アナカリス



「定めによりてりてりて

  王は民を守るものなりなりなり

初出作品: ヴァンパイア The Night Warriors
出身地: エジプト
生年月日: B.C.2664年 誕生日は不明。
身長: 270cm
体重: 500g~500kg(可変)
種族: ミイラ

「復活のファラオ」「黄金の絶対神」

ヴァンパイア』シリーズに初代より登場する強くて賢くて奥さんが美人の王様。別名ファラオATMとは何の関係も無い。
イロモノ系キャラのカリスマ的存在で、格ゲー史上最高のイロモノキャラとしてその名を挙げられることも多い。
シリーズ内でも人気キャラの一角を占め、『MVC2』にはデミトリを差し置いて出演するなど、中々優遇されている。

外見は3m近い巨体を有する非常に筋肉質な体つきをしたミイラ。
しかし包帯の下の体はミイラのために干からびており、逞しく見えるその体付きは、その身に巻いた包帯で生前の体格を象り再現したものである。
全く違う形に体を変形させることが可能で、その本体のミイラは一部の攻撃やダメージを負った時のモーション中に、わずかに覗き見ることができる程度。
形は違えど王国を統治する者同士という関係なのか、Q-Beeとは『セイヴァー』で互いに乱入キャラに設定されている。

特徴としてセリフの語尾の最終二音(ないし一音)が二回繰り替えされる(残響音の表現?)。
また、勝利台詞にお茶目なものが混じっているのも有名で、『CFJ』ではそれが顕著になっている。

ヌール「そこにひざまずけずけずけ 無理でもひざまずけずけずけ」
ランダム台詞「次元のゆがみと混在を感じるじるじる だいたい5つほど感じるじるじる」
                     「またまた降臨臨臨 たまたま勝利利利」
                     「予言をおろそかにするなるなるな 割と良く当たるのだのだのだ」


キャラクター設定

+ アナカリス王の軌跡
現在、アナカリスの国について正確に記された資料はほとんどない。以下に記すのは、
エジプトにおいて出土した石碑に刻まれた文で、「アナカリス」の名が確認出来るものを集めたものである。
エジプト考古学の定説を覆しかねない超国家の存在をにおわせる内容*1 だけに、鑑定には十分な時間をかけ慎重を期す必要がある。

  • 年表
アナカリス生誕から消失?までを記録したもの。なお、筆者の特定は出来ていない。

B.C.2669:第11代皇帝ウロス即位
B.C.2664:アナカリス、第11代皇帝ウロスの第一王子として誕生
B.C.2662:第二王子エラトス誕生(まもなく死亡)
B.C.2655:第三王子ヘテロソス誕生
B.C.2652:ウロス死去(没39歳)、第12代皇帝アナカリス即位(12歳)
B.C.2650:復活のための墓碑(ピラミッド)建造開始。全国民が建造に参加
B.C.2635:ヘテロソス病死(没)
B.C.2634:ピラミッド完成。16年間でのべ6000万人の労働力を動員。
B.C.2633:隣国の攻撃を受け、アナカリス戦死(没27歳)。遺志に従い、アナカリスの体は復活の間におさめられる
B.C.2632:隣国の侵攻続く。
B.C.2630:アナカリス復活、隣国の攻撃を退ける
B.C.2629:隣国を逆に制圧し国土拡大。「未来より我を呼ぶ声有り」と告げてアナカリス謎の失踪
B.C.26XX:国全体が国民とともに謎の消失をとげる

  • 臣民の九戒
 上記の年表とともに発見されたもの。民に課した厳しい戒律についての記述と思われる。
1:聖王をもって唯一の神とせよ
2:日々の祈りを欠かしてはならぬ
3:年長者を虐げてはならぬ
  また幼子に労役を課してはならぬ
4:死をおそれてはならぬ
  すべての命は死の前に厳粛であれ
5:夜明けには住処と体を聖なる砂で清めよ
6:1日の稼ぎ以上の借金をしてはならぬ
  また借金を10日以上滞納してはならぬ
7:己と家族の健康を祈り摂生に努めよ
8:罪なき者を殺めてはならぬ
  また人命を殺めた者は王の前に命を預けよ
9:1日に3つの善行を積め
  ひとつは己のため
  ひとつは他者のため
  ひとつは王のため

アナカリス国王即位の言葉
「究極にして不滅。唯一にして絶対。
 我こそ、燦然と輝くこの黄金の国家をあまねく統べる真実の王、アナカリス一世である。
 我の前にひざまずく者、神の名においてひとしく加護を受ける権利を有する。
 しかし、ひとたび我の加護を退け刃向かうならば、
 神の名の元に厳格なる裁きを受け、地獄の炎に焼き尽くされねばならぬ。
 天を敬う者、永久の幸を賜るべし。
 天をさげすむ者、その愚かさ、命の代価をもってあがなうべし。
 我、永劫の治世を約束するとともに、優れた魂のみ膝元に集うことを許す。」

(電波新聞社『ALL ABOUTヴァンパイアセイヴァー』より)

+ ストーリー
広くエジプトを支配し、ナイル流域を支配した無敵の王国のファラオアナカリスは、国の第一王子として生まれ、弱冠12歳で王の座に着いた。
彼はこの繁栄を永遠のものにするため、自分の死後は復活を果たし、自らが神となり国を守ることを予言し、家臣に命じてピラミッドを築かせた。
27歳の時、アナカリスは隣国との戦争で傷を負い、それが元で熱病に冒され没した。
家臣達によってピラミッド内部へ丁重に収められたアナカリスは、数千年の時を経てパイロンの地球来襲に際し、予言通り復活を果たす。
元の体は既に朽ちていたが、肉体の代わりに身に付けた、黄金のマスクと包帯を自分の体のように意のままに操ることができるようになっていた。
その体で外に出たアナカリスの目に映ったものは、かつての自分の王国では無く一面に広がる広大な砂漠だった。
国は、アナカリスが死んだ後の戦争で侵略されて滅亡し、その存在すらも歴史から忘れ去られていた。
そのことを悟ったアナカリスは、滅亡を招いた自分の過ちに気付き、それを正し亡国を復活させるべく動き出す。
『ヴァンパイア』及び『ハンター』でのエンディングは、敵に襲われて滅亡の危機にある自国を、過去に戻って自ら救い出す。
『セイヴァー』では、未来から送られてきたジェダの声を聞きつけ、自ら魔次元へ出向く。
そのエンディングでは、世界の崩壊は回避不能と判断し、地下に新たな王国を建設している。


キャラクター性能

他キャラに比べて動きが遅く近付くのにも一苦労だが、
一度近付けば下半身をピラミッドにする技を使った中段・下段ラッシュで瞬く間に相手の体力を根こそぎ奪う。
「言霊返し」という飛び道具反射技を持ち、弾持ちキャラに対しても心理的な面でも抑止力を持つ。
ただし、AI相手だとこういったラッシュや立ち回りでの細かい駆け引きが通用せず、ガード崩し手段の投げが低性能
通常投げ無し、コマンド投げは一定の間合いの立っている相手しか投げれない、しゃがみ&至近距離の相手を投げるにはゲージ消費が必要)
というデメリットのため、対AIでは無類の弱さを誇る。
『ハンター』では強キャラの一角だったが、『セイヴァー』では各種性能面がやや抑えめになった他、
後述するように『セイヴァー』のゲーム特色とことごとくケンカしてしまった結果、一転してビクトルと最弱を争うことになってしまった。

+ 『ハンター』
例外キャラ。
「GC」と「投げ」が無いという非常に辛いデメリットを抱えつつも、0フレ下段無敵、
1フレ空中判定の垂直ジャンプや1フレで下Pすら当たらなくなる下強P、画面端限定での0フレ無敵のバックダッシュなどメリットも多く持っている。
キャラ的には空中浮遊を活かしての「王家の捌き」連発での待ち&逃げスタイルから、
自ターンでの逆ピラ絡みの中下段揺さぶりとかなりメリハリのあるキャラになっている。
ジャンプなどの動作自体にイチイチ癖が多く取っ付きにくいキャラではあるが、一度物にしてしまえばその癖の強い部分を一気に長所に出来るキャラ。
ただこのキャラを語る上で避けて通れないのが天敵パイロンの存在。
「GC」と「投げ」が無いことで、近付かれたらガードの上から「ゾディアックファイア」×Nで身動きが取れなくなってしまい終わる。
パイロンさえいなければ強キャラではなく最強の一角だったのに……。

+ 『セイヴァー』
本作でも単純な攻め手段に関しては中々の性能を持っている。
逆ピラ、垂ピラを使った起き攻めは、「アナカリスに前起きをするのは愚の骨頂」といっても差し支えがないほど見切るのが難しい。
コンボのダメージも高く平均点以上の攻め性能を有している。
防御に関しても弱点ばかりではない。
リーチは長く頼れる対空をしっかり持っており、飛び道具もあるので寄せない戦い方にその性能を発揮できる。
画面端から逆サイドに移動ができる、ダウン追い討ちをスカす技があるなど、このキャラにしかない強い部分もある。
そしてその特異性から、相手が慣れるまでに経験を要するというのも強みだろう。
こういった強みは稼働から長い時期が経った今でも健在である……にも拘らず、アナカリスは『セイヴァー』における最弱キャラ候補筆頭である。
それは「システムに愛されなかった」であるが故。

まず何より痛いのが、展開が早く「相手に先に触った方がかなり有利」というゲーム性故、
アドバンシングガード(以下AG)による間合い離しの防御手段が前提のゲームなのに、
一人だけAGを使えないという謎な処遇を受けており、これだけで防御に回った際に大きなリスクを抱えている点。
特に画面端を背負った時のダッシュを使った固めラッシュや、サスカッチのロングダッシュ連係など、
一部の行動に対して明快な脱出手段がなく、相手のミス待ちを狙ってタイミング良くジャンプか画面端バックダッシュの画面反対ワープで抜けるしかない。
AGの欠如は、投げ抜けにも関係する。
他のキャラはAGの入力が投げの入力を伴っているため、案外勝手に投げ抜けが発動するのだが、
このキャラにはそれがないため、投げ抜けを意識して自分で入れなければならない。
前作から続く『通常投げの欠如』も大きな問題である。攻めのバリエーションが減るのは勿論のこと、
防御面でも投げ確定の状況に対して、確定反撃ができない。
こういった切り返しの弱さを助長するのが、『ハンター』の頃から待望の実装を迎えたはずなのに、
全く使えないガードキャンセルの性能である。
発動するのに1ゲージ必要な上に、ヒットさせた後に相手の通常投げが確定してしまい、脱出手段としてまともに機能しない。
体の大きさも防御面での弱さを加速させているのも悲しい所。
見た目通り食らい判定が非常に大きいので、色々な技に引っ掛かり、アナカリス限定のコンボも多数存在する。
攻撃面でもややシステムに嫌われた点があり、性能が良くて狙う機会が多く前作までは重要なダメージソースだった追い打ち攻撃が、
今作では全キャラ一貫して回復可能なリカバリダメージ(通称「白ダメ」)として計算されるようになった結果、
追い打ちを決めてから改めて距離を取って立ち回りで拒否っていくといった、
アナカリスの主要戦術の一つを取ろうとすると相手に回復されてリターンを取り辛くなっている。
そのため、追い打ち攻撃まで入れ込んだ際、それまでの攻撃をしっかり通した成果として繋げるためには、
リスク覚悟でもう一度アナカリスの方から触りに行かなければならない。

結果、『ハンター』の時代より攻撃・防御のターンが切り替わった時の落差が激しく、一回のミスが致命傷になりやすい。
1ラウンド終了後も「画面暗転したのち、中央定位置に戻ってお互いの位置関係は仕切り直し」ではなく『セイヴァー』独特のラウンド持越しシステム、
即ち一般格ゲーとは違い、起き上がった所でやや間合いを作ってすぐに試合再開するという関係上、
アナカリスの場合、一度捕まると脱出する方策に難儀したままそのまま死んでいく……という事態も決して珍しくはない。

実際の所、『セイヴァー』稼働初期は牽制と攻めに転じた時の強さ、地対空の拒否力が評価され、中堅以上の評価を得ていた時期もある。
ただ、システムの研究と共に他キャラが伸びしろを発見させていく中、アナカリスはむしろ弱点の方が見つかっていき、
次第に努力では中々埋められないランク差を付けられていった結果、作品内で低迷を招いてしまったという経緯である。
この「尖った能力はあるが、一人だけ作品中の共通システムを使い得ない脆さ」が露呈しダイヤグラムを落としてしまったという点で、
後年の『北斗の拳』のハート様(一人だけ能動的なブースト使用が不可)と似通った部分があると言えるかもしれない。
安定とはかけ離れたこのキャラで安定した強さを誇るには、他のキャラとは比較にならないほどの経験と、
一度攻めの主導権を得たらラウンドを取るまでそれを握り続けるほどの粘り強さが必要である。

+ 王家の裁き
相手を無力な姿に変身させることを「裁く」というが、語源はアナカリスの必殺技「王家の裁き」である。
空中でアナカリスの口から斜め下方に向かって発射される「王家の裁き」。
この技を食らった相手は、一定時間マスコットのようなキャラクターに変えられ、
効果が切れるまでの間前後の低速移動とジャンプ以外の一切の動作ができない無防備状態となる。
この技によって変身させられることを技名からとって「裁かれる」と呼ばれ、『ALL ABOUT』シリーズ(電波新聞社発行)などの書籍では、
他のゲームの同質の技によって相手を無力な姿に変身させること全てにこの用語が用いられている。
裁かれた際の姿はキャラクターによって違う姿が用意されており、その独特の姿や動きからファンも多く人気が高いため、
アナカリスを象徴する必殺技となった。
外部出演した『CFJ』のキャラクター達にも、その姿が用意されていて好評を得た。
なお、『MVC2』のみ全キャラ統一の奴隷の姿になる仕様で、攻撃ボタンを押すと土下座をするようになっていた。







「刮目せよせよせよ
 これぞ宇宙の理なりなりなり


MUGENにおけるアナカリス

+ ミス氏製作 セイヴァー仕様
  • ミス氏製作 セイヴァー仕様
一部の必殺技が搭載されていないなど、未完成のままになっている。

+ 参号氏製作 セイヴァー仕様
  • 参号氏製作 セイヴァー仕様
現在は入手不可。
全ての技を搭載しつつ原作のアナウンスの再現なども行っており、かなり原作再現度を誇るアナカリス。
言霊返しは対応している一部のヴァンパイアキャラ相手のみに吐き出しが可能な使用となっている。
またMUGENのダウンの仕様上、咎めの穴が出しにくい。
時折ダークフォースを狙ってくるなど、中々の強さのAIもデフォルトで搭載されている。

+ Thomas Hsieh氏(Hsiehtm氏)製作 セイヴァー仕様
  • Thomas Hsieh氏(Hsiehtm氏)製作 セイヴァー仕様
海外製だがこちらも非常に高い再現度のアナカリス。
現在は公開サイトのDLリンクが切れているため、残念ながら入手不可。
参号氏のものと比べ、咎めの穴が出しやすくなっている他、相手が誰でも言霊返しで吐き出しが可能。
吐き出す飛び道具は通常版がデミトリのカオスフレア、ES版がソウルフィストに統一されている。
ちなみに王家の裁きも搭載しているが、対応しているアニメ番号が後述のGal129氏のものとは違うので注意(詳細はこちらを参照)。
一部の番号被りを避けるためか、こちらで登録している海外製キャラも多いようだ。
海外製には珍しく、4段階のレベル調節が可能でガードもコンボも堅実なAIを搭載している。

+ Kong氏製作 MVC2仕様
  • Kong氏製作 MVC2仕様
いつものKong氏仕様。
流石の性能で、「ファラオイリュージョン」が中々のAI殺しなこともありかなり強い。

ホルン氏による外部AIも公開されている。
恒例のコンボ・立ち回り・反応・ガードレベルが設定可能で、ゲージが溜まると積極的にファラオイリュージョンを使う。
想定ランクは強~凶上位とのこと。

+ Gal129氏製作 CFJ+CVS2アレンジ仕様
  • Gal129氏製作 CFJ+CVS2アレンジ仕様
『CFJ』をベースに『CVS2』の仕様を忠実に再現したアレンジ仕様。
EXグルーヴの設定なども細かく再現されており、実際に『CVS2』に登場していてもなんら遜色ない仕上がりになっている。
ただし、無敵付加バグはまだ搭載していないようである。
超反応を排しつつ、効果的な崩しなどを上手く行ってくる対人AIをデフォルトで搭載している。


「新生王国建立記念
 国民大募集中

出場大会

+ 一覧
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チーム
その他
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登場ストーリー

+ 一覧


*1
紀元前27世紀という年代が古すぎるわけではなく、この頃は古王国時代と呼ばれるピラミッド建設が盛んになっていく時代の始まりである
(史実だと階段ピラミッドで有名なジェゼル王がアナカリスよりやや上の世代になる)。
定説を覆しかねないのは「全国民がピラミッド建造に参加して16年間でのべ6000万人の労働力を動員」付近で、
それだけアナカリスの国が豊かであったという所である。

なお実際のピラミッド建設はというと、古代ギリシアの歴史家ヘロドトスは3ヶ月交代で奴隷10万人ずつを20年間動員したと記した
(10万人x20年x365日=20年間でのべ7億3000万人)。
しかし現在の定説では、直接動員された労働者は1日4000人程度、労働者のための町を動員人数に含めても1日2万人程度、
奴隷ではなく農閑期に農民を動員しており、動員期間は毎年ナイル川が氾濫する4ヶ月の増水季に集中していたと考えられている。


最終更新:2024年01月01日 15:25