※本サイトの執筆ルール上、個人発売のPC版については情報を割愛しています。
Dicey Dungeons
【だいしーだんじょんず】
ジャンル
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ロールプレイング
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対応機種
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Nintendo Switch Xbox One Xbox Series X/S
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メディア
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ダウンロード専売
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発売・開発元
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Distractionware
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発売日
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【Switch】2020年12月16日 【One/XSX】2021年11月11日
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定価
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【Switch】1,520円 【One/XSX】1,500円
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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【Switch】CERO:A(全年齢対象) 【One/XSX】IARC:7+
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判定
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良作
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ポイント
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サイコロを利用するRPG 戦略性の高いゲームシステム ゲームバランスはややゲーマー向け
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概要
『Super Hexagon』や『VVVVVV』の製作者で知られるTerry Cavanagh氏によるローグライトタイプのRPG。
原作はPCゲームであり、Terry Cavanagh氏の個人名義で配信されているが、当Wikiの執筆ルール上PC版は本稿では取り扱わないこととする。
特徴
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エピソードごとに定められたダンジョンを攻略していくデッキ構築型RPG。
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各キャラクターにはそれぞれ6つのエピソードがあり、ルールや戦闘方法がエピソードごとに変化する。
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バトルシステム
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ターンごとに一定数の1~6の目のサイコロが配られる。
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所持している装備にサイコロを置くことで、装備を使用することができる。
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基本的に装備は一度使用するとそのターン中は再使用できない。また装備に置いたサイコロも原則消費される。
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装備には様々な種類があり、サイコロの目がそのまま攻撃力になるもの、奇数や偶数といった特定の数字のサイコロでないと使用できないもの、サイコロの目を調整できるものなど、多岐にわたる。
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これは敵側も同じで、こちらと同様サイコロを使用して攻撃を仕掛けてくる。
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敵のHPを0にすれば勝利、自分のHPが0になるとゲームオーバー。
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ダメージを一定数以上受けるとリミットゲージが溜まり、各キャラごとに用意されたリミットブレイクを使用可能。
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敵を倒すことで経験値とコインが手に入る。
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経験値が一定数溜まるとレベルアップ。レベルアップ時にはHPが全回復して、HPの増加、ターンごとに使用できるサイコロの入手、装備品の支給といった強化が入る。
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コインはダンジョン内にあるショップで装備を購入・強化するために使う。
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ただし、上記のルールは基本的なもので、エピソードによっては特殊なルールでプレイするものもある。
プレイアブルキャラクター
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戦士
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サイコロの目が大きければ有利な最初から使えるキャラクター。
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リミットブレイクの効果は次の行動を2回連続で行える「激怒」。
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1ターンにつき3回までサイコロを振りなおせる特殊能力を持っている。
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盗賊
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敵の装備を使用できる特殊能力を持っている。
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戦士と違ってサイコロの目が小さめな場合に有利な装備を使用できる。
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リミットブレイクは1の目のサイコロが4つ追加される「アンラッキーロール」。
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ロボット
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ターンごとに任意の回数分サイコロを1個ずつ振ることができる。
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振ったサイコロの目の合計値がCPUの数を超過してしまうと、装備が使用不可となってしまうが、合計値がCPUと同数になると、追加効果が使用可能になる。
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リミットブレイクは合計値が確実にCPUと同数になる「オートロール」。
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発明家
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バトルに勝利する度に、使用している装備を強制的にガジェットへと作り変えてしまう。
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ガジェットはサイコロを消費せずに毎ターン使用できるが、新しいガジェットが手に入ると、それまでのガジェットに上書きされてしまう。
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リミットブレイクはサイコロの目を全て6にする「集中」。
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魔女
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魔法書にサイコロを使用すると、サイコロの目に対応した装備が召喚される。
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バトルごとに召喚した装備はリセットされるため、毎回魔法書から装備を召喚する必要がある。
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サイコロを投げて1ダメージを与える「スローダイス」という特殊コマンドが使用可能。
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リミットブレイクは追加でサイコロを3つ振る「水晶玉」。
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ネタバレ
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道化師
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装備がカードゲームのデッキのように所持されており、装備を使用したり捨てる度にデッキから装備が補充される。
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場に同じ装備が2個以上ある場合は、捨ててデッキから別の装備を補充できる。
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リミットブレイクは装備を捨てる代わりにサイコロを消費せずに装備を使用できる「スナップ!」。
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熊
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盗賊が敵の「熊に変身する」スキルをコピーするなどの特殊な条件で変身。そのプレイ中はクリアするかゲームオーバーまで熊になってしまう。クリアした場合は元のプレイヤーキャラとして記録される。
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元の職業の装備品を失う上、状態異常やダイス操作系装備をほとんど使えない代わりに、圧倒的なパワーと耐久力で押し切るゴリ押しキャラ。使用条件が特殊なためかぶっちゃけバランスブレイカー級に強い。
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ショップは利用できなくなるが、なぜか鍛冶屋は利用可能。ただでさえ強い爪を更に研ぎ澄ますことができる。
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リミットブレイクは相手に10ダメージを与える「熊の一撃」。
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全てのキャラクターで6つ目のエピソードをクリアすることで、最後のステージに挑戦することが出来る。
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評価点
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戦略性の高さ。
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後述するように難易度こそやや高めに設定されているものの戦略性はかなり高く、プレイヤーの試行錯誤が反映されるゲームシステムとなっている。
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サイコロの目はランダムであるが、必ずしも「大きい目=強い」「小さい目=ハズレ」というわけではなく、キャラクターや装備によっては小さい目の方が有利な場合もある。
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また、サイコロの目を調整できる装備が多数あるため、運要素も戦略である程度カバーできる。
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リミットブレイクも使いどころを考える必要がある反面、リミットブレイク状態でライフを削られてもゲージが増えない特性上、出し惜しみしても損をするという絶妙なバランス。
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敵を倒してマップに戻った段階でオートセーブが入るため、体力が極端に少ない状態でバトルが終わると詰みの状態になりやすい。ただ勝てばいいのではなく余力を残して勝つことも求められる。
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以上により、本作の戦略性の高さとゲームバランスは良好と言ってよいだろう。
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個性的な敵キャラクターたち。
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ダンジョン内に登場する敵キャラクターも個性豊かで魅力的。
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他のRPGではまず見られない「マシュマロ」や「シンガー」といった変わり種の敵が登場する他、「スライム」がソフトクリームのような見た目をしているなど、全体的にユニークかつ可愛らしいキャラクターデザインをしている。
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敵によっては特定の状態異常に弱かったり強かったりする弱点や耐性といった「特性」がついているものもいる。
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変わったところでは、凍結(サイコロの目を1にする状態異常)攻撃を仕掛けてくる「スノーマン」や「イエティ」は、直接凍結に耐性があるわけではないものの、サイコロの目が1や奇数で使用できる装備で固定されており、間接的に凍結に強いという個性付けがされている。
賛否両論点
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全体的にゲーマー向けのゲームバランス。
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「戦略性の高さ」を評価点として挙げたが、裏を返すと戦略や戦法をしっかりと練る必要があり、ダンジョン内での装備の取捨選択やレベルアップのタイミングといったリソース管理を怠るとゲームクリアまでの道のりは険しくなる。
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序盤の難易度はそこまででもないが、後半のエピソードや特定のプレイアブルキャラクターの難易度はかなり高めに調整されている。
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中でも「魔女」は入手した装備を一度魔法書にセットすると、対応するサイコロの目の入れ替えや装備の交換などができないため、上級者向け。
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「ロボット」も後述するが運要素が多く難易度が高い。
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無論このゲームバランスこそが本作の面白さでもあるのだが、逆に初心者への救済措置のようなものもないため、良くも悪くも頭を使うゲームバランスとなっている。
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最終ステージ解放までの条件が厳しい。
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全エピソードをクリアする必要こそないものの、スキップできるエピソードは各キャラごとに1つだけしかない。
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魔女やロボットなど高難易度のキャラで行き詰まることが多く、評価の高い最終ステージまで辿り着けないプレイヤーも多い。
問題点
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運次第では最善を尽くしてもどうしようもないことがある。
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1~6の目のサイコロが毎ターン配られるというゲームシステム上、当然ではあるが運の要素も若干絡む。
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各キャラごとの6つ目のエピソードでは「階層を降りるごとに特殊ルールが追加される」というものになっているのだが、この追加されるルールがほぼランダムなので、運が悪いと最善を尽くしてもクリアできないこともあり得る。
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キャラクターの1人「ロボット」は基本的なルールにおいては1ターンで使用できるサイコロの数すらも運次第(0個になることも)であり他のキャラと比べても運要素が強い。サイコロを振る度に50%の確率で装備が消失するという尖ったルールのステージもありストレスが溜まりやすい。
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ただし本ゲームは決して運だけのゲームバランスではないことを付け加えておく。特殊ルールや敵の技、登場する装備について学ぶことでクリア率を高められることがこのゲームの醍醐味である。
総評
「サイコロを使用するRPG」という特徴から運要素が強めのゲームに思うかもしれないが、実際にはプレイヤーによる実力と試行錯誤が反映される良好なゲームバランスとなっている。
難易度こそ少々高めに調整されているが、その分ゲームとしてのやりごたえやクリアしたときの達成感はひとしおなので、戦略を練るなど頭を使うゲームが好きな方であれば是非ともプレイして頂きたい。
最終更新:2023年12月29日 20:59