U-EXPLORE SPACE ADVENTURES
【ゆーえくすぷろーすぺーすあどべんちゃー】
ジャンル
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アクションアドベンチャー
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対応機種
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Wii U
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開発元
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Knapknok Games Nifflas
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発売元
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レイニーフロッグ
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発売日
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2015年11月18日
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定価
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1,700円
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プレイ人数
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1~3人
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レーティング
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CERO:B (12歳以上対象)
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備考
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ダウンロード専売 現在は購入不可
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判定
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なし
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ポイント
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Wii Uゲームパッドを活かしたゲームシステム
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概要
デンマークのインディーゲームスタジオであるKnapknok Gamesと
スウェーデンのゲームクリエイターのNifflasによって開発された
Wii U専用のアクションアドベンチャー。ダウンロード専用ソフトである。
最大の特徴はWii Uのゲームパッド自体が宇宙船の操縦装置になっており、これを調節しながらゲームを進める事になる。
ストーリー
U-EXPLOREという会社の宇宙探検に参加した主人公(=プレイヤー)。
しかし主人公の乗った小型宇宙船は未知の惑星へ不時着して遭難。
そこから生還を目指して惑星を探検する。やがて主人公は遺跡へと入り込み、様々な罠に行く手を阻まれる事に…
システム
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ゲーム自体はステージクリア型のアクションアドベンチャー。ゴールにたどり着けばステージクリアとなる。
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テレビ画面には真横視点の2Dステージ。そしてゲームパッドには前述の通り宇宙船の操縦装置が映し出されている。
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テレビ画面を見て宇宙船を操作、しかし途中でさまざまな障害が待ち構えているので必要に応じて適切な操作、及び調節をゲームパッドですることになる。
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一部のこちらを攻撃してくるトラップはセンサーで調べれば何に対して反応するか、そしてその感知範囲を知る事が出来る。その感知範囲を避けて通れるならそれで良し。しかしどうしても範囲内を通過しなければいけない時は、感知されないようゲームパッドで出力を下げる必要がある。
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例えば熱に反応するトラップなら熱を発生させる機能を停止、あるいは出力を下げる事でトラップに感知されないように出来る。
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どのくらいまで下げればいいかもセンサーでわかる。メーターが赤いバーの域に入った状態で感知範囲に入ると攻撃される。
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メーターの部分をタッチすれば出力に関係している機能がどれかが一目でわかる。
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なおWiiリモコン、WiiU PROコントローラーを使っての最大3人での協力プレイも可能。
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宇宙船の機能は最初は限定されていて出来る事は少ないが、ステージが進むにつれて少しずつ解禁されていく。
具体的な宇宙船の機能について
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解説
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スキャナー
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通常時は周囲を照らすライトとして使える。右スティックで向きを変えられる。ZLボタンを押しっぱなしにするとセンサーに変わり仕掛けに当てる事で仕掛けの感知範囲と何に対して反応するかがわかる。
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メーター
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音、熱、電気の3種類が存在し、宇宙船の動かし方に応じてメーターが変動する。メーターをタッチするとそれに対応している機能がわかる。仕掛けをスキャンすると赤いバーが表示され、どのくらいで仕掛けが宇宙船に反応するとわかるようになる。
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照明弾
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ZRボタンを長押ししてから離すと照明弾を放てる。攻撃力は皆無だが当たると一部の仕掛けが反応する。また一部の物体は照明弾を跳ね返す性質を持つ。
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燃料エンジン
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燃料を使用して宇宙船を起動させる事が出来る。本作には燃料切れの概念はないので心配無用。Lボタンで簡単にON/OFFを切り替えられる。
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電気エンジン
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こちらは電気を使用して宇宙船を起動させる事が出来る。燃料エンジンとは発生する音、熱、電気が異なる。Rボタンで簡単にON/OFFを切り替えられる。
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スラスター
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宇宙船のスピードを0~5段階で変えられる。ただし4以上は長く使用すると燃料エンジンの場合オーバーヒートを起こし爆発、ミス扱い。電気エンジンでは過負荷が起こり宇宙船の機能が停止する。こちらは一時的なものでミスにはならない。
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安定装置
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燃料エンジンで動かしている際に、宇宙船の動きのブレを少なく出来る。これも0~5段階で変えられるが、4段階以上で長く使うと過負荷が起こる。
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質量発生装置
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宇宙船の質量を重くする事が出来る。通常宇宙船は水中に潜れないがこれを使用する事で沈む事が出来る。これも0~5段階で変えられるが4段階以上で長く使うとオーバーヒート。
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反重力装置
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使用する事で宇宙船が重力に逆らって浮かび上がる。
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減速装置
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スラスターが使われていない時に宇宙船の速度を下げて空中で静止出来るようになる。
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着陸装置
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3種類の着陸方法が用意されている。普通に着地するソフト。宇宙船を地面に固定できるスティッキー。着陸後、傾斜に沿って移動するスライド。それぞれY、B、Aボタンでも使用可能。
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ヒートシャッター
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使用する事で宇宙船の外部が極度の高温や低温でも内部に影響が出るのを抑える事が出来る。ゼロには出来ない。
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ブースター
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チャージする事で宇宙船を起動させる事なく少しの間宇宙船を動かせる。
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日誌
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新機能の追加、死亡記録といったゲーム中に起きた事が記録される。
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ヘルプ
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各種機能の簡単な説明を確認する事ができる。
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宇宙船を傾ける
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機能とは少し違うが、ゲームパッドを傾ける事で宇宙船そのものを傾ける事が出来る。
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全38面。なお後にアップデートで高難度ステージ5つを追加する「オリジンストーリー」が配信された。
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オリジンストーリーはストーリー要素は何もなく、クリアしても特典はない。純粋に腕に自信がある人へのおまけと考えていいだろう。
評価点
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ゲームパッドを有効活用した特異なゲームシステム。
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テレビに映されたゲーム画面とゲームパッドに映された操縦装置、二つの異なる画面を交互に見ながら進める特異なシステムはまさしく「WiiUでしか実現できない」ゲームであると言えよう。
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ほとんどの機能がゲームパッドをタッチする事でしか動かせない事も大きい。おかげで「宇宙船を操縦している」という気分になれ、ゲームの世界観に入り込む事に一役買っている。
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トラップから攻撃されるとゲームパッドの画面が暗転するという細かい演出も。
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宇宙船の機能がゲーム進行とともに少しずつ増えていくシステム。
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ゲーム開始直後は出来る事が少ないがその分基本的な操作に集中できる。
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ゲームが進むにつれ新しい機能が少しずつ解禁されていく。そして解禁された直後のステージはその新機能を使わないと攻略出来ない作りになっているので嫌でも新機能の使い方を学ぶ事になる。
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最終的には機能の種類はけっこうな数になるが、それらの意味をきちんと理解できる作りになっている点は見事。
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未知の惑星を探索する楽しさ。
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ゲームを進めていくと謎の遺跡に潜り込み、その中にあるさまざまな仕掛けと対峙していく事になる。(きっかけはともかく)未知の惑星を探索する楽しさはあり、この先何があるのかとワクワクさせてくれる。
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リトライが楽。
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攻略する過程で何度もミスをする事になるだろうが、ミスをしても近くの場所から再スタート。ロードも挟まずすぐにリトライできる。
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Miiverseを利用した演出。
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実はある箇所でMiiverseでメッセージを送る機会がある。送ったメッセージはゲーム内に反映される。
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同時に他のプレイヤーが送ったメッセージもいくつか確認できる。これは同じようにメッセージを送っていた他のプレイヤー=他の遭難者が存在しているという事実を示しており、彼らと同じ世界を共有している事に気付かせる演出としても機能している。
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具体的な内容のネタバレ
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最終面のゴールにたどり着くと、救難メッセージをU-EXPLOREに送るという形でMiiverseを使用する。
送った内容はその後のエンディングでU-EXPLOREに実際に届いたメッセージとして登場する。
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Miiverseのメッセージが見られるゲーム自体はそれなりにあるが、ゲーム内の演出として組み込んだ例は珍しく画期的。
賛否両論点
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全体的にかなりクセの強いゲーム。
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扱いの難しいゲームパッドを大きく活用したゲームシステムはWiiUでしか表現できない非常に個性的なゲーム感覚を得られる。まさしく今作のみの魅力。
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しかし一方で「独自性が強すぎるシステム」「難易度も高め」「世界観もブラック」と、どれか一つだけならともかく3つも合わさったせいで、総じてかなりクセの強いゲームになっている。とても万人向けとは言い難い。
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実際もっと明るい世界観には出来たはずであるし、ヒントももう少し欲しかった所。
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欲を言えば、の話になるがゲームパッドのマイク機能に関してはノータッチ。せっかくゲームパッドを大きく活用したシステムなのだからどうせならマイク機能も何らかの形で使ってくれていたら…とは思ってしまう。
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あまりにもうさんくさいU-EXPLOREの態度。
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作中で何度かU-EXPLOREの用意したムービーが流れるがその内容は「事故は1件もなく絶対安全です」。
現在進行形で遭難中のプレイヤーからすれば、あまりにうさんくさい内容となっている。無論それを狙っての演出であり笑い所ではあるのだが嫌な人はいるかもしれない。
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極めつけはエンディング、ネタバレ注意
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数々の苦難を乗り越え、ついに救助ポッドを発見した主人公はU-EXPLOREに救難メッセージを送る。あとは救助が来ることを信じ主人公はコールドスリープする。
しかしU-EXPLOREのオフィスには 誰もいなかった。誰もいないオフィスに主人公の送ったメッセージだけが届く。
つまり救助はとても期待できない…
これをブラックジョークとして笑うか、ドン引きするか、人によって評価が分かれる所だと思われる。
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終盤は難易度が下がっていく。
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終盤では宇宙船の機能が壊れていき、一つ、また一つと機能が使えなくなっていく。限界が近い事を知らせる緊迫した状況を表している。
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だが謎解きとして見るなら選択肢が少なくなっていくので簡単になっていく。そのため謎解きゲームとしてはやや不自然な形になってしまっている。
問題点
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難易度はそこそこ高め。
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本作は難易度を「プロフェッショナル」と「カジュアル」の2つから選べるのだが、簡単なカジュアルでもけっこうな難易度。
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まずシステムの都合上、テレビ画面とゲームパッド、2つの異なる画面に気を配らなければならない。
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またゲームパッドによる各種機能の操作方法は車の運転や従来のコントローラのような直感的な操作には向いていない。
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謎解き自体も一部かなり難しいものがある。複数の機能を組み合わせて使わなければ突破は難しい。
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例えばとある面で炎の中に飛び込んで一定時間耐えなければいけない場面がある。ヒートシャッターの出番だと思うだろうが、ヒートシャッターだけでは突破できない。もう一つ手を加える必要がある。やる事が耐えるだけと単純なのでヒントにもならず正解を引き当てるのは一苦労。
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そして何より基本ノーヒントである事が難易度を高めている最大の要因。新機能が解禁された直後はその機能を使う、という事がわかるくらいか。
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ロードがちょっと長め。
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ゲーム開始時やステージクリア後に入るロードがちょっと長めであまりテンポは良くない。
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日誌が役に立たない。
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新機能についてはヘルプを見ればいいし、死亡記録は見た所であまり楽しいものではない。
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そしてこの記録、一度ゲームをやめてしまうと全消去されてしまう。そのためほぼ意味のない機能になってしまっている。
総評
ゲームパッドを大きく活用したゲームシステムはまさしく本作独自の魅力を出す事に成功している。
そのかわりクセが強く、難易度も割と高い事から万人に薦められる内容ではないが
WiiUを持っているならプレイしてみる価値はある一作。
残念ながらWiiUのeショップがサービス終了したため現在は購入は不可。
ゲームシステムの都合上、他機種への移植は不可、もしくは大きく仕様を変更をする必要があるだろう。
最終更新:2023年09月30日 15:22