イギー


『やれやれ… 犬好きの子供は見殺しには…… できねーぜ!』

+ 担当声優
真殿光昭
PS版『ジョジョの奇妙な冒険』
千葉繁
『オールスターバトル』
福圓美里
2014年アニメ版以降

カプコンの格ゲーでは、アーケード版他ではイギーの声は犬の鳴き声のサンプリングボイスだったが、
PS版のみAC版同様の犬の鳴き声に重なる形で、真殿氏によるボイスが付いている。
『オールスターバトル』でも基本的には犬のサンプリングボイスを使用し、モノローグを千葉氏が演じている。
後のTVアニメ版では、なんとここに来て初の女性ボイスとなり、福圓女史が鳴き声まで含めて演じている

+ ボイス比較
真殿光昭氏
福圓美里女史(『ASBR』版)。演技がアニメ版に近くなった

ジョジョの奇妙な冒険』第3部の主要人物の一人(犬)。
クッパ大王んとこのちびっ子のメガネ君ではない…が、実はどちらもアメリカのパンクロック歌手「イギー・ポップ」が由来だそうな。

+ 原作ネタバレ
大金持ちの家で飼われていた血統書付きので犬種はボストン・テリア(よく間違われるがフレンチ・ブルドッグではない)。
非常に高い知性*1を持ち、次第に周りの人間のことをあまりにも大マヌケと思うようになり家出した。
その後ニューヨークで野良犬の帝王として君臨していた所をモハメド・アヴドゥルが捕まえ、
ジョースター一行がエジプトに上陸した直後にスピードワゴン財団によって助っ人として連れて来られる。
このあたりはTVアニメ版で追加されたカットの鳥公との戦闘後の走馬灯でその断片を窺い知ることが出来る。
鬱憤晴らしの理由付けのシーンも併せてどうぞ

ちなみに同じくTVアニメではアヴドゥル・ジョセフマライヤの戦闘を見かけてちょっと立ち寄っている他にも、
ポルナレフと絡むシーンが多めに追加されている。後の展開へのフラグ立てという奴だろう。

コーヒー味のチューインガムが大好物だが、ケーキを盗んだり落ちているペロペロキャンディを拾ったりするあたり甘いもの全般が好みのようだ。
また人の髪の毛を口で毟るのと、その最中に顔の前で屁をするという下品な趣味があり、作中ではポルナレフが被害にあっている
(格闘ゲームでの投げ技の動作にもなった)。
「気ままにちょっとゼイタクして、イイ女と恋をして、なんのトラブルもねえ平和な一生を送りたいだけ」と俗っぽいが小市民な夢を持ち、
人の言うことは全く聞かない勝手気ままな性格。
だが、ほとんど関わりのない犬好きの子供を助けるためにペットショップと戦ったことも。
しかし、イギーの数少ない見せ場の一つであるにも拘らず、OVAではペットショップ戦は丸々カットされてしまっている
(そもそもペットショップ自体が登場しない)。

ペットショップとの戦いは彼の視点で描かれるため言葉を発しているが、これはあくまでも犬(動物)の言葉であり、人間と会話が出来るわけではない。
ただ単にこの回が『流れ星 銀』になっただけである
ただし、ジョースター一行の旅の目的であるDIOのことを知っていたりするなどの描写があり、人間の話す言葉の意味は理解出来ているようだ。
また、ペットショップ戦での台詞を見る限り「ブルース・リー」の存在も知っているらしい。…映画鑑賞をしたりするのだろうか?

+ 劇的ビフォーアフター
そして彼を語る上で外せないのが顔つきの凄まじい変わりっぷりである。
登場当初は実物のボストンテリアに近い割と不細工な顔をしていたが、
ペットショップとの戦い辺りからどんどん凛々しくなっていき、最終的には元とは似ても似つかないイケメンになった。
犬よりも人間に近い顔つきをしていることを考えると、より感情移入しやすくなるための措置だったのだろうか(実際、非常に表情豊かになっているし)。

このようなデザインの変遷が起こった場合、大抵初期のものは無かった事にされるのだがイギーに関してはそうでもなく、
ゲーム版のグラフィックは後期顔が元でアレッシーの必殺技を受けることで初期顔になったり、
グッズや関連作品及びイベントのビジュアルなどでも基本的にリアルな犬顔とデフォルメ顔が半々といった扱いを受けている。
『オールスターバトル』ではコスチュームチェンジとして初期顔が存在し、
コスによってGHA(2ゲージ超必殺技)の演出とカットインが変化するという一人(一匹?)だけ特別な仕様。

初登場時
ペットショップ戦以後

ペットショップとの激戦で前足の片方を失うが、辛くも勝利
(ちなみに片足を失った際、「義足はスピードワゴン財団に作ってもらうとして…」などと言っている。おいおい…)。
痛め付けられたことがよほど腹に据えかねたのか、それまでの非協力的な態度を翻してジョースター一行にDIOの館の位置を教え、突入にも同行した。
ヴァニラ・アイスとの戦いで瀕死の重傷を負わされ、ポルナレフから、
「次にスタンドパワーを使えばお前は死ぬ。(俺を見捨てて)死んだふりをしろ」と忠告されるが、その忠告を無視して彼を救出し、
「ニヤリ」と不敵な笑みを浮かべて絶命する。
「ジョースターたちとおれは関係ない」と言っていたのにも拘らず、命を賭してポルナレフを救った誇り高い最後に多くの読者が涙した。
ペットショップやヴァニラ・アイスという強敵との戦いで決定的な働きをしただけではなく、
初登場となったンドゥール戦では嗅覚と飛行能力で撃破に貢献し(イギーが逃げようとしていたのを無理矢理協力させたのだが)、
忘れられがちだがオインゴボインゴ兄弟とアヌビス戦でも承太郎達を救っており(偶然イギーが敵の邪魔になっただけだが)、
イギーがいなければジョースター一行の勝利は危うかっただろうと思われる。
他にケニーGも倒している。

OVA版では原作と展開が異なり、DIOのプレッシャーから逃げ出した後ヴァニラ・アイスに苦戦するポルナレフを助けるが、
その直後に「クリーム」の反撃を受けて死亡した。

「イギー スタンドを使うなとあれほど言ったのに…
 カッコつけやがって…あれほど言ったのに……」


+ スタンド「愚者(ザ・フール)」

「肩胛骨をブチ割って!上半身を腰寛骨まで鯵の開きのように裂いてやれッ!」

破壊力 - B スピード - C 射程距離 - D
持続力 - C 精密動作性 - D 成長性 - C
スタンドはの集合体「愚者(ザ・フール)」。
基本の姿は四足歩行の大柄なデザインで、ネイティブアメリカンを思わせる羽飾りやマスクが特徴。また後足は車輪になっている。
スタンド名の由来は、タロット大アルカナ0番目のカード「THE FOOL」。

という性質上、物理的な攻撃では散らばるだけでダメージを与えることが出来ない。
ヴァニラ・アイスのスタンド「クリーム」に飲み込まれても、本体のイギー自身にダメージがある様子はなかった。
姿は変幻自在で羽を作り滑空する他、水中にドームを作ったり、砂で出来たDIOの偽者を作る等、様々な活用が出来る。
単純なパワーによる物理攻撃の威力もなかなか高く、強力なスタンドである。
欠点は俊敏な動作やスピードある攻撃が苦手なこと。
アニメ版ザ・フールまとめ

イギー自身は空条承太郎のスタープラチナと互角の強さがあると評価している。
最強のスタンドであるスタープラチナと互角とは大きく出たものだが、
「勝てる」と断言せずに「互角」と評している辺りはスタープラチナをそれだけ高く評価しているとも取れる。
また、作中でもアヴドゥルに「ポルナレフは勝てない」と言わしめたり(アヴドゥルはポルナレフに勝っているので信憑性は高い)、
承太郎も「シンプルなヤツほど強い…おれにも殴れるかどうか…」と、スタープラチナ側から見た相性の悪さを挙げているので、
単なる自信過剰という訳ではなく冷静に相性等を分析した結果なのかもしれない。


ゲーム『ジョジョの奇妙な冒険』での性能

小さい体を生かして戦うキャラクター。でもスタンドモードだと当たり判定が大きくなるので、案外長所でも無かったりする。
その体や移動技、スタンドモード時に使える滞空などを駆使して変幻自在の動きをしていく。
また投げ間合いが広めなので、移動技での急接近からの投げも強力
(ちなみにこの投げ、食らうと一部のキャラは専用の動きをする。特にポルナレフの原作再現度は半端ない)。
無印では、
  • 本体モードでもそこそこ攻撃力が高い上に判定の強い通常技があり、やられ判定も小さいためスタンドOFFでも充分戦える
    (『未来への遺産』では本体の攻撃力がやや抑えられた)
    • 特に立ち強は遠距離だとリーチの長い砂掛け、近距離だと真上に向けて多段ヒットする砂柱であり、どちらも判定が強くかなり頼れる
      (『未来への遺産』ではどちらも遅くなり弱体化)
  • 空中浮遊状態から弾速が非常に速い砂玉をガンガン連発出来てコンボが簡単に繋がり、ヒット時は地上連続技へ移行可能。
    さらに浮遊中に攻められても空中ガードへ一瞬で移行可能なため隙無し(『未来への遺産』では弾速が遅くなった)
    • このため、相手が飛んだのを見てからこちらも飛んで砂玉ガードすれば 空中技の癖にノーリスクで隙の無い対空 が可能
  • 空中から土砂を落とす特殊技(下+強)の判定が広い上、着地を地上必殺技キャンセル可能なのでほぼ隙無し(『未来への遺産』ではキャンセル不可)
  • 特定条件下でスライディングが(バグで)20ヒット技になる&どこでもキャンセル可能(家庭用や『未来への遺産』では削除)
等の理由でかなりの強キャラだったが、『未来への遺産』やPS版では各技が軒並み弱体化調整されてそこそこの性能に収まった(それでも強い方ではあるが)。
しかし何より厳しいのは伝説の強キャラの登場であり、イギーはデーボに次いで相性が悪くどれだけ良くても9:1と言われる程であったため、
台から鳥が居なくなるまで休憩推奨と身も蓋もない対策を言われたりする事もあった。


 また、ゲーム版では唯一瞬獄殺系の技「サンドストーム」を持つ
 (コマンドだけなら他にも居るが)。
 この技は相手を捕まえると全画面の砂嵐の中で連撃を叩き込むという演出で、
 これでKOすると背景に大きく「」の文字が表示されるという仕様。
 ……と、ロケテスト時点ではなっていたのだが、製品版ではこの技でKOしても、
 相手側のやられカットインの方が優先されて画面に大きく表示され、
 それに隠れてしまうため全く見えなくなってしまっている。



 このカットインはもちろん瞬獄殺の「天」のパロディと思われるが、
 その他にも原作(コミックスでは20巻)でのンドゥールとの戦闘時、
 まるでイギー自身が「犬」と喋っているように見えるコマが存在する
 という有名な誤植があり、これが元ネタではないかと言われることがある。


「アギギ(やったぜ ざまあみろ)」


MUGENにおけるイギー

Gal129氏製作のイギーが存在する。
完成度は非常に高く、各種仕様もしっかり再現されている。
またrei氏製作のペットショップとの間に、原作を知っているとニヤリとさせられる特殊イントロが追加されている。
優秀なAIもデフォルトで搭載されており、多くの大会で活躍している。

出場大会

+ 一覧
シングル
タッグ
チーム
その他
削除済み
更新停止中
凍結

出演ストーリー

+ 一覧


*1
彼に限らず3部のフォーエバー(オランウータン)とペットショップ(隼)、4部の虫食い(ドブネズミ)、
6部のフー・ファイターズ(スタンドDiscで知性を得たプランクトン、あるいは新生物)等、動物系のスタンド使いは高い知能を誇っている
(5部の亀という例外も存在するが)。
作中でも…
  • 虫食い
    • (本来は兎がする)バックトラックで承太郎達を誘い込み、毒針を射出するスタンドによる跳弾であわや敗北という所まで追い込む。
  • フー・ファイターズ
    • 分裂してDiscの隠蔽と徐倫(6部の主人公)達への攻撃を同時に行う。
      しかも、電流や小麦粉などプランクトン故の弱点を狙った攻撃を事前に封じて、徐倫を取り込む寸前まで追い詰める。
と、いずれも強敵であった。
また、スタンド能力を得た人間の一部には猟犬並みの嗅覚など身体能力の向上が見られるものもあるので、
イギーがスタンド能力を得た際に知能も向上した可能性は十分にあり得る。


最終更新:2024年03月28日 11:32