ループが発生することがあり、その対策でもある。
  • 残り人数が5人以下になると、原作と同様、タイムアップ警告音と共に音楽が速くなり、タイムの減少速度が上がる。また、バトル開始から一定時間が経つと、タイム表示が赤くなって減少速度がだんだん速くなり、最終的には1秒で10カウントも減るほどになってしまう。こうなるとどんなに頑張ってタイムを稼ごうとしても減少速度に追いつくことは極めて困難であり、確実に決着がつくようになっている。
    • この減少速度に追いつく方法は大量発生したジュゲムを連続で踏みつけたり、POWブロック、コースクリアで一掃するといった程度しかなく、タイム以前にミスの危険性が極めて高い状況下であり、ほとんどは早い決着になる。
  • ゲームが終了すると順位に応じた経験値が与えられる。経験値を一定量貯めるとランクアップし、使えるアイコンの種類が増えていく。
    途中で失格になったプレイヤーは、ミスした時点で持っていたコインの半分と順位に応じたボーナスコインが与えられる。他のプレイヤーから送られた敵以外でミスした場合、残り半分のコインは右下の宝箱にストックされる。
    優勝したプレイヤーはゲーム終了時点で持っていたコインと順位に応じたコインに加え、宝箱にストックされたコインを総取りできる。
    • 35人バトルでアイテムを持ち込まずにプレイした場合、先述のように獲得したコインが倍になる。

評価点

  • 送り合いによるスリリングで熱いバトルロイヤル
    • 本作はバトルロイヤルではあるが、同じ画面上で直接攻撃し合ったりするのではなく、敵を送り込むことによる間接的な妨害である。そのため、対戦相手の動きを気にせず、基本的に自分のプレイに集中していればよい。とはいっても、対戦相手から敵がどんどん送り込まれてくる上、一度のミスで即ゲームオーバーとなるため、常にミスできない状況との戦いでもある。緊張のあまり、普通のプレイであれば何てこともない場所で凡ミスしてしまったり、大量の敵を前に打つ手がなくて詰んでしまう、ということも起こりうる。
    • 送り込める敵の数に制限はない*7ので、送り合いを続けていると、しまいには20体以上ものジュゲムが画面中を埋め尽くして大量のパイポを投げてくるキラーが避けきれないほど画面いっぱいに飛来してくるクッパが何体も出現して炎を吐きまくるというように原作では絶対起こらないカオスな状況も起こる。
    • 最終盤になると急速に減っていくタイムとの戦いにもなる。最終的にはいかにミスせずに時間を稼ぎながら生き残るかとなるが、自分との戦いの延長線上であることは変わらない。
      • 土管に入っている間や敵にぶつかってパワーダウンしている間などはタイムのカウントが止まることを利用して、パワーアップ状態でわざと敵にぶつかることでわずかでも時間を稼ぐ、という上級者向けのテクニックもある。
    • このスリリングな状況を切り抜けて優勝を勝ち取ったときの達成感は何物にも代えがたいだろう。
  • マッチングがスムーズであること
    • マッチングには30秒もかからず、スムーズにゲームを始めることができる。また、『TETRIS 99』と同様、ゲーム終了後にすぐ次のゲームに進むことができるので、連戦もスムーズである。
  • 戦略的なプレイの楽しさ
    • 35人バトルでは自分が希望するコースをひとつ選ぶことができるが、簡単なコースにするか、強敵がいる難しめのコースを選ぶか、という戦略がある。後者だと自分がミスするリスクも上がるが、うまく乗り越えると対戦相手に強力な敵を送り込んでミスを誘発しやすくなる。
    • 1-2と4-2(地上)にあるワープゾーンでは行きたいコースを3つの中から選べるので、うまくいけば苦手なコースを飛ばすことができる。
    • 一コース内でのルートのとり方も戦略的に選ぶことができる。
      • 例えば、5-2など空中と水中のボーナスステージがあるところでは、ノーリスクでコインを稼げる代わりにタイムが稼げず、敵を送り込めない空中の方へ行くか、対処がしにくいゲッソーやプクプクを送り込むためにパワーダウンのリスクを背負ってあえて水中を選ぶかという選択がある。
    • 敵を送り込む相手の選び方も戦略的で、例えば「カウンター」を選ぶと狙われている相手全員に倒した敵を送り込むことができるが、その分相手に返されると先述のように画面を覆い尽くすほどの敵に襲われることになる。
  • 1人での練習モードの搭載
    • 隠しアイテムや大量のコインを手に入れることができる場所や、ショートカットができる場所を知っておくことは上位を取るためにも非常に重要なので、邪魔されること無く1人でじっくりコースを遊んでその位置が覚えられるようになっている。
    • ループコースである4-4、7-4、8-4では、不正解のルートを通るとブザーが鳴るので、ちゃんと正解のルートが覚えられるようになっている。
    • 本作では原作と操作感覚が異なるため、原作をプレイしなくても本作単体で練習する事が可能。初期状態のパワーアップの有無も決められる(もちろんコインは消費しない)。
  • プレイに適度なメリハリを与えてくれるデイリーミッション
    • 指定されるミッションの多くは「35人バトルでアイテムルーレットを3回使う」「敵を連続で3回踏む」「一回のプレイで4コース以上をクリアする」など、意識してプレイすればそう時間をかけずに達成できる。
    • こと3つ提示されるミッションのうちの先の2つは、達成の容易なノルマ数になっていることが多い。そのため、とりあえず1~2回だけプレイしてミッションを埋めておこうといったモチベーションが湧きやすい。
    • 普段の自分のプレイスタイルとは違う遊び方が求められることも多いため、達成しようとすると色々なアクションを試すことになる。ただし過剰に難しい目標は要求されないので、程よく様々な試行錯誤をしていける。
    • ミッションのため意識的に発動させることでアイテムルーレットの有用性や使いどころに気づく、一回で複数コースのクリアを目指す過程で死なずに数コースクリアするだけでも意外と上位へ入れることに気づくなど、ゲームの遊び方や攻略法をナビするチュートリアルの役割も果たしている。
    • サービス終了から1年が経った現在(2022年4月)でも起動するとミッションが配信され続けている。
  • 不慣れなプレイヤーでも気軽に楽しめる
    • 前述したようなカオスな難易度は、あくまでも上級者同士が生き残った先にのみ発生する。本作ではマリオが原作よりも強くなるよう調整されているため、原作を遊んでいなかったり、アクションそのものが不得手なプレイヤーでも、そこそこ楽しめるような難易度になっている。
    • とにかく死なないよう慎重に遊んでいるだけでも、意外と上位へ入れたりするというのが何気に嬉しい。
      高度なテクニックを使いこなすほど有利にはなるが、それらはたいていリスクも高い。ただただ死なないよう堅実に遊ぶというのも立派な戦術の一つであり、この方針でもトップをとることは可能。
    • さすがに後半のコースや難しいアスレチック面などが来ると厳しいのだが、本作のバトルは多くの場合、そうしたコースへ行きつく前に終わる。
      またコインをしっかり稼いでさえいれば、難易度の高いコースもある程度まではアイテムごり押しにより突破できる。
    • 逆に画面びっしりの敵の中を生存できるような上級プレイヤーでも、ちょっとしたミスから序盤にあっさり脱落することがあるというのがまた面白い。おかげでゲームの終盤が、必ずしも上級者同士の苛烈な生存バトルにはならない。

賛否両論点

  • 原作と操作の感覚が若干異なること
    • 本作でのマリオの挙動は敵を踏んだ後大きくジャンプできるなど、原作ファミコン版とは大きく異なっている他、当時のテクニックの一部も使えなくなっている。そのため、原作に慣れている人ほどその違いに戸惑ってしまう。
      • 例えば、城コースでのファイアバー。原作ではバーの中心が画面の左端から切れるとファイアバー自体が消滅するが、本作ではバーの中心が画面から見えなくなってもファイアバーは残っているため、ファイアバーの近くでタイミングを計ろうとしたら後ろのファイアバーに当たってダメージを受ける、なんてことが起こりうる。
      • その他、有名なテクニックではブロックと画面の端を利用した隙間をジャンプして楽に天井へ行ける半マス隙間上りや壁抜けなどだろうか。これらが使えないのは結構痛い。
      • 甲羅の跳ね返り方が変わっており、無限1アップもできなくなっているが、これはゲームの仕様を考えればむしろ当然だろう。またスターの挙動に不確定要素がなくなっているのも同様に公平性を考慮した仕様と思われる。
    • ちなみにデフォルト操作は、『ワールド』仕様のBジャンプYダッシュになっている。見た目が初代そのものなので、操作説明を見ずに始めてクリボーに激突して即死した人も一定数いるようだ。慣れればどうということはないし、オプションで初代仕様(AジャンプBダッシュ)にすることもできるので大きな問題ではないが。なお、ガチ攻略ではBジャンプYダッシュの方が有利という意見が多い(個人差あり)。

問題点

  • 上級者同士で対戦できる要素が無いこと
    • 『TETRIS 99』では優勝経験者だけが参加できる「TETRIS 99 VIP」が搭載されているが、本作には優勝経験者、もしくはレベルに★*8が付いている者に向けたマッチング分けの処置が存在しない。
  • スペシャルバトルではデイリーミッションが達成できないこと
    • そのため、デイリーミッションは全て通常の35人バトルで達成しなければならない。
  • マップ選択の意味合いやコースの順序がわかりにくいこと
    • 参加プレイヤーの持ち寄ったコースが、なるべく本来の順序になるように、ある程度シャッフルして並べられる……というのが正しい仕様なのだが、このことがとても分かりにくい。
    • 35人バトルに参加する際、最初に選ぶコースの意味が本当に分かりづらい。どのコースを選択しようとほぼ確実に1-1から開始する上に、自分の選んだコースが後半であればあるほど、実際のゲーム中でそこまで行きつく可能性が下がっていくため。
      外部の情報に頼らない限り、ゲーム内の表示や挙動だけでコース選択の意味を理解するのは不可能に近い。
    • そしてゲーム進行上のコース順も分かりにくい。最初はほぼ確実に1-1、次は高確率で1-2となるが、その後は同じコースが繰り返されたり、唐突に先のコースへ飛ばされたりする。
      これまた仕様を外部で確認しない限り、毎回、かなり適当に並べ替えられているようにしか思えない。
      • なお最初の2コースは強めに固定化されているらしく、誰か一人でも選んでいれば超高確率で1-1から始まり、そして次のコースも誰かが選んでさえいれば、高めの確率で1-2が来る。
        1-1と1-2は選択可能なプレイヤーが圧倒的に多く、また攻略上も扱いやすいこと、そして1-1はカーソルの初期位置であることも重なり、この2コースが選ばれている頻度は非常に高い。つまり実質、最初の2つはこれで固定に近くなる。
      • 3コース目以降はもう少し緩くシャッフルされ、コースの順序が入れ替わることも多くなっていく。ただし後半のコースほど後に回りやすいという原則は維持される。
        またおそらく、同じコースはなるべく連続させないようにもなっている。
    • 各人の選んだマップが並べられていることを、ゲーム内でうまく明示できればよかったのだが。ゲームのテンポと快適性を重視した結果、こちらはフォローから漏れたといったところだろうか。
  • コインの使い道が少ないこと
    • 35人バトルでコインを支払ってアイテムを取得した状態で開始できるが、それに必要なコインの数はキノコ20枚、フラワー50枚、スター30枚と非常に安価である。それに対して、35人バトルで優勝すると数百から数千枚のコインが一気に手に入るため、ある程度ゲームに慣れるとコインは使い切れないぐらい貯まってしまう。
    • デイリーミッションの達成でも、簡単な二つをクリアするだけで、合計すると一日300枚が入ってくる。最後の少しだけ難しい課題までクリアすると更に300枚。
    • 本作で最も死にやすいのはチビマリオ状態で始まるゲーム序盤であるため、気軽にアイテム持ち込み状態でスタートしてほしいという意図なのだとは思われるが、それ前提としても余り過ぎである。
    • プレイヤーのアイコンや未解放のコースを、貯まったコインで購入し解放することもできる、という形をとってもよかったかもしれない。
    • 集めたコインは後述のコインランキングにも影響するのだが、これもただ溜めた数を競うだけなので、「使い道」とは言い難い。またそもそも一位になったことがないと表示すらされないので、大部分のプレイヤーには関係ない。
  • コインランキングの知名度が低すぎること
    • 一度でも一位をとったことがあると、収集したコインの枚数を競うコインランキングにエントリーされるようになるのだが、一位を取るまでは表示されない仕様のため、ほとんど周知されていない。
      • ただしコインランキングが存在すること自体は、バランス調整の一環として機能している。ランキングを意識したプレイヤーはコインの消費を控えるようになり、特に最初の持ち込みアイテムは制限するようになりがちなため。
        つまり「一位を取ったことがある」上級者の生存確率が低下し、まだ取ったことのないプレイヤーの順位が上昇しやすくなっている。
      • 最初の持ち込みアイテムを使用しなかった場合、最終的に稼いだコイン数に二倍のボーナス補正がかかる。裏を返すと、持ち込んだら獲得コインが半分になるともいえるため、これは最優先で縛られるようになりやすい。
      • 二倍になる前提で考えた場合、アイテムルーレットのコストは実質的にコイン40枚分となる。このためランキングを意識すると、こちらもむやみな使用は避けるようになってくる。
    • 条件を満たすまで表示されないのは、初心者が最初からコインの使用を避けるようなことがないようにとの配慮とは思われる。
  • 敵が画面いっぱい増え続けること
    • 上級者同士が対戦するとよくあるのだが、敵が画面いっぱいに増える。仕様上仕方がないことであるが…。
      • クリボー等地面を歩く敵は地面にしか現れないので、その部分にしか登場しない。しかしジュゲムなどの空を飛ぶ敵は画面のどこにでも現れることができるため、無尽蔵に増えてしまう。
      • 特にキラーは小さいため余計に増えやすく、画面を埋め尽くす。その結果ひどい処理落ちが起こることもある。
      • これらの処理落ちが発生すると、アイテムルーレットが機能しなくなるといった致命的な不具合が起きることもある。
    • 処理落ちが発生しなくとも、最上級者同士が対戦すると送り合いによって大量出現したジュゲムを連続で踏み続けることでタイムをほぼ無限に稼ぎ、 1時間以上も決着がつかないこともある。
  • 練習がクリアしたコースのみ
    • 練習モードで選べるコースはクリアしたことがあるコースのみ。よって、そもそもの難易度が高いコースやループのあるコースは練習したくてもできないということも。

総評

スーパーマリオブラザーズでバトルロイヤル、という今までにありそうで無かった対戦型のマリオ。

同じ画面内でお互いに妨害し合うとどうしても相手をやっつけようとして不毛な争いに発展してしまうが、本作では敵を送り合うという間接的な妨害を採用することで、不毛な争いになることなくバトルロイヤルを成立させている。
その結果、画面が大量の敵で埋め尽くされるなど非常にカオスなことになるのもある意味ご愛敬である。

間口の広さと奥の深さが同居する良アレンジだっただけに、期間限定であったことが非常に惜しい。
いつの日か、何らかの形で復刻されることを願いたいところである。


余談

  • 本作ではルイージを使うこともできる。1-1から8-4までの全32コースをクリアした状態でLボタンを押しながら35人バトルのコース、あるいはスペシャルバトルを選べば使用キャラクターがルイージになる。
    • ただし、マリオとルイージで『スーパーマリオブラザーズ2』のような性能差は無い*9。また、優勝した時などの演出に出てくるのは 残念ながら マリオのままである。
  • 時間制限のある作品では恒例の残りタイム警告は、残プレイヤーが5人になったときに鳴る。6位になったプレイヤーはミス時にこれが鳴る。
    警告の後は、音楽もおなじみのピンチ状態の曲に変わる。
    • つまり本作では、残り時間のルールも残りタイム警告の曲も存在するのに、両者が連動していない。自分のタイムがいくら減っていても音楽は切り替わらないし、逆にタイムがいくら残っていても人数が減った時点から急かされ始める。
  • 35人の中には、ゲームスタートしてすぐ脱落しているプレイヤーもしばしば見られる。ほぼ確実に1-1スタートになることと相まって印象に残る。
    結果として、「あの最初のクリボーこそが、最も多くのマリオを屠った最強のモンスターである」ことを実感させる傍証となっている。
  • 通常はミスって脱落するとそのままゲームオーバーのBGMが流れるが、3位以内に入った場合は代わりにコースクリアのBGMが流れ、1位を取った場合はラウンドクリアのBGMが流れる。
    最後までゲームオーバーにならなかった1位は普通として2位と3位はやや違和感があるかもしれないが、健闘を称えた変更とも言えるだろう。
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最終更新:2023年09月15日 08:16

*1 公式には時差の関係上数時間遅れる可能性があるとのこと

*2 ただし、1-1以外は一度でもクリアしたことがあるコースに限る。

*3 残ったプレイヤー全員が近い時間でほぼ同時にやられてしまっても、ミスまでの時間が最も遅ければ優勝となるため、引き分け判定はない。

*4 ただし、ループコースの4-4、7-4、8-4ではループを抜けるまで表示がされない。

*5 このとき、効果音と共にミスしたマリオが飛び出してくる演出がある。

*6 この状態では時計マークの隣にビックリマークが付く

*7 ただし、地下金庫や空中のボーナスステージなど、敵が登場しないところには送り込まれても無効化される。

*8 レベル99よりさらに上にレベルアップした証。★99からさらにレベルを上げると★★となる。

*9 原作の初代スーパーマリオでも、ルイージに性能差はなかった。