【ぱろでぃうす たこはちきゅうをすくう】
ジャンル | シューティング | ||
対応機種 | MSX | ||
メディア | 1Mbitロムカセット | ||
発売元・開発元 | コナミ | ||
発売日 | 1988年4月28日 | ||
定価 | 5,800円 | ||
プレイ人数 | 1~2人 | ||
レーティング | Wii/WiiU | CERO:A(全年齢対象)(*1) | |
配信 | WiiVC | 2010年1月12日(配信終了)/800Wiiポイント | |
WiiUVC | 2013年12月25日/762円(税別) | ||
EGG | 2014年4月11日/月額500円+コンテンツ購入550円(税込) | ||
備考 |
・移植版はいずれも他作品とまとめて収録 ・WiiVC・WiiUVCは配信終了 |
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判定 | 良作 | ||
バカゲー | |||
ポイント |
知る人ぞ知る……もとい本当に知ってる人が少ないパロディウスシリーズ初作品 シリーズお馴染みのギャグ要素・ゲームシステムはこの作品でほぼ確立 すべてのギャグ要素がコテコテの関西ノリ |
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グラディウスシリーズ |
わては、バグだけは のこしたらあかんのや。
時としてバグは、どないなもんよりも
つろう、悲しい。
せやかて、バグこそが
あたらしい プログラムを
食いつぶしてしまいよんねんから。
タコの日記より(*2)
『パロディウスシリーズ』の元祖であり『グラディウス』の自社パロディでもある、MSX版で発売された横スクロールシューティング。
MSX版『グラディウス2』をベースに当時のコナミ作品のキャラクターや『ツインビー』シリーズのベルシステム、さらには様々なパロディ要素を取り入れたギャグ満載のシューティングとなっている。
元々は「MSX版『沙羅曼蛇』開発の合間に冗談のつもりで製品に入れられないようなゲームを気分転換に作っていた作品」(*3)であり、それをそのまま1本のゲームとして販売したのが本作である。
わては タコだす。わてのしごとは『夢と希望プログラマー』だす。
宇宙を旅しながら いろんな星の人に『夢』ちゅーもんを あたえとりまんのだす。
わての宿敵は『バグ』いうねん。
一生けんめいプログラミングしてこさえた わての夢を 平気で食いつぶしよる。
ほんま 許されへんやっちゃ!
そのバグが どうやら小惑星帯に本拠地をかまえ、地球人の夢をうばっとるらしい。
そういうたら最近の地球人のプッツン!
あれはどない考えてもバグの仕業やで。
そないなわけで、わてをふくめた5人のスペースファイターが地球人の夢をとりもどすため
小惑星帯に向けて、飛び立ったんや。
このゲーム あんまし マジメに せんほうがええで。(*4)
(※ デモ画面より抜粋)
パワーアップ名 | 『グラ2』での名称 | パワーアップ効果 |
速うなんで! | SPEED | 自機の移動スピードが速くなる。『グラディウス2』と違いスピードの数値は確認できない。 |
ミサイルや! | MISSILE | 斜め下方向に地を這うミサイルが撃てるようになる。 |
上付ダブル? | DOUBLE | 前方と斜め上のショットが同時発射されるようになる。「多い日も安心」と併用不可。 |
多い日も安心 | LASER | ショットに代わりレーザーを撃てるようになる。「上付ダブル?」と併用不可。 |
分身の術や! | OPTION | オプションをつけることができる。最大2個まで。 |
何~やそれ! | (なし) | 取得したと同時に警告音が鳴り、取得していた武器がすべて没収される。 |
バ~リアッ! | FORCE FILED | 自機前方にバリアを展開する。バリアのグラフィックは選んだキャラクターによって変化するが、効果はすべて同一。 |
追加パワーアップ
本作では『グラディウス』には無い独自のゲームシステムが採用されている。
原作のゲージシステムをパワーアップ「並」として扱い、その上で(本作においては)上位に値する「大」と「特大」(*6)が追加された。
また、これらの要素は後作でもある『パロディウスだ! ~神話からお笑いへ~』(以下、『パロディウスだ!』)に一部変更を加えて採用されている。
ベルの色 | 効果名 | ベルの効果 |
黄色 | (効果名なし) |
画面内にいる敵が全滅する。(※ 一部敵・ボスは除く) 『グラディウス』シリーズの青カプセルと同じ効果。 |
白色 | ヨコワープ | 画面を横切ってワープすることができる。 |
淡い緑 | タテワープ | 縦方向にワープできるようになる。 |
水色 | 時間よ止まれ! | 敵の動きが完全に止まる。 |
紫色 | 菊一文字や! |
画面内に1つ爆弾を設置できるようになる。その爆弾と同じ高さに到達した敵が消滅する。 『パロディウスだ!』にも同一名称のベルパワーがあるが仕様が全く違う。 |
水色 | いたずらドリル |
自機がドリルになり、敵・敵弾・一部の破壊可能な地形(つぶつぶ石)を破壊できる、言わば無敵状態となる。 『パロディウスだ!』の巨大化に似た効果だが、ショットが撃てたり他のベルが取れたり破壊不可能な障害物に当たるとミス扱いになるなどの違いがある。 |
緑色 | 上向レーザ |
通常の武器と同時に上方に拡散するレーザーが発射される。 『グラディウス2』のアップレーザー#2と同じ武装だが、こちらは上付きダブル(ダブル)と併用が可能。 |
赤色 | 前向レーザ | ショット攻撃が拡散レーザーになる。『グラディウス2』のベクトルレーザーと同じ。 |
その他の独自システム
カプセルの色 | カプセルの効果 |
黄色 |
スコアを獲得できる。初獲得時は100点だが、一定時間内にカプセルを取得し続けると獲得スコアが段階的にアップする。 最大1個獲得ごとに10000点まで上がる。また、場所によっては画面内に存在する限り無限に獲得できるカプセルが存在する。 |
緑色 | 1UP。獲得した時点で残機が1機増える。最大99機まで獲得が可能。 |
青色 |
「下付ダブル」という特殊な武装が追加される。通常のダブルとは違いレーザーと併用が可能。 『グラディウス』シリーズの青色カプセルは敵を全滅する効果だったが、本作において同じ効果はパワーアップ「特大」の黄色ベルに割り当てられている。 |
白色 | 「いたずらドリル」に変化する。パワーアップ「特大」の水色ベルパワーと同じ効果。 |
「開発陣のストレス解消」が目的として作られた作品を1本のゲームとしてリリースした時点でギャグでしかない本作ではあるが、その経緯からは想像できない程クオリティが高く面白いゲームとして仕上がっており、「ギャグシューティング」の名に恥じず、かつコナミ製のシューティングとしてもユーザーが満足できるクオリティとなっている。
パロディウスシリーズにおいて『パロディウスだ!』以降しか知らないユーザーも十分楽しめる逸品となっているので、機会があれば是非とも遊んで欲しい。
知名度の関係もあり、販売から初移植までおおよそ10年近くかかるほど移植に恵まれなかった本作だが、2022年現在では移植は多数存在する。
*1 MSXリリース時はレーティング制度が存在していなかったため無し
*2 デモ画面より。この文章自体が『グラディウス2』の「惑星グラディウス史記XIII 序文」のパロディ
*3 週刊アスキー2014年11月13日掲載「MSX30周年記念記事『スロット&スプライト』」最終回より。
*4 デモ画面の最後に本当にそのまま表示される。
*5 他にはSFC版『グラディウスIII』、WiiWareの『グラディウスリバース』でも本作の仕様と同じエキストラステージが採用されている。
*6 それぞれ説明書より抜粋。ゲーム中には記載されていない。
*7 『パロディウスだ!』以降のルーレットシステムは空のゲージを当てた場合、選択した先にあるパワーアップ可能なゲージが適用される。
*8 後に「ペン太」と名付けられるが、当時は「ペンギン」のままだった。
*9 『グラディウス』シリーズで主に活躍する戦闘機の名前は「ビッ“ク”バイパー」である。誤字なのか意図的なのかは不明だが、次回作以降では「ビックバイパー」に修正されている。
*10 ザコと同じサイズのボスが現れるのだが、その攻撃がボスの倍以上のサイズのレーザーを撃ってくるというもの。そのデザインから予想できない攻撃のため初見殺しとなってしまっている。
*11 無敵になれる「いたずらドリル」が存在するが、これは障害物を貫通できないため意味が無い
*12 MSX2には縦方向のスクロール機能があり、MSX2+とMSXturboRには縦横両方向のスクロール機能があるのだが、『MSX用』として製作する以上、この問題は避けられない。
*13 『ライフフォース』や『ゴーファーの野望 エピソードII』などの一部のゲームを除き、『グラディウス』シリーズのパワーアップの並び順はSPEEDからOPTIONまですべて同じである。
*14 とあるレビュー記事で「3回連続で負けた」という報告もあるほど。
*15 一応自機側にはあるが、「ぼ」「ん」「ぶ」「!」に統一されてしまった。
*16 MSXも『パソコン』なのでキーボードは標準装備。コンティニューは「ゲームオーバー時にキーボードのF5キーを押す」、裏技は「キーボードのF1キーでポーズを行った上で文字を直接入力する」。
*17 カートリッジスロットが2つあるMSXでは、1つ目のスロットに『グラディウス2』を、2つ目のスロットに『夢大陸アドベンチャー』を挿して起動すると『グラディウス2』の自機がペンギンになる。
*18 このネタは『夢大陸アドベンチャー』の一部演出でも採用されている。