クロック! パウパウアイランド

【くろっく ぱうぱうあいらんど】

ジャンル アクション

対応機種 プレイステーション
セガサターン
発売元 メディアクエスト*1
開発元 アルゴノート・ソフトウェア
発売日 【PS】1997年12月18日
【SS】1998年3月26日
定価 5,800円
プレイ人数 1人
判定 なし
ポイント 元・任天堂セカンドパーティが開発
任天堂の没案から再構築されたゲーム
箱庭探索+面クリア型の3Dアクション
海外で大ヒット
操作性とカメラワークに大きく難あり
『マリオ64』の生き別れの兄弟?

概要

1997年にPS/SSで発売された3Dアクションゲーム(北米のみWindows版も発売されている。)。原題は『Croc: Legend of the Gobbos』。
開発を行ったのは、かつて『スターフォックス』『X』を通じて任天堂ハードの限界に挑んだイギリスのアルゴノート・ソフトウェア*2社である。

本記事ではPS版を元に解説する。


制作背景

  • そのルーツは1994年、アルゴノート社から任天堂へ持ち込まれた『Yoshi Racing』(ヨッシーレーシング)という企画が大元である。これは『スーパーマリオカート』を3Dにしたようなゲームであったが、任天堂からは「既に似た企画が進行している」という理由で却下された。
    • 開発者のジェズ・サン氏は「スーパーマリオ64』はこの作品の影響を受けた」と主張している*3
    • その後、アルゴノート社はこの企画を新しい形で様々な会社に持ち込み、既に親密な関係にあったFox Interactiveの元で発売にこぎ着ける。
      • アルゴノート社との様々な齟齬からか、任天堂とのセカンドパーティとしての契約も切られることとなった。任天堂は他社のIP使用を原則として認めておらず、『スターフォックス2』の開発中止と合わせて関係悪化の原因になったという話もある。
    • 発売にあたっては新たなキャラクター「クロック」に差し替え、全く新しい作品として完成した。
    • 以上のソースは発売当時の雑誌と、2014年に行われたインタビューより。
  • こうした経緯からか、クロックのデザインはヨッシーに酷似しており、ヒップドロップに似た攻撃も使いこなす。
    • ゲーム内容に注目すると、『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』との共通点が結構多い(冒頭のストーリー、魔法で強化されて襲いかかるボスキャラ、通常ステージ+ボスステージ2つ+スペシャルステージといったワールド構成、汎用アイテムに擬態した収集要素など)。

あらすじ

昔々のその昔、ここは「パウパウアイランド」。陽気で優しいパウパウ達が、平和にのんびり暮らす島。とある日、パウパウ王様が散歩をしていると、海のほとりにバスケットが流れ着いているのを発見しました。パウパウ王様は恐る恐る中をのぞいてみると、そこには何とワニの赤ちゃんが入っていました。心優しいパウパウ達は、そのワニの赤ちゃんに「クロック」と名づけて育てることにしました。

クロックは、パウパウ達からいろんなことを教えてもらいました。やがてクロックも成長して大きくなりました。そんなある日、平和なパウパウアイランドに、邪悪な魔法使い「ザッハトルテ13世」が、手下の「トルティーズ」を引き連れて島を乗っ取りにやってきました!!恐怖のあまり逃げまどうパウパウ達でしたが、徐々にみんな捕まっていきます。パウパウ王様は、みんなを助けたかったけどクロックを逃がすことが、精一杯でした。そしてついに、パウパウ王様も捕まってしまいました。"自分を育ててくれたパウパウ王様、兄弟のパウパウ達を助けなきゃ!"こうしてクロックはザッハトルテ13世のお城へと旅立ったのです。

奇想天外なクロックの冒険のはじまりです。

(取扱説明書より引用)


特徴

  • 構成
    • ワニの子・クロックを操作して4つの島を冒険し、最後に待ち受けるザッハトルテ13世を倒すのが冒険の目的となる。
    • 舞台となるステージは、閉じた3Dの箱庭となっている。後の『スーパーマリオ 3Dランド』に近い。
      • 1つのステージは複数のマップで構成されており、マップ同士はドアや穴などを通って行き来が可能。
      • 時には分岐点も用意されている。一部のギミックやドアを使用するにはカギが必要で、『ゼルダの伝説』のダンジョンのような探索要素が求められる(謎解きはそれ程無い)。
    • ゴールにおいてある銅鑼を攻撃して鳴らす事で、ステージクリアとなる。
    • 冒険する4つの島は通常ステージ6つ、ボスステージ2つ、隠しステージ2つで構成されている。
      • ボスステージは島の中盤とラストに配置されている。ステージ冒頭でザッハトルテが島民を魔法で化け物にするムービーが入った後、短めの道中を抜けた先でボス戦が始まる。
      • 隠しステージは前半と後半に用意されている。前半の通常ステージ3つか、後半の通常ステージ3つ全てでパウパウ(後述)を全員救出すると、対応する隠しステージが出現。そのゴール地点にはジグソーピースが一つだけ配置されていて、これを入手するとクリアとなる。
  • 収集要素
    • 通常ステージには茶色くてけむくじゃらなクロックの友達・パウパウが6匹ずつ囚われている。
    • 同様に「カラークリスタル」と呼ばれる色付きの宝石も5つ隠されており、全て集めるとゴール地点にある専用の扉が開く。
      • 『ヨッシーアイランド』の赤コインよろしく、通常のクリスタル(後述)に擬態している物も存在する。
      • 基本的に最後のパウパウはこの扉の向こうにいるため、カラークリスタル収集は完全クリアに必須となる。
    • 隠しステージのジグソーピースを8つ全て集めると、5つ目の島が遊べるようになり、これを最後まで遊ぶと完全クリアとなる。
  • アクション
    • 攻撃ボタンを押す事で、尻尾を振って攻撃する。
      • 横に広く攻撃できるため軸を合わせる必要が無く、3Dアクションの攻撃技としては親切な作り。
    • 空中でジャンプボタンを押すと「踏みつけ攻撃」というヒップドロップのようなアクションで攻撃が可能。
    • PS版は同年発売のアナログコントローラーにいち早く対応しており、SS版もマルチコントローラーに対応している。これらの周辺機器を使用すれば、アナログスティックで直感的に3D空間を移動する事が可能である。
      • PS版では方向キーの操作と併用出来ないため、使い分けたい時はアナログボタンを押して切り替える必要がある。
    • LRボタンでカメラの高さを変更可能。足場に飛び移る際は一番高く、索敵する場合は一番低くする。本作ではかなり重要な操作となる。
    • その他、他の3Dアクションゲームのように水中を泳いだり網にぶら下がって進んだりするアクションが使われる。
  • 体力
    • 道中には沢山の「クリスタル」が散らばっている。これを一つでも持っていると一度だけ攻撃を防げる。ただし、クリスタルは周囲に散らばってしまうので再び回収しなければならない。
    • ゴールすると集めた量が蓄積され、100個溜まるごとに1UPする。
  • PS版のみパスワード機能も搭載されているが、こちらは 収集要素の達成度を一切保存できない ので要注意。メモリーカードの残量が無いからといって、知らずに頼ると痛い目を見る。
    • サターン版ではこの機能が削除され、プレイヤーが引っかかる恐れが無くなった。

評価点

  • 当時まだ少なかった3D探索+面クリアの魅力
    • 次々と現れる分岐や、行き止まりとなる鍵穴を前に、あちこち回りながら突破口を切り開いていくのは快感である。まだ見ぬ場所を見つける楽しさは、視界の限られた3Dだからこそ魅力が発揮される。
    • 同様の楽しさは当時の時点でも『がんばれゴエモン ~ネオ桃山幕府のおどり~』などで実現されているが、探索要素に特化しているのは本作ならではの大きな特徴である。
    • 分岐はあっても攻略手順は一本道なので、道に迷うこともない。謎解きが不安なプレイヤーもその点は安心。
  • 序盤のステージは優しく作られており、快適に遊べる。
    • いち早くアナログスティックに対応したこともあり、精密な動作以外は当時として良好。
      • 軸合わせが必要無い、横に広い攻撃を用意した点は『マリオ64』に勝る要素の一つである。ジャンプ移動と組み合わせれば敵を避けつつ射程も広げられ、難しく考えなくても攻撃をぶつけられる。
      • 踏みつけの射程も広く、敵に隙を突かれづらい。
  • 明るくポップな雰囲気は堅実ながらも魅力的。
    • キャラデザに洋ゲーらしい癖はあまり無く、日本人でも違和感なく受け入れられる。
    • 敵キャラのデザインも総じてコミカルで可愛らしい。倒されると星になり、いつのまにか再びスポーンしていたりと、殺伐さを感じさせない。
    • BGMも高評価。特に砂漠ステージの曲はオシャレで、思わず聞き入ってしまう作りである。
  • 当時としては丁寧なローカライズ
    • オープニングとエンディングには日本語ボイスが収録されている。
      • 読み上げたのはタレントの千秋。どことなく言葉足らずな口調で語られる様は、絵本のような世界観に合致している。
    • ゲーム内の日本語フォントもきちんと書き下ろされている。
      • こちらも子供っぽい崩れた字体が特徴的で、雰囲気作りに一役買っている。
    • ちなみに、敵の名前は日本用に全く違う名前が用意されている。
      • ボスキャラは全員お菓子の名前にされており、ザッハトルテ13世の"13世"は日本のスタッフが勝手にくっつけた物である。中々思い切っている。

賛否両論点

  • 中盤からの難易度は洋ゲー相応に厳しめ
    • これを理不尽と取るか、「洋ゲーだから仕方がない」と許容するかは好みが分かれるところ。
      • 本作の場合は操作性の至らなさによる難しさも含まれているため、単純に許容できるものではない。
    • とある面の序盤には一気に5UPできるボーナスステージが配置されてあり、ここでマラソンを行えばかなり難易度が緩和される。一度取得した1UPアイテムが再登場しないゲームも多い中、本作は比較的良心的な部類である。
    • またゲーム序盤はかなり緩めに作ってあり、前半のワールドはそれぞれ1時間程度で攻略が可能である。後半からは難易度が跳ね上がる事もあり、ボリューム面は決して悪くない。
  • ボスが総じて弱い
    • 道中の難しさに反し、ボスは簡単に倒せてしまう。
      • いずれも「ボスがクロックに大技を振る」→「隙を見せるのでクロックがそこを反撃する」の繰り返しで、倒し方を見つけるのも苦戦しない。
      • 表向きのラスボスに限り第三形態まで用意されているが、これも基本は変わらない。
    • しかし探索に苦労する道中と打って変わってサクサク進めるので、爽快感はとても強く、見方によっては評価点とも言える。
    • また真のラスボスについては倒し方が伏せられていて、見つけるまではそれなりに苦戦させられる。
      • ただし、こちらも一度気づいてしまえばあっさり片付いてしまう。

問題点

  • 劣悪なカメラワーク
    • 後ろに壁がある場合を除き、本作のカメラは常にクロックの後ろを追尾するようになっている。クロックが少し向きを変えただけで瞬時にカメラが動くため、プレイヤーが入力したかった方向と実際に進む方向がズレてしまう事も。
      • 『マリオ64』では向きを変えてからカメラが動くまでにインターバルがあり、見た目通りの方向に自機を動かすことができた。
      • この仕様により、ボス戦では敵が視界に入らない状態で逃げなければならず、戦いづらい。
    • カメラワークの所為で、狭い足場を乗り継ごうとすると頻繁に落ちてしまう。
      • ジャンプの際、クロックの斜め後にあるカメラは何故か背後に動き、適切な距離感を掴みづらくなっている。
  • 小回りの利かない操作性
    • 本作は3DADVのような操作体系となっており、後ろへ移動しようとしてもクロックは振り向かず、遅めの後ろ歩きを行うようになっている(振り向く場合は代わりに○ボタンを押す)。
    • これはきびきびとした操作が求められるアクションゲームと相性が悪く、様々な局面で不便を強いられる。
      • 小回りが利かないため、ダメージを受けて落としたクリスタルを回収するのもままならず、即死寸前になりやすい。
      • 狭い足場に乗り移った後、不安定な位置から微調整が出来ず、足を踏み外す原因に。
      • 敵に当たりそうになって後ろに下がろうとしたら、足の遅い後ろ歩きが発動してお陀仏になる事も。
    • アナログスティック使用時は後ろ歩きが発動したりしなかったりするので、思った通りに動いてくれない事が多い。
    • 向きを固定したまま左右に平行移動する操作も存在するが、動きが遅い上に結局軸合わせが必要となるので、殆ど役に立たない。
      • そうした操作が必要な時はジャンプしながら左右に移動した方がいい(このとき向きは固定される)。
    • こうした操作性でありながら、足元のパネルを次々と踏んで操作するミニゲームが二つ用意されており、いずれも鬼畜(しかも完全クリアに必須)である。
      • 端的に言うと『バイオハザード』の操作キャラに『Dance Dance Revolution』や反復横跳びをやらせるような物だと考えるとわかりやすい。そこに本作特有の後方追尾カメラワークが加わると……
      • 一応、攻略法がわかれば対処は可能である*4
    • この操作性に先述のカメラワークも加わり、後半のステージでは何度も足を踏み外しては理不尽に残機が溶けていく。前年に出た『スーパーマリオ64』や『クラッシュ・バンディクー』と比べると、3Dゲームとしての作りは粗め。
  • その他の操作方法にも何かと問題あり。
    • ジャンプボタン→しゃがみボタンでヒップドロップできる3Dマリオと異なり、本作では空中でジャンプボタンを押すだけで同様の攻撃ができる。一見すると操作が簡略化されたように見えるが、実際に遊ぶと狭い足場を渡る際にうっかり連打してしまい、何かと暴発しやすい。稀に足を踏み外す原因になる。
      • ちなみに同様の操作方法は『マリオパーティ』シリーズにも採用されているが、こちらはギリギリのジャンプを求められる機会があまりなく、特に問題は起きていない。なぜシンプルな操作なのに本家3Dマリオに逆輸入されないのか、本作を遊べばその理由が察せられるかもしれない。
    • 水中の方向転換が90度単位でしかできず、思うように正面を向けない。
    • ジャンプ台として各地にゼリーが配置されているのだが、直感に反して踏みつけ攻撃からバウンドしても最大ジャンプにならない。
      • 正しくは飛ぶ瞬間に合わせてジャンプボタンを押すのが正解。誤解したままシビアな操作を勘違いさせるステージが後半にあり、ある種の罠となっている。
    • 4つ目の島で動く足場に飛び乗ろうとすると、着地すらしていないのに慣性の法則が働き、足場に合わせてクロックが空中移動してしまう。最悪の場合、不安定な位置に着地してそのまま落ちる原因にもなる。
  • 視認性
    • 天井の網にぶら下がって進む場面が各地にあるが、4つ目の島にある網は背景と同化して視認が困難。
    • 単に見づらいというレベルではなく、存在を認識することが難しいレベル。黒い背景をバックに真っ黒な陰のテクスチャで覆われるのでどうしようもない。
      • 網から少しでもはみ出すと落ちて1ミスになる状況なのに、周りには敵が飛び回っていて避けなければならない理不尽さが待っている。
    • その島のステージ2に至っては、網の存在に気づかないまま行き止まりと勘違いする詰みポイントが存在する。
  • パウパウを助けてもステージ再突入時に再配置される。一度のプレイで全て救出しないと全員を助けた扱いにならず、ステージに入り直す手間を要求される。
  • ローカライズにあたり、各ステージの名称がカットされてしまっている。
    • 原語版はオマージュ元の『ヨッシーアイランド』よろしく各ステージに名前が付いていた。
    • 本作ではなぜか平仮名の汎用フォントが用意されておらず*5、カタカナしか使えないのでその都合と思われる。
      • ちなみに日本語版次回作でも平仮名用フォントは用意されず、その上テキストの登場機会が増えた事でより問題が大きくなっている。

総評

面クリア型の箱庭アクションは当時あまり類が無く、360度を見回して探索する魅力がオーソドックスに備わっている。
可愛らしいキャラクター、自然に溢れた島の雰囲気に惹かれれば、プレイヤーにとって楽しい冒険になる事だろう。

しかしカメラワークと操作性は擁護し難く、当時のレビューでもこの点は厳しく評価されている。
決して遊べない作品ではないものの、快適な3Dゲームを作る難しさについて考えさせられる一作なのは間違い無い。
今では他にも気軽に遊べる3Dゲームが多く、本作でしか味わえない魅力はそれほど多く無いのが難点である。

世界観に魅力を感じた人、3Dゲームの成長過程を知りたい人、当時の海外ゲーム市場の一端を覗いてみたい人、任天堂から派生したゲームの系譜に触れたい人であれば、手にとって見て良いかもしれない。


余談

  • 雑誌での前評判はやたら高く、発売前のレビューでは他の名だたるタイトルと比較して持ち上げられた。発売前の広告ではそれらのレビューが引用され、主人公のクロックがマリオとクラッシュとララ・クロフトを食べてしまうアートワークが描かれる始末だった(画像)。
    • カメラワークや操作性に難のある本作に対し、それらの点で革新を見せた『マリオ』を超えたと評するのはいくらなんでも過大評価である。世が世なら、クロスレビューのように叩かれた事だろう。
      • 本作の難点は手にとってゲームを進めないと伝わり辛いため、レビュアー達にとって実物以上に面白く見えてしまったのかもしれない。
    • 発売後のレビューはそれなりに厳しく、比較された『マリオ64』『トゥームレイダース』と比べて明らかに格落ちの評価をされている。詳しくは英語版Wikipediaの各ゲーム記事で"Reception"の項を参照されたし。
      • 一応『クラッシュ』に関してはほぼ互角のスコアだが、その少し後に発売された『クラッシュ2』は本作より高い評価を受けている。
      • なお原語版『クラッシュ』は日本版に比べて厳しく調整されていた点に注意。仮に日本版と比べたなら、全く違う結果が出ていたと思われる。
    • こうした期待値の高さもあって海外ではミリオンセラーを記録し、アルゴノート社で一番成功したIPになった。その後は様々なシリーズ作品が展開されている。
  • 本作と同じく、任天堂がSFC時代からタッグを組んでいた海外セカンドパーティの1つ、レア社の3D箱庭ゲームに『バンジョーとカズーイの大冒険』が存在する。こちらは任天堂から発売された。
    • 開発はSFC時代から試行錯誤を重ねた末に98年まで遅れている。任天堂が求めていたクオリティ(言い換えるなら『マリオ64』の壁)を実現するには、それだけの労力が必要だったのである。
      • その『バンカズ』は高い支持を得て、『マリオ64』に比類し得る完成度として評価されている。
  • 奇遇にも、本作の日本語版と同じ月には本家ヨッシーシリーズの最新作である『ヨッシーストーリー』も発売されている。
    • 何の因果か、こちらもまた商業的成功に対して厳しい評価に晒されてしまった。
  • ゲームの舞台は、サイパンの近くにあるロタ島とされている。
    • 現地のマリアナ政府は本作とタイアップを行なっており*6、観光グッズや旅行がプレゼントされる企画が行われていた。
  • スタッフのミスにより、どうあがいても達成度が100%にならない。
    • 本作のゲーム達成度は真のラスボスを倒す事で4%加算されるようなのだが、その後はエンディングを挟んでタイトルに戻ってしまうため、セーブできずに96%で止まってしまう。

その後の展開

  • 2年後には続編2作『CROC 2』が発売された。プラットフォームはPS/Windows/GBC*7。日本でもコーエーからPS版が『クロック アドベンチャー』のタイトルで1999年9月2日に発売されている。
    • 海外のみだがデベロッパー/パブリッシャーが異なる『CROC』(GBC)も2000年に発売されている。また、携帯アプリ用ソフトも3本が発売された。
    • PlayStation 2とXboxとニンテンドーゲームキューブで続編3作の『CROC 3: STONE OF THE GOBBOS』を開発していたようだが開発中止となってしまった。開発中止理由は以下の項目のアルゴノート社の経営悪化による倒産の事情が影響している。
  • 任天堂との関係が途絶えたアルゴノート社はその後もいくつかのヒット作を生み出したが、経営難により、2004年10月に従業員約100人を解雇。同時にDavid Rubin & Partners*8によって経営立て直しのため会社は売りに出された。翌2005年、営業利益と資金繰りの回復が見込めず会社は清算手続きに入り、2007年初頭の清算手続きの完了を以て会社組織は解散。1982年の創業から20年近くゲーム開発を手掛けた企業の歴史に終止符が打たれた。
  • 倒産後アルゴノート社の資産をZenimax Mediaが取得したため、『クロック』シリーズの権利はZenimax Mediaが所有する事となった。Zenimax Mediaはアルゴノート社の倒産で開発中止となった『クロック』の3作目『CROC 3: STONE OF THE GOBBOS』の開発を子会社のMud Duck Productions*9に代行させる形で開発を続行させるも進捗は困難を極め、2005年に開発が中止となり、その後も続編の開発を模索するも現在にいたるまで何らかのアナウンスすらも無い模様。
    • 2024年2月現在、これらのCROC 3: STONE OF THE GOBBOSに関する情報はデマであることが確認されており、CROC3は元から存在しない(企画自体されていなかった)ことが判明している。「クロックシリーズのIPを、Zenimax Mediaは所有していない」とZenimax Mediaの子会社であるベセスダ・ソフトワークスがメールで否定しており、クロックのゲーム開発者(コンセプトデザイナー)だったStory Boxがアルゴノート・ソフトウェアの元代表であるJez Sanと連絡を取っており、それによると「Croc3の情報は誤りである」と証言している。また、Jez San本人により「クロックシリーズのIPは現在でも所有している」「次期タイトルにはクロックを使う予定だった*10」と主張されている。 それらの証言をまとめているサイト
    • 最後の開発作品は2004年に発売されたEA UKとの共同開発作である『CATWOMAN』*11(PS2/GC/Xbox/Win)*12
  • 任天堂との関係は完全に絶たれた訳ではなく、かつての主要スタッフが『X-RETURNS』や『スターフォックス64 3D』の開発に関わっている。
  • また、開発者の多くは2004年12月にアルゴノートの元社員が設立したRockSteady Studios*13や当時アルゴノートの子会社であったNinja Theory*14などに移籍している。

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最終更新:2024年02月11日 20:43

*1 日本の発売元。原語版はFox Interactiveから発売された。

*2 後に「アルゴノート・ゲームス」に改名した。

*3 任天堂の公式見解では無く、あくまで『Yoshi Racing』開発者の主張である点に注意。

*4 スティックを使わず、キー操作でジャンプしながら左右移動すれば良い。

*5 汎用のフォントが用意されていないだけなので、島の名前表示などフォントを独自に書き下ろした箇所は平仮名も併用されている。

*6 日本語版説明書で確認可能。海外でも行われていたかどうかは不明。

*7 GBC版のみ開発はナツメが担当。

*8 同社の破産管財人でもある。

*9 (2002年から2007年まで存続していた子会社。

*10 この主張当時、Jez SanはPKRというオンラインポーカーの開発・経営をしており、その登場キャラクターとして使う予定であったと思われる(CROC3、またはそれに近しい物を作るという意味では無い可能性が高い)

*11 「BATMAN」に登場するヴィランの1人であるキャットウーマンを題材にした、2004年公開の同名映画のゲーム化作品。

*12 GBA版もあるが開発は別のデベロッパー。

*13 後に『BATMAN:Arkhamシリーズ』を手掛けた。現在はワーナー傘下のデベロッパー。

*14 当時の社名は「Just Add Monsters」。アルゴノートの経営難が発覚した2004年に独立。独立と同時に現在の社名に変更している。その後、2018年のマイクロソフトの買収によりXbox Game Studiosの傘下となった。