Dr.マシリト


「わたしの名はドクター・マシリト
 はっきりいって超天才科学者である」

+ 担当声優
野島昭生
『Dr.スランプ アラレちゃん』37話
山田康雄
『“ほよよ!”宇宙大冒険』
野沢那智
『Dr.スランプ アラレちゃん』71話~164話
野田圭一
『Dr.スランプ アラレちゃん』198~236話
神谷明
『んちゃ!ペンギン村より愛をこめて』、『んちゃ!!わくわくハートの夏休み』
置鮎龍太郎
『ドクタースランプ』、『ドラゴンボール超』、『ぷよぷよ!!クエスト

鳥山明氏の漫画『Dr.スランプ』に登場するキャラクター。『ドラゴンボール超』にも出演している。

則巻千兵衛をライバル視している悪の科学者であり、
則巻アラレら自分の邪魔者を倒し、世界征服の野望を抱いている。
カラオケの十八番は「愛の水すまし」。

悪のロボット「キャラメルマン」シリーズを製作しアラレや千兵衛に挑むが、毎回敗北しており
作品の途中からは自らをサイボーグ化している。
車に撥ねられて生身から改造した当初は「キャラメルマン4号」を名乗ったが、ナンバリングに含まれず別のキャラメルマン4号が登場している。
更にキャラメルマン7号に踏み潰されて自身の下半身を車に改造した際は「キャラメルマン8号」を名乗ったが、
これも含まれず別のキャラメルマン7号8号が登場している。
最終的には、自らを完全に機械化した「キャラメルマン9号」の姿になって登場し、
「世界一つおいのだーれだ大会!!」にて、エネルギーゼロ光線を(股間から)放ちアラレをエネルギー切れ状態にして追い詰めるが、
アラレに変装したオボッチャマン*1の「ごあいさつ砲」で粉々にされ死亡。その後は幽霊になって登場した。
ちなみに9号は登場当初8号と名乗っていたが、これは7号が重複してしまったのを鳥山先生が忘れたままだったため。
この手のミスは後の単行本で修正されるのが基本だが、本作ではなんと劇中のモブがツッコミを入れるという形で訂正した。うーん、メタい
死後は地獄に落とされていたようで、『ドラゴンボール超』では地獄から抜け出し、アラレを洗脳して街を破壊しようと企む。
自身が幽霊であるために物理攻撃を受け付けず、打つ手なしかと思われたが、ビルスの破壊によって消滅させられた。

なお、上記のように結果的には毎回敗北しているがその技術力は本物で、初代のキャラメルマン1号の時点でアラレと互角、
3号は一度はアラレを倒しガッちゃんを捕らえ、7号に至ってはアラレとオボッチャマンを完全破壊に追い込むなど、制作したロボットの戦闘力は非常に高い
(そもそもアラレはおてつだいロボットとして作られており、本来は戦闘用ロボットではないため、
 最初から戦闘用ロボットとして作られているキャラメルマンシリーズに軍配が上がるのは当然と言えるかもしれないが)。

モデルは当時、鳥山先生の編集担当だった鳥嶋和彦氏。
鳥山先生は千兵衛のライバル的な悪役を出したいという構想は以前から抱いていたのだが、
苦労して考えた最初の原案を鳥嶋氏に「インパクトがないからボツ」と却下されてしまい、
「おもいっきり嫌いな奴とか嫌な奴を思い浮かべて描いてくれ」と鳥嶋氏から助言を受けた鳥山先生は、
それに従い、内心ムカっとしていた鳥嶋氏でマシリトのデザインを作り、もう変更のきかない締め切り直前に送り付けた。
さすが鳥山先生、他の漫画家にできない事を平然とやってのけるッ!
当然鳥嶋氏は怒ったが、描き直す時間も無く使うしかなかったとの事(更には読者からの大反響により、鳥嶋氏は編集長から褒められたらしい)。

これは鳥嶋氏の「技術的指導以外の指示を編集者がしてしまうと既存作品のコピーになってしまうので、編集者は読者の立場から面白いか否かの判断に徹するべき」
という哲学によるものであって、鳥山先生と鳥嶋氏が不仲という訳ではないのであしからず。
鳥嶋氏がボツを出しまくるのは鳥山先生に限った話ではなく、
鬼編集ではあったが、同時に鳥山先生を始めとする多くの漫画家を世に出し、ジャンプ黄金期を支えた一流の編集者でもあり*2
ドラゴンクエスト ダイの大冒険』でポップをスパルタ式に鍛えた大魔道士・マトリフ師匠も彼がモデルであったり、
ジャンプ放送局(読者コーナー)の人間が開発に関わっているRPG『桃太郎伝説』では、
「あまのじゃく」として「ボツ!ボツ!」と口走りながら桃太郎に襲いかかる鬼にされたり、
初代編集長を務めた『Vジャンプ』の読者コーナーでは「マシリト団」なる悪役のボスにされた上に、
読者から懺悔を募集する「心の中の小さなマシリト」なるミニコーナーまで作られたり、
アニメ制作の制作の苦労話を描いた漫画『奇跡全開!Zパワーの男たち!』(『テレビアニメ完全ガイド ドラゴンボール 天下一伝説』に収録)では、
原作のストックが尽きたアニメスタッフの苦肉の策にボツを出して押し問答をする役を演じたり等
(「10秒分の戦闘シーンをスローモーションにして原作通り一話保たせる」なんて案なので当然だが。
 …と言っても、野球アニメで1球投げるまで5分掛けたり、空振りシーンをカメラ(角度)を変えて3回流したり等、昔からある手法ではある)、
良くも悪くも愛されている人である。

ゲームでは、『ファミコンジャンプ』の最終決戦に悪役連合の二番手として登場。
有利に戦える味方キャラは冴羽獠と『ドーベルマン刑事』の主人公・加納錠治。まだ序盤の相手なので楽な方である。
ジャンプスーパースターズ』にバトルコマ及びサポートコマとして登場。
続編の『ジャンプアルティメットスターズ』(JUS)では、ラスボスとしてオリジナルキャラクターである未来のマシリトも参戦している。
乗機はジャンプの海賊マークをモチーフにした「キャラメルマンJ」で、キャラとしての名義もそちらになっているが、
ゲーム的には超サイヤ人の孫悟空やギア2のルフィなどと同様、マシリトのEXキャラクター扱いになっている。


MUGENにおけるDr.マシリト

This Boy氏の製作した、『JUS』のキャラが公開中。
通常攻撃のリーチは短いが、移動速度は速く、
必殺技で勢い余って地面に顔をぶつけるなどコミカルな動作が特徴。
超必殺技ではキャラメルマン1号に乗り込み攻撃を行う。
AIは未搭載。
DLは下記の動画から

出場大会

  • 「[大会] [Dr.マシリト]」をタグに含むページは1つもありません。


最後に、前述で述べた通りDr.マシリトは鳥嶋和彦氏をモデルとしたキャラクターである。
マシリト本人も(いい意味で)人気のあるキャラだが、モデルとなった鳥嶋氏も当時のジャンプの黄金期を携わった人物であり、
その当人を含め、関係各所に迷惑を掛ける事は絶対に許されない行為である事を決して忘れてはならない。


*1
アラレの設計図を基に作られたキャラメルマン4号。なので「ごあいさつ砲」もアラレの「んちゃ砲」のコピー。
しかし(天然かつウンチ好きな)アラレに対抗して品行方正な性格に作ってしまった事と
(そのためマシリトは「千兵衛達は世界征服を企む悪人」と騙していた)、
アラレに一目惚れしてしまった事により、マシリトを裏切り最終回ではアラレと結婚、千兵衛に二人の子供(アンドロイド)まで造ってもらっている。
え、子供じゃなく弟じゃないかって?『鉄腕アトム』からの伝統ですよ
(アトムの両親役のロボット(エタノールとリン)に至ってはアトムより後に産まれている)。

*2
マシリト登場以前から、鳥山先生は鳥嶋氏がボツを出しまくるのを楽屋ネタとして使う形で報復していたが、
『スター・ウォーズ』パロを応募してきたため門前払いされた原稿を見て鳥山先生の才能を見出しデビューに漕ぎつけたのも鳥嶋氏であるし、
そもそも『Dr.スランプ』が大ヒット作品となった背景には、鳥嶋氏が主人公格を則巻千兵衛からアラレにするよう強く勧めたという事もある。
それが結果的に成功したのだから、氏が果たした功績もまた大きいと言えよう。
ただ、何かと鳥山先生が苦手とする恋愛描写を入れるように勧めてきた事には全力で抵抗していたそうな。


最終更新:2024年01月22日 14:25