ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団

【がれりあのちかめいきゅうとまじょのりょだん】

ジャンル RPG


対応機種 プレイステーション4
プレイステーション・ヴィータ
Nintendo Switch
Windows (Steam)
発売・開発元 日本一ソフトウェア
発売日 【PS4/PSV】2020年11月26日
【Switch】2021年11月11日
【Win】2023年2月15日
定価 【PSV】通常版:6,820円/限定版:9,020円
【PS4】通常版:7,920円/限定版:10,120円
【Switch】通常版:6,578円/限定版:8,778円
【Win】6,578円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:D(17才以上対象)
判定 なし
ポイント 『ルフ魔女』の流れを汲むダンジョンRPG
ダークでありながら重厚な物語は健在
ファセットが増え自由度もアップ
一方で未完成を思わせる一面も
魔女シリーズ
百騎兵シリーズ:1 / Rivival / 2
魔女ノ旅団シリーズ:ルフラン / ガレリア


ふふふ、おまちしておりました。
それでは、お気をつけていってらっしゃいませ。


概要

日本一ソフトウェアからリリースされている『魔女と百騎兵』を起点とする『魔女シリーズ』の第4弾であり、前作『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』(以下『前作』)と同様の3DダンジョンRPG。
システムや世界観は『前作』と共通している点が多いものの、シナリオは本作で完結しており、旧作をプレイしていなかったとしても問題はない内容となっている。
『前作』同様ディレクター及びシナリオは泉達也氏が担当しており、同社の代表作でもある『ディスガイアシリーズ』と同様、音楽は佐藤天平氏、キャラクターデザインは原田たけひと氏が担当している。
当初は、2019年7月にリリース予定だったが、クオリティアップのため延期され、最終的には1年以上遅れ2020年11月26日にリリースされた。

キャッチコピーは「不可思議を探す──愛と勇気の冒険譚。」

ストーリー

──ここではないどこかの物語。

"謎に満ちた地下迷宮を攻略する"

あなたは、魔女"マダム・マルタ"が所有する
"降霊灯(こうれいとう)"に宿った魂として、
ガレリア宮に眠る"奇品(きひん)"を探すため
前人未到、人跡未踏の大迷宮攻略へ乗り出すことになります。

それは、これから始まる
不思議な冒険の始まりでもありました──

(公式サイトより引用)

主要人物

探索助手の少女 ユリィカ(CV:河野ひより)

探索助手募集の張り紙をみてガレリア宮にやってきた少女。
魔女マダム・マルタの助手として迷宮探索を手伝う。

(公式サイトより引用)

  • 本作の事実上の主人公といって良いポジションであり、パッケージを飾っている女の子。
  • ペンデュラムを用いた失せ物探しを得意としている。頭は弱いようだが、成績は優秀。

老魔女 マダム・マルタ(CV:八百屋杏)

年老いた魔女、通称オババ様。
地下迷宮に眠る『奇品(きひん)』を見つけるべく人形兵を使った探索を行う。

(公式サイトより引用)

  • 本作の魔女。本シリーズにおいては地味に珍しい我々がイメージしがちな年老いた魔女である。
  • 老獪な一面がないわけではないが、魔女らしからぬ常識人でもある。

魔女の孫娘 ペリコ(CV:鷹村彩花)

魔女マダム・マルタの孫娘で一緒に旅をしている。
猫が好き。

(公式サイトより引用)

  • 無愛想で口が悪い女の子。攻撃的でありユリィカに頭突きをかますことも度々。
  • 普段はどこかに隠れており、マダム・マルタの手伝いをしているようだが……。

奇妙なランタン 降霊灯(こうれいとう)

"彷徨える魂"こと、"プレイヤーの魂"が封じられている、プレイヤーの分身。
自分で動くことができず、行動は憑代であるユリィカと共に行う。

(公式サイトより引用)

  • 本作の操作キャラクターであり、真の主人公といっていいポジション。『前作』の「妖路歴程」に相当する。
    • 妖路歴程同様喋れないため、意思表示を行う際は、「是認」「否認」「沈黙」の三択となる。結局あまり展開は変わらないが。
  • 見た目は緑色の球体状の炎に一つ目がついたような外観。喋ることはできないが、半目状態となって不服そうな表情をしている場面はある。
  • 正確な表現をすると「降霊灯」というランタンに憑依した魂が主人公であるが、作中ではコウレイトウと呼ばれることがある(降霊灯ではなく、コウレイトウとカタカナ表記される時は、魂そのものを指す傾向にある)。
  • 普段はランタンに宿っており、探索の際は人形兵が持ち歩いているという設定になっている様子。なお、ランタンに宿っておらず、ユリィカの頭に乗っていることもある。
  • 開始時に名前(真名)を入力するが、その名で呼ばれることはほとんどない。

特徴

  • プレイヤーは降霊灯に宿った魂として、魔女に作られた魔法生物(マナニア)である「人形兵」を率いてガレリアの地下迷宮に隠された「奇品」と呼ばれる曰く付きの美術品を集めることが目的。
    • その過程で周囲にいる人物であるユリィカやマダム・マルタを中心とした物語が展開されていくというのは前作と同様。
      • 実際のストーリー展開は「迷宮内で『!』マークのマスを発見しイベントを起こす」→「拠点で『魔女報告』を行う」ことで進行していくというのも同様。
  • 集めるべき「奇品」については、特別な力を持つとされる「特異性奇品」と呼ばれるものがメインであるが、その他の奇品も存在する。ストーリー進行の上では「特異性奇品」さえ集めればよく、その他の奇品については一部を除き入手は任意。

新要素

基本的なゲームシステムは『前作』と同様であるため、本項では新要素のみを記述する。

  • パーティメンバーとなる人形兵の職業であるファセットは初期は6種類であり、魔女嘆願で増やせる6種類と合わせるとベースが12種類ある。
    • 更に、物語をある程度進めると、通常ファセットのマイナーチェンジ版(通称:裏ファセット)が選択可能になる*1。裏ファセットは全てのファセットに存在するため、裏ファセットもまた12種類存在し、最終的に選べるファセットは全24種類。
      • マイナーチェンジということで見た目は元のファセットのコンパチといっていいが、ファセットスキルは異なっており、得意武器さえ違うものもいるため使い分けが重要となる。
+ ファセットの一覧
  • 初期ファセット
    • アステルクロウ
      • 古塔槍を得意とするバランス型のファセット。前作のアステルナイトに対応している。ちなみに、前作プレイヤーは「 オオガラスの信仰者 」という説明にびっくりしたことだろう。
      • 古塔槍が前列後列共に使える武器である他、スキル「不屈の精神」による粘り強さから汎用的な扱いが可能。
    • シノマシラ
      • 鈍槌を得意とする攻撃型のファセット。前作のシノブシに対応しているが得意武器は刀剣から変化している(なお、シノブシは裏ファセットとして続投)。
      • 鈍槌は威力に優れ、二刀一流やマシラ乱打撃による攻撃回数から圧倒的火力で敵を叩き伏せる。
    • シアトリカルスター
      • 呪鐘を得意とする補助型のファセット。前作から続投。
      • グループ攻撃が可能であるため、序盤はアタッカーとしても活躍出来るが、最終的には補助役として活躍させたい。
    • ピアフォートレス
      • 戦術甲を得意とする防御型のファセット。前作から続投。
      • いわゆるタンク型のキャラであり終盤になれば必須といっていい存在。
    • ワンダーコルセア
      • 刀剣を得意とするバランス型のファセット。
      • アステルクロウと比べるとよりバランス重視型といえる。
    • ラピッドヴェネター
      • 百花弓を得意とする補助型のファセット。前作のマッドラプターに対応している。
      • 素早く行動できるが、攻撃面の強さはやや控えめとなっている。
  • 追加ファセット
    • マギアメイド
      • 蝕杖を得意とするドナム型のファセット。前作のマージナルメイズに対応するが、ドナム以外のステータスは軒並み低下しており、本作では基本的にドナム以外ではほとんど活躍出来ない。
      • とはいえ、ドナムが強力なバランスなのは変わりなく、ドナムを利用する上では欲しい存在。
    • ファミュゥシーカー
      • サポート重視のファセット。外見が猫という唯一無二の特徴を持つ。
      • パラメータは低いが、サポートに配置した際のパラメータ補正が大きいため、カヴンのサポート枠に配置することで真価を発揮する。
    • ゴシックコッペリア
      • 鈍槌を得意とするファセット。前作から続投であり、相変わらず性別なしというのも共通。
      • 攻撃特化型でありクリティカルが出やすいが、DEXが低く命中率に難がある。
    • プリマリーパー
      • 星嵐鎌を得意とするファセット。前作のデモンリーパーに対応し、性別が女性のみなのも同様。
      • 高火力紙装甲なのも相変わらず。後半に多い物理カウンター相手が天敵。
    • フェイブルトリッカー
      • ミラマキーナ関連のサポートを得意とするファセット。ピエロのような見た目であり性別は男性のみ。
      • ミラマキーナが今ひとつなので本来の役割としてはあまり活躍出来ないかもしれないが、ドナムの扱いは得意なので、マギアメイドなどのスキルを引き継げば本職超えの活躍もできる。
    • アムアルキュミア
      • 刀剣を得意とするスピードタイプのファセット。近衛騎士といった外見で男女の良いところ取りを目指したため、両性具有の設定となっており、男性とも女性とも扱われるため、どちらとも扱われないゴシックコッペリアとはまた違った趣。
      • 物理型のようにみえるが、ドナム力も高いため、スピードタイプのドナム要員としても使える。逆に物理職だとやや威力が物足りない。
  • 裏ファセット
    • アステルアーシェ
      • アステルクロウの裏ファセット。蝕杖を得意としている。
      • アステルクロウ同様防御面も悪くない中でドナムを得意としているのが最大の売り。
    • シノブシ
      • シノマシラの裏ファセット。前作のシノブシと同様刀剣を得意としている。
      • シノマシラ以上に火力に特化しているが、装甲面に劣っているピーキーな性能。
    • シアトリカルドルチェ
      • シアトリカルスターの裏ファセット。シアトリカルスターよりも更にERS(エロス)特化型。
      • エロス特化にすると固有スキルのエロティカで高火力が狙えるが、ERS特化の結魂書の入手が難しくなったため、主戦力として扱うのは難しいか。
    • ピアチャリオット
      • ピアフォートレスの裏ファセット。古塔槍や戦術甲を得意とする。
      • ピアフォートレスと比べると防御面を若干落とした代わりに攻撃も行けるようになった性能。
    • ワンダーヴィアンデ
      • ワンダーコルセアの裏ファセット。格闘術である雷技を得意とする。
      • 雷技が耐性を気にせず使えるので便利だが、何より便利なのが、経験値増加スキルと言われることも。
    • ラピッドラプター
      • ラピッドヴェネターの裏ファセット。ラピッドヴェネターよりも更に攻撃特化型。
      • 特にラピッドヴェネターと異なりドナムも得意なのが強い。DPは低めなのが難点だが最強クラスの職業といっても良い。
    • マギアコンシェリ
      • マギアメイドの裏ファセット。マギアメイドを更に特化型にしたパラメータ傾向。唯一のメガネキャラでもある。
      • 使い方はマギアメイドと大きく変わらないが、打たれ弱さが更に増している点には注意。
    • ファミュゥチェイサー
      • ファミュゥシーカーの裏ファセット。
      • ファミュゥチェイサーよりも攻撃型だが、パラメータが低いためアタッカーに向いていないのは同様。やはりサポート枠要員。
      • ファミュゥ系専用の結魂書もあり、活用すれば戦力としても機能するようになる。
    • ゴシックグラトニア
      • ゴシックコッペリアの裏ファセット。破砕砲を使いこなし範囲攻撃に優れる。
      • 成長率はそれ程でもないが攻撃系のスキルは優秀。
    • プリマクピードー
      • プリマリーパーの裏ファセット。攻撃面はプリマリーパーよりも劣るが、ドナムの成長が上がっている。
      • スキルは優秀なので、スキル修得のために経由するのもあり。
      • 余談だが、見た目を変化すると原田たけひと氏おなじみのプレネールさんに似たものが存在する。
    • フェイブルエクリプス
      • フェイブルトリッカーの裏ファセット。クセの強いスキルを多数持つ。
      • 性能面はドナム寄りだが、運用するならスキルはしっかりと確認しておくのが無難。
    • アムアルテア
      • アムアルキュミアの裏ファセット。得意武器に雷技が追加されている。
      • どんな場面でも活躍出来る代わりに、決定打に欠ける難点がある。
  • 人形兵の外見はファセットの男女ごとにそれぞれ3種類ずつ(性別選択ができないゴシック系、プリマ系、フェイブル系、アム系は単純に3種類ずつ)なのは前作と同様だが、本作ではそれぞれの外見毎に4種類のカラーパターンが用意されているため、実質的には各ファセットの男女毎に12種類ずつのパターンが用意されている。
    • また、前作ではファセットの3種類目は追加要素となっていたが、本作では最初から3種類選べる。
    • ボイスも男女毎にそれぞれ3種類用意されているが、レアアニムスという貴重品を入手することでファセット及び性別毎に1種類増える。なお、ファセットの外見は系統ファセット(アステルクロウとアステルアーシェのように同一系統に属するファセット)で異なるのは前述の通りだが、ボイスは系統ファセットで共通となっている。
  • 2つの性格を選ぶことが出来るのは前作と一緒だが、本作では2つめの性格も装備適正値に影響する。同じ性格を2つ選ぶか、強調性格とすることで1つの性格の補正を2倍として適用することもできる。
  • ファセットが覚えるスキルは魂移しを利用することで全て引き継ぎ可能であり、スキルの所持数の制限もなくなった。
    • 固有スキルと 初期選択スキル についてはレベル99で魂移しをした場合のみ引き継ぐことができる。
    • スキルの所持数の制限はなくなったが、スキル自体にコストが設定され、決められたコスト内でセットするコスト制となった。
      • スキルコストは少ないものであれば10以下だが、多いものであれば50以上のものもありかなりコスト差は激しい。
      • 総コストはファセットのアニマクラリティによって決まる。アニマクラリティは魂移しによって増えていくため、魂移しを繰り返すことでより多くのスキルをセット出来るようになる。
    • なお、固有スキル(初期選択スキルは固有スキルの扱いとなる)はコスト0、初期に選択したファセットのスキルはコスト75%軽減、現在のファセット及びその系統ファセットのスキルはコスト66%軽減といった具合にコストが軽減されるものもあり、これらのスキルはセットしやすいようになっている。
    • なお、スキルそのものはいくらでも覚えられるが、同種の効果を持つスキルで同時にセットできない組み合わせも存在する。
      • こういったスキルは説明文に「同系あり」と表示されている。クラスを跨いだスキルでどちらか一方しかセットできないケースもあるため、スキル行脚をする際にはよく確認しておきたい。
  • カヴンを組む際の結魂書を分解することで結魂書のドナムに対応するドナム奇書を生成することが出来るようになった。
    • ドナム奇書を用いると、結魂書のドナム空きスロットに特定のドナムをセットすることができる。これにより、「ドナムは便利だが、結魂書そのものは使いにくい」といった場合に、ドナムだけ有用な結魂書に移すという選択を取ることが出来るようになり、戦略の幅が広がった。
      • なお、分解時に奇書化することができるドナムの数は結魂書のレベルによって決まるため、抽出用の結魂書についても強化は必須となる。
      • 結魂書のドナム空きスロットはランダムで決まるため、空きスロットが多いものを入手できればそれだけカスタマイズできるため、有用な結魂書を集めるのも一つの目的となっている。
  • リインフォース(RF)を用いた降霊灯スキルは種類が増え、見えないものを見えるようにする「シャインライト」など探索に役立つものも多い。
    • また、戦闘時に味方を強化する「○○フォース」系について行動速度を増やす「ヘイストフォース」や、行動順序、ターゲットが分かる「タクティカルフォース」が追加された。
    • タクティカルフォースでは敵の攻撃をラーニングすることで具体的な技についても看破できるようになる。
      • ラーニングは敵の攻撃時に一定確率で行うことができ、ファセットスキルによってはラーニングの成功率を高めることができるものもある。
      • ラーニングという名称から勘違いされがちだが、敵の攻撃が使えるようになるといったシステムではない。
  • プレイヤーである降霊灯が戦闘に直接参加しないのは前作と同様だが、本作ではゲームをある程度進めることで任意の人形兵に憑依することが可能となる。
    • 憑依することで対象の人形兵のパラメータが強化されるメリットがあるが、対象人形兵がクリティカル・ゴアで頭部ロストしてしまうと、その時点で全滅扱いとなってしまうデメリットがある。
      • デメリットこそあるものの、通常の戦闘不能や、頭部以外の部位ロストであれば特段問題は無い。頭部ロストは滅多に発生しないため、基本的には憑依するメリットの方が圧倒的に強い。
      • 憑依及び変更・解除は魔女嘆願で行うことになるため、ダンジョン内で任意に憑依を切り替えることができない点には注意が必要。
  • 装備品の強さを示すレアリティが存在するのは前作同様だが、本作ではレアリティとは別に初回装備時限定で性能にボーナスが付く「ヴァージンエッジ」と呼ばれる装備品が新登場。
    • ヴァージンエッジの付いた装備品は初回装備時限定で性能にボーナスが加算され、装備品を外した際に効果を喪失し、本来の性能に戻る。
      • ヴァージンエッジの付いた装備品はピンク色の文字色で表示される。なお、レアリティがコモン以外の装備品にヴァージンエッジの効果が付与されることもあり、この場合もアイテム名はピンク色となる。
    • 初回しか性能強化されないため、使うのは慎重になるべき……と思いがちだが、ヴァージンエッジの効果そのものはそこそこの頻度で付くため、あまり気にせずに使っていっても問題ないバランスとなっている。
  • また、装備品には極低確率でヒロイックスキルと呼ばれる強力な効果がつくことがある。
    • 特に強力なのは、降霊灯の真名を冠した真名装で、性能が大きく強化される。こちらは武器の名前すら降霊灯の真名になるため非常に分かりやすい。
    • ヒロイックスキルはレアリティがレア以上であれば付与される可能性があるが、説明ページの最後にしれっと記載されるため見逃しやすい点に注意。
  • アタッカーが敵に連れ去られてしまう「連れ去り」システムが新登場。
    • フィールド上のピンクのモヤのようなシンボルに触れるとランダムで仲間1人が連れ去られる他、戦闘中に連れ去り攻撃をしてくる者もいる。
    • 連れ去られた仲間は当然戦闘から離脱し、経験値の入手もできなくなるが、ロストしてしまうわけではなく連れ去られたダンジョン内の隠れ家で救出することができる。
    • 対策アイテムとして「身代わり人形」や「紙の形代」があり、前者であれば確実、後者であれば確率で連れ去りを無効化できる消耗品となっている。
    • なお、ピンクのモヤのようなシンボルは通常の敵シンボルのように動くが、動きがランダム(こちらに気付くと、他の敵同様こちらに近づくように移動する)、向きが分からない、マップに表示されないといった違いがある。
  • ダンジョン内でミニマップに表示されない闇の瘴穴が出現することがある。
    • この穴の上では「闇からの収奪」を行うことができ、そのフロアで入手できるアイテムの高レアのものが入手できる。しかしながら、収奪を行う度に闇の目が開いていき、最大まで開ききるとマナオーバー時に出現する強敵である通称死神IIと逃走不可の戦闘になってしまうリスクがあり、戦闘になると中盤までであればまず全滅は避けられない。
      • 途中で掘るのをやめれば死神との戦闘を避けられるが、最後まで掘り尽くさなければ入手できないレアアイテムもある。なお、掘るのを止めた時点で穴は消滅するため、やっぱり掘り直す、といったことはできない。
  • 不可侵区や水路のように一定ターン数しか行動できない地形が追加された。所定のターンが経過すると全員が大ダメージを受けるため、基本的には所定ターン内に離脱しなければほぼ全滅する。
    • 該当する地形で戦闘するとターン数が減ってしまうペナルティもあるが、逆に浄化や酸素の入った箱を調べることで活動時間を増やすことも可能。
  • 魔女嘆願でモンスターを撃破した際にお肉が入手出来るようになる。
    • お肉は食べることで経験値を入手することができるため、控えのキャラクターや戦闘不能になって経験値が手に入らなかったキャラを育てるのに便利。
      • お肉は敵の種類毎にランク1~8まである。放っておくとアイテム欄を逼迫しがちなので定期的に使うといいだろう。
  • マップを埋めた数に応じて踏破報酬を得ることができる。
    • 中には貴重アイテムが手に入るケースや魔女嘆願が出来るようになるケースもあるため、マップは積極的に埋めた方が良い。
  • 中盤には入る度に構造が変わるダンジョンが登場する。
    • 通常のダンジョンと異なり、泥の脱出口による途中からの再入場に制限がある。
    • なお、構造が変わるダンジョンは、ランダム構造のフロアにつきマップが記録されないため、改めて挑戦することで踏破ポイントを何度も稼ぐことが可能。

評価点

前作同様の奥深いストーリー

  • 単純な奇品集めから始まる序盤は地味だが、不穏な力を持つ特異性奇品や、周囲に登場し出す個性的なキャラクターが登場し始める中盤以降息もつかせない展開となるのは前作と同様。
    • 特に序盤は展開が断片的であり、理解しづらい部分も少なくないが、終盤になると序盤の行動の伏線がしっかりと回収されていく。
    • また、本作では中盤にとんでもない場面転換が行われる。最初は戸惑うこと請け合いだが、あるキャラがフォーカスされ、その目的等が徐々に明らかになると共に、序盤の物語としっかりリンクされていく。
  • 伏線もしっかりと張られており、何故あのキャラがこのようなことを、という部分もストーリーを進めれば分かるようになっている。

単なる通過点に留まらない迷宮

  • 前作ではそれ程大きなギミックがなかったダンジョンだが、本作では様々なアクションが必要となる文字通りの迷宮となっており、フロアを行ったり来たりして探索しなければ踏破できない骨太な内容となっている。
    • 特に2番目の迷宮であるアプスはロングジャンプ、ハイジャンプ、水中呼吸などアクションが追加される度に行ける範囲が増えていくため、1つの迷宮でありながら探索に掛かる時間はかなり長い序盤のメインダンジョンとなっている。
      • ロングジャンプやハイジャンプが必要な部分は、明らかに行けそうな場所があるのに今は行けない、というのが目に見えて分かるため、未探索部分の有無等が分かりやすい。

更に戦略的になった戦闘

  • RFによる強化としてヘイストフォース、タクティカルフォースが追加され、より戦略的な戦闘が出来るようになった。
    • ヘイストフォースを使うことで先手を取りやすくなる。敵が行動する前にスタンさせることでディフェンスフォースなどよりも安全に戦うことも可能である。
    • タクティカルフォースでは、敵がどのような行動をするか、誰を狙うか、どの順番で行動するかが分かるため、回復を誰が行うか、誰が防御するかなど文字通り戦略的な戦い方が可能となっている。
  • 結魂書の空きドナム枠に別の結魂書からドナムを持ってくることが出来るようになったため、自分好みのドナム構成にすることもできる。
    • なお、空きドナム枠はランダムで決まるため、よりたくさんのドナムをセットするための結魂書を探すやり込みも可能。

ファセットが増え、より選択肢が広がった

  • 裏ファセットを除いた個数でも前作より増えており、プレイヤーが選べる選択肢は増えている。
    • 裏ファセットはマイナーチェンジなので完全新規とは言い難いが、選べるファセット数だけでいえば実に3倍という大幅増加である。

前作で不評だった要素の改善

  • 穴のある方向に進もうとしたときに踏み止まる降霊灯スキルが追加されたため、操作ミスで落下してそのまま全滅という事態が起きにくくなった。
    • スライド移動の時には効果が出ないものの、普通は気にしなくても良い。最初から魔女嘆願可能であるため、マナが溜まればすぐに利用できるようになる。
  • 戦闘をより高速化できるようになった。
    • 演出は最小限になってしまうが、前作よりも更に高速化できる設定が追加されている。最大でアタッカー15人(+追撃役)と敵が行動する大人数のバトルであるため、この設定はありがたいところ。
  • 前作で不評というわけではないが、自身で人形兵をメイクする前にお試しのパーティに触れることが出来るようになった。
    • 初期6ファセットの内5ファセットを用いてパーティが組まれているため、どのファセットがどのような役割を持つかがおおよそ分かるようになっている。チュートリアルを終えた時点でこれらの人形兵はいなくなるが、自身で人形兵を作成する際にファセットが想定外の性能であるため、キャラ作りに失敗するという事態を起こしにくくなっている。
      • なお、初期のお試しのパーティの人形兵の名前は固定である。その時点では名前の由来は分からないが、物語を進めると由来が分かるようになっている。もっとも、チュートリアルのみの人形兵なので名前を覚えていないケースが大半であるため、気付くのは難しいが。

関係を構築するアイテムの追加

  • 人形兵同士を特別な関係で結ぶリンケージリングが追加され特定の人形兵同士を特別な関係にすることが可能になった。
    • 姉妹や、親子などリングによって特定の関係を付与できる上、「奴隷」と「主人」や「ペット」と「飼い主」など一風変わった関係すら存在するため、脳内設定が捗ること間違いなしである。
    • ただ、後述の通りリンケージリングに関しては難点もある。

賛否両論点

前作以上の下ネタ・暴力ネタの多さ

  • 『魔女シリーズ』のダークテイストは本作でも健在だが、やはり嫌悪感を覚えるような露骨な描写は多い。
    • 序盤は比較的穏やかだが、ある程度進むと性的な話題や暴力的な話題が増えてくる。
      • 女子どもは基本的に酷い目に遭う」と断言してもいいほどであり、基本、テキストのみではある(一部怪我をしたイラストなどはある)ものの、辛いのが苦手なプレイヤーには耐えがたい内容だろう。
    • 明らかに女性の胸をモチーフとしたモンスターがおり、生理的嫌悪感を覚えるケースも。

胸糞悪い展開も多い

  • 上記のとおり、女子どもが理不尽に殴られたり蹴られたりする展開を始めとして胸糞悪い展開も多い。
    • 事実上の主人公といってもいいユリィカをはじめとした味方側は基本いい人が多いのに対し、登場人物には擁護できないようなクズといっていい人物もおり、余計に胸糞悪い展開が目立つ。
      • 全体を通して、人の良いユリィカ達が行った行動は報われないことが多いばかりか、マイナス方面に作用することさえあり救われない。
  • とはいえ、こういった展開が好き、こういった展開があるからこそ物語が映えるといった意見ももちろんある。

相変わらず大味な戦闘バランス

  • スキルの調整や、敵の命中率アップにより、前作のように極端なドナム特化や、回避特化という戦術は難しいが、やはりバランスは大味であることに変わりはない。
    • 本作で主流とされるのがスタン戦法。「与スタン値が高い素早いアタッカー複数名でスタンを奪った上で、ドナム要員で大ダメージを与え何もさせずに撃破する」というもの。
      • 本作で追加されたヘイストフォースを用いることで素早さを補いやすくなったこともあり、ある程度素早い物理職にスタン値が高い武器を装備させればいいという流れになりがち。
      • 与スタン値は武器の攻撃力とはあまり連動していないため、ドナム要員以外は与スタン値だけで武器を選べばあとは外れさえしなければいいという極端な戦術になりがち。
  • 折角追加されたミラマキーナについても戦闘行動で溜まるパワーソースがないと使えないため、あまり有効活用されないのが実情となっておりやや勿体ない。
    • 中盤を超えると敵の攻撃が激化するため、余計にパワーソースを溜めるまでにさっさと倒すか、ミラマキーナなど考えずにスタンを取るかという二極化となりやすい。

ランダムダンジョンの存在

  • 大抵のダンジョンはこの手のゲームのお約束として構造が固定だが、中盤で挑むことができるダンジョンで構造がランダムのものがある。
    • ランダムダンジョンは「固定構造である一部のフロアを除き構造がランダムで生成される」、「固定構造以外のフロアでは、泥の脱出口を作っても、別のフロアに移動したり、脱出したりした時点で出口が消滅する」、「フロア移動時にRFが多少回復する」という特徴がある。
    • ランダムダンジョンのフロアは小規模であり、特別なギミックも存在しないことから、ひたすら駆け上がっていく事になる。その分フロア数は多く、全100フロア以上で構成されている。
      • もっとも、中盤のランダムダンジョンは6フロア毎に固定構造のフロアがあり(6の倍数のフロアが固定構造となるため、5フロアランダム→固定構造の繰り返しとなる)、固定構造のフロアは通常のダンジョン同様、泥の脱出口のセットができる他、固定構造フロア同士を繋ぐテレポーターも存在するため一気に長丁場のダンジョンを駆け抜けなければならないような仕様にはなっていない。
    • それまでのダンジョンと比べ、固定構造を含めても一つのダンジョンをじっくりと探索するといった楽しみは基本的に存在せず、ひたすら単調作業を繰り返していくことになりがち。
      • この手のゲームではランダムダンジョンは新鮮であるため、面白いと評価する声もあるが、大抵のプレイヤーはダンジョンのマッピングを醍醐味と考えていることから、ランダムダンジョンの評判はあまり芳しくないのが実情である。
      • 中盤のランダムダンジョンは2つ存在し、1つめをクリアした段階で2つめに挑むことになる(しかも1つめと雰囲気が似たダンジョン)ため、ようやく終わったと思ったら追い討ちを食らって辟易としたプレイヤーは数多い。1つめのダンジョンは本作屈指の名曲とされており、それでなんとかモチベーション維持ができたプレイヤーにとっては余計にそう感じやすい。
    • ランダムダンジョンのフロアは小規模であり、ロングジャンプなどを利用できる場所が存在しないため、ひたすら駆け上がっていく事になる一方でフロア数が多く、100フロア以上ある。
      • なお、中盤に登場するランダムダンジョンは6フロア毎に固定構造が挟まり、固定構造であれば泥の脱出口のセットができる他、固定構造同士を繋ぐテレポーターも存在するためクリアそのものはそれ程難しくないがひたすら単調作業となりがち。
    • この手のゲームでは新鮮な要素であるため面白いという意見もなくはないが、ダンジョンのマッピングこそ醍醐味と考える多くのプレイヤーからの評価は芳しくない。
      • 更に、ランダムダンジョンが本編中に2つあり、1つクリアした直後に2つめに挑まなければならない上、雰囲気が1つめと似たダンジョンなので「またか」と辟易とさせられがち。
      • なお、1つめのランダムダンジョンの曲は本作屈指の名曲とされており、そういう意味でもモチベーション維持がしやすいのに対し、2つめで余計飽き飽きしやすい。
  • アップデートでランダムダンジョンのランダムフロアをすっ飛ばすことができるアイテムを入手出来るようになったため、固定構造のみを攻略していくということも可能であり、ランダムダンジョンに挑まずともストーリーを進めることができるようになった。
    • もっとも、1つめのダンジョンはゲーム進行上、ランダムフロアを吹っ飛ばすとレベル不足に陥りやすく、2つめのダンジョンは途中から本作の難易度が急上昇するポイントでもあるため、すっ飛ばすと急に雑魚戦で苦戦しやすくなる。
      • 他にもランダムフロアをすっ飛ばすデメリットとして「道中の宝箱の入手数が減るため、装備の強化がしづらい」「踏破ポイントが貯まりにくく、踏破報酬の入手が遅れる」「ランダムフロアでしか入手できないトレジャーアイテムを入手できず後々苦しむことになる」といったものが挙げられる。
  • マップを埋めた数によってアイテムなどが貰える踏破ポイントは、ランダムダンジョンであればいくらでも増やせるため、ランダムダンジョン登場後はマップを埋めた数の指標としては一切機能しなくなってしまう。
    • マップを隅々まで探索したご褒美としてアイテムが貰えるという趣旨に反するが、埋めたつもりなのに多少埋まってなくていつまでも報酬が貰えないという事態にならないのはメリットともなりうる。

クリア後の装備のインフレが激しい

  • クリア後のダンジョンでは強力な装備が手に入るのだが、その性能があまりにも強すぎる。
    • 例えばクリア前だと攻撃力1000行けば良い方だが、クリア後のダンジョンでは最終的に10000程度の装備品すら拾える。
      • クリア前に頑張って強化して作った性能を凌ぐような強力な装備品が普通に拾えてしまうため、これまでの装備品の使い道はほぼなくなってしまう。
        あくまでクリア後のおまけ・ご褒美と考えることもできるが、それにしても強すぎるという意見も。
    • 装備品のインフレが強すぎるせいで装備の適性が低いファミュゥ系ファセットを使うのがかなり厳しいバランスになってしまう。

細かい伏線は回収されない

  • 前作同様プレイヤーはストーリーに関しては介入することができないため、詳細が説明されずに終わってしまうことが多い。
  • ぺリコ誕生の理由・中盤のユリィカの行動の意味・ユリィカの実家近くのマーガレット畑が冬でも花を咲かせる理由・序盤~中盤までとそれ以降で性格が明らかに違う人物たち…そのほか細かい所を挙げれば数十に及ぶが、プレイヤーが納得できる説明がされるケースの方が少ない。
  • 一応、推測でつじつまを合わせられるだけの情報は提示されているのだが、やはりもやもやが残るのは残念なところ。

問題点

相変わらずUIは悪い

  • 前作でも指摘されているとおり、人形兵が多いのにもかかわらず編成画面のUIは欠点が多い。
    • スキルの引き継ぎに制限がなくなったため、スキルを極めるため未経験のファセットに魂移しをしたいケースは多いと思われるが、魂移しの画面ではいくつものステータスは確認できるのに、ファセットの魂移しの履歴については確認できない。また、経験済みのファセット、初期ファセット、スキル修得済みなども一切確認不可。
      • これまでの履歴はステータス画面で確認できるが、初期ファセットと直近6つまでの魂移しの記録しか残らず、7つ以上前のファセットは記録から消えてしまう。ファセットは全部で系統ファセット含め24あるため、自分で記録を取っておかなければ分からない。
      • 履歴は6つまでなのだが画面に表示されるのは5つまでなので上下に1回スクロールしなければならないという地味ながら面倒くさい仕様。そして折角スクロールしても結局残り1つが確認できるだけなので、がっかりさせられやすい。
      • なお、6つまでの履歴こそ確認できるが、スキルを全て修得したかどうかは記録されないため、低レベルで魂移しをしているとスキルをコンプリートできていないケースも。
  • アイテムの売却や分解についても1種類のアイテム毎に行う必要がある。
    • 売却についてはカテゴリのアイテムを全て売るという機能こそあるが、一部の選択したアイテムだけを売ることはできない。ぶっちゃけ、カテゴリ内の全てのアイテムが不要である場面はほぼないので、基本的には1種類ずつ売る一択。
    • アイテムをロックする機能もないため、間違えて売ってしまったり分解してしまったりするリスクもある。
      • 大量のアイテムを抱えやすいシステムは同社の『ディスガイアシリーズ』でも共通と思われ、ディスガイアシリーズでは近作では指定したアイテムをまとめて売却したり、アイテムを保護する機能もあったりするためノウハウはあると思われるのだが……。
  • アイテムのソートは可能なのだが、自分で任意の順番に並び替えることは出来ないため、回復アイテムの並びがかなり気になるところ。
    • ゲームをある程度進めると中盤までゲームを進める度にユリィカの愛妻弁当がもらえるが、無駄に種類が多いためアイテム欄を逼迫し、探したいアイテムが見つからなくなりがち。限定品かつ高性能であるため、コレクターにとっても性能重視派にとっても悩ましげな問題となりがち。

ファセットスキルの仕様

  • 前作で一定数しか覚えられなかったファセットスキルの仕様がコスト制になることで覚えられる個数に上限がなくなる代わりに、セットできる個数に上限が設けられる仕様となったが、この仕様に無視出来ない大きな問題点がある。
    • スキルのコストは10未満のものから50超えのものまでピンキリだが、セットするコストを算出する上で「固有スキルはコストが0になる」、「当該人形兵が最初に選んだファセット(初期ファセット)のスキルはコストが75%軽減(1/4)になる」、「現在の系統ファセットのスキルはコストが66%軽減(1/3)になる」という3つの優遇が受けられる。
      • 初期の人形兵はスキル総コストが40しかないため、初期ファセットの優遇がないと固有スキル以外のスキルがほとんど使えないのが現実である。
      • 一見すると「総コストが少ない序盤でもしっかりスキルがセット出来る」「系統ファセットのスキルは低コストで運用できる」仕様自体は問題ないのだが、この仕様には一つの落とし穴がある。
  • 上記のとおり「初期ファセットのスキルはコストが75%軽減される」のだが、「現在の系統ファセットのスキルはコストが66%軽減される」とは効果が重複せず、前者が優先される。つまり、初期ファセットが現在の系統ファセットであった場合は系統ファセットのスキルコスト軽減の恩恵を受けられるスキルが減ってしまう*2
    • つまり、スキルコストを考慮するならば、「初期ファセットと最終ファセットの系統は別である方が良い」のだが、大抵のプレイヤーは前情報無しだと最初に作るファセットに合わせてキャラを作ると思われるため、この仕様に気付いた時には大抵手遅れである。
      • 魂移しが利用可能になるのが、物語の中盤以降、プレイ時間で言えば3~40時間程度経過した段階であるため、この段階で愛着があるキャラを作り直すのは色々な意味でしんどいだろう。
      • 初期ファセットはどうやっても変更できない上、軽減される割合もかなり多いのが厄介。一応、魂移しも駆使すれば総スキルコストは200程度(最大は268であるが、ここまで増やすのは現実的にはかなり難しい)に増やせるため、キャラの役割を担うだけのスキルなら十分セットできるとはいえ、268あっても「取り敢えずセットしたいものは全部セットできる」とはならないほどにスキルが多いためかなり気になる仕様である。
  • 魂移しを行うと、魂移しを行った後のファセットが同一であろうとセットしていたファセットスキルは全て外れてしまう。
    • 魂移しはファセットスキルを増やすためだけでなく、人形兵の強さに影響するアニマクラリティを高めるためにも必須となる。しかしながら、その都度全てのスキルが外れてしまうため、魂移しをした後はスキルをセットし直すという面倒くさい手間が生じる。
    • セットしているスキルを記録しておくシステムや、直前にセットしていたスキルを表示してくれるシステムなども一切ない。
      • 仮に全てのファセットスキルを覚えたとするとその数は360になるため、スキルが増えるにつれ再度セットする作業もどんどん面倒くさくなっていく。
      • スキルフィルターは存在するため、一部のスキルのみを表示する機能こそあるが、「特殊スキル」の分類はかなり数が多くバランスが取れているとは言い難い。更に言うなら「最後に覚えたスキル」などといった使い道に乏しいものも。それなら「最後にセットしていたスキル」の方が何百倍も有用だと思われるが。
    • 数が多くなればなるほど再設定に掛かる時間も増えるため、不要なスキルは習得しない方が良いという身も蓋もない事態に。もっとも、この理屈は正しく、経験したファセット数によって強くなるシステムではないため、結果的に経験するファセットは最小限にした方が楽。スキルを全部集めたいプレイヤーにとっては悩ましい話だが。
    • キャラ数が多いため、一度に魂移しを行うと、再編成だけで数時間が消し飛ぶこともザラ。
    • 魂移しの結果、固有スキルや系統ファセットが変更されることでスキルコストが超過することを考慮して一律で全解除という処理をしているのだろうが、スキルコストを計算し超過した場合のみ全部外すという処理ではダメだったのだろうか。
    • また、細かい話としてスキルが全部外れてしまうため、本来装備できない武器(装備適性がD+以下の武器)をスキルの効果でセットしていた場合魂移し時に外れてしまい、ヴァージンエッジの武器なら当然効果も失われてしまう。

難易度が急激に変わる

  • 本作の難易度を一言で言うと「序盤は簡単で強敵がほとんどいないが、中盤を超えると難易度が急に上がり始め、 最終盤はかなりの強敵が出現する 」という急激な上昇である。
  • 序盤はボスらしいボスが全然いない。時折ウィッカードという鳥の敵が呼び出す強力な雑魚敵がボスとして登場する程度である。
    • 前作と異なり迷宮内固有のストーリーが基本的にないため、迷宮内で敵と戦う必然性が少ないことが理由なのだろうが、結果的に「また鳥(ウィッカード)か」となりがち。
      • 序盤の最後を締めくくるボスは専用グラフィック持ちだが、体力こそあれどさほど強くないため、見た目以外の印象はほとんど残らない。
  • 中盤もある程度ストーリーが進まないと状況はあまり変わらない。
    • ただ、中盤以降は雑魚敵が範囲ドナムを使いこなすようになってくるため、雑魚戦であってもHPが低い味方は簡単に倒されるようになり、装備の強化や戦略の見直しが必要となる。
  • ストーリーが終盤にさしかかるとようやくネームドのボスが出てくるようになり、ボス戦の難易度が急激に上がる。
    • そんな中でラスボスといっていい2体のボスの難易度はそれまでのボスを遙かに凌ぐものとなっており、ここまでなんとか辿り着いたプレイヤーを軽く一蹴する強さであることから、最後の最後で詰んでしまったプレイヤーも少なくない。
  • 1体目はデバフとしてこちらの耐性を下げた上で範囲攻撃を連打してくる強敵。
    • 当然威力が高く、共鳴してしまうとHPが高いキャラでさえ即死クラスの威力となる。スタン戦法を使わないのであれば、なんとか耐性を補わなければそもそもお話にならないレベル。
    • 体力そのものは1つ前のボスと同程度なのだが、体力を0にしても複数回復活するため、実質的な体力は1つ前のボスと比べてかなり高い。直前のボスをなんとか倒せた程度ではとてもじゃないがもたない。
      • このボス自体もかなりの強敵であることに間違いないのだが、2体目のボスは更なる強敵となっており、ここで苦戦するようであれば突破はまず無理。
  • 2体目は複数体で構成されるボスであり、各個体ごとに無効化する属性もある強敵。
    • そのまま戦うと高すぎる耐性と個体数によりまず勝てないが、実は弱体化のギミックが用意されており、弱体化させることを前提とした難易度になっており、弱化させずに倒すことができないわけではないが、普通にやってればまず無理。
      • ギミックについては一応、ある地点でそれっぽいことを聞けないわけではないが、直近で語られることは一切ないため気付きにくい。負けたとしてもギミックに関するヒントが語られるわけでもないため、「明らかに負けイベントみたいな強さなのにどうすればいいのか全く分からない」と途方に暮れてしまうことも。
    • なお、ギミックボスとはいえ、ギミックを解除してしまえば楽勝というわけではない。弱体化させることを前提としてなお、かなりの強敵である。
      • 最初は攻撃が緩やかだが、徐々に行動する個体が増えていくため、ある程度火力が無いといくらギミックを解除しても手数で押し切られる。

一部の依頼メモの難易度が極悪

  • 依頼メモは主にトレジャーポイントで入手できるアイテムを納品するのだが、一部の要求アイテムはかなり難しい。
    • そもそも、トレジャーポイントで入手できるアイテムの入手難度はばらつきが大きく、様々なダンジョンで拾えるものもあれば、特定のダンジョンの特定のフロアでしか拾えないものもある。
      • ダンジョンの各フロア毎に入手できるアイテムが16種類決められており、ランダムで入手できる仕組みであるが、狙ったアイテムを入手することが出来るわけではないため、運次第では何十分~何時間と粘ってはじめてようやくお望みのアイテムが手に入ることさえある。
    • このような状況で、入手できるフロアがほとんどないアイテムを要求されるケースや、普通にやってて入手できる量を遙かに超える数を要求されるケースがあり、こういった依頼メモはクリアするためにひたすら同じダンジョン・フロアに何回も赴くことになりがち。
      • なお、トレジャーポイントで何のアイテムが出てくるかはマップで確認できるが、ランダムダンジョンのランダムフロアで入手できるアイテムはダンジョンの現在のフロアで出るアイテムのみしか確認できない仕様なのでランダムフロアでしか入手できないアイテムはそもそもどこで入手できるかを知ることすら難しい。
  • 上記を踏まえた上で特に言及されやすいのが以下のアイテムである。
    • サワーハニー……中盤のストーリー進行に必須となる依頼で要求される。この時点で要求されるのは1個だけ。
      • ただ、入手できるダンジョンのフロアが2つしかない上、ランクが高い(=入手しづらい)ため入手がかなり難しい。
        入手できるダンジョンのフロアの内1つはほとんどトレジャーポイントがないため、実質入手できるダンジョンフロアは1つといっていい。そのフロアも水路で分断されており探索が面倒となっている。
    • 生黒ニンニク……ストーリー進行に必須ではないが、鍵箱を開けるための鍵が報酬。
      • ランダムダンジョンの比較的狭いフロアでしか登場せず、そもそも、どこで入手できるかを発見するのが困難。こちらもランクが高いため運が悪いとなかなか入手できない。
    • チョコ金貨……入手できるフロアが1つだけでありランクが高いのに対し3個要求される。報酬が武器であるため、無視してもリスクが低いのが幸い。
    • チョコドングリ……本作で最も悪名高いアイテムといっても良いのがこれ。生黒ニンニク同様ランダムダンジョンでしか出現しない上、要求数はなんと10個。
      • こちらもチョコ金貨と同様クリアに必須とならないだけだいぶマシだが、依頼メモ全達成を目指す上ではほぼ間違いなく関門となる。
  • そして、ある依頼群についてもかなり面倒くさい。
+ ネタバレ注意
  • 上記ラスボス対策となるアイテムを入手するために、依頼メモという形でベックリンズミッションと呼ばれる依頼が出される。このミッションでは3種類のアイテムを要求される依頼が全部で5段階あるが、ここで要求されるアイテムもかなり面倒くさい。
    • 1段階目で要求されるアイテムには上記サワーハニーが含まれている。中盤で苦労して1個探してきたプレイヤーにとっては地獄再びとなりがちだが、この後の依頼を考えると要求が1個だけなのはまだ優しい方だといえるだろう。
    • 2段階目は砂金の砂時計3個がネック。こちらも入手できるフロアが少ない上に数が多いため面倒くさい。
    • 3段階目は火食鳥の尾羽3個がやはりネック。しかもかなり序盤のダンジョンで入手できるアイテムであるため、流石にもう使わないだろうと思って分解してしまっているケースも多い。
      • なお、ここでも生黒ニンニクが要求される。1個ではあるが、上記のとおり入手はやや面倒。
      • 正直この段階になるとわざわざ該当するダンジョンを訪れる必要性がないため、単純にトレジャーを拾うためだけにダンジョンを彷徨い続けることになる。
    • 4段階目は特に難しいものがなく、唯一の良心といえる。
    • 5段階目はお塩3個と赤ノ魔石26個と2種類が難しい。お塩3個は入手できるフロアが少ないが、一応、序盤の紫シンボルの敵のお供が落とすこともあるため、そちらで狙えば砂金の砂時計3個や火食鳥の尾羽3個より楽に終わることも。
      • ただ、赤ノ魔石26個はかなり苦痛。とあるダンジョン内であれば全域で拾えるがそれでも数が多すぎるため集まるのにかなりの時間が掛かる。
  • 既に述べた通り、ラスボス対策なしでラスボスを撃破するのは困難なので、事実上この依頼群は全てクリアすることが必須となる。
    • 最後の最後でまさかのアイテム集め、しかもかなり面倒くさい奴をやらされることになるため、批判は多い。
  • そもそも論として、換金アイテムや分解用アイテムとして用意されているものが急に依頼メモで要求されることになるため、常にそのアイテムを売却(分解)していいのかが判断できないという大きな問題点を孕んでいる。
    • 売ってしまった場合は(売値より遙かに高い値段になってしまうが)買い戻すことができるのに対し、分解してしまった場合は再度入手するしかない。特に序盤は魂の小瓶を入手するためにアーティファクトを分解することが必要不可欠であり、急に依頼メモで要求されるどんでん返しはかなり辛いものがある。
      • 実際に、依頼メモで一切要求されないアイテムもあるため、いっそのこと説明文でも分けてくれれば良かったのではなかろうか。

没イベントと思われるイベントがある

  • 中盤~終盤にかけてのとあるイベントにおいて、迷宮内の所定のポイントを巡っていくことになるのだが、その際の展開が明らかに浮いている。
    • 具体的に言うと、迷宮内の探索ポイントを調べることで、見覚えのないキャラクターが登場し、セリフを呟く。……それだけ
    • 本編に関係ないキャラクターであり、各ポイントでそれぞれ違うキャラクターが意味深に登場するのだが、本当にそれだけで終わってしまい、以後そのキャラクターが登場することもなければストーリーに関わりのある話をするわけでもないため、ここから何か始まるのか、とワクワクしたプレイヤーはとんでもない肩透かしを食らう。
      • この点については、アートブック(ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団 公式アートブック)内において「本来は異世界の物語が始まることを想定していたが、諸事情により組み込むことは叶わなかった」旨が語られているが、結果的に異世界のキャラクターが登場する場面だけが残されたために違和感が強いものとなってしまっている。

かなり鬼畜な隠しダンジョン

  • 一定条件を満たすことで挑むことができるようになる隠しダンジョンが存在するのだが、その隠しダンジョンがかなり鬼畜な仕様となっている。
    • ダンジョンそのものはゲーム中盤にも登場するタイプのランダムダンジョンであるが、そのフロア数はなんと 3651 となっており、ゲーム中盤のランダムダンジョンが精々100フロア程度であったことを踏まえれば尋常ではない長さとなっている。
      • 既に述べたとおり、100フロア程度の中盤ダンジョンでさえ長いという意見が少なからずあるが、まさかの30倍以上にも及ぶ大ボリュームとなっている。
    • フロア数も鬼畜なのだが、なんとこのダンジョン、道中に固定構造のフロアが一切ない。そのため、泥の脱出口を使った再入場は一切できない。
    • 流石に3651フロアものダンジョンをノンストップで駆け抜けなければならないというわけではないが、途中からやり直せる方法はかなり限定的であり、以下の2つのみ。それ以外で途中からやり直す方法は一切ない。
      • 1つめが、365フロア毎に発生する特殊イベントを見ること。イベントを見た段階で1階から該当フロアまでの直通の昇降機が利用可能となるため、当該フロアまで一気に進めるようになる。
      • もう一つが、ダンジョン内でたまに出現するワードローブを発見し分火すること。分火した時点で強制的にダンジョンから追い出されるが、次回以降最後に分火したワードローブのあったフロアから再開できる。
    • 前者は確実ではあるが、間隔は365フロア毎であるため、この方法のみで中断しようとすると「中盤のダンジョンの3倍以上もの距離を一気に駆け抜ける」ことになる。
      • また、後述するとおり、本ダンジョンでは瘴気ペナルティが存在し、1階からの昇降機の利用はこのペナルティの対象となるため、実際にはあまりオススメの方法ではない。
    • 後者は運ではあるものの、自身が到達したフロアから再開できるため使い勝手は良い。また、再開時の瘴気ペナルティが存在しないため本ダンジョンを攻略する上ではワードローブを発見し定期的にそこからやり直すことがセオリーとなっている。
    • これだけヘビーな仕様だが、中盤のランダムダンジョンと比べ探索失敗となる鬼畜要素も多数用意されている。
    • 直前ダンジョンにも出現する「一定時間経過でスポーンし、壁を破壊してプレイヤーを追いかけてくる特殊な敵」がここでも出現する。
      • 霧のヴェール無効化なので出現したらいかにして距離をとるか、或いは次のフロアへ向かうかが重要。かなりの強敵であり、対策をしていなければまず勝てない。
    • 強敵シンボルが普通に登場する。
      • この強敵も普通に強く、まず勝てない。固定シンボルでその場で回転するタイプなのだが、扉を開けた1マスに存在した場合逃走できないため、まず全滅不可避。
    • 一定時間経過後に所定の範囲内にいるとアタッカーが全員連れ去られるイベントが起きることがある。
      • 回避はそれ程難しくない……が、これも場合による。なお、このイベントはマップの地形が変わるため、運が悪いとその後階段に辿り着けないという可能性すらあり、むしろそちらが問題となることも*3
    • その他、フロア数が多いため、マナオーバーによる死神なども危険因子といえる。
    • フロア数が多い一方で、このような全滅要素が多いため、油断して失敗し、これまでの苦労が水の泡となってしまうことも十分ある。
  • 一応攻略の上で助けになる要素としてたまに出現する昇降機がある。
    • 昇降機を利用すると、運次第で100フロア以上スキップすることが可能であり、長丁場となるこのダンジョンにおいては、どれだけスキップできるかによって攻略難度に大きな差が出るといって良い。
      • ただし、このダンジョンではあまり歩かずフロアを進んでいくと、瘴気により人形兵が弱体化するというペナルティが用意されており昇降機を利用した場合は基本的にペナルティが最大の「能力-90%、回復量-95%」になってしまうため、昇降機を利用した後は、早めにワードローブを利用しないと戦闘で全滅してしまうリスクが高い(能力の減少は装備品を除いた能力なのでまだいいが、回復量減少はアイテムも含めて回復量が減るのでかなりきつい)。
    • 総じて、昇降機を使って深層まで移動→ワードローブで脱出……を繰り返せば掛かる時間は短くなりがちだが事故は発生しやすい。
      • なお、本ダンジョンの敵は365フロアを1巡として本編登場の敵全てが登場する(365フロアの内序盤は本編序盤の敵、終盤は本編終盤の敵)仕様であり、365フロア毎に敵が強くなっていくシステムだが、序盤の敵の次段階の強化より、終盤の敵の現段階の強化の方が基本的に強いため、イベント発生フロア直前が一番苦戦しやすいシステム。もっとも失敗したくない箇所がもっとも失敗しやすいポイントとなっている。
  • アップデートにより、昇降機やワードローブの出現率が大幅に増え、魔女嘆願さえすればフロアに昇降機やワードローブがあるかどうかすら分かるため、だいぶ楽になったが、それでも長丁場であることには変わりなく、単調で無駄に長いダンジョン故に評価はあまり良くない。
    • このアップデートはPSVita版には適用されていない点には注意が必要。
+ アップデート前の仕様
  • 上述の通り、アップデート前は昇降機やワードローブの出現率がかなり低かったため、昇降機やワードローブが見つかることがほとんど期待できなかった。下手すると100フロア以上階段で移動し続けなければならないことも。
    • 運良く、昇降機を利用できたとしても、ワードローブが見つかりづらいため、昇降機利用後のペナルティーはかなりきついものとなる。
    • なお、アートブック記載の情報だと「昇降機やワードローブは直前の出現から10フロアの間は出現せず、それ以降は徐々に出現率が上がっていく」という仕様だったようである。言い換えると「昇降機やワードローブを見逃した場合、更に10フロアの間は出現しない」と言うことになってしまうため、10フロアの間は即降り、それ以降は昇降機やワードローブが無いかをしっかりと確認して進むことが求められる……が、ゲーム内では当然このような情報は無かった。
      • ちなみに、現在の仕様であれば直前の出現から10フロアの間は出現しないという仕様もなくなっており、運が悪くなければ10フロア進む間に昇降機かワードローブのどちらかは見つかるくらいには出現する。
  • このように長々と探索しなければならない場合もあることから、時間が経つとマナオーバーに至ってしまうケースも出てくるため、おちおち戦闘もできず逃げ続けていかなければならないことになる。
    • このような仕様なので、プレイヤーの間ではモンスターのスポーンを防ぐ匙系のアイテムを大量に持ち込んで行くことがほぼ必須といわれた。それを踏まえても数十時間は普通に掛かると言われる。もちろん、300フロア程度潜った段階でやられてしまえば数時間が一瞬で消え去ることになる。
  • このダンジョンについてはバランス調整が不十分であることはディレクターが認めている(アートブックの記載内容より)。
    • なお、アートブック内ではこのダンジョンは物語が一区切り付いた後の果てなき試練として位置づけていたが故の階層数とのことであるが後述の理由により、本編の一つと認識されることが多かった。
    • アップデートにより難易度は大きく緩和されたため、鬼畜とまでは言えないという意見もあるが、無駄に長いダンジョンであることは変わりなくランダムダンジョンが好きでないプレイヤーからはやはり面倒くさいと認識されている。

あっさりとしたエンディング

  • ラスボスを倒して到達するエンディングは意外にもあっさりとしている。
    • 物語の一つの結末であることは確かなのだが、描写がかなりシンプルであるため、綺麗に終わったという感じはないと言い切って良いだろう。
      • このエンディングに対する反目、新たなる可能性への挑戦というのが上記隠しダンジョンへ繋がるという想定のようだが、エンディングがシンプルすぎるため、中盤同様「本編はまだ途中で一定条件を満たさないと先へ進めないのではないか?」と勘違いするプレイヤーも多かった。
      • 一方で、隠しダンジョンクリア後の特殊エンドはやや駆け足気味であるが、これまでのストーリーを総括するに相応しい内容となっておりボリュームもラスボス後のエンディングより遙かに多い。これがおまけだというのならば言うのであれば明らかにボリュームが逆といわざるを得ない。
    • ちなみにアートブックではラスボス撃破エンドが「トゥルーエンド」、隠しダンジョンクリア後のエンドが「グランドフィナーレ」と表記されているが、一般的にはラスボス撃破を「通常エンド」、隠しクリア後を「トゥルーエンド」や「真エンド」と呼ぶケースが多い。

その他の細かい問題点

  • リンケージリングは1キャラにつき1個しか使えない。
    • 例えばAとBは親子、AとCは恋人といった具合に1キャラに複数の関係をつけることが出来ない。評価点で述べた通りリンケージリングで構築できる関係がかなり多岐に及ぶのに1キャラ1つしか選べないのは脳内設定が充実している人ほどもやもやさせられる。
      • 人形兵同士の関係がいいと共振により戦闘が有利になることからの制約と思われるがやはり勿体ない。
  • 連れ去りは単純に面倒くさいと評されがち。
    • 連れ去られた時点でどの隠れ家に配置されるかが決まるわけではなく、ダンジョンに挑んだ時点で見つかるかどうかがランダムで決定される仕様。そのため、入口に近い隠れ家に移動→見つからなかったら脱出して再度訪れる、を繰り返せばいいだけとなってしまっている。
    • 連れ去りが最初に出現するであろうアプスでは隠れ家付近にピンクの靄が存在するせいで助けに行ったら更に連れ去られるという悪循環に陥ることも。
    • なお、隠れ家というダンジョン内で休息できそうなポイントであるにもかかわらず隠れ家にはこれだけの役割しかない。せめて回復ポイントにしてくれれば良かったのではないか。
      • ちなみに隠しダンジョン限定で休息ポイントというべき「ドリーミィ・イン」が出現する。本編でも使えるようにしてくれればよかったのでは……。
    • 連れ去りについては、アップデートで強制的に連れ戻す魔女嘆願が追加された。結果として連れ去られてもマナさえあれば強引に連れ戻せるようになったが、単に冒険中に面倒を強いるだけの要素に成り果ててしまった。
  • アプスからはいくつかの派生したダンジョンに移行するが、ダンジョンの雰囲気や曲が変わらないため変わり映えがしない。長期ダンジョンなだけにかなり気になる要素といえる。
    • なお、水路のBGMはアプスの曲をアレンジしたものだが、他のダンジョンの水路もこの曲が使われるため、他のダンジョンだと水路に入った時点で当該ダンジョンの曲から水路アレンジのアプスの曲になり、水路から出た時点でまたそのダンジョンの曲に変わるため違和感が強い。
  • 移動床対策は最終的に「強制移動を高確率で防ぐ」効果を得る形となるが、「強制移動を完全に防ぐ」ことはできない。
    • 移動床の移動先が落とし穴(場所によっては強制全滅)になっているケースもあり、効果が発動せず全滅……なんてことも普通に起きてしまう。
  • スキルの説明文は2行に分かれているが、説明文が表示されるエリアは1行しか表示されないため、全文確認するのに行切り替えを行わなければならない。
    • アストラアーシェの「私怨ノ首食ミ」など、1行で完結しているように見えつつ、2行目に重要な内容が記載されている*4ものももちろんあり、気付かない結果とんでもないミスを犯してしまうことも。
  • 文字入力を行うべき場面が多いのだが、昨今よくあるようなIMEによる変換ではなく、漢字表で探して一文字ずつ入力するという方式になっている。
    • ダンジョンメモやフレーバーテキストなど長文入力したい場面も多いにもかかわらず前時代的なシステムとなってしまっている。

総評

前作同様のダークテイストな物語は人を選ぶというのは確かだが好評である。
ファセットが追加され、戦闘はより戦略的になっており、自身の戦略がはまったときの爽快感はひとしお。
一方で、諸事情により未完成のまま発売したと見受けられる要素も少なくないため、未完成部分を補完した完成版を求む声もちらほら出ているところ。
完成度の高かった前作同様3DダンジョンRPGそのものの出来は決して悪くないが、あと一歩惜しい点が目立ってしまったのが本作の評といえよう。


余談

  • ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団 公式アートブック(2021年7月7日発行)において本作のディレクターである泉氏へのインタビューが記載されている。
    • 総じて、本作の完成度については思うところがあり、諸事情によって断念した点が多い旨が述べられている。
      • 諸事情の内容は不明だが、2019年にPSVitaの生産が終了し、これ以上パッケージ版のリリースを遅らせることが出来なかったことも理由の一つと考えられる。
        なお、PSVitaのパッケージソフトとしてはかなり末期にリリースされた作品であるが、いわゆる最後のソフトではない(PSVitaパッケージ版の最後のソフトは2020年12月17日にリリースされた『幻想牢獄のカレイドスコープ』であり、本作より3週間後にリリースされている)。
  • 本作の魔女ポジションとしてマダム・マルタが存在するが、パッケージや特典イラストについては総じてユリィカ(+降霊灯)のイラストが大半となっており、マダム・マルタはゲーム外ではほとんどイラストが露出していない。
    • その他、ファセットの主に女性タイプがいくつか選出されているが、いずれにせよマダム・マルタは登場していない。
      • この点についてもアートブックで「流石に老婆であるマダム・マルタを提案することはできなかった」と述べられている。
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最終更新:2024年02月14日 22:32

*1 正確にいうと、一時的に裏ファセットしか利用できない時期が発生するが、最終的には裏表どちらのファセットも利用可能となる

*2 例えば、最初にピアフォートレスとして作成したキャラを最終的にピアフォートレスにしてしまうと、ピアフォートレスのスキルが初期ファセットで75%軽減、その系統であるピアチャリオットのスキルが系統ファセットで66%軽減の2種類のクラススキルしか軽減効果を受けられないが、最初にアステルクロウとして作成したキャラを最終的にピアフォートレスにすれば、アステルクロウのスキルが初期ファセットで75%軽減、ピアフォートレスとピアチャリオットの系統ファセットが66%軽減となるため、3種類のクラススキルで軽減効果を受けられる

*3 階段に辿り着けなかったとしても、落とし穴から落ちれば次のフロアに行けるが、連続落下で全滅する可能性もある

*4 自身の死亡時に相手に深淵状態を付与する効果があるのだが、2行目に記載のあるとおり「発動すると自身の頭部がロスト」する。つまり、発動するとダンジョン内で蘇生不可、降霊灯を憑依させていた人形兵の場合は死亡=全滅となってしまう。