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カスミ ゴトウ」(2014/07/07 (月) 11:17:55) の最新版変更点

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*カスミ ゴトウ &random_img(カスミ1.jpg,カスミ2.jpg,カスミ3.jpg) #contents() ---- **銀河一の盗賊団のリーダー カスミ ゴトウは、Mass Effect2でシェパード チームのクルーとなる、銀河系一の盗賊団のリーダーで、&br() 優秀なテックスペシャリストである。&br() サーベラスによる紹介で加入することになる彼女だが、Xbox360日本語版では登場できず、PS3版にはDLCとして&br() 付いてくるし、サブマシンガンのM-12 ローカストも付いてくる。&br() もしカスミがチームにいない場合でも特攻任務はこなせるし、リーパーとの紛争も戦えるのは事実ではあるが、&br() 彼女がいなければ、DLCシタデルは少し物足りないものになるし、彼女との面白い多数の場面を見ることもできない。&br() カスミの主な出番は、Mass Effect2の「奪われた記憶」のミッションで、彼女のかつての恋人であったケイジ オクダ&br() の記憶が記録されたグレイボックスが、ドノヴァンホックによって奪われた。カスミは、シェパード少佐と共にこれを&br() 取り戻そうとする。&br() このグレイボックスには、軍事機密情報が含まれていたが、この件に関して、Mass Effect3のアサインメントでも&br() 再び関連してきて、戦闘資産に影響がある。&br() ともかく、カスミが面白いのは、DLCシタデルなので、これを逃す機会はないが、Xbox360版で彼女を登場させることが&br() できないのが残念である。&br() カスミ ゴトウの声を演じているのは、キム ホイさんである。さすがに英語なので、日本人ぽいとは言い難いが、&br() それでも顔は十分日本人なので、シェパード チーム唯一の日本人クルーとして、彼女を温かく迎えられるだろう。&br() ただ、義賊である、ということに抵抗がなければの話だが。&br() カスミ ゴトウの名前についてだが、漢字で書くと「後藤かすみ」だそうなのだが、この「後藤」の姓名は、「強盗」&br() から来ているのだそうだ。また、「かすみ」は「霞」ではなく、「霧」の意味だとか。&br() つまり、「霧のように姿を煙に巻いて強盗する」という意味にでもなるのだろうか。&br() そしてまた、カスミ ゴトウの年齢は不詳である。彼女は、自分のプロフィールから、年齢のデータだけを盗んだ、のか。&br() ここでは、カスミ ゴトウと、恋人のケイジ オクダとの2人のエピソードが、コミック「ファウンデーション10」&br() にあるので、場面をさらに追加して紹介する。&br() &br() ---- &br() **カスミのファイル 2185年、サーベラス、ラザラス ステーション。&br() ミランダ ローソン率いるラザラス プロジェクトがここで推進されている。&br() シェパード少佐の体は、かなり修復され、意識が回復するまで、あと1ヶ月といったところだった。&br() サーベラスのエージェントである、ラサ(マヤ ブルックス)は、今日も自室で仕事中。&br() 先日の、ジェイコブの個人的なトレーニングのせいで、心と体はとても元気になった。&br() ラサ「ジェイコブって…。私のことどう思ってるのかな…。まさか体だけ?」と、ぶつぶつ言っていると、&br() そこにミランダが現れた。&br() ミランダ「体だけって何が?」&br() ラサ「あ、いえ、体が1つだけじゃ足りないかな~って。忙しいから。」慌てて笑顔で弁解する。&br() ミランダ「そうね。体が1つだけじゃ足りないわね。クローンが欲しいところだわ」&br() ラサ「え?!」&br() ちょっと驚いたラサ。この前、クローンのシェパード少佐の入っていたタンクを眺めていたので、ミランダも&br() あれを見たのだろうかと、ふとそう思った。&br() ミランダ「あ、なんでもないの。気にしないで。ところで、あの、銀河系一の盗賊団のリーダーっていう女性の&br() ファイルだけど、届いた?」&br() ラサ「ええ、届きました。今から整理するところです」&br() ミランダ「たしか、カスミ ゴトウっていう人間の女性なんだけど、そのひとも特攻任務のファイルに彼女を&br() 入れておいてね。」&br() ラサ「はい、了解しました」&br() ミランダは、ラサの傍にきて、体つきをじろじろ見ていた。&br() ラサは、気にせず仕事をしている。&br() ミランダは、ラサのお腹をじっと見ていた。&br() ミランダ「ラサ、くれぐれも…。トレーニングする前はあの薬を…。」&br() ラサ「はい、分かってます。あの薬ですよね、飲んでます」&br() ミランダ「もしも妊娠しちゃったら、エージェントの仕事なんてできないでしょ?」&br() ラサ「はい、ありがとうございます、お気遣い頂いて」&br() ミランダ「いいのよ、別に。あなたとジェイコブのことは、私も嬉しいから。それじゃ、また後で&br() ファイルができたら私の所に持ってきてね」&br() ラサ「はい、分かりました」&br() ラサは、モーディンに引き続いて、今度はカスミ ゴトウの情報で必要なものをピックアップする。&br() ラサ「銀河系一の盗賊団っていうくらいだから、きっと凄い女盗賊で、すごい格好してるんだろうな~」&br() 彼女は、あのジャックの姿を想像した。タゥーまみれで、きっと裸みたいに肌を露出していて、&br() すごいしゃべり方なんだろうな…。と。だが、画像を見ると想像とはまるで違った。&br() ラサ「おお! すごい普通だ! あたし何言ってんだろ…。どれどれ…。」&br() 彼女は独り言を言いながら、「秘密」の情報を開封した。&br() ラサ「おぉぉ…。私なんかが見ていいのかしら。どきどきしてきちゃった…。」&br() 普段見る情報とは違う個人的な内容にやや驚いたが、ラサは興味津々でページをめくっていった。&br() &br() **ケイジとの夜 2185年、イリウム。&br() 銀河系一の盗賊団のリーダーであるカスミ ゴトウが住んでいるアパートは、人口の集中する&br() イリウムの街の高層ビルにある。&br() 彼女の仲間であり、恋人のケイジ オクダは、カスミに会う為に、スカイカーで彼女のアパートへ向かう。&br() ケイジは、今回、新たな仕事の話をするために彼女の部屋に向かおうとしていたが、それは、&br() 彼女のためになると思ってのことだ。しかし彼は、この仕事が予想以上に危険になるとは、&br() まるで考えていなかった。&br() スカイカーがアパートに着くと、降りて、カスミの部屋に向かう。&br() カスミの部屋。&br() ドアベルが鳴る。&br() カスミは、外部モニターを見て、ケイジだと分かるとすぐに彼を中に入れる。&br() そしてカスミは、すぐにケイジにキスをする。&br() 1度、またもう1度。&br() ケイジ「待ちきれなかったようだね。ごめんよ、遅くなって」&br() カスミ「いいのよ、ただ、今日は来てくれるか心配だったものだから…」&br() カスミやケイジは、当局には追われている立場だったので、とても神経質になっていた。&br() ケイジは、まだ食事はしていなかったが、先に用事を済ませようと思った。&br() ケイジ「早速ですまないが、先に仕事の話をしよう。」&br() カスミ「ええ、いいわ。聞かせて」&br() カスミは、ワインとグラスを取ってきて、2人でそれを飲みながら話す。&br() ケイジ「ベケンスタインに本拠地のある武器密輸業者、ドノヴァンホックの屋敷に潜入する」&br() カスミ「ドノヴァンホックね、ええ、いいわ。私が前に行きたかったところね。」&br() カスミは、何年も前から、ドノヴァンホックが貴重で高価な美術品や陶芸品を集める収集家&br() であることは知っていたし、カスミの邪魔をしたこともあって、一度彼の屋敷に行って&br() 何か奪ってやろうと前々から思っていた。&br() ケイジ「調べた限りでは、警備が厳しくて、倉庫の奥まで侵入するのはとても困難だと予想される」&br() カスミ「分かってる。あそこは、1度あたしも忍び込もうと思って調べたことがあるのよ。でも、&br() 倉庫へ行く前にどうやって屋敷に入るの?」&br() ケイジ「実は、近々、ドノヴァンホックの屋敷に新しい美術品が納入されるらしい。そこで、&br() 発着パッドから航空機が除かれて、1機も見当たらない。今回はそこから行こうと思っている」&br() カスミ「空から直接乗り込むのね?」&br() ケイジ「そうだ。寝静まった夜に、スカイカーでこっそり発着パッドに降りる。」&br() カスミ「なるほど。地上からだと、地雷でドカン!だもんね。」&br() ケイジ「そうだ。音の静かなスカイカーを手に入れておいた。これなら成功するはずだ。」&br() カスミ「上出来よ、ケイジ」&br() ケイジ「屋敷の見取り図はこれだ…。」&br() カスミ「ふむふむ…。あそこと…。あそこと…。あそこね。大丈夫よ。任せて」&br() ケイジ「呑み込みが早いな。さすがカスミだ。」&br() カスミ「仕事の話はこれで終わりね?」と言って、彼女は着ている服を脱ぎだす。&br() ケイジ「そうだが…。カ…カスミ…。」&br() カスミは、ユニフォームを脱ごうとしたら、お腹が鳴った。「あら…。」&br() ケイジ「思った通りだ。お楽しみは後にして、先に夕食にしよう」&br() カスミ「そうね、賛成」と言ってまたユニフォームを着る。&br() 彼女は、ケイジとの一夜をとても楽しみにしていたので、待ちきれなかったのである。&br() &br() カスミとケイジは、アパートを出て、スカイカーに乗ってイリウムの夜の街を駆け抜ける。&br() カスミは、ケイジと一緒にこうしていられることが幸せだと感じていた。&br() ケイジも同じで、盗賊団をいつか辞めることになれば、いつかカスミと結婚して、当局も追って&br() こない遠くの街で、幸せな家庭を作りたい、そう願っていた。&br() だが、ケイジは、少し不安を抱えていた。&br() 今、彼の頭の中に埋め込んであるグレイボックスに入っている記憶…。&br() グレイボックスとは、神経インプラントで、この装置は、彼が見た映像を記憶しておくことができる。&br() この中に記憶されている映像には、カスミとの思い出だけでなく、かなり危険な軍事機密が&br() 記憶されていた。&br() もしこの秘密情報が人に知れると、連合が危険な立場にさらされる可能性がある。&br() さらに、記憶の1つ、リーパーに関連した情報は、紛争の火種になる可能性を秘めていた。&br() (関連:Mass Effect3のアサインメント)&br() &br() カスミとケイジは、いい日本料理の店を見つけて、そこに入った。&br() カスミ「ロクメイカン、久しぶりだわ。今日はお腹一杯食べましょう」&br() ケイジ「ああ、そうだね。僕は刺身を食べたい…。」&br() カスミ「私は絶対、ラーメン!」&br() ケイジ「おお! いいね…。僕もそうしよう…。」&br() カスミ「いいメニューがあるの…。さ、こっちよ」&br() 2人は、日本の着物姿の女性に案内されて、「ユメジ」という座敷のような部屋に入る。&br() カスミ「いい部屋でしょ。ここは高いんだけど、今夜はいいでしょ」&br() ケイジ「ああ、まるでここは日本だね」&br() カスミは、高級そうな日本の机の上に置かれた、徳利に入ったお酒を、小さなおちょこに注ぎ、&br() それをケイジに「どうぞ」と日本語で言って渡す。&br() ケイジ「ありがとう」と日本語で言ってもらい、それを飲むと「うまい」と日本語で言って微笑む。&br() カスミ「やっぱりここに来てよかったわね。明日のことなんて忘れて、今夜は楽しみましょ」&br() いっそ、2人は日本語で話せばいいとは思うが…出来ないようだった。&br() こうして、日本の屋敷に限りなく近いこの店で、2人はラーメンをはじめとする日本料理を&br() たっぷりと堪能した。&br() &br() 2人は、お腹が膨れると、すぐにアパートに戻った。&br() カスミは、部屋に入るとすぐにユニフォームを脱ぎ始めた。&br() 下着姿になると、ケイジをシャワールームに引っ張っていって、彼の服を脱がし始めた。&br() ケイジ「カスミ…。食べた後で、少し眠くなってきたよ…。」&br() カスミ「今から私と寝るんだから、それから寝なさい…。」&br() ケイジ「了解、リーダー」&br() カスミ「よろしい、いい子ね。」&br() 再び激しいキスの後、2人はシャワーを浴びながら、肌を触れあい、心を寄せ合った。&br() カスミは、この夜が、まさかケイジとの最後の夜になろうとは思ってもいない。&br() カスミ「今夜は、激しく抱いてね」&br() ケイジ「それも命令かい?」&br() カスミ「当然でしょ?」&br() カスミは、ケイジをベッドに押し倒す。&br() (カスミがケイジをベッドに押し倒す場面は、Mass Effect2のDLC「奪われた記憶」の中にある)&br() &br() &br() ラザラス ステーション。&br() ここまで、ラサは読んだが、2人がどう「楽しんだか」については書かれていない。&br() ラサ「ちぇ…。詳細は割愛って何だそれ…。」&br() ラサは、2人がここで最後の夜を過ごしたという記述を読んで、少し胸が痛くなった。&br() そして、自分も近い将来、このステーションで最後の夜を迎えるかもしれない…。&br() そう思いながら読んでいた。&br() ラサ「きっと最後の夜はジェイコブと…。」&br() と思ったが首を横に振った。ジェイコブを巻き込んだら迷惑がかかるかもしれない…と。&br() ラサは、カスミとケイジの続きをさらに読んでいった。&br() ラサ「ベケンスタイン…私行ったことないな…。イリウムならあるけど…」&br() &br() そして「ラーメン…。(じゅるり)食べてみたいよ…。(じゅるり)」と、そう、よだれを垂らしながら&br() そうつぶやいた。&br() (以前、ミランダとジェイコブが、シェパード少佐の遺体回収任務の途中で、成り行きでラーメンを食べて&br() いたことを知り、ラサは「連れていけ」と何度も文句を言ったという経緯があった。)&br() &br() **ベケンスタインの夜 イリウムのアパートで、最後の幸せな夜を一緒に過ごしたカスミとケイジ。&br() 翌朝、目が覚めるとベッドのシーツはとても乱れていたが、綺麗に直すケイジ。&br() カスミはユニフォームに着替える。&br() ケイジは、裸のままカスミにキスをする。&br() カスミ「昨晩はよくがんばったわよ。ありがと」と、カスミはご機嫌だった。&br() &br() この後、2人は朝食を食べて、アパートを出た。&br() そして、港へ行き、盗賊団の艦に乗り込む。&br() 彼らの艦は、貨物船を改造して重装備した、民間人を装った艦だ。&br() 見かけは貨物船だが、長距離FTL航行も可能で銀河のどこにでも行けた。&br() イリウムの港から、シタデルのあるサーペント星系の隣、ボルツマン恒星系にある&br() 惑星ベケンスタインへと向かう。&br() &br() ***侵入作戦 艦はベケンスタインの上空に着いたが、まだ、ドノヴァンホックの屋敷ある地方は夕刻だった。&br() カスミとケイジは、ドノヴァンホックの屋敷の上空から、セキュリティをチェックしたが、&br() 発着パッドでは何ら、保護するセキュリティは起動されていなかった。&br() 対空砲も、センサーも、防御隔壁も、すべてオフの状態であると確認した。&br() 艦を、ドノヴァンホックの屋敷から1km離れた海上の上空で、艦を停止させた。&br() この時、エクリプス警備会社の警備員達は、明日の美術品納入の為に、1階に集まって話し合いを&br() していたが、一人の警備員が、ベランダにいて外を眺めて、タバコを吸っていた。&br() その警備員は、遠くに艦があるのを確認すると、ふと、怪しいと感じ、ドノヴァンホックにそれを報告した。&br() するとドノヴァンホックは、「怪しい? 顧客の艦じゃないのか? 調べて来い」&br() 警備員は、すぐに端末装置をあたって船籍を確認しようとしたが、顧客の艦でないことは確かだった。&br() あのような貨物船がここに来ることはたまにしかない。&br() 顧客の使う貨物船は、どれも新型で、あのような旧型ではない。&br() さらに調べを進め、当局のデータベースに、あの貨物船が載っていることを確認すると、さらに、その貨物船&br() には、ケイジというクルーがいることが分かった。&br() ケイジは、当局に偽装パスポートを使った容疑で手配されていた。&br() 1時間後にドノヴァンホックに報告が来る。&br() ドノヴァンホック「ほぉ…。あいつが来たのか…。楽しみだ」&br() 彼は、ケイジを知っていた。そして、神経インプラントを頭に埋め込んであることも。&br() ドノヴァンホックは、エクリプス警備員に、ケイジを屋敷に侵入させる命令を出した。&br() &br() 夜になり、すっかり辺りは闇に包まれた。&br() まだ貨物船にいるカスミとケイジ。&br() カスミ「そろそろ準備はいい?」&br() ケイジ「ああ、いつでもいける」&br() カスミは、クルーにスカイカーの準備をさせ、2人はそれに乗る。&br() スカイカーでドノヴァンホックの屋敷に接近する。&br() スカイカーは、何の問題もなく、静かに発着パッドに降り、スカイカーを降りた。&br() エクリプス警備員達は、侵入者が発着パッドから来ることは知らなかったし、&br() 1階にいろと命じられていたので、動かなかった。&br() &br() カスミと、ケイジは、発着パッドから侵入路をたどって、エクリプス格納庫を通り、&br() 屋敷へ通じるドアをバイパスして開錠し、入る。&br() だが、カスミとケイジは、エクリプス警備員の姿が一人も見えないことにやや不安を覚えた。&br() カスミ「あの通路から階段を使えば、2階と3階の間に出られるわね」&br() ケイジ「ああ。だが、警備員がいるかもしれん。慎重に行こう」&br() カスミは、姿を消してさっと行って戻ってくると、「3階には誰もいないみたい。でも1階&br() ロビーには、大勢のエクリプス警備員達の話し声が聞こえるわ」&br() ケイジ「分かった。それじゃ、カスミは1階のエクリプス警備員達を頼む。俺は3階に行く」&br() カスミ「了解。かく乱は任せて」&br() カスミは姿を消して1階へ進み、ケイジは3階へ慎重に歩いていく。&br() &br() ***思わぬ悲劇 ケイジは、3階に通じる通路の赤外線センサーがオフになっているかをを確認して、&br() 静かに階段を登っていく。&br() カスミは、姿を消した状態から、デコイのドローンを放つ。&br() ケイジは、3階の通路を歩いていると、下方からエクリプス警備員達の大きな声がしてきた。&br() ドローンを見たエクリプス警備員達は、何かと慌てて騒ぎ出す。&br() だが、侵入者警報は出されていない。&br() カスミは姿を消して、エクリプス警備員を一人ずつ始末していく。&br() 侵入者警報がびーびー鳴り響くはずが、ないことに疑問に思うケイジ。&br() ケイジ「どうも怪しいな…。もしかしてこれは罠かもしれない」と思いつつ、&br() 彼は廊下を歩いていくと、突き当たりに植木の脇に、端末装置があるのが見えた。&br() ケイジ「あれか…。」&br() 彼は、倉庫に入る為の情報がここにあると信じて、目先の端末装置へ進む。&br() 彼は、端末装置にオムニツールをかざすと、情報をダウンロードする。&br() 倉庫にある品目情報があるのを確認したケイジ。&br() 端末装置を向いているケイジの背後に、人影がいた。&br() ドノヴァンホックだった。&br() ケイジは、足音を聞いて振り返ろうとしたが、彼は頭にひどい痛みを感じて倒れた。&br() ケイジ「う…。」&br() 彼は、気絶する前の意識の中で、カスミに伝えなければならないことを、グレイボックスに次々と&br() 記憶していったが、やがて彼は痛みに耐えかねて気絶し、やがて死んだ。&br() この時の記憶は、DLC「奪われた記憶」において見ることが出来る。&br() ドノヴァンホック「ふん…。わざわざ神経インプラントを届けに来てくれたか…。」&br() 彼は、ケイジが死んでいるのを確認すると、頭を指差して「この辺りにあるはずだ」と言って、&br() エクリプス警備員に命じて、ケイジの頭に穴を開けさせた。&br() ドノヴァンホックは、ケイジの頭の中から、小さなグレイボックスを取り出す。&br() ドノヴァンホック「これがやつの神経インプラントか…。ついに見つけた。」&br() 彼は、取り出したグレイボックスをケースに入れて保管すると、屋敷内の明かりを点けた。&br() ドノヴァンホック「さあ、ねずみを引っ張り出せ! そして始末しろ!」&br() と言って彼は、ケースを持って自分の部屋へ。&br() カスミは、奥にある倉庫に入ろうとしていたが、気づかれたことで、急いでベランダに飛び移った。&br() そこから2階へと上がると、エクリプス警備員がカスミを探しているのが見えた。&br() カスミは姿を消しているので、警備員からは見えないが、明かりを点けているので、&br() 僅かにカスミの周辺がぼやけて見え、センサーが彼女の居場所を特定させようとしていた。&br() カスミ「ケイジ…。なぜ連絡がないの…。」&br() 彼女はシャドウストライクで敵を倒しながら、ケイジのいる3階へと向かった。&br() 3階にも、エクリプス警備員が待ち構えていたが、カスミはドローンを出して応戦した。&br() 彼女は、姿を消しながら、背後から一人ずつ片付けていく。&br() やがて、彼らを全員始末すると、端末装置の前に倒れているケイジを見つけた。&br() カスミ「ケイジ! まさか…。」彼女は青ざめた。&br() ケイジの頭は血だらけで、グレイボックスが無くなっていることに気づく。&br() カスミは、ケイジが死んでいると分かり、彼の体を抱きしめた。&br() そして大粒の涙を流しながら、復讐を誓った。&br() 下の階から、またエクリプス警備員が来るのが聞こえてきたので、急いでベランダに飛び移る。&br() そして階段を降りてドアをバイパスし、エクリプス格納庫を通って、発着パッドへと向かった。&br() カスミは、泣きながらスカイカーへと飛び乗り、発進させた。&br() エクリプス警備員は、それ以上は追ってはこない。&br() カスミは貨物船に戻ると、後ろ髪を引かれる思いでイリウムに帰還した。&br() &br() **復讐への扉 ***怖いミランダ ラサは、ここまで読んで、彼女も涙を流して泣いていた。&br() ラサ「カスミ…。なんてかわいそうなの…。」と、彼女も涙を流して泣いていた。&br() その声を聞いたジェイコブは、すぐに飛んできた。&br() ジェイコブ「どうしたんだ? ラサ…。何があったんだ?」と、ラサを抱きしめた。&br() ラサ「カスミ…。カスミが…。」&br() ジェイコブ「カスミ?」と、彼も画面を見ると、少し驚いた。&br() ラサ「カスミの恋人が殺されちゃって…。頭を割られて…。ひどい…。」&br() ジェイコブ「そうだな。確かにひどいが…。君はエージェントだろう。そんなことくらいで…。」&br() ラサ「ねぇ、これからトレーニングしませんか?」と、いきなり言い出した。&br() ジェイコブ「今からかい? でもまだ時間は早いし…。」と言いかけると「オホン」と声がした。&br() ジェイコブ「ミランダ!」と、彼も驚いて、思わずラサを抱きしめていた手を離した。&br() ミランダ「随分仲がおよろしいことね…。いいわよ、別にトレーニングに行っても。でもラサ、&br() そのかわり、明日までにカスミの報告書、私の机の上に置いて置いてね」&br() ミランダは、最後に「キ!」っと2人を睨んで、立ち去った。&br() ラサ「ミランダ…。なんだか怖い…。」ラサは寒気がした。&br() ジェイコブ「さあ、鬼のいぬまに行こう…。」と、2人はトレーニングへと向かった。&br() &br() ***復讐への扉 カスミは、イリウムのアパートにいた。&br() 彼女は、エクストラネットワークを使って、ドノヴァンホックの屋敷へとつなげる。&br() ドノヴァンホックの屋敷でスキャンして入手した、ドノヴァンホックのIDコードと&br() セキュリティ コードを入力すると、彼の倉庫に関する情報が出てきた。&br() 倉庫にある品目には、やはり「グレイボックス」が新たに追加されたとある。&br() カスミ「あの倉庫に仕舞い込んだのね…。」と、彼女は頭を抱えた。&br() しかし、彼女は諦めなかった。&br() カスミは、イリウムの街に出ると、そこで知り合いのシャドウブローカーのエージェントに会った。&br() クリン ラヴォン「何だ? 急ぎの用事か?」&br() カスミは、知り合いに軍事専門家はいないかと尋ねたが、クリン ラヴォンは、知り合いに相談してもいいと&br() 言って立ち去った。&br() その知り合いとは、サーベラスのエージェントで、そのエージェントはイルーシヴマンに報告した。&br() イルーシヴマンは、カスミ ゴトウの話を聞いて、2つ返事で了承した。&br() この後、ラサに調査命令が下る。&br() イルーシヴマンは、エージェントを通じてカスミに連絡させた。&br() エージェント「イルーシヴマンは、あなたに協力すると言っています。強力な軍事専門家がいるので、&br() その方なら手助け出来ると彼は言っています。もちろん、必要な経費はすべてこちらで負担します」&br() カスミ「分かったわ。ラーメンマンに協力を受けると伝えて」&br() エージェント「ラーメンマンではなく、イルーシヴマンです」&br() カスミ「え? 何? もう1度言って?」&br() エージェント「イルーシヴマンです。ラーメンマンではありません」&br() カスミ「ラー…おほん、イルーシヴマンね。了解。連絡ありがとう。それじゃ手配をよろしくね」&br() エージェント「畏まりました」&br() カスミ「イルーシヴマン…。変な名前ね。幻の男…。か。」&br() 恋人であったケイジ オクダは、カスミの記憶の中の存在になりつつあった。&br() しかし、カスミは、ケイジを「幻の男」にはしたくなかった。&br() カスミ「ケイジ…。待ってて。いつか私が取り返すから…。」&br() この後カスミは、エージェントから、シェパード少佐がシタデルに立ち寄ると聞いて、シタデルに向かった。&br() こうして復讐への扉が開かれようとしていた。&br() &br() ---- コミック「ファウンデーション10」&br() このコミックは、マヤ ブルックスを中心とした物語だが、進むにつれて、次第にラサの立場が危うくなる。&br() ----
*カスミ ゴトウ &random_img(カスミ1.jpg,カスミ2.jpg,カスミ3.jpg) #contents() ---- **銀河一の盗賊団のリーダー カスミ ゴトウは、Mass Effect2でシェパード チームのクルーとなる、銀河系一の盗賊団のリーダーで、&br() 優秀なテックスペシャリストである。&br() サーベラスによる紹介で加入することになる彼女だが、Xbox360日本語版では登場できず、PS3版にはDLCとして&br() 付いてくるし、サブマシンガンのM-12 ローカストも付いてくる。&br() もしカスミがチームにいない場合でも特攻任務はこなせるし、リーパーとの紛争も戦えるのは事実ではあるが、&br() 彼女がいなければ、DLCシタデルは少し物足りないものになるし、彼女との面白い多数の場面を見ることもできない。&br() カスミの主な出番は、Mass Effect2の「奪われた記憶」のミッションで、彼女のかつての恋人であったケイジ オクダ&br() の記憶が記録されたグレイボックスが、ドノヴァンホックによって奪われた。カスミは、シェパード少佐と共にこれを&br() 取り戻そうとする。&br() このグレイボックスには、軍事機密情報が含まれていたが、この件に関して、Mass Effect3のアサインメントでも&br() 再び関連してきて、戦闘資産に影響がある。&br() ともかく、カスミが面白いのは、DLCシタデルなので、これを逃す機会はないが、Xbox360版で彼女を登場させることが&br() できないのが残念である。&br() カスミ ゴトウの声を演じているのは、キム ホイさんである。さすがに英語なので、日本人ぽいとは言い難いが、&br() それでも顔は十分日本人なので、シェパード チーム唯一の日本人クルーとして、彼女を温かく迎えられるだろう。&br() ただ、義賊である、ということに抵抗がなければの話だが。&br() カスミ ゴトウの名前についてだが、漢字で書くと「後藤かすみ」だそうなのだが、この「後藤」の姓名は、「強盗」&br() から来ているのだそうだ。また、「かすみ」は「霞」ではなく、「霧」の意味だとか。&br() つまり、「霧のように姿を煙に巻いて強盗する」という意味にでもなるのだろうか。&br() カスミ ゴトウは、2186年の時点では、イリウム在住となっていて、生年は2160年となっている。&br() しかし、名前は別人で登録されており、両親は不明で、彼女の本当の情報は一切分からなくしてある。&br() ここでは、カスミ ゴトウと、恋人のケイジ オクダとの2人のエピソードが、コミック「ファウンデーション10」&br() にあるので、場面をさらに追加して紹介する。&br() &br() ---- &br() **カスミのファイル 2185年、サーベラス、ラザラス ステーション。&br() ミランダ ローソン率いるラザラス プロジェクトがここで推進されている。&br() シェパード少佐の体は、かなり修復され、意識が回復するまで、あと1ヶ月といったところだった。&br() サーベラスのエージェントである、ラサ(マヤ ブルックス)は、今日も自室で仕事中。&br() 先日の、ジェイコブの個人的なトレーニングのせいで、心と体はとても元気になった。&br() ラサ「ジェイコブって…。私のことどう思ってるのかな…。まさか体だけ?」と、ぶつぶつ言っていると、&br() そこにミランダが現れた。&br() ミランダ「体だけって何が?」&br() ラサ「あ、いえ、体が1つだけじゃ足りないかな~って。忙しいから。」慌てて笑顔で弁解する。&br() ミランダ「そうね。体が1つだけじゃ足りないわね。クローンが欲しいところだわ」&br() ラサ「え?!」&br() ちょっと驚いたラサ。この前、クローンのシェパード少佐の入っていたタンクを眺めていたので、ミランダも&br() あれを見たのだろうかと、ふとそう思った。&br() ミランダ「あ、なんでもないの。気にしないで。ところで、あの、銀河系一の盗賊団のリーダーっていう女性の&br() ファイルだけど、届いた?」&br() ラサ「ええ、届きました。今から整理するところです」&br() ミランダ「たしか、カスミ ゴトウっていう人間の女性なんだけど、そのひとも特攻任務のファイルに彼女を&br() 入れておいてね。」&br() ラサ「はい、了解しました」&br() ミランダは、ラサの傍にきて、体つきをじろじろ見ていた。&br() ラサは、気にせず仕事をしている。&br() ミランダは、ラサのお腹をじっと見ていた。&br() ミランダ「ラサ、くれぐれも…。トレーニングする前はあの薬を…。」&br() ラサ「はい、分かってます。あの薬ですよね、飲んでます」&br() ミランダ「もしも妊娠しちゃったら、エージェントの仕事なんてできないでしょ?」&br() ラサ「はい、ありがとうございます、お気遣い頂いて」&br() ミランダ「いいのよ、別に。あなたとジェイコブのことは、私も嬉しいから。それじゃ、また後で&br() ファイルができたら私の所に持ってきてね」&br() ラサ「はい、分かりました」&br() ラサは、モーディンに引き続いて、今度はカスミ ゴトウの情報で必要なものをピックアップする。&br() ラサ「銀河系一の盗賊団っていうくらいだから、きっと凄い女盗賊で、すごい格好してるんだろうな~」&br() 彼女は、あのジャックの姿を想像した。タゥーまみれで、きっと裸みたいに肌を露出していて、&br() すごいしゃべり方なんだろうな…。と。だが、画像を見ると想像とはまるで違った。&br() ラサ「おお! すごい普通だ! あたし何言ってんだろ…。どれどれ…。」&br() 彼女は独り言を言いながら、「秘密」の情報を開封した。&br() ラサ「おぉぉ…。私なんかが見ていいのかしら。どきどきしてきちゃった…。」&br() 普段見る情報とは違う個人的な内容にやや驚いたが、ラサは興味津々でページをめくっていった。&br() &br() **ケイジとの夜 2185年、イリウム。&br() 銀河系一の盗賊団のリーダーであるカスミ ゴトウが住んでいるアパートは、人口の集中する&br() イリウムの街の高層ビルにある。&br() 彼女の仲間であり、恋人のケイジ オクダは、カスミに会う為に、スカイカーで彼女のアパートへ向かう。&br() ケイジは、今回、新たな仕事の話をするために彼女の部屋に向かおうとしていたが、それは、&br() 彼女のためになると思ってのことだ。しかし彼は、この仕事が予想以上に危険になるとは、&br() まるで考えていなかった。&br() スカイカーがアパートに着くと、降りて、カスミの部屋に向かう。&br() カスミの部屋。&br() ドアベルが鳴る。&br() カスミは、外部モニターを見て、ケイジだと分かるとすぐに彼を中に入れる。&br() そしてカスミは、すぐにケイジにキスをする。&br() 1度、またもう1度。&br() ケイジ「待ちきれなかったようだね。ごめんよ、遅くなって」&br() カスミ「いいのよ、ただ、今日は来てくれるか心配だったものだから…」&br() カスミやケイジは、当局には追われている立場だったので、とても神経質になっていた。&br() ケイジは、まだ食事はしていなかったが、先に用事を済ませようと思った。&br() ケイジ「早速ですまないが、先に仕事の話をしよう。」&br() カスミ「ええ、いいわ。聞かせて」&br() カスミは、ワインとグラスを取ってきて、2人でそれを飲みながら話す。&br() ケイジ「ベケンスタインに本拠地のある武器密輸業者、ドノヴァンホックの屋敷に潜入する」&br() カスミ「ドノヴァンホックね、ええ、いいわ。私が前に行きたかったところね。」&br() カスミは、何年も前から、ドノヴァンホックが貴重で高価な美術品や陶芸品を集める収集家&br() であることは知っていたし、カスミの邪魔をしたこともあって、一度彼の屋敷に行って&br() 何か奪ってやろうと前々から思っていた。&br() ケイジ「調べた限りでは、警備が厳しくて、倉庫の奥まで侵入するのはとても困難だと予想される」&br() カスミ「分かってる。あそこは、1度あたしも忍び込もうと思って調べたことがあるのよ。でも、&br() 倉庫へ行く前にどうやって屋敷に入るの?」&br() ケイジ「実は、近々、ドノヴァンホックの屋敷に新しい美術品が納入されるらしい。そこで、&br() 発着パッドから航空機が除かれて、1機も見当たらない。今回はそこから行こうと思っている」&br() カスミ「空から直接乗り込むのね?」&br() ケイジ「そうだ。寝静まった夜に、スカイカーでこっそり発着パッドに降りる。」&br() カスミ「なるほど。地上からだと、地雷でドカン!だもんね。」&br() ケイジ「そうだ。音の静かなスカイカーを手に入れておいた。これなら成功するはずだ。」&br() カスミ「上出来よ、ケイジ」&br() ケイジ「屋敷の見取り図はこれだ…。」&br() カスミ「ふむふむ…。あそこと…。あそこと…。あそこね。大丈夫よ。任せて」&br() ケイジ「呑み込みが早いな。さすがカスミだ。」&br() カスミ「仕事の話はこれで終わりね?」と言って、彼女は着ている服を脱ぎだす。&br() ケイジ「そうだが…。カ…カスミ…。」&br() カスミは、ユニフォームを脱ごうとしたら、お腹が鳴った。「あら…。」&br() ケイジ「思った通りだ。お楽しみは後にして、先に夕食にしよう」&br() カスミ「そうね、賛成」と言ってまたユニフォームを着る。&br() 彼女は、ケイジとの一夜をとても楽しみにしていたので、待ちきれなかったのである。&br() &br() カスミとケイジは、アパートを出て、スカイカーに乗ってイリウムの夜の街を駆け抜ける。&br() カスミは、ケイジと一緒にこうしていられることが幸せだと感じていた。&br() ケイジも同じで、盗賊団をいつか辞めることになれば、いつかカスミと結婚して、当局も追って&br() こない遠くの街で、幸せな家庭を作りたい、そう願っていた。&br() だが、ケイジは、少し不安を抱えていた。&br() 今、彼の頭の中に埋め込んであるグレイボックスに入っている記憶…。&br() グレイボックスとは、神経インプラントで、この装置は、彼が見た映像を記憶しておくことができる。&br() この中に記憶されている映像には、カスミとの思い出だけでなく、かなり危険な軍事機密が&br() 記憶されていた。&br() もしこの秘密情報が人に知れると、連合が危険な立場にさらされる可能性がある。&br() さらに、記憶の1つ、リーパーに関連した情報は、紛争の火種になる可能性を秘めていた。&br() (関連:Mass Effect3のアサインメント)&br() &br() カスミとケイジは、いい日本料理の店を見つけて、そこに入った。&br() カスミ「ロクメイカン、久しぶりだわ。今日はお腹一杯食べましょう」&br() ケイジ「ああ、そうだね。僕は刺身を食べたい…。」&br() カスミ「私は絶対、ラーメン!」&br() ケイジ「おお! いいね…。僕もそうしよう…。」&br() カスミ「いいメニューがあるの…。さ、こっちよ」&br() 2人は、日本の着物姿の女性に案内されて、「ユメジ」という座敷のような部屋に入る。&br() カスミ「いい部屋でしょ。ここは高いんだけど、今夜はいいでしょ」&br() ケイジ「ああ、まるでここは日本だね」&br() カスミは、高級そうな日本の机の上に置かれた、徳利に入ったお酒を、小さなおちょこに注ぎ、&br() それをケイジに「どうぞ」と日本語で言って渡す。&br() ケイジ「ありがとう」と日本語で言ってもらい、それを飲むと「うまい」と日本語で言って微笑む。&br() カスミ「やっぱりここに来てよかったわね。明日のことなんて忘れて、今夜は楽しみましょ」&br() いっそ、2人は日本語で話せばいいとは思うが…出来ないようだった。&br() こうして、日本の屋敷に限りなく近いこの店で、2人はラーメンをはじめとする日本料理を&br() たっぷりと堪能した。&br() &br() 2人は、お腹が膨れると、すぐにアパートに戻った。&br() カスミは、部屋に入るとすぐにユニフォームを脱ぎ始めた。&br() 下着姿になると、ケイジをシャワールームに引っ張っていって、彼の服を脱がし始めた。&br() ケイジ「カスミ…。食べた後で、少し眠くなってきたよ…。」&br() カスミ「今から私と寝るんだから、それから寝なさい…。」&br() ケイジ「了解、リーダー」&br() カスミ「よろしい、いい子ね。」&br() 再び激しいキスの後、2人はシャワーを浴びながら、肌を触れあい、心を寄せ合った。&br() カスミは、この夜が、まさかケイジとの最後の夜になろうとは思ってもいない。&br() カスミ「今夜は、激しく抱いてね」&br() ケイジ「それも命令かい?」&br() カスミ「当然でしょ?」&br() カスミは、ケイジをベッドに押し倒す。&br() (カスミがケイジをベッドに押し倒す場面は、Mass Effect2のDLC「奪われた記憶」の中にある)&br() &br() &br() ラザラス ステーション。&br() ここまで、ラサは読んだが、2人がどう「楽しんだか」については書かれていない。&br() ラサ「ちぇ…。詳細は割愛って何だそれ…。」&br() ラサは、2人がここで最後の夜を過ごしたという記述を読んで、少し胸が痛くなった。&br() そして、自分も近い将来、このステーションで最後の夜を迎えるかもしれない…。&br() そう思いながら読んでいた。&br() ラサ「きっと最後の夜はジェイコブと…。」&br() と思ったが首を横に振った。ジェイコブを巻き込んだら迷惑がかかるかもしれない…と。&br() ラサは、カスミとケイジの続きをさらに読んでいった。&br() ラサ「ベケンスタイン…私行ったことないな…。イリウムならあるけど…」&br() &br() そして「ラーメン…。(じゅるり)食べてみたいよ…。(じゅるり)」と、そう、よだれを垂らしながら&br() そうつぶやいた。&br() (以前、ミランダとジェイコブが、シェパード少佐の遺体回収任務の途中で、成り行きでラーメンを食べて&br() いたことを知り、ラサは「連れていけ」と何度も文句を言ったという経緯があった。)&br() &br() **ベケンスタインの夜 イリウムのアパートで、最後の幸せな夜を一緒に過ごしたカスミとケイジ。&br() 翌朝、目が覚めるとベッドのシーツはとても乱れていたが、綺麗に直すケイジ。&br() カスミはユニフォームに着替える。&br() ケイジは、裸のままカスミにキスをする。&br() カスミ「昨晩はよくがんばったわよ。ありがと」と、カスミはご機嫌だった。&br() &br() この後、2人は朝食を食べて、アパートを出た。&br() そして、港へ行き、盗賊団の艦に乗り込む。&br() 彼らの艦は、貨物船を改造して重装備した、民間人を装った艦だ。&br() 見かけは貨物船だが、長距離FTL航行も可能で銀河のどこにでも行けた。&br() イリウムの港から、シタデルのあるサーペント星系の隣、ボルツマン恒星系にある&br() 惑星ベケンスタインへと向かう。&br() &br() ***侵入作戦 艦はベケンスタインの上空に着いたが、まだ、ドノヴァンホックの屋敷ある地方は夕刻だった。&br() カスミとケイジは、ドノヴァンホックの屋敷の上空から、セキュリティをチェックしたが、&br() 発着パッドでは何ら、保護するセキュリティは起動されていなかった。&br() 対空砲も、センサーも、防御隔壁も、すべてオフの状態であると確認した。&br() 艦を、ドノヴァンホックの屋敷から1km離れた海上の上空で、艦を停止させた。&br() この時、エクリプス警備会社の警備員達は、明日の美術品納入の為に、1階に集まって話し合いを&br() していたが、一人の警備員が、ベランダにいて外を眺めて、タバコを吸っていた。&br() その警備員は、遠くに艦があるのを確認すると、ふと、怪しいと感じ、ドノヴァンホックにそれを報告した。&br() するとドノヴァンホックは、「怪しい? 顧客の艦じゃないのか? 調べて来い」&br() 警備員は、すぐに端末装置をあたって船籍を確認しようとしたが、顧客の艦でないことは確かだった。&br() あのような貨物船がここに来ることはたまにしかない。&br() 顧客の使う貨物船は、どれも新型で、あのような旧型ではない。&br() さらに調べを進め、当局のデータベースに、あの貨物船が載っていることを確認すると、さらに、その貨物船&br() には、ケイジというクルーがいることが分かった。&br() ケイジは、当局に偽装パスポートを使った容疑で手配されていた。&br() 1時間後にドノヴァンホックに報告が来る。&br() ドノヴァンホック「ほぉ…。あいつが来たのか…。楽しみだ」&br() 彼は、ケイジを知っていた。そして、神経インプラントを頭に埋め込んであることも。&br() ドノヴァンホックは、エクリプス警備員に、ケイジを屋敷に侵入させる命令を出した。&br() &br() 夜になり、すっかり辺りは闇に包まれた。&br() まだ貨物船にいるカスミとケイジ。&br() カスミ「そろそろ準備はいい?」&br() ケイジ「ああ、いつでもいける」&br() カスミは、クルーにスカイカーの準備をさせ、2人はそれに乗る。&br() スカイカーでドノヴァンホックの屋敷に接近する。&br() スカイカーは、何の問題もなく、静かに発着パッドに降り、スカイカーを降りた。&br() エクリプス警備員達は、侵入者が発着パッドから来ることは知らなかったし、&br() 1階にいろと命じられていたので、動かなかった。&br() &br() カスミと、ケイジは、発着パッドから侵入路をたどって、エクリプス格納庫を通り、&br() 屋敷へ通じるドアをバイパスして開錠し、入る。&br() だが、カスミとケイジは、エクリプス警備員の姿が一人も見えないことにやや不安を覚えた。&br() カスミ「あの通路から階段を使えば、2階と3階の間に出られるわね」&br() ケイジ「ああ。だが、警備員がいるかもしれん。慎重に行こう」&br() カスミは、姿を消してさっと行って戻ってくると、「3階には誰もいないみたい。でも1階&br() ロビーには、大勢のエクリプス警備員達の話し声が聞こえるわ」&br() ケイジ「分かった。それじゃ、カスミは1階のエクリプス警備員達を頼む。俺は3階に行く」&br() カスミ「了解。かく乱は任せて」&br() カスミは姿を消して1階へ進み、ケイジは3階へ慎重に歩いていく。&br() &br() ***思わぬ悲劇 ケイジは、3階に通じる通路の赤外線センサーがオフになっているかをを確認して、&br() 静かに階段を登っていく。&br() カスミは、姿を消した状態から、デコイのドローンを放つ。&br() ケイジは、3階の通路を歩いていると、下方からエクリプス警備員達の大きな声がしてきた。&br() ドローンを見たエクリプス警備員達は、何かと慌てて騒ぎ出す。&br() だが、侵入者警報は出されていない。&br() カスミは姿を消して、エクリプス警備員を一人ずつ始末していく。&br() 侵入者警報がびーびー鳴り響くはずが、ないことに疑問に思うケイジ。&br() ケイジ「どうも怪しいな…。もしかしてこれは罠かもしれない」と思いつつ、&br() 彼は廊下を歩いていくと、突き当たりに植木の脇に、端末装置があるのが見えた。&br() ケイジ「あれか…。」&br() 彼は、倉庫に入る為の情報がここにあると信じて、目先の端末装置へ進む。&br() 彼は、端末装置にオムニツールをかざすと、情報をダウンロードする。&br() 倉庫にある品目情報があるのを確認したケイジ。&br() 端末装置を向いているケイジの背後に、人影がいた。&br() ドノヴァンホックだった。&br() ケイジは、足音を聞いて振り返ろうとしたが、彼は頭にひどい痛みを感じて倒れた。&br() ケイジ「う…。」&br() 彼は、気絶する前の意識の中で、カスミに伝えなければならないことを、グレイボックスに次々と&br() 記憶していったが、やがて彼は痛みに耐えかねて気絶し、やがて死んだ。&br() この時の記憶は、DLC「奪われた記憶」において見ることが出来る。&br() ドノヴァンホック「ふん…。わざわざ神経インプラントを届けに来てくれたか…。」&br() 彼は、ケイジが死んでいるのを確認すると、頭を指差して「この辺りにあるはずだ」と言って、&br() エクリプス警備員に命じて、ケイジの頭に穴を開けさせた。&br() ドノヴァンホックは、ケイジの頭の中から、小さなグレイボックスを取り出す。&br() ドノヴァンホック「これがやつの神経インプラントか…。ついに見つけた。」&br() 彼は、取り出したグレイボックスをケースに入れて保管すると、屋敷内の明かりを点けた。&br() ドノヴァンホック「さあ、ねずみを引っ張り出せ! そして始末しろ!」&br() と言って彼は、ケースを持って自分の部屋へ。&br() カスミは、奥にある倉庫に入ろうとしていたが、気づかれたことで、急いでベランダに飛び移った。&br() そこから2階へと上がると、エクリプス警備員がカスミを探しているのが見えた。&br() カスミは姿を消しているので、警備員からは見えないが、明かりを点けているので、&br() 僅かにカスミの周辺がぼやけて見え、センサーが彼女の居場所を特定させようとしていた。&br() カスミ「ケイジ…。なぜ連絡がないの…。」&br() 彼女はシャドウストライクで敵を倒しながら、ケイジのいる3階へと向かった。&br() 3階にも、エクリプス警備員が待ち構えていたが、カスミはドローンを出して応戦した。&br() 彼女は、姿を消しながら、背後から一人ずつ片付けていく。&br() やがて、彼らを全員始末すると、端末装置の前に倒れているケイジを見つけた。&br() カスミ「ケイジ! まさか…。」彼女は青ざめた。&br() ケイジの頭は血だらけで、グレイボックスが無くなっていることに気づく。&br() カスミは、ケイジが死んでいると分かり、彼の体を抱きしめた。&br() そして大粒の涙を流しながら、復讐を誓った。&br() 下の階から、またエクリプス警備員が来るのが聞こえてきたので、急いでベランダに飛び移る。&br() そして階段を降りてドアをバイパスし、エクリプス格納庫を通って、発着パッドへと向かった。&br() カスミは、泣きながらスカイカーへと飛び乗り、発進させた。&br() エクリプス警備員は、それ以上は追ってはこない。&br() カスミは貨物船に戻ると、後ろ髪を引かれる思いでイリウムに帰還した。&br() &br() **復讐への扉 ***怖いミランダ ラサは、ここまで読んで、彼女も涙を流して泣いていた。&br() ラサ「カスミ…。なんてかわいそうなの…。」と、彼女も涙を流して泣いていた。&br() その声を聞いたジェイコブは、すぐに飛んできた。&br() ジェイコブ「どうしたんだ? ラサ…。何があったんだ?」と、ラサを抱きしめた。&br() ラサ「カスミ…。カスミが…。」&br() ジェイコブ「カスミ?」と、彼も画面を見ると、少し驚いた。&br() ラサ「カスミの恋人が殺されちゃって…。頭を割られて…。ひどい…。」&br() ジェイコブ「そうだな。確かにひどいが…。君はエージェントだろう。そんなことくらいで…。」&br() ラサ「ねぇ、これからトレーニングしませんか?」と、いきなり言い出した。&br() ジェイコブ「今からかい? でもまだ時間は早いし…。」と言いかけると「オホン」と声がした。&br() ジェイコブ「ミランダ!」と、彼も驚いて、思わずラサを抱きしめていた手を離した。&br() ミランダ「随分仲がおよろしいことね…。いいわよ、別にトレーニングに行っても。でもラサ、&br() そのかわり、明日までにカスミの報告書、私の机の上に置いて置いてね」&br() ミランダは、最後に「キ!」っと2人を睨んで、立ち去った。&br() ラサ「ミランダ…。なんだか怖い…。」ラサは寒気がした。&br() ジェイコブ「さあ、鬼のいぬまに行こう…。」と、2人はトレーニングへと向かった。&br() &br() ***復讐への扉 カスミは、イリウムのアパートにいた。&br() 彼女は、エクストラネットワークを使って、ドノヴァンホックの屋敷へとつなげる。&br() ドノヴァンホックの屋敷でスキャンして入手した、ドノヴァンホックのIDコードと&br() セキュリティ コードを入力すると、彼の倉庫に関する情報が出てきた。&br() 倉庫にある品目には、やはり「グレイボックス」が新たに追加されたとある。&br() カスミ「あの倉庫に仕舞い込んだのね…。」と、彼女は頭を抱えた。&br() しかし、彼女は諦めなかった。&br() カスミは、イリウムの街に出ると、そこで知り合いのシャドウブローカーのエージェントに会った。&br() クリン ラヴォン「何だ? 急ぎの用事か?」&br() カスミは、知り合いに軍事専門家はいないかと尋ねたが、クリン ラヴォンは、知り合いに相談してもいいと&br() 言って立ち去った。&br() その知り合いとは、サーベラスのエージェントで、そのエージェントはイルーシヴマンに報告した。&br() イルーシヴマンは、カスミ ゴトウの話を聞いて、2つ返事で了承した。&br() この後、ラサに調査命令が下る。&br() イルーシヴマンは、エージェントを通じてカスミに連絡させた。&br() エージェント「イルーシヴマンは、あなたに協力すると言っています。強力な軍事専門家がいるので、&br() その方なら手助け出来ると彼は言っています。もちろん、必要な経費はすべてこちらで負担します」&br() カスミ「分かったわ。ラーメンマンに協力を受けると伝えて」&br() エージェント「ラーメンマンではなく、イルーシヴマンです」&br() カスミ「え? 何? もう1度言って?」&br() エージェント「イルーシヴマンです。ラーメンマンではありません」&br() カスミ「ラー…おほん、イルーシヴマンね。了解。連絡ありがとう。それじゃ手配をよろしくね」&br() エージェント「畏まりました」&br() カスミ「イルーシヴマン…。変な名前ね。幻の男…。か。」&br() 恋人であったケイジ オクダは、カスミの記憶の中の存在になりつつあった。&br() しかし、カスミは、ケイジを「幻の男」にはしたくなかった。&br() カスミ「ケイジ…。待ってて。いつか私が取り返すから…。」&br() この後カスミは、エージェントから、シェパード少佐がシタデルに立ち寄ると聞いて、シタデルに向かった。&br() こうして復讐への扉が開かれようとしていた。&br() &br() ---- コミック「ファウンデーション10」&br() このコミックは、マヤ ブルックスを中心とした物語だが、進むにつれて、次第にラサの立場が危うくなる。&br() ----

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