仮面ライダーBLACK






   「ゴルゴムの仕業か!」

+ 担当声優
倉田てつを
『BLACK』『世界に駆ける』『ディケイド』『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』
『正義の系譜』、『ガンバライジング』(3弾から)、『ロストヒーローズ2』
『バトライド・ウォー創生』、『ストームヒーローズ』(差し替え後)、『ライダーレボリューション』
『シティウォーズ』、『クライマックスファイターズ』シリーズ
平井啓二
『ガンバライド』、『ガンバライジング』(2弾まで)、『クライマックスヒーローズ』シリーズ
『ライダージェネレーション』『ライダージェネレーション2』、『ストームヒーローズ』(差し替え前)
勇吹輝(現・穴井勇輝)
『レッツゴー仮面ライダー』
田中大文
『スーパーヒーロー大戦』
神谷浩史
『平成ライダー対昭和ライダー』

神谷氏はラジオ企画の縁で起用されている。どう聞いても中の人は光太郎じゃなくティエリアとしか思えない声…

1987年に放送された仮面ライダーシリーズの8作目『仮面ライダーBLACK』の主人公。




   変身するのは19歳の大学生・南光太郎(みなみ こうたろう)。
   ウルトラマンタロウの方は東。ライダーは南(下記の『ヒーロー戦記』でネタにされたが)。
   演じるは倉田てつを氏。
   スーツアクターは岡元次郎氏。氏のデビュー作でもある。
   また、光太郎のスタントも多くは岡元氏が顔を隠して演じていた。

+ 倉田てつを氏について
本名・高山哲夫。芸名が「てつを」なのは、そのまま「てつお」だとインパクトが足りないという理由で決まった。
ファンからは専らてつをの愛称で呼ばれているので、見事目論見は成功したと言えよう。

友人から仮面ライダー新企画のオーディションの話を持ちかけられた彼は、優勝賞金の100万円に惹かれて応募し、見事合格。
さらに続編である『仮面ライダーBLACK RX』が作られたため、歴代で最も多くの話数の仮面ライダーを演じた俳優となった
(話数の合計自体は初代と同じ98話だが、初代は藤岡弘、氏の事故により途中で主役が交代しているため倉田氏が最多)。
原作者・石ノ森章太郎からは「倉田てつをを越えるヒーローは現れない」とお墨付きまでもらっている。

しかし本人は当時の演技に不満を持っていた時期もあり、さらに放映終了後は何の役をやっても視聴者からは「光太郎」と呼ばれてしまい、
そのこともあって放映終了後しばらくは仮面ライダーに触れることを避けていたとのこと。
時が経つにつれて俳優・倉田てつをも知られるようになったこともあってか上記の感情も徐々に薄れていき、
近年では積極的に南光太郎としてイベントや番組に出演したり、子供と当時のビデオを見返して涙したという話も語られている。
現在では仮面ライダーについて「」であるとまで語るようになった。
……今やニコニコ動画などでは倉田氏が知られ過ぎて(漫画・実写問わず)南光太郎が「てつを」と呼ばれ、役名で呼ばれないという、
かつてとは真逆の珍現象が発生しているが。

またBLACK主題歌や挿入歌を歌った倉田氏の音痴っぷりもよくネタにされており、
コアなファンからは『歌唱力の指標とは「上手い」「音痴」「てつを」の3種類有る。だからてつをはヘタじゃない』
という珍妙なフォローをされる。ヘタウマというやつだろうか?
主題歌については歌手・藤井健氏にカバーされたバージョンがあるが、
こちらについて「上手いけど熱さが足りない」「てつをじゃないと物足りない」というファンも多い。

イメージを守るために煙草を控えたことや、音痴をネタにされることなど、
先輩ライダーであるV3/風見志郎を演じた宮内洋氏とは、妙に共通する話が多い方である。
奇しくも変身ポーズも「前半が2号、フィニッシュが1号」のV3に対しBLACKのポーズは「前半が1号、フィニッシュが2号」である。

暗黒結社ゴルゴムの次期「創世王(首領)」候補「世紀王」となり得る、惑星直列の起こった瞬間に生まれた運命の王子。
ゴルゴムメンバーであった両親・南正人と友子は、光太郎をその過酷な運命から遠ざけようと逃亡を謀ったため、
飛行機事故を装い殺害されている。
光太郎は、父の親友であったハイテク企業の社長・秋月総一郎の養子となり、
総一郎の実子である秋月信彦と共に恵まれた環境で成長するが、
総一郎もゴルゴムの一員であり、信彦こそがいずれ殺し合う宿命にある運命の王子であったりと、
その生活自体が初めからゴルゴムによって仕組まれたものであった。

19歳の誕生日にゴルゴム大幹部の三神官達によって信彦と共に拉致された光太郎は、
太古の昔より存在する神秘の石「キングストーン」を埋め込まれ、世紀王ブラックサン(黒い太陽)に改造されるが、
人の親としての心を捨て切れなかった総一郎の手引きで、脳改造の直前にバイク型のメカ生命体・バトルホッパーを駆り脱出。
以後仮面ライダーBLACKを名乗り、ゴルゴムの陰謀に立ち向かうことになる。
以上の経緯から、ゴルゴム怪人としての名前は「ブラックサン」のはずだが、
ゴルゴム側からも(シャドームーンと創世王を除き)「ライダー」と呼ばれていた。
まぁ番組名の都合もあるし、そもそも元祖の方も「怪人バッタ男」のはずだし。裏切者を世紀王とは認めたくないと言う事だろうか?

しかし重傷を負い脱走できなかった信彦は完全な改造を施され、もう1人の後継者候補世紀王シャドームーンへと覚醒。
ブラックサンを倒し、次代の創世王として世界を支配するため、怪人達を率いてかつての親友・光太郎の命を狙う…。

本作は「原点回帰」「仮面ライダー0号」を合言葉に、従来の仮面ライダーシリーズからスタッフが一新。
ライダーのデザインも定番のマフラーが廃止され外骨格的でシャープになり、悪の結社ゴルゴムはファンタジー・神話的な要素が含まれ、
序盤から中盤までの剣聖ビルゲニア、終盤のシャドームーンという明確なライバルが登場。
シャドームーンはショッカーライダー等の所謂偽ライダーみたいな噛ませゲストでは無く、ライバルと言える初のライダーとされる。
このように「悪の結社に立ち向かう改造人間」という従来のスタイルを守りつつも、新しい試みが行われている。
シナリオは序盤は上原正三氏が担当し、より怪奇・ホラー色が押し出されていたが、途中で降板。
その後は複数のライターによりバラエティ豊かな話が作られ、
中盤でのシャドームーン復活以降、途中参加ライターである杉村升氏が事実上メインライターとして活躍し、
兄弟同然に育った宿敵と戦う苦悩がより押し出されるようになっていった。
そして、最終的に世界を救えたにもかかわらず、主人公は報われないというやるせない結末へと繋がっていく。

結果、本作は原点同様の主人公の苦悩と怪奇イメージを強く打ち出した名作として知られ、現在でも人気の作品である。
プロデューサーを替えながらも、間髪入れずに後番組仮面ライダーBLACK RXが製作されている点もそれを窺わせる。
年代的にMUGEN愛好家の中でも現役で視聴していたファンが多いのではないだろうか。

+ 変身および戦闘能力
顔の右側で両拳を握る独特の変身ポーズをとることで、
腹部に埋め込まれたキングストーンが呼応し、周辺の細胞が変身ベルトを形作る。
そしてエナジーリアクターから緑色のエネルギーを放出して一旦「バッタ怪人」となり、
更に黄金色の光に包まれ、その体を強化外骨格「リプラスフォーム」が覆い隠すことでライダーになるという二段変身を行う。
変身で使用した際の余剰エネルギーを水蒸気として関節部から吐き出させながら相手を見下ろし、「仮面ライダーBLACK」を名乗る。
拳を握る動作は初変身時に眼前で育ての親を殺害された際の非常に強い「怒り」を体現した物でもあり、
ダークな雰囲気とヒーローらしさが絶妙にマッチしたその変身シーンは、
回を追うごとにキレが良くなる倉田氏の動きも相まって非常にカッコイイ

前述の通り、BLACKは宇宙全てを支配する「創世王」候補として改造された二人の「世紀王」の内の一人で、
一般怪人と同等あるいは正義側の改造を受けた他のライダーとは違い、最初からラスボスクラスとして生まれた存在である。
そのため肉体のスペックも高く驚異的な筋力の他、高い治癒能力や解毒能力の付与、五感の強化がなされており、
赤外線等を知覚し相手の弱点看破も可能な「マルチアイ」を搭載。
全身の要所に存在する赤と黄のラインは、キングストーンのエネルギーを攻撃時の手足に集中させる「バイタルチャージ」の基点となる、
「パワーストライプス」であり、これによってライダーパンチ・ライダーキックといった必殺技に大気が赤熱するほどの破壊力を与えている。
後には全身のパワーストライプスからキングストーンの力を一斉放出する新技も会得し、
「最強の怪人」と評されたマンモス怪人を見事撃破している。

戦法はライダーパンチやライダーキックのような、仮面ライダーお馴染みの跳躍力を生かした得意技の他、
支援バイクのバトルホッパーやロードセクター、本編最終盤では世紀王の資格を持つ者だけが扱える魔剣「サタンサーベル」でも戦った。
中でも特筆すべきはブラックの力の源「キングストーン」の力を放出するキングストーンフラッシュ
BLACKがどんな状況に陥ろうとも、これさえ繰り出せば色々なことが大体オッケーになるという超乱暴な万能技である。
幻覚を打ち破ったり怪人の作り出した空間から通常空間に復帰したり、閉鎖された世界の壁を強引に破って二つの世界を繋げたり……。

なお、このキングストーンの力によって世紀王は自分だけの時間に生きており、あらゆる干渉を受け付けない。
具体的に言うと、時間操作の類が一切通用しない。
しかもこれは設定だけのことではなく、劇中において実際に描写されたことである。
MUGENで再現されたら吸血鬼メイド長千年守あたりは、地力で勝っていなければ苦戦は免れまい。
ちなみに平成ライダーには同様の特性を持つ仮面ライダーオーズのスーパータトバコンボ、仮面ライダーエグゼイドのハイパームテキゲーマー、時間停止能力を持つライダーに仮面ライダーブレイド、それらをすべて継承したオーマジオウがいる。

あと、これは続編『RX』での話なのだが、変身前の生身で宇宙空間に放り出され、あまつさえ大気圏に突入してもまだ生きている
流石に地表に激突したら死んでいたかもしれないが、その前にRXに進化した。

+ バトルホッパー
仮面ライダーBLACKが搭乗するマシン。世紀王のみが乗りこなすことが可能なバイク。
最大時速は500kmで、オフロード走行も可能。
見た目は緑のバッタ型のバイクだが、実は生命体であり自我を持っている。
体内の「モトクリスタル」を動力源とし、「リライブタンク」によって自己再生機能も備える。

しかし中盤以降は、新マシン「ロードセクター」がバトルホッパー以上の最高時速と
非常に高いオンロードでの汎用性を持つため主力として使われることも多く、バトルホッパーの出番は減っていった。
しかもよくゴルゴムに標的にされ、怪人の能力で動きを封じられたり、生物であることを利用され操られたり……と、散々な扱いを受けることも多かった。
しかし光太郎のピンチに自らの意志で駆け付けたり、身を挺して光太郎を庇ったり、
感情表現として首を振ったり目を光らせたりと、諸々の動作や行動からファンには「本作のヒロイン」「てつをの嫁」とまで呼ばれる。
他方、ロードセクターの愛称は「てつをの愛人」である。……人?いや、愛車だったらバトルホッパー涙目だし…

終盤ではシャドームーンとの決戦時、シャドームーンによって操られ(シャドームーンも世紀王なのでバトルホッパーを操作できる)、
BLACKを苦しめるが、BLACKに対する感情が原因で苦しんでいることを見抜かれ、キングストーンフラッシュを受けてシャドームーンに攻撃。
結果サタンサーベルで再生機能も含めて破壊されてしまい、最後に初めてBLACKへの感謝の言葉を発して機能を停止した。

 「ア、アリガトウ……ラ、ライダー……」 

その後『RX』では宇宙に投げ出され変化したBLACKに応じて再生、「アクロバッター」という名前で復活。
色が青に変わりデザインも変化、さらに言葉を発する機能を備えるようになった。
後にRXが形態変化するとそれに合わせてアクロバッターも姿を変えるようになる。

なお、倉田てつを氏によると「乗りづらい」らしい

+ ゴルゴムの仕業だ!
『仮面ライダーBLACK』という作品の本筋既に述べたようにかなりシビアでシリアスなのだが、
一方で劇中ではちょっとした異変でも何でもとにかく 「ゴルゴムの仕業だ!」と即断するせいで、
特撮ファンやネット界隈ではしばしばネタにされる作品でもある。本当に9割近くゴルゴムの仕業だが。*1
バンダイのカードゲーム『レンジャーズストライク』でも「ゴルゴムの仕業」というカードが登場して、半ば公式化している。
一部のファンからは「世紀王の力(体内のキングストーンの力)で、(本来は手下であるはずの)ゴルゴム怪人の動向がなんとなく分かる
という考察も出ている。通称「ゴルゴムセンサー」。

取り敢えずライダー界隈では何か理不尽なことが起きるとゴルゴムの仕業にされるか、
乾巧ってやつの仕業」にされるか、
「おのれディケイド!」と叫ばれるのが定番。

 「倉庫からマグロが盗まれた? ゴルゴムの仕業だ!」 

本当に作中で行った作戦である(一応、怪人の強化にマグロに含まれる成分が必要と言う理由付けはある)。

+ 各種コミカライズ
+ 原作者・石ノ森章太郎御大による萬画版
変身ベルトや変身の掛け声・ポーズがなく、常時上記した怪人バッタ男スタイル。
口が開いて喋ることもでき、脇腹にある二対の副脚も自在に動かせる。グロい。
また変身すると服が破けてしまうため、服を脱ぐ暇もなく変身せざるを得なかった時は戦闘終了後に全裸なので色々困る
これらの設定は後のVシネマ『真・仮面ライダー序章』に通じるものがある。
光太郎の容姿もTV版の倉田てつをには似ておらず、童顔・丸顔で石ノ森作品の主人公のテンプレといった顔立ち。萬画ライダーではいつものことだが。
光太郎の実父の名前は「正人」から「光雲」に変更されている他、一部人物の名前や設定もTV版と異なる。

TV版でのキングストーンに相当する存在として「賢者の石」が額に埋められており、この力で体を黒く輝かせる。
この賢者の石の発する力もまたTV版のキングストーンに負けず劣らずの高性能で、
  • 体から熱を発し、毛や翼による束縛を無効化
  • 生体のオーラを視認可能。さらにオーラに干渉することで生体の操作や殺害も可能
  • 雷に似た超破壊エネルギーを発する。時間をかけ蓄えた力なら、そのまま時間を超えることや対象を別時間に飛ばすことも可能
などなど、光太郎の怪人としての能力も相まって手が付けられない強さである。

ライダーのデザインに合わせたのか、作風自体もTV版のそれと比較して非常に暗い。
(と言うかこれが石森氏が書くヒーロー物の作風である*2
ゴルゴムの全貌はまるで明かされることなく物語は進み、グロ・エロ描写も幾つか見受けられ、
主要人物の死も多く、終盤の展開のそれはTV版以上に救いが無い。
光太郎が「仮面ライダー」を名乗るのも1話限りで、バトルホッパーも普通の改造バイクであり、
さらに世界中が舞台となるため、使える場面はその「仮面ライダー」を名乗る1話限り。
なお、本作の世界では過去に『仮面ライダー』が放送されていたらしく、
バトルホッパーはそれを基に光太郎の先輩・大門五郎(柔道家ではない。同姓同名だがこちらが先)が作り上げたものである。

光太郎はニューヨークで記憶を失い彷徨っていた所をTV番組「裏の世界」のスタッフ・サムとケイトに拾われる。
番組のクルーとして世界中を回る中、徐々に記憶を取り戻してきた光太郎は自分が京都の秋月家で育ったことを思い出す。
京都に戻った光太郎だが、そこで待ち受けていたのは実の兄弟のように育った信彦も共にさらわれたこと、
それは養親の総一郎が仕組んだことだという事実だった。
自分の居場所を見出せず苦悩する光太郎に、信彦の妹・杏子が寄り添うが……。

+ 終盤ネタバレ
未来のアボリジニによって30年後(2018年)に呼び出された光太郎は、未来は核戦争で荒廃し、
オーストラリアに居城を持つ「魔王」によってさらに人類が迫害されていることを知る。
その姿は光太郎と同じ黒いバッタ怪人で、声は信彦によく似ていた……。

その後、信彦は突然帰還する。しかし、信彦もまたバッタ人間に改造され、賢者の石を埋め込まれていた。
ゴルゴムによって互いに戦わされ、勝者が王となるよう仕向けられるが、光太郎は闘いを拒み続け、
信彦と共闘してゴルゴムの拠点を潰していく。

再び未来に呼び出され、魔王と対峙した光太郎は、たとえ信彦でも倒さねばならないと決意を固めるが、魔王から伝えられたのは、

「それは不可能だぞ。そのわけはいろいろあるが…まず第一に、」

「ワシはお前だからだ!ワシを殺せばお前も死ぬ」

という言葉だった。
魔王の手によって光太郎が元いた時代よりやや未来、既にゴルゴムによって環境は破壊され、
杏子はそれによる病気で衰弱している世界に飛ばされた光太郎は信彦に襲われる。

その力で再び時を超え、1999年のお台場に流れ着いた光太郎。
信彦との決戦についに勝利するのだが、既に杏子は死亡、そればかりか世界はほぼ滅亡した状態であった。
また信彦は「オマエが死ねば……オレが世界の王になる!! オレが死ねば、オマエが世界の…………」と言い残す。
魔王の正体は何だったのか?これで本当に未来は変わるのか?




 「おしえてくれ~!!」 

 「オレはだれだ(・ ・ ・ ・ ・ ・ )!?」 

……無人の東京湾で光太郎は虚しく叫び、物語は幕を閉じる。
光太郎は最後までゴルゴムの思想に抵抗していたが、
もはや光太郎を知る者がなくなったこの世界で、彼がとる行動は、
あるいは……。*3

+ 島本和彦氏の漫画版
石ノ森ファンということでも知られる島本和彦氏も本作の外伝漫画を手掛けている。
ただ、本作は大人の事情(復刊版あとがきより)でTV版の設定が使えず、「世紀王」という名前は登場するが、
BLACKに埋め込まれたのは萬画版の賢者の石となっており、変身後の姿もスレンダーだが、萬画版のデザインに近い。
島本氏曰く「俺のライダー魂は漫画版とTV版の半々でできている」とのことで、「TV版設定を一切使うな」という注文にはかなり苦労したらしい。
しかし、光太郎の姿はどう見てもてつを

「すまねぇサブ!お前らを巻き込んだのは…俺なんだ!」

本作主人公は光太郎ではなく、ゴルゴムの戦闘訓練用に作られたブラックダミー7号・太刀川洋(たちかわ ひろし)。
彼は訓練用のサンドバッグとして殺される運命から逃れるべく富士山麓の秘密施設から命からがら脱走するも、
かつての仲間達と旧交を温める彼にゴルゴムの追手が迫る……というストーリー。
なお、ブラックダミーは賢者の石以外の能力全てがオリジナルのBLACKと同等という触れ込みであるが、
先述の能力解説の通り、BLACKの能力はほとんどが賢者の石(キングストーン)ありきの物なので、劣化コピーどころの話ではない。
追手のゴルゴム怪人との戦闘でもライダーキック(バイタルチャージがないのでただの飛び蹴り)では倒し切れず、
オリジナルの登場で浮足立った不意を突いての瓦礫握り込みライダーパンチで滅多打ちにする必要があった程である。
訓練用の仮想敵として明らかに戦力想定間違ってない?
ラストはBLACKと共に自身のいた訓練施設の破壊に向かうが、ブラックダミー7号のその後の消息は不明である。

「行くだろ、本物さんよ」

ちなみにブラックダミーはTV版BLACKとも萬画版とも違うデザインで、萬画版初代ライダーに近いものとなっている。
仮面ライダーZO』の単行本(各種復刊版も同様)に収録されているので、興味のある方は是非。

+ 小林たつよし氏の漫画版
放送当時のコロコロコミックで連載。連載は全七回で終了したため、シャドームーン登場も無い。
単行本化もされていないが、『熱血!!コロコロ伝説 Vol.6』に収録されたため読みやすくなった。
放送中の特撮番組が本誌でコミカライズ(それも非ギャグ作品として)されることは、長いコロコロの歴史の中では稀である。

一話完結シナリオで、改造人間やそれに関わる者達の悲哀、苦悩をシリアスタッチで描きつつも、
分かりやすい勧善懲悪、アクション、ギャグといった少年向け要素を含んだ作品であった。
後半はゴルゴムの本拠地を求めて光太郎が旅に出るという展開となるが、
ゴルゴムが既に大規模な拉致や占領を行っており、人間の奴隷化、人間による怪人産卵など、
シリアスを超えてグロテスク(かつアダルティ)な描写も多かった。

+ シュガー佐藤氏の『時空英雄 仮面ライダー』
雑誌「テレビランド」で連載。コラ画像「 もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな 」の元ネタとして知られる作品。
時系列的には『RX』終了後だが、様々な時代を1号からRXまでの11ライダーが飛び回るという話のため、
一部のエピソードで過去の時代から来たBLACKがゲスト参戦しており、12人での共闘を実現している。
本作のストーリー構成は昭和ライダーシリーズのプロデューサーである平山亨氏自らが担当しており、
これによってBLACK及びRXが正式に昭和ライダーの一員として迎えられたと言っても過言ではないだろう。

その他、小説作品『仮面ライダーBLACK MADソルジャー計画』も放送当時にリリースされている。

+ 外部出演
続編である『仮面ライダーBLACK RX』の映画『仮面ライダー世界に駆ける』では、クライシス帝国がゴルゴムの三神官の力で過去へと介入し、
RXをBLACKへと戻してパワーダウンさせるという作戦を実行。意外な形での再登場を果たした……のだが、
BLACKを倒そうとしたクライシスの前に未来からRXが駆け付け、更にRXのフォームチェンジであるロボライダー、バイオライダーまで参戦
その後、クライシス帝国幹部4人+かつてRXを苦戦させた再生怪人軍団を4人で蹂躙。クライシスにとっては悪夢と言う他ない。
ちなみにこの時のジャーク将軍の発言によると、RXをBLACKに戻せてもクライシスは「勝てる可能性もある!」位らしい。
更にはこの際に「RXには勝てぬ!」とまで断言している。何て弱気な……。
まぁ、実際『RX』第一話でも真っ先にBLACKへの変身機能を封じているので、BLACKの時点で分が悪いのは間違っていないのかもしれない。

『仮面ライダーSD』のOVA版ではRXの幼少期の姿として登場している。
ギャグアニメだからかこの作品のRXは優柔不断で、物忘れが激しく、おっちょこちょいな性格になっており、歌もてつを音痴。

「お前の名は忘れないぞ、サンシャインムーン!」
シャドームーンだ!しっかり忘れとるじゃないか!」

この作品でRXを演じたのは小野寺丈氏。ウルトラマンダイナのナカジマ隊員などで知られる俳優だが、
石ノ森章太郎の実子であり、ライダーのデザインをバッタに決めたある意味生みの親でもある。
ちなみに『BLACK』や『RX』には脇役で出演している。

仮面ライダーディケイド』では、「RXの世界」および「BLACKの世界」のエピソードにおいて登場。
ディケイドのライダーはほとんど別の俳優・キャラになっているが、本作の南光太郎はオリジナルの倉田てつを氏が演じる。
しかもRXになった光太郎がいる「RXの世界」と、BLACKのままの光太郎がいる「BLACKの世界」とは別々に存在。かなりの優遇にファンは歓喜した。
「RXの世界」から敵を追って「BLACKの世界」にやってきた士の前に現れ、彼を世界の破壊者と断じ戦うが、
戦闘に巻き込まれた少女を庇った彼を見て認識を改める。その後BLACKは世界を渡って逃亡した敵を追うために、
キングストーンフラッシュを使用、ディケイドを「RXの世界」へと送り出した。
直後、BLACKは仮面ライダーディエンドのカメンライドによって「RXの世界」へと召喚され、RXとの同時共演を果たす。
ディエンドのカメンライドは変身後のライダーを召喚するものなのだが、何故かBLACKは変身前の南光太郎が召喚された
二人のてつをによるBLACK・RXの同時変身と連携攻撃は必見。
なお、 小山力也 氏もオファーがかかっていた(小山氏は『RX』にレギュラー出演していた)のだが、
「恥ずかしいから」と断ってしまい、後にそのことを後悔したとか。

仮面ライダーWには左翔太郎が単独で変身した姿である仮面ライダージョーカーが登場。
BLACKと同じ全身真っ黒なボディに真っ赤な目を持っており、BLACKの大ファンである翔太郎役の桐山漣氏が、
アクション監督に直訴して変身ポーズを自分で考案。BLACKへのオマージュを盛り込んだものにしたという逸話がある。
また、氏は上述のディケイドのBLACK及びRX客演回の撮影を、既にスタートしていた『W』の撮影の合間に見学に来たのだとか。
なおBLACKは昭和ライダー11号に当たるが、Wも平成ライダー11号である。

ディケイドの劇場版『オールライダー対大ショッカー』ではライダーバトル決勝戦に登場。
V3、スーパー1とチームを組み、ディケイドチームをディケイド一人になるまで追い詰め3人同時にキックを放つも、
ディケイドの「アタックライド イリュージョン」と「ファイナルアタックライド ディケイド」のコンボに敗れる。
その後、終盤のオールライダー集合シーンにも登場している。
なお、本作でのBLACKとRXは『ディケイド』本編同様に倉田てつを氏本人。

その後は映画『レッツゴー仮面ライダー』や『スーパーヒーロー大戦』、『仮面ライダー大戦』のオールヒーロー系作品に出演。
いずれも作品でも特に説明も無くRXと共闘している。
出番的には殆どチョイ役としての登場だが、それでも画面に登場もしない人もいることを考えると恵まれている方。
また、『スーパーヒーロー大戦』では同時期に放映された光戦隊マスクマンと共闘し、シャドームーン&ジャーク将軍と戦う見せ場がある。
BLACKとシャドームーンが絡むシーンは久しぶりである。
さらに『仮面ライダー大戦』では、先述の仮面ライダージョーカーとの直接対決が実現した。

『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』では久しぶりに倉田てつを氏が演じており、南光太郎も登場。
歴史が改変されショッカーが世界征服を完了し、多くのライダーがショッカーに洗脳されショッカーライダーとなっている世界で、
数少ない正義側のライダーとして登場。
序盤で子供を庇って重症を負い、さらに泊進ノ介を逃がすためにショッカーに倒されてしまう。が…

+ リブート
2022年に配信開始されたリブート作品『仮面ライダーBLACK SUN』では勿論主役として登場。
作品名同様、本作では「仮面ライダーBLACK SUN」が正式名称。
物語当初はバッタ怪人形態に当たる「黒殿様飛蝗怪人ブラックサン」に変身していたが、
後半からライダーの姿に二段変身するという事実上の強化フォームとして扱われている。
変身者は原典同様に南光太郎。
演者は西島秀俊氏。青年期は中村蒼氏が別途担当している。

本作での「怪人」は人間社会の中で暮らす異種族にして公然と差別を受ける社会的弱者という設定であり、
光太郎自身も青年期(1972年)には怪人の公民権活動を行う過激派政治団体「五流護六(ゴルゴム)」に加わっていたが、
「創世王」を巡る方針から周囲と対立した末、一命こそ取り止めるものの重傷を負い、表社会からは姿を消す事になった。
そして2022年にはすっかりうらぶれてしまい、裏社会の「万屋」として取り立てや暗殺を請け負う暮らしを送っていた。
なお、時間の経過からも分かる通り御歳70歳だが、かつて怪人の老化を遅らせる「ヒートヘブン」を摂取したため肉体年齢は中年程度。
それでも古傷や加齢、そして何よりも精神的に荒んでしまった事からうらぶれた暮らしを続けていたが、
怪人の人権活動を行う人間の少女「和泉 葵」を救った事がキッカケとなり、人間と怪人の運命を賭けた戦いに再び身を投じる事になる。

上記したあらすじからも分かる通り、本作は一言で言ってしまうと「思想の強い」作風であり、
物語当初は原作要素も控えめなため原作ファンからも新規視聴者からも賛否が分かれているが、
ハードな展開や生物的にアレンジされたキャラクターデザインなど本作独自の魅力を支持する声も多い。
また、終盤数話では突如ブレーキが壊れたかの如く濃厚かつ露骨な原作オマージュの雨あられが展開されており、
そのケレン味やカタルシスも見逃せない。それはひょっとしてギャグでやってるのか!?」なレベルなのでやっぱり好みは分かれるが

+ ゲームへの出演
放映当時にディスクシステムでゲームが作られている。
演出やTVに先駆けてシャドームーンが登場するなど見るべき所はあるが、悪すぎる操作性と劣悪なバランスなどから全体的な出来は微妙。

バンプレストより発売されたSFCソフト『ヒーロー戦記 プロジェクトオリュンポス』では中心人物の一人。
初期から「RX」期の陽気なキャラ…というか色々はっちゃけたキャラをしており、
ボケをかましてアムロダンに突っ込まれることも多いが、ヒーローとしての格好よさは保証付きで名場面も多い。
そして、彼がラスボスにかけた言葉が、後のバンプレストクロスオーバータイトル全てを結んでいく平行世界の放浪者の、
贖罪の旅の切っ掛けとなるのであった。

「ギリアム!!てめえ カッコつけるんじゃねえ!!
 いきろ! いきて つぐなうのが おまえのやるべきことだろっ!!!!」

「だから、俺はシステムXNを破壊する!自らが犯した罪を償うために!」

コンパチヒーローシリーズでは『スーパーヒーロー作戦 ダイダルの野望』や『スーパーヒーロー烈伝』、『ロストヒーローズ2』に参戦。
『ダイダルの野望』ではRXが隠しキャラクター扱いであり、終始BLACKで戦うことも可能。
本作ではシャドームーンと共闘することも出来るのだが、
その方法が隠しダンジョンに出現するシャドームーンを怪獣をコントロールする為の装置「パーセル」で捕獲するというアレなもの。
一方の『スーパーヒーロー烈伝』では、ある条件を満たすことでRX初登場シナリオにてツンデレじみた台詞と共に仲間として参戦してくれる。
『ロストヒーローズ2』ではRXとしての力を失い、BLACKに戻ってしまう。
どうやって再びRXになったのかは自分の目で確かみてみろ!

SRPG『スーパー特撮大戦2001』でもシナリオ分岐により、BLACKからRXになるか終始そのまま戦うか選べるのだが、
原作『RX』同様にヘリパイロットになるとRXになれなくなる。何故だ。

PS2『仮面ライダー 正義の系譜』ではBLACK時代の光太郎が登場。声も倉田てつを氏。
時系列的には信彦がシャドームーンとして復活してから、ゴルゴム創世王との決着を付ける前となる。
こちらでも前述の「ゴルゴムの仕業か!」の台詞が登場、しかも最終的にはあながち間違っていなかった
(『正義の系譜』のラスボス『邪眼』は前創世王決定戦で現創世王に敗れた世紀王)。

クライマックスヒーローズシリーズでは『フォーゼ』から参戦。以降のシリーズ作品にはタッグモードがあり、
シャドームーンとタッグを組むと信彦と共闘できることを喜ぶのだが、当のシャドームーンは利害の一致で戦っているのみで、
戦闘が終わるとBLACKを次の標的にするのがなんとも哀しい。
また『超クライマックスヒーローズ』では、ジョーカーとBLACKを対戦させると桐山氏の喜びの声特殊イントロが発生するようになっている。

その他『オール仮面ライダー ライダージェネレーション』シリーズ、データカードダスの『ガンバライド』などに参戦している。

+ ガンバライド
第1弾から参戦。当時は高レアになることができず、低レアでの登場だった。
第2弾ではライダースキル「ゴルゴムの仕業か」を持つカードが初登場。
第5弾で初の高レア化。レジェンドレアで登場し、昭和ライダー初のレジェンドレア化となった。
初参戦でも必殺技追加でもなくレジェンドレア化される例はガンバライドでも珍しい。
その後は低レアで出たり出なかったりだったが、シャバドゥビ4弾で久しぶりに高レア化されスーパーレアで登場した。

必殺技はキングストーンパンチとブラックキック。
下位技キングストーンパンチを持つカードは1枚しかなかったりする。
演出技ブラックキックはバイタルチャージ後にライダーパンチ→ライダーキックと放つ連続技となっている。

シャバドゥビ弾でのライダータイプは万能(マルチ)

後継作品の『ガンバライジング』にも1弾から参戦している。『ガンバライド』含め、差し替え前は 平井啓二 氏が代役を務めた。
ガンバライジングでは昭和ライダーの主題歌も収録されており、BLACKやシャドームーンを使用すれば上で話題に出ている歌を筐体で聴くことも可能。
RXの参戦した3弾から、BLACKの声も倉田てつを氏に変更された。
初登場がNで、その後も長らく高レアカードがない状態が続いていたが、ND3弾にてCPで登場し高レア化となった。
ガシャットヘンシン4弾ではライジング初のLRで登場。バースト必殺技として「ライダーパンチ&ライダーキック」を収録。
バーストライズ1弾では2度目のLRで登場。バースト必殺技は原作51話でシャドームーンを倒したシーンを再現した「創世王の剣」。

+ ニコニコ動画での扱い
ここまで述べた通り、作品自体の人気もさることながらネタも豊富なため、ニコニコでも人気である。
しかし、東映作品のため権利者が厳しく、本編を使ったMADはゴルゴムの仕業で大抵削除されてしまう。
…手描きの場合は流石のゴルゴムやクライシス帝国も手を出せないようだが。

だがその時ふしぎなことが起こった!
2012年に東映がニコニコ動画に公式チャンネルを開設。
2012年の5月から毎週日曜日朝10時より本編の配信が始まったのである。
現在は本編51話とシリーズ総集編『仮面ライダー1号~RX大集合』を含めた全52話および劇場版が有料で配信されている。
さらに続編である『仮面ライダーBLACK RX』も同じ時間枠で配信開始。2014年3月9日に最終話が配信され、
仮面ライダー』にバトンタッチした。

なお、光太郎と信彦は日食の日に生まれたという設定なのだが、
『仮面ライダーBLACK』放映開始の1987年には金環日食が、続編『RX』放映の1988年には皆既日食が、
『ディケイド』客演の2009年にも皆既日食が起こり、ニコニコ動画で配信が決まった2012年も金環日食が発生している。
また、『ディケイド』とほぼ同時期に愛媛県にて真っ黒なトノサマバッタが発見された。
このように自然からもその復活を祝福されている。なんなんだこのヒーロー

余談だが、本作及び続編RXに子役として出演していた本名陽子氏は、後に東映の黒いスーパーヒロインの声を演じている。
また、相方を演じることになる野上ゆかな(現・ゆかな)氏も続編RXに子役として出演していたらしい。
これも運命の皮肉と言うべきだろうか。


MUGENにおける仮面ライダーBLACK

+ way-oh氏製作 漫画版
  • way-oh氏製作 漫画版
手描きドットのBLACK。2013年公開。
外見は石ノ森章太郎氏の漫画版を元にしたもので、特撮版とは違いバッタ怪人そのものといった姿をしている。断じてゴキブリではない
技や演出などは特撮版と漫画版の折衷と言った所で、漫画版の目から怪光線落雷、特撮版のパンチ→キックのコンボ等が搭載されている。
またゲージを使用しバトルホッパーを呼び出すことも出来、乗ることで擬似的なのりもの状態になる。
原作漫画版は特撮版と毛色が違うためか、倉田てつを氏のボイスは搭載されていな……かったのだが、
更新でPS2の『正義の系譜』に出演した際の倉田氏の音声が搭載された。
AIは未搭載だが、ギル氏によって外部AIが公開されている。

+ 技・性能解説
  • バイタルゲージ
画面下に専用ゲージが映る。特撮版の変身ベルトを模したゲージ。パワーゲージとは別個の管理。
必殺技はそれぞれに消費値が設定されており、一定以上なければ使用できない(ゲージ技はそれに加えてパワーゲージを消費)。
時間で少しずつ回復するが微々たるものなので、バイタルチャージで貯めていく必要がある。

  • バイタルチャージ
バイタルゲージの回復に使う。体力が回復するわけではない。
バイタルゲージがないと必殺技が使えないのでこまめに使おう。
パワーゲージは増加しないので、通常技の空振りなどで貯めよう。

  • ライダービーム
額から熱線。元ネタは火災報知器を作動させたコマ。
スピードも発生も優秀だが、高い位置から出るのでカンフーマンのニュートラルにすら当たらない。

  • ライダーチョップ
突進技。相手を浮かせ、受け身不能時間が長いので追撃可能。
移動距離も長い。コンボの要。

  • ライダーキック
空中で回転した後に急降下キック。
回転とキックの二回判定が出るので、空中コンボの締めに。

  • パワーストライプス
全身から炎を出す。1ゲージ。
技名は特撮版の熱を発する攻撃だが、元は漫画版のオーラ攻撃や熱攻撃。
多段ヒットだが、画面端だとカス当たりする場合も。

  • キングストーンサンダー
雷を飛ばす。1ゲージ。
判定が大きく、ジャンプ回避はまず不可能。
バイタルゲージの消耗が大きく、パワーゲージがあるからと言って連発は難しい。
なお漫画版で雷を発したのは実は信彦と魔王だけで、光太郎は使っていない。

  • バトルホッパー
バトルホッパーを呼び出す。1ゲージ。
ホッパーはライダーの後ろから現れ、少し前に出て止まる。
止まるまでに攻撃判定あり。
また到着したホッパーに重なってスタートボタンで乗れる。
乗っている間、前進中は一定時間おきに攻撃判定が出る疑似のりもの状態。
食らい判定はライダーの上半身だけなので攻撃を当てづらい。
ただし、アーマーがないので、一撃でもヒットするとのけぞりに移行、強制的に分離する。
バトルホッパーそのものには食らい判定がないので、ホッパーを攻撃しても破壊することはできないが、
その代りライダーが盾や身代わりにもすることもできない。
なお、ロードセクターは呼び出せない。

  • キングストーンフラッシュ
光を発する攻撃。漫画で言う所の「賢者の石の奇蹟」。2ゲージ。
全画面判定で発生も早く威力も高いが、その分消耗も大きい。

  • ライダーコンボ
特撮版でのお約束、ライダーパンチで怯んだ相手へのライダーキックのコンボ。2ゲージ。
さすがに即死はしないが、それでもかなりダメージは大きい。
しかし発生がとても遅く、実戦で決められるかどうか……当ててもキングストーンフラッシュの方が威力高いし。
この技でKOすると、先輩ライダー同様相手を爆殺する。
爆発演出は中期以降の炎→カラフルな爆発と光→初期の煙が巻き戻る演出となっている。

+ MAX氏製作 特撮版
  • MAX氏製作 特撮版
2018年公開。こっちらはMUGEN1.0以降専用
ドットはクウガ製作チーム版クウガの改変。
基本的には素体の動きを流用しているが、キングストーンフラッシュやバトルホッパー召喚などきちんと本人の必殺技を用いる。
ただし不具合が多く作り込みは粗い。
AIは搭載されていない。

出場大会

削除済み


*1
メタなことを言うなら、協力者がほぼいない光太郎の設定や、昭和ライダーらしい1話完結のスタイルを守りつつ、
かつ光太郎が30分以内にほぼ単独で事件の真相を突き止める展開を毎回毎回描写しようとすると、
こういうご都合主義的な決め付けを使わないことにはストーリーの進めようが無かったのである。

また本編でそこまで多用されていたわけでもなく(上記のマグロみたいな印象的なシーンはあるが)、
当時のサブカルチャー投稿誌『ファンロード』で「(ライダー以外に対してまで)ネタとして多用された」と言う部分が大きい。
2011年で言うなら『ガンダムAGE』の重要でもない一回きりのシーンなのにネットで大人気になった「強いられているんだ!」みたいなもの。

実際「ゴルゴムの仕業」というフレーズ自体が登場したのは数度のみで、本編では他にも「まさか(もしや)ゴルゴム!」であったり、
光太郎自身は無言でナレーションが「光太郎はゴルゴムの犯罪の匂いを感じ取った」と説明する場合もあったりと、パターンは豊富。
光太郎自身が直接事件現場に居合わせるなど、疑う暇もなくゴルゴム自体と遭遇するパターンも多かった。

*2
BLACKに限らず石森ヒーローは、主人公が死んだまま終了する(ただし脳髄のみ無事)初代『仮面ライダー』は勿論、
人造人間キカイダー』が(ロボ同士だが)最終話で(ラスボスに服従回路を組み込まれた)兄弟や恋人を自らの手で破壊する業を背負い
(これが原因で後の漫画版『イナズマン』にゲスト出演した時はやさぐれていた)、
『変身忍者嵐』はラスボスを殺したら実は父や弟達だと発覚したり
(本来正義側だった父親は嵐より先にラスボスを倒すも記憶を失い自らをラスボスだと思い込んでしまった。弟達はその後に生まれた子)、
実は改造人間ではなく宇宙人だった化身忍者達に地球に置いてきぼりにされたりと、TV版とは比べ物にならないほど暗いことが多い。
TV版の暴走にキレて途中でギャグ漫画に変更した『秘密戦隊ゴレンジャー(ひみつ戦隊ゴレンジャーごっこ)』もあるけど。
ただし、「漫画家ではなく萬画家」を名乗る石森氏は多種多様な漫画を描いており、明るい作品を描けない訳ではない。
と言うか当時は手塚治虫氏を始めとした多くの漫画家が一人で多種多様なジャンルを描いていた

*3
こう書くと「魔王=光太郎」で確定のように見えるが、他にも様々な要素を見ると本当にそうかは怪しい。
  1. 光太郎が聞いた魔王の声は信彦に似ていた
  2. 魔王と対峙する際、知性のある怪人達は皆見た目で魔王と光太郎を間違えていたが、
    一部の怪物は嗅覚で魔王との違いを見抜いたので魔王と光太郎の匂いは違う
  3. 魔王は「同一の存在である自分を殺せばお前も死ぬ」と脅す一方、光太郎が死んでも自分は死なないと語る
  4. そもそも、光太郎が魔王なら何故アボリジニのフィーチとグムは光太郎を導いたのか?
このように光太郎=魔王説を否定する要素も上がっているのだが、1については光太郎が自分の声を正しく認識できていたか怪しいし、
2は魔王と光太郎の時代に30年の差があり、その分力の差などもあったので匂いが変化したとも考えられ、
3については魔王の弁によると「ワシは世界の隅々にまで力を張り巡らしている」ため過去が消えても存在を保てるとのこと
(実際の所、力にかなりの差があるにも拘らず、魔王は光太郎を殺さず過去に飛ばしただけだが)。
4についてはあくまで光太郎を導いたのは未来のフィーチとグムであり、魔王の支配が始まった時代に魔王の正体を認識していたかは不明。
結局の所、魔王の正体については永遠の謎なのである。

なお、もしも力を蓄えている魔王が死んだ場合は、それに伴って世界も滅ぶとのこと。
つまり3についての魔王の発言が正しければ魔王からはやりたい放題なのに対し、
光太郎は命を捨てて勝利しても何も救えず、どう足掻いても勝ち目は無い。理不尽すぎる。
まあ、光太郎は「お前の作る新世界は地獄だ!ともに滅びるならむしろその方が幸せだろう!」と世界ごと殺る気満々だったが。


最終更新:2024年02月18日 10:24