バードン


円谷プロの特撮作品『ウルトラシリーズ』に登場する怪獣
別名「火山怪鳥」。身長62m、体重3万3千t。
名前の由来は「鳥の首領」(バード+ドン)だろうか。
スーパーデラックス』のヘルパーではない(そっちのバードンも海外で公開されている)。

初出は『ウルトラマンタロウ』で、タロウ、ゾフィーという2大ウルトラ戦士を葬った力を誇る事から、
『タロウ』に登場した敵の中ではタイラントテンペラー星人と並んで最強クラスの一角として数えられており、
M78ワールドの地球出身の怪獣の中で最強と声が上がる事も多い強豪である。
「シャークノーズ」*1というクチバシはウルトラ戦士の強靭な皮膚を軽々と突き破る攻撃力を持つだけでなく、
頬の肉髯のような毒袋からウルトラ戦士すら絶命させるほどの強力な有毒物質を分泌する事ができる。
また、口から4万度の火炎放射「ボルヤニックファイア(ボル ニックではない)」を発射する他、
両腕の翼によりマッハ10で飛行できるだけでなく、強力な突風「バードンタイフーン」を起こす事もできる。

加えて厄介なのがこいつの食性。
肉食の怪獣かつとんでもない大食いかつ悪食であり、
ケムジラと呼ばれる怪獣から、更には人間まで何でも捕食する。

+ 作中での活躍
第17話「2大怪獣タロウに迫る!」、第18話「ゾフィが死んだ!タロウも死んだ!」(当時のゾフィーは「ゾフィ」表記)、
第19話「ウルトラの母 愛の奇跡!」の計3話に渡って登場。
第18話は「円谷映画祭2023」において庵野秀明氏の推薦で劇場公開もされた。

大熊山で長い間眠りについていたが、大熊山の火山活動に伴い、眠りから覚めて活動を再開。
同時期に復活したケムジラの幼虫を喰いまくり(ついでに大熊山の地質研究所の職員も捕食した)、
後にZATの攻撃で巨大怪獣となったケムジラとタロウの戦いに乱入する形で登場。
逃げ遅れた子供を庇って消耗していたタロウをシャークノーズで滅多刺しにして殺害
直後、ケムジラも惨殺して捕食してしまった。

その後も大熊山の周りを通った飛行機を襲撃するなど活発に活動し、
ZATがトリモチ作戦で対応に出るが逆にそれが原因で大暴れし、
止めるために現れたゾフィーには格闘戦では圧倒されるが、隙を突いてボルヤニックファイアを吹き付け、
かの有名なミスターファイヤーヘッド状態にした後、やはりシャークノーズで滅多刺しにして殺害した。

ゾフィー殺害後は各地の牧場や食肉倉庫を襲撃。
ZATはあらゆる肉を隠して対抗するが、食べるものがなくなって餓えたため、
いよいよ人口密集地を無差別に襲撃し、老若男女関係なく住民を喰いまくるが、そこで蘇生して駆け付けたタロウに阻まれ、
さらに退散した先の大熊山では火口にあった同族の卵をZATに破壊され、怒り狂いながらタロウと3度目の激戦を繰り広げる。
新たにタロウが入手したキングブレスレットをクチバシに嵌められて毒攻撃と火炎放射を封じられた挙句、
飛行して追跡中に分身されて混乱し大熊山火口に激突。
そのまま火口の溶岩に落下して爆死してついに倒された。
どうやら火山を拠点にしている怪獣には珍しく、溶岩に耐性はなかったらしい。

+ 他作品における活躍
第3話「ひとつきりの命」に登場し、「序盤でこんなやばい奴出るの!?」と視聴者を驚愕させた。
上記の毒袋の設定は本作が初出であるが、
同時に毒袋の血管を破壊されると袋内の毒がバードン自身の体内に逆流して自家中毒で自滅するという弱点も明かされている。フグとは大違いである
実際にGUYSの援護によって毒袋を撃たれた際は悶え苦しんでいた。

  • 『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY』
レイオニクスのリフレクト星人に操られる個体が登場。
序盤こそバードンタイフーンでゴモラを寄せ付けず、空中から体当たり攻撃を仕掛けるが、尻尾攻撃で叩き落とされる。
今度はシャークノーズを突き刺そうと再び空中から攻撃を仕掛けた所をゴモラに受け止められ、超振動波を受けて倒された。
最強怪獣の一体との呼び声が高い割には呆気無く負けてしまったが、これはリフレクト星人がレイと比較してレイオニクスとして力量が低く、
真のレイオニクスバトルが発動する事もない程に力量差が離れていたのが原因。

ガッツ星人ボルストがモンスライブする形で登場。
シャークノーズを突き刺して毒を注入する戦法で苦しめたが、初代のようにめった刺しにしなかったため殺害までには至らず、
ビクトリーがウルトランスしたキングジョーランチャーで毒袋を撃たれて自分の毒が体内に逆流してしまい弱った所にビクトリウムシュートを受け倒された。

本作の監督を担当した田口清隆氏の「ただのバードンなら出さない」という意見により、
「首がフクロウのように180度ぐるりと回る」「普段は火山で暮らしているが、卵は冷やして孵す」という生態が明かされている。
シャークノーズの毒攻撃に気を取られるあまり防戦一方となるエックスを追い詰めるが、
ファントン星人グルマン博士の機転でサイバーゴモラとエックスを合体させる事で誕生した「ゴモラアーマー」により、
一転してシャークノーズの攻撃を悉く防がれてしまい、最後はゴモラ振動波を受けてスパークドールズ化した。

脚本初稿ではケムジラも再び登場が予定されていたが、新規にスーツを制作する事が出来なかっため見送られたという。

亡霊魔導士レイバトスにより、ビクトルギエルやハイパーゼットンと共に蘇生された個体が登場。
ビクトルギエルとハイパーゼットンとの一戦で消耗したゼロとオーブをキングジョーツインテール、グドンと共に追い詰めるも、
そこでセブンジャックと共に駆け付けたゾフィーに阻まれ、約44年振りの因縁の再戦に発展する。

真っ向からのボルヤニックファイアによりまたしてもゾフィーのヘッドをファイヤーさせるバードンだが、
『タロウ』の時とは比べ物にならない程経験と実戦を積んで実力を上げたゾフィーには通じず、
怯ませこそしたが気合いだけで鎮火されてしまい、シャークノーズの乱れ突きも悉く躱され、
最後はM87光線を受けて爆散してしまった。

休眠中でありストレイジのインド支部の監視下に置かれている怪獣として名前が出ていたが、
セレブロが寄生したヨウコが操縦するウルトロイドゼロに吸収され、デストルドスの材料に使用された。


ゲーム作品におけるバードン

『大怪獣バトル ULTRA MONSTERS NEO』では、第7話「2大怪獣が迫る!」に登場。
セブンとはぐれ、彼を探しているアギラをファイヤーヘッド状態にして虐めていた所を主人公とカネゴンに遭遇し、バトルナイザーの怪獣によって撃退された。
また、同じくタロウに登場した怪獣であるモチロンと組ませる事でタッグ必殺技「フライングモチロンプレス」が使用可能だった。

『ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ』では速属性の怪獣として実装された。
耐久が低いが攻撃は優秀で、継承スキルも火力を上げるものが多い。

ヒーロー戦記』では後半のダンジョン「ツァイト市」にザコ敵及びイベントボスとして登場。
住処である火山を爆破された事に怒って暴れ回り、ある事情で単独行動中だったセブンにやむなく駆除されるが、
唯一残された卵から孵化したバードンがセブンをインプリンティングにより親だと認識し懐く。
最終的にセブンとの戦闘を通じて改心したメフィラス星人にバードンは引き取られたが……。

+ ネタバレ注意
「セブン、貴様のためにとっておきのプレゼントを用意しておいたぞ。
 こいつの手にかかって死ねる事を幸せに思え!」

ラストダンジョンの「ヘリオス要塞」にて、ヤプールが差し向けてくる刺客として再登場。
それでもわずかに自我が残っているのか、セブンを攻撃してくる事はほとんど無い。
戦闘後にヤプールの口からメフィラス星人を殺して奪い取った事が明らかにされる。
セブンも倒した直後にはバードンの正体に気付いており、悪辣非道なヤプールを「貴様に理想をどうこう言う資格はない!」と吐き捨てていた。
12:06~


MUGENにおけるバードン

以前からmuu氏のゾフィーの裏モードのストライカー(ただし攻撃はゾフィーにも当たる)として実装されていたが、
2021年にカーベィ氏の製作した単体のキャラが公開された。
邓v东西氏の製作したスプライトを用いて作られている。
開幕でバイト相手にシャークノーズで串刺しにする演出があったり、
勝利決着演出は死体蹴りを行う演出があったり、
1対1でmuu氏製ゾフィー(『光の国の使者』ドット)に火炎を放つとファイヤーヘッドにしたりと、
原作再現が秀逸な仕様となっている(後者2つはcnsファイルを弄る事で演出を消す事が可能)。
機動力に秀でている他、強風や火球など中~遠距離戦に優れた性能をしている。
超必殺技はいずれも1ゲージ技で、
高火力の「ボルヤニックファイア」、成功時は相手に一定時間毒のスリップダメージが残る「毒突き」、
『エックス』での攻撃を元ネタとした潜行攻撃の3つ。
AIもデフォルトで搭載されている。
紹介動画

なお、キャラとして単体化される前からミスターファイヤーヘッド関連で何かと動画でネタにされていた。

出場大会

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出演ストーリー



*1
シャークノーズは直訳すると「鮫の鼻」。
「鮫の鼻のように尖った流線型の物」への名称や喩えとして、
バードンのクチバシに限らず車や飛行機などにもこの名がよく用いられる(新幹線もこのタイプにあたる)。
ちなみにクチバシの英語は「Beak(ビーク)」であり、『大怪獣バトル』では「ダイビングビーク」という技もある。


最終更新:2024年04月19日 13:24