コードギアス 反逆のルルーシュ

【こーどぎあす はんぎゃくのるるーしゅ】

ジャンル ギアスRPG
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 トムクリエイト
発売日 2007年10月25日
定価 4,800円(税抜)
プレイ人数 1人
セーブデータ 2個
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
判定 良作
ポイント アニメ第一期を追体験
ぶっ飛んだifストーリー
コードギアスシリーズ
反逆のルルーシュ / LOST COLORS / R2 盤上のギアス劇場


概要

TVアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』から始まる『コードギアス』シリーズの初ゲーム作品。
本作はアニメ第一期のストーリーをなぞる形で進行するRPGであり、第一期最終話までの展開を殆ど網羅している。

当時、コードギアスのゲーム化プロジェクトとして、新作ゲームがPS2、PSP、DSの3ハードで発売されることが発表された。
その中でPS2とPSP用ソフトはオリジナルADV『コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS』として翌年に発売される事になるが
最初にリリースされたDS用ソフトである本作は、タイトル通り原作アニメそのもののゲーム化に近い作りとなっている。

特徴

  • マップ上のキャラを操作して進み、イベントを起こしたり敵を倒しながら進むオーソドックスなRPG。ゲーム画面は同じくトムクリエイトが関わった『ゼノサーガI・II』に近い。
    • ストーリーは章仕立てで、章毎のミッションをクリアすることでゲームを進行させていく。各話のタイトル表示は原作の演出が用いられている。
    • 主人公は原作同様にルルーシュだが操作キャラは一定ではなく、寧ろ原作の展開上ゲーム中ではカレンなど別キャラクターを操作する機会が多い。
    • 市街戦などの作戦行動中は迷路のようなマップを歩く事になるが、ゼロ(ルルーシュ)が行き先の指示を出してくれる。順路を外れると「そちらではない!」「戻れ!」と言われるが、敢えて無視して行動する事も可能。この場合のみ手に入るアイテムも存在するが、当然ながら強敵と遭遇したり道に迷ったり、そもそも作戦が失敗するなどのリスクも伴う。
    • 戦闘を伴うシーンばかりではないので、シャーリーのような非戦闘員を操作するパートもある。
  • 相手にギアスを掛けるシーンでは複数の選択肢がタッチスクリーンに表示され、掛けたいギアスをタッチするか、マイクに向かって話すと発動する。
    • 基本は原作通りに選択すれば問題は無いが、敢えて違うギアスを掛けると異なった展開を見せる事もある。場合によってはバッドエンドになる事も…。
  • 戦闘はナイトメアフレーム(KMF)に搭乗して行う。
    • 攻撃を当てたりダメージを受けると、機体毎のスキル発動に使う「DG(ドライブゲージ)」が三本まで溜まっていく。
      • スキルはレベル1~3まであり、発動にはスキルレベル分のDGを消費する。高いレベルほどDG消費が多く高性能となる。
      • DGは敵にとどめを刺した者*1は一本分ボーナスで得ることができる。このため、誰にとどめを刺させるか、或いはスキルで一気に蹴散らしてDG回復も行うなどの戦法が取れる。
    • ターン制だが、行動順は運動性に加えて行動内容でも前後する。基本的に、強力なスキルを使うほど行動順が遅くなる。行動順は「BTS(BATTLE TIME SEQUENCE)」というゲージで下画面に表示される。
      • 「味方→敵→味方」ではなく「味方→味方」と、同陣営のキャラの行動が連続して且つ同じ敵を狙っている場合、コンボが発生する。コンボ中は攻撃力やDG上昇率が上がる。
      • 強いスキルほど行動順が遅くなるのは敵も同様。BTSを見て敵の行動を予測する事も重要である。
    • 味方の行動時、そのターン中に他の味方の行動がまだ控えている場合は援護要請が行える。
      • DSのマイクに向かって仲間の名前を呼ぶことで行動順やターゲットを無視してその仲間にコンボを繋ぐことが可能。
      • 更に援護要請の特徴として、そのターンの行動が既に終了した仲間にすらコンボが繋げる。即ち、1ターン中に再行動が可能となる。但し、行動終了した仲間を呼ぶとDGを一本消費する。基本的にレベル1スキルでコンボに加わるが、専用スキルを持つ者もいる。
  • 今作の宝箱はピザの箱。戦場にポツンと置かれたピザ箱にKMFのパーツが入っていたりするのだからかなりシュール。
    • そしてパラメーターアップアイテムは案の定ピザというC.C.大歓喜仕様。しかもパラメーターに応じて様々なピザが存在する。何故パイロットがピザを食うとナイトメアも強化されるのか、気にしたら負けである…。
  • 次のミッション(エピソード)を選択する画面に移る事もある。ミッションに応じて難易度が異なる。
    • 一定数のミッションをクリアするとストーリーが進行するため、選択可能なミッションの全てを巡る事はできない。
    • 特定のミッションをクリアすることで出現するミッションもある。
  • セーブデータを読み込むと、作中の登場人物と会話することができる。
    • 最初期を除き、誰が出てくるかはランダム。また、起動した時間帯に応じて会話内容も変化する。深夜に起動するとスザクに心配されたり、早朝だと起き抜けで寝ぼけたカレンが出てきたり、など。
    • 時には本編で使用可能なアイテムがもらえることもある。
    • 勿論、会話せずゲームを始めることも可能。
  • プレイヤー自身もパーソナルキャラクターとして黒の騎士団に入団する。
    • ストーリーが進むと、プレイヤー自身に相当するオリジナルキャラが仲間になる。あくまで脇役の一団員であり、ストーリーには特に絡まない。
      • しかし起動時の会話はこのキャラの立場で行う事になるため、完全に空気という訳ではない。一団員の割にはブリタニア皇族や無関係の相手すらも親しげに話し掛けてくるが。
    • 名前はDSに登録しているもの*2が選ばれるが、再入力も可能。性別は選択する。キャラの外見と性格はニューゲーム時のDS本体の背景色に応じて決まる。
    • このパーソナルキャラはすれちがい通信で他のプレイヤーに送信することも可能。

評価点

  • アニメ第一期のストーリーがほとんど収録されている。
    • ダイジェスト形式ではなく、アドベンチャーパートとRPGパートでしっかりとストーリーが表現されている。
    • もちろん省かれている箇所もあるが主要なエピソードは大体網羅されており、これだけでも第一期のストーリーが楽しめるほど。
      • 一部のシーンはゲームに合わせて変更されている。中には強引な改変もあるものの、大抵はアニメと見比べなければあまり違和感はない*3*4
    • キャラの立ち絵は原作アニメと同様のグラフィックで、イベントスチルとカットインにもアニメのシーンがそのまま流用されているので違和感は全く無い。
    • ミッション選択画面の存在により、エピソード順が原作通りではなく前後してしまう事もあるが、その場合も単に入れ替わるだけではなくそれに応じて細部の台詞が変化する仕掛けもあるため、違和感は抑えられている。
    • ボイスはルルーシュ(CV:福山潤)、C.C.(CV:ゆかな)、スザク(CV:櫻井孝宏)、カレン(CV:小清水亜美*5)の4人だけだが、それだけにこの4人のボイス量は多めで、原作で印象的だった台詞はしっかりその場で喋ってくれる。勿論、本作限定の台詞も多数。
    • シャーリーを操作して学園を探索するという少々オリジナル色の強いエピソードもあるが、ここでも扉越しにC.C.を目撃するというゲームならではの小イベントが用意されている。スピンオフや後の作品(劇場版)では珍しくないが、当時の本筋の流れでシャーリーがC.C.の存在を知るのは極めて稀。また、ここで原作での「C.C.がCの世界と会話する」シーンを入れ込んでおり、シーンの使い方も巧み。
      • また、2周目以降のみだがこのエピソードは後のストーリーがシャーリー関連のミッションに変化するフラグになっている*6
      • この他にもサブイベントにて原作の小エピソードが盛り込まれている場合が多く、ファンは発見する楽しみもある。
  • ストーリーの細かい分岐や隠しイベントが多く、後述のifルートも加えて何度も楽しめる。
    • シナリオ達成率もあり、コンプリートを目指す楽しみもあるがその難易度はかなり高い。
  • イベントスチルが豊富
    • アニメの流用故、膨大なイベントスチルが収録されており、更にカットインの演出も多いため、静止画ながらアニメ本編の雰囲気をしっかり味わえる。
    • しかもこれらスチルは全て下画面用の壁紙として設定可能。その種類は560を超える。お気に入りのシーンをいつも表示させたり、敢えてミスマッチなシーンを持ってきてシュールさを演出するなどと言ったこともできる。
    • 中には完全なアニメの流用ではなく、ゲームに合わせて手が加えられているスチルもある。
  • 驚愕の周回プレイ
    • エンディングを迎えるとレベルとアイテムを引き継いで(パーソナルキャラ以外のKMFはリセット)次の周に挑めるのだが、2周目になるとオリジナルキャラが登場し、目に見えて原作とストーリーが変わってくる。
+ 特に大きなストーリーの改変
  • まず、序盤にオリキャラがジェレミアを操ってコーネリアを殺害し、総督の座を奪い取るというトンデモ展開を迎える。
    • 以降はこのオリキャラが敵役として君臨することになるため、全体の雰囲気も変化する。かなり好き放題に振る舞っているが、このオリキャラは「ブリタニア第15皇子」という設定で更にギアス能力者であるため、関係ないキャラが捻じ込まれた感はほぼ無い。
  • スザクにギアスを掛けるシーンでは「生きろ」ではなくストレートに「仲間になれ」と命令ができる。結果、スザクを本当に黒の騎士団に引き込むことに。
  • V.V.によってユーフェミアが人間を昏倒させる「昏倒病ギアス」に覚醒し、ルルーシュではなくオリキャラのギアスで暴走する。
    • 展開によってはそのまま倒して原作同様にルルーシュの手で殺すことになってしまうが、スザクがいた場合は愛の力でギアスを打ち破り、救出することができる。
      • 逆にここでスザクの進言を却下してユーフェミアを撃破すると、スザクが自分に掛けられたギアスを打ち破って襲ってくるので、彼まで倒す羽目に。
      • 本作のシステム上ユーフェミアもKMFに搭乗するのだが、その専用機は ピンクのグロースター 『R2』のランスロット・フロンティアに先駆けたカラーリングである。
    • この影響か原作最大の悲劇「ユーフェミアの虐殺」はルルーシュのギアスの暴走ではなくオリキャラ自身が意図的に起こし、ルルーシュは純粋にその阻止に動くため、原作のような辛さは無い。
  • そしてラストはルルーシュが戦場を離れることなく、仲間達と共に政庁にてオリジナルのラスボスと対決するという、実に王道のクライマックス。
    • このラストバトル後半では「二体のKMFが合体して神々しいラスボスに変形する」というロマン溢れる展開が待っている。バトルフィールドもまさかの場所でラスボス感も溢れまくりである。
    • 他にも、1周目ラスボスのジークフリートには無かった専用BGMが第一・第二形態それぞれに用意されている、一部キャラを参加させると専用のセリフが入る、などラスボスらしい演出がこれでもかと詰め込まれている。
  • 2周目でもすでにぶっ飛んでいるが、3周目になると…。
    • 原作では早々に退場したクロヴィスや最後まで敵対していたコーネリアにまで「仲間になれ」のギアスを掛けることができる。クロヴィスは結局殺されてしまうが、2周目で死亡していたコーネリアは殺されずに仲間になる。黒の騎士団の作戦の多くに皇女殿下が参戦するという凄まじい光景に。また「クロヴィスがルルーシュ以外に殺される」という点が後々意味を持ってくる。
    • そして終盤にはコーネリアを操作してユーフェミア救出に向かうエピソードがあり、救出に成功するとユーフェミアを連れ出して仲間に加えることになる。しかもダールトンとギルフォード付き。
      • ここでユーフェミアを仲間にして且つスザクに「仲間になれ」のギアスを掛けていないと、仇を取るべく追ってきたスザクが実は生きていたユーフェミアと感動の再会を果たして仲間になるという、これまた粋なイベントが用意されている。
        尚、この際に表示されるスチルは正史でスザクがユーフェミアを看取るシーンの流用なのだが、シチュエーションがしっかり合致しており、状況は正反対なのに違和感が無い。
    • その一方、ユーフェミア救出時に別の部屋に入るとオレンジことジェレミアを連れ出せる。彼は原作では『R2』で仲間になる訳だが、本作では第一期終盤の言動がおかしい状態で仲間できるため、「おおッ!!自由だッ!!この『ニュー・ジェレミア』!!戦える!!あなたォオ~倒せるッ!!」などと口走る。
      • しかしジェレミア自身のパラメーターは高いが、初期機体はまさかの無改造サザーランド。原作通りと言えば通りだが…。
      • ちなみにこの流れでジェレミアを仲間にすると、ユーフェミアが代わりにジークフリートで暴走する。しかもその「ジークフリート改」はやっぱり ピンク 。そこまでピンクにこだわる理由とは…。
  • 4周目からはオリキャラが退場する選択肢が選べるようになり、1周目と同じ正規ルートに戻す事もできる。
    • また、ifルートでも「スザクを仲間にせずユーフェミアを倒した」展開にすると、ラスボス撃破後にスザクが乱入して無理矢理アニメ最終回のラストシーンに持っていき、正規ルートと同じエンディングになる(しかも政庁にいたはずなのに原作通り神根島に飛ばされる)。
  • 尚、2周目以降でも本流の補完的な要素は存在する。例えばC.C.が会話をしていた「Cの世界」側の台詞は原作同様に一切聞こえないが、2周目以降ではちゃんとテキストで表示される。地味に『R2』への伏線を張っている。
    • また、第一期では後ろ姿が映るだけだった星刻は2周目では『R2』に先駆けて台詞が存在し、名前も先行登場している。
    • 一方、上記でも少し触れたがシャーリー関連のエピソード(原作の「シャーリー と 銃口」前後)は2周目以降限定の隠しイベント扱いとなっている。
  • 2周目以降はナリタ攻防戦というかなり早い段階でガウェインが入手できる。藤堂を救出するシーンのスチルでは、通常ならアニメの映像通りルルーシュ機は無頼なのだが、このためにわざわざガウェインになっている差分を新規に作成する凝りようである。
    • この場合本来のガウェイン奪取のシーンではバトレーがガウェインに乗って襲ってくるため、ガウェインVSガウェインというトンデモバトルが繰り広げられる。
  • ぶっ飛んだバッドエンドの数々
    • 本作は選択やギアスのミスによるバッドエンドが存在するが、これまた原作を知る人間からすればぶっ飛んだものばかり。
    • 原作で阻止したことを阻止出来なかった、または敢えて阻止しなかった場合の展開も作り込まれている。
    • ハズレ選択肢の中には、原作既知の人ならすぐに気付くものは勿論、「黙って射殺される」「自分から正体を暴露する」など未視聴者にとってもあからさまなものも存在する。それらを選ぶとC.C.より「これくらい普通わかるだろ」「ちゃんとやれ」とお叱りを受ける。
+ バッドエンドの例
  • ナナリーにC.C.を「新しいお母様だよ」と紹介する⇒ナナリーが発狂して飛び降り自殺。ルルーシュも後を追って拳銃自殺
  • シャーリーに「俺を忘れろ」ではなく「全て忘れろ」とギアスを掛ける⇒廃人化したシャーリーを育てることにルルーシュは一生を捧げる。
  • カレンのスザク暗殺阻止失敗⇒カレンは返り討ちに遭い、そのまま捕まって素性が洗いざらいばれ、仮面を隠す暇もないまま一斉捜索でゼロの正体も暴かれる。
  • シャーリーがヴィレッタを撃つシーンで撃たない⇒ルルーシュは捕まり、シャーリーの家は貴族になる。ルルーシュを匿った罪でミレイの一家も捕まったことでアッシュフォード学園はフェネット学園に。
  • マオの元に辿り着くのが遅れる⇒C.C.は既にバラバラにされてトランクに詰められており、ルルーシュはC.C.を取り戻すために旅に出る
    • なお、この場合はそのC.C.からチャンスがもらえるので直前からやり直せる。またハズレのマップには有用なアイテムが存在するので、敢えて一度はC.C.にバラバラになってもらうのも…
  • ゲームオーバー扱いにはならないが、展開次第ではブラックリベリオン時にニーナがフレイヤ核弾頭で本当に自爆してしまう、という 自業自得な 結末も。
    • 原作ではニーナの行動の行方は曖昧なまま終わったが、本作の2周目以降では咲世子が起爆を止める様子が明確に描かれている。尤も、選択次第では前述のように逆に起爆させてしまうが…。
  • RPGとしても作り込まれている。
    • 戦闘はシンプルながら戦略性があり、相応の歯応えも味わえるようになっている。前半の戦闘の難易度は低めだが、後半からは敵も手強くなってくる。
    • 演出はスーパーロボット大戦シリーズに近く、攻撃時や被弾時にキャラのセリフが表示される。躍動感のある演出も相俟って盛り上がる。
    • 戦闘メンバーは黒の騎士団や四聖剣も網羅している。原作で出番の多かった扇や玉城、藤堂などはもちろん、モブに近い扱いで最後は戦死してしまった井上や吉田、『R2』最序盤で死亡する卜部に仙波などもしっかりパーティに加えて鍛えることができる。
      • そして2周目以降は本来仲間にならない面々を仲間にでき、原作では有り得ない黒の騎士団を結成できる。こういったifも魅力の一つだろう。
  • BGMも作風に合った曲が揃っており、原作の雰囲気が再現されている。
    • オリジナルBGM以外にアニメの曲も使用されており、こちらもRPGのBGMとして違和感無く中に溶け込んでいる。
  • 様々なギアスを掛けられる。
    • 原作のように「死ね」「見逃せ」「忘れろ」「従え」と言ったものばかりではなく、「眠れ」「踊れ」「家に帰れ」と言った一風変わったギアスを掛ける事もできる。中には「記憶喪失になれ」「永遠に眠れ」など結構エグい命令も。
    • 原作に絡んだ小ネタもあり、毎日壁に印を付けるように命令された女子生徒(俗にいう「壁子」)に実際にギアスを掛ける場面が描かれる、ギアスの効果を確かめるために試験範囲を聞いた教師に後日またギアスを掛けようとして失敗する、カレンを尋問する場面で昼食のメニューを聞く、などファンを思わず笑わせる要素もあり、ネタとしても使える。
      • 「ギアスは同じ人間に二度は効かない」の検証のために教師ではなくこの「壁子」を利用する事も可能で、その場合は教師に別のギアスを掛ける事になる。こう言った細かい差分も作り込まれている。
  • 起動時の挨拶が細かく作り込まれており、キャラとのやりとりも楽しい。
    • ルルーシュ、C.C.、スザクと言ったメインキャラばかりではなく、実に多くのキャラが登場する。黒の騎士団や生徒会、ブリタニア軍の面々はおろか第一期では殆ど出番のない神楽耶に、宿敵であるブリタニア皇帝までも登場し、選択肢付きでやり取りができる。
      • ジェレミアは オレンジ色でオレンジの香りのハンカチ を自慢する会話がある。こんなところまでも弄られ…いや、愛されているオレンジ卿である。
    • C.C.に服をプレゼントして着てもらう、ミレイ会長にイベントの提案をしたら別のキャラがその被害に遭う*7など、ちょっとしたお遊び要素もある。
      • 基本的に本編とは関係ないお喋りだが、ディートハルトは僅かながら攻略上のヒントをくれることがある。
    • 誕生日として設定した日に起動すれば、登場人物からお祝いの言葉が貰える。ルルーシュ達に至っては声付きである。
    • このシーンの選択肢は実際にキャラと会話している気分を味わうためか、一部を除いてマイクで入力も可能になっている。
    • 選択肢の中にはさっさとゲームを始める「ゲームスタート」もある。会話を始めたものの、選びづらい選択肢しか無い時などに有難い。
  • KMF編成の自由度
    • 改造によって様々な機体に進化させられ、かなり大掛かりな系統図で参照することができる。コンプリートの楽しみもある。
    • 基本的にグラスゴー系*8とサザーランド系に分けられるが、中盤には原作通り黒の騎士団メンバーはサザーランドから無頼に乗り換えるので、グラスゴー系の改造がメインになる*9
      • しかし2周目以降はメンバー毎に「無頼に乗り換えるかサザーランドのままか」が選択できる。性能だけを見ればストーリー通り無頼に乗り換えるべきだが、サザーランドの上位機であるグロースター系は強力な機体が多いし、単純にサザーランドの方が好きだという人も好みも反映させられる。編成の自由度が高めてくれるのは嬉しい配慮である。
      • 有用性は低いが、カレンを紅蓮弐式に乗せないという選択肢も採れる。ストーリーに支障は無いのでご安心を。
    • 改造を極めていくと、巨大鉄球両腕にドリルを装備したロマン機体も所持可能。
    • 紅蓮弐式や月下、グロースターは各系統の上位機になっている関係上、原作での搭乗者以外をこれらの機体に乗せる事もできる。複数の紅蓮弐式を所持したり、グロースターが並ぶ黒の騎士団を組織するなんて事も。

問題点

  • 援護要請には必ず声を出す必要がある。
    • ギアスはタッチでも発動できるが、こちらにそう言った代替機能は無く、キャラの顔をタッチしてもボイス入力がキャンセルされるだけである。
    • 無くてもクリア可能とは言え、これがあると無いでは戦闘の流れが大きく変わるため、声を出し辛い外出先でプレイすると戦闘で不利に。
  • 待機や防御にあたるコマンドが無いため、とどめの一撃でDG回復を狙う際のキャラ調節がし辛い。
  • いつでもセーブ可能故、場所によっては詰みかねないケースもある。
    • 作戦行動中は基本的に補給やパーティ編成が出来ない、更にランダムエンカウントしないマップも多いので、レベルの低い仲間ばかりの序盤では編成次第で却って窮地に立つ事も。
      • カレン、扇は出撃回数が多いので必然的にレベルが上がっていくが、他の騎士団員は人数が多く初期レベルもパラメーターも低いので計画的に運用しないと苦労する。
      • 「コーネリアを撃て」のミッションではカレンチームと扇チームに分かれるのだが、ここではろくにレベルの上がっていない騎士団員を振り分ける上、扇チームは強敵のジェレミア達と戦う羽目になる。すぐに無頼に乗り換えるとは言え、1周目でも少しはサザーランドも強化しておいた方が吉。サザーランド用強化パーツも宝の持ち腐れにならずに済む。
    • ストーリー前半のミッション選択では4ミッション中3ミッションをクリアすると進行するが、うち2ミッションは戦闘の無い日常ミッション。
      • その中の「シャーリーのおしごと」は上述したシャーリー関連のイベントのフラグなのだが、それは2周目以降の話(しかもイベント達成状況によってはフラグも立たない)で、1周目でこのミッションを選ぶと単純に戦闘(レベル上げ)の機会が減って後がきつくなるだけであり、旨味はほぼ皆無。レベル上げを出来る時にしておきたい1周目ではかなりの痛手である。
  • ゲームを開始するといきなりギアスを与えられるシーンから始まる。
    • ルルーシュの日常も、スザクとの再会も、C.C.との出会いも全てカット。他のストーリーは概ね第一期を網羅しているのだが、何故か最初だけ盛大に端折っている。
    • プロローグに時間を掛けず早くゲームを始められるようにという配慮かもしれないが、何故ルルーシュがここにいるのか何が起きているのかが分からないので原作未視聴者は確実に混乱するし、原作視聴者は物足りない。
    • と思いきや、2周目ではちゃんと描かれている。何故これを最も情報が必要なはずの初回プレイ時にカットするのか…。
  • ifルートのエンディングが味気ない。
    • 上述したような(いい意味での)原作崩壊級の展開で盛り上がり、ラストバトルも凝った演出を入れた割にはエンディングは無音の中で短いモノローグが入るだけ。スタッフロールも無く、演出の規模で言えばバッドエンドと大差ない。
    • エンディング自体は「ブラックリベリオンは成功し、合衆国日本が成立。ルルーシュは改めて"ブリタニアをぶっ壊す"ことを決意する」という、所謂「俺たちの戦いはこれからだ」的ではあるが原作第一期では適わなかった理想の終わり方である。ゲーム故のifだとしても、本作の目玉なのだからそれ相応の演出はあっても良さそうなものだが…。
    • 正史ではナナリーが誘拐されて(第一期では)最後まで行方不明のまま終わるが、これがifルートでもそのまま。ifルートなりの結末は用意されておらず、最後のモノローグでも「ナナリーは見つからないままだ」と語られ、『R2』のような続きがある訳でもないのでモヤモヤが残るだけに。
      • 正史では神根島でルルーシュがC.C.の過去を見るシーンがあるが、これはifルートでは政庁の通り道にある部屋を調べた際に発生するサブイベントという、取って付けたような扱いになっている。見なくてもクリア可能だし、見たところでifルートのストーリーには全く関わってこない。
    • また、上述したバッドエンドも基本的に黒地に文字が流れるだけというシンプルさ。内容が内容だけに絵があったらそれはそれで戸惑う気もするが…。
  • 概ね原作を上手く再編したストーリーなのだが、一部再編で無理が生じた箇所がある。
    • シャーリーの記憶をギアスで消すシーンは、原作ではシャーリーはギアスの事を知っているからこそルルーシュが何をしようとしているかを理解し、「ダメッ!!」と叫ぶ。しかし本作ではシャーリーがギアスを知る下りが無く*10、にもかかわらずこの叫びはそのままなので違和感になってしまっている。
    • また、原作で相応に登場していたのに出番を削られたキャラもいる。具体的にはキューエルと千草(記憶を失ったヴィレッタ)。
      • キューエルは何故か出番が全面カットで、彼の役目はヴィレッタが担っている。そのヴィレッタも、そもそも1周目ではシャーリーに撃たれるシーン自体が無く、撃たれたとしても扇に保護されることなく自力で帰還する。記憶喪失にもならないため、千草としては登場しない(しかしゼロの正体だけは都合良く忘れる)。
      • 一応、この二人はロード時の会話画面では姿を見せる。本編に出せなかったからというせめてもの処置だろうか。
  • 容量的に厳しいだろうが、やはりボイスは4人だけでは物足りなさも否めない。
    • 戦闘終了時のボイスはカレンの「イレブンじゃない!日本人だ!」か、ルルーシュの「条件はクリアした」のたった2種類。しかもカレンは黒の騎士団における主力なので、本作の戦闘でもメインを張ることになり、結果として殆どの戦闘で「イレブンじゃ(ry」を聞くことになり、流石に聞き飽きる。
      • 他にボイスのあるC.C.は第一期では単身KMFに乗らなかった通り、本作でもルルーシュと共にガウェインに乗る形でしか戦闘に参加しない。スザクは2周目以降に仲間に出来るが例外的な扱いなのか戦闘ボイスは無し。
    • 一応、OPの幼少期のルルーシュ(CV:大原さやか)は声付きだがアニメの流用らしく、同声優が担当しているミレイも声は無い。
  • 黒の騎士団の主力がカレンというのは原作通りだが、ルルーシュも鍛えておかないと終盤で詰みかねない。
    • というのも、ラストはガウェイン1機での連戦となるからである。いくらガウェインが強力でもパイロットのパラメーターが低ければ辛い戦いになる。
    • 設定上、ルルーシュを鍛えられるシーンが少なく、最終話でもそのような稼ぎ場は無い。そのため、強化を怠った場合はルルーシュにひたすらピザを貪らせると言ったドーピングが必要になる。
  • 表現上仕方ないがフィールド上は人間、戦闘はKMFと決まっているため、場所によっては室内でKMFを乗り回すというトンデモな構図になる。
    • ホテルジャック事件の際も、「隠密行動で通風孔に爆弾を仕掛ける」という展開は原作通りなのだが、ここでも戦闘はKMF(しかも舞台はホテル内)なのでかなり変な事に。「深く考えるな」という事かもしれない。
      • 余談だが、1周目ではスザクがランスロットで出るまでもなく、カレン達が雷光を倒してしまう。ただ、2周目以降は原作通りランスロットを出撃させる選択肢も採れる。
    • 好意的に見れば変に辻褄を合わせようとしてプレイヤーに不利を強いるよりはマシとも言えるが…。

総評

人気作品の初のゲームだがよくあるオリジナルストーリーやスピンオフなどではなく、原作本編を題材に用いた本格RPGであり、
そこにifストーリーなどゲームならではの要素をがっつり盛り込んだ意欲作である。
本編のおさらいをしたい人、ifストーリーを楽しみたい人、ゼロになりたい人、黒の騎士団に入りたい人などなど原作ファンは買って損は無く、
原作未経験者でもアニメに手を出す良い切っ掛けになれる作品だろう。

余談

  • 援護要請では仲間の名前を呼ぶことでコンボを繋げられるが、実は名前以外でも反応する。
    • ルルーシュなら「ゼロ」でも良いし、C.C.が同乗中ならそちらでも良い。しかしそればかりか、「ブリタニア第11皇子」「合衆国日本」といった関連用語、まんま中の人の「福山」、ネタにされている「シスコン」「全力で見逃せ」ですらも反応してしまう。
    • これは他キャラにも見受けられ、カレンなら「シュタットフェルト」「紅月」「グラスゴーの女」は良いとしても、中の人の「小清水」やネタにされる「ブラコン」でも反応し、C.C.に至っては「ピザ」「チーズくん」「毒ガス」などと言ったヒドい呼び方でも反応する。
    • ジェレミアは3周目の終盤という極めて限定的な仲間にも拘わらずやたらと豊富で「オレンジ」は勿論のこと、「おはようございました」「死んでいただけますか」「おおおおオレンジだと」「見えた見えた見えた」でもOK。流石と言うか何と言うか…。
    • 極めつけが朝比奈で、彼は「みくる」でも反応してしまう。ここまでくるとどう考えてもスタッフの悪ノリである。
    • 真面目な所では、パーソナルキャラ(P1)は「ぴーわん」でも「ぴーいち」でも良し。読み方が難しい卜部(うらべ)は「とべ」でも反応したりと、プレイヤーを困らせない配慮もある。
  • 同日には、同じく人気ロボットアニメを原作としたDSソフト『天元突破グレンラガン』が発売されている。
    • こちらも同じく原作アニメに沿ったストーリー展開であり、「ファンを唸らせるif展開が用意されている」「原作再現ながらオリジナルキャラが登場する」「主人公やヒロインなど一部キャラにしか声が無い」などの共通点もある。

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最終更新:2023年11月28日 14:46

*1 コンボの場合、敵のHPをゼロにした者ではなく、最後に攻撃した者が対象となる。

*2 3DSでプレイしている場合も同様。

*3 例えば生徒会メンバーは制服姿の立ち絵しか用意されていないため、ホテルジャック事件の際は電車内での会話では制服姿なのに、事件中は原作通り私服姿のスチルで表示される。これは「現地に着いたらすぐに私服に着替える」と発言させる形でカバーしている。

*4 扇達がゼロと初めて対面するシーンでは原作では列車の窓から街を見せていたが、本作では列車のマップが無いためか鐘楼塔を登らせる形になっており、街も実物ではなく鐘楼塔に飾ってある絵として見せている。

*5 本作のTVCMにも出演しており、アッシュフォード学園の制服(カレン仕様)を着て本作をプレイしている。

*6 問題になったニーナのオ○ニーシーン(を示唆するイベント)もあるのだが、この関係で出くわすのがナナリーからシャーリーになっており、原作以上に気まずい事に。

*7 ピクチャードラマでやっていた男女逆転祭りは「不評だった」という事で提案してもやってくれない。どれも不評だろうというツッコミは禁句。

*8 と言っても純粋なグラスゴーはカレンの初期機だけで、他は無頼系である。

*9 ランスロットとガウェインはどちらにも属さない独立系。

*10 原作と違ってシャーリー関連のエピソードにマオが関わってこないため。また、2周目以降に条件を満たさなければシャーリーの父の死やシャーリーの記憶を消す下りすらも無いまま進む。