ギャラクトロン


「この世界のために、争い全てを停止させる。
 別の世界でもそうさせてきたように、全ての争いを止める。

 すなわち、この世界をリセットする。

 それが我が使命。我が正義」

円谷プロの特撮作品『ウルトラシリーズ』に登場するロボット怪獣
初出は『ウルトラマンオーブ』第14話「暴走する正義」。別名「シビルジャッジメンター」。
名前は発見者の早見ジェッタの案の「ギャラクシードラゴン」と松戸シンの案の「サルヴァトロン(イタリア語で救世主の意)」を、
夢野ナオミがミックスして命名したもので、実は本来の名は定かではない
マーベルの宇宙魔神ギャラクタスとTFの破壊大帝メガトロンの二大悪役の合成かと思ったが違った

デザイン担当は野中剛氏で、白い体色はアベユーイチ監督からの要望で戦い(後述)で汚れていくことを意図したものである。


全身が未知の物質や地球の物理法則を越えた部品で構成されており、
身体の中央部分にある赤い球体状の機関から相手をスキャンして対象のデータを採取する。
鳴き声というよりは、まるでコーラスのように聞こえる効果音を放ち、魔法陣のようなゲートを使用して空間転移できる。
同じく魔法陣状のバリアも張る事ができ、オーブが脚部を光線で狙うのを先読みして予め下半身に張るなど戦闘AIも優秀。
後頭部にある先端部が鉤爪型になった辮髪状の大型アーム「ギャラクトロンシャフト」はウルトラマン1人持ち上げられるほどに強力で、
加えて左腕の回転式の大剣「ギャラクトロンブレード」により高い接近戦能力を持つ。
また、目から撃つ真紅の破壊光線は着弾すると魔法が発生して、時間差でビルを倒壊させる程の爆発を起こす。
右腕はクロー型の二連装ビームキャノンユニットになっており、本体から分離して遠隔制御が可能で、
ロケットパンチの如く相手にぶつけたり、別方向からビーム攻撃を加えたりと多様な使い方ができる。
最大の必殺技として、ギャラクトロンシャフトを上に向けて持ち上げながら、
全身にエネルギーを迸らせて腹部から撃ち放つ光線「ギャラクトロンスパーク」がある。
その威力は山一つを跡形もなく消滅させ、余波だけでも周囲の森林が焼野原と化すという核兵器以上の代物。
総合的な戦闘力は非常に高く、同作の中ボスであるマガオロチと比較しても遜色ない。

+ 本編での活躍
ナオミが率いる怪奇現象調査チーム「SSP」の面々が手伝いに来ていた小舟製作所の前に突如として出現。
半休眠状態で静止したままナオミの身体をスキャンしたり、闘争心を鎮める特殊な音響パルスを使って地球の情報を集めていた。
SSPの一同はこれを正義のロボットと思い込み、コントロールできればオーブに並ぶ地球防衛の要になると期待していたが、
翌朝にいきなり起動し、ナオミを乗っていた車ごと拉致して地球語発声用のパーツとして体内へ取り込む。
そして、収集した地球のデータから現人類を「争い事を繰り返す残虐な生命体」と一方的に見なし、「地球文明を滅ぼす」と宣告して暴走を始めた。
迎撃に出たオーブに対しては当初「地球の者ではない」との理由から彼と闘う事には消極的な態度を取っていたが、
オーブがそれでも自身に挑もうという姿勢を見せた事からこれに応戦し、
その圧倒的な実力ででオーブを追い詰め、ギャラクトロンブレードでオーブの身体を貫いて撃退した。

オーブを退けたギャラクトロンは、人類同士の戦争どころか食物連鎖による生態系すらも「間違った進化」と断じ、
粛清対象を地球の全生命体に拡大。ギャラクトロンスパークによる大規模な破壊活動を開始する。
やむなくガイは先のマガオロチ戦で暴走した強化形態サンダーブレスターに変身して再戦に転じるが、制御に失敗して大暴走
近くを飛んでいたビートル機を邪魔だと言わんばかりに撃墜した挙句、体内のナオミの事も考えていないかのような暴虐的な戦い方を実行し、
その圧倒的な力の前にギャラクトロンは先程とは一転して追い詰められる。
シャフトもブレードも引き千切られるわ、地に叩き伏せられてナオミの悲鳴が響き渡る中なお馬乗りでボコボコにされるわ、
主役ウルトラマンらしからぬあまりに容赦ない戦いぶりにSSPのメンバー(と視聴者達)は絶句。
シンに至っては、カラータイマーの点滅によるオーブの活動限界と消滅を祈るというウルトラマンにあるまじき展開となる。
見かねたジェッタの制止でオーブの動きが一瞬止まった隙に反撃を加え、コーラスのようなメロディーを身体から発するが
(命乞いのつもりだったのか、最後の手段として無理矢理ギャラクトロンスパークを発射しようとしたかは不明)、
先の反撃で闘争心を刺激されてしまったオーブがゼットシウム光線を放ち、そのまま粉砕された。

結局ギャラクトロンの体内に捕われたままだったナオミは、幸いにも一命を取り留めたものの一時は生命の危険に陥る程の重傷を負い
撃墜されたビートル隊員も小舟製作所が製造・納品していた脱出装置のお陰で助かったが、
やはり下手をすれば命を落としていたかもしれなかったため、SSPの面々や世間はオーブに対して不信感を抱くことになり、
他ならぬガイ自身もSSPの前で「俺はオーブ(=自分)が許せない」と断言する程に激しい自己嫌悪に陥った。

ギャラクトロンを倒せなければ間違いなく地球が滅ぼされていたとはいえ、ただ敵を倒しただけで何も守れていないどころか、
一歩間違えば主役ウルトラマンが悪人でも怪獣でもない善良な地球人を殺しかねなかったこの回は、
歴代『ウルトラシリーズ』の中でも屈指の後味の悪いエピソードとして視聴者に印象を残した
(展開としては次回・次々回でオーブが立ち直る話のための前準備であるが)。

しかし、ガイが躊躇していたサンダーブレスターの使用を決断するまで追い詰めたギャラクトロンの強さも印象深く、
スタイリッシュな外見も相まって、ニュージェネ世代出身の怪獣の中でも特に高い知名度と人気を持つ。

なお、『オーブ』本編ではその出自が不明だったが……
+ 関連怪獣など(ネタバレ注意)
  • ギルバリス
ギャラクトロン軍団の生みの親である巨大人工頭脳。
劇場版『ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!!』に登場。
ギャラクトロン軍団の生みの親である巨大人工頭脳にして、本作のラスボス。
上記のギャラクトロンはワンオフの個体ではなく、ギルバリスが知的生命体を処分するべく作り出した、
量産の利く戦闘員的兵器である
元々はM78バースにあった惑星クシアの科学者が作り出した「永遠の平和を築く」事を命じられた人工知能だったが、
その結果「宇宙の平和に知的生命体は不要」という結論を弾き出し、クシアを制圧し星をデータ化。
さらに全宇宙の知的生命体抹殺に乗り出すようになったのが、ギャラクトロン誕生の遠縁である。
なお、ガイ達はギャラクトロンを「制御できなくなって不法投棄した」と考察していたが、実際は正常に機能していたことになる。
とはいえ『オーブ』本編のギャラクトロンは、スキャンに時間がかかったり、ジェッタの反論に論理的に返せずスルーしたりと、
他の個体に比べてAIが若干ポンコツなため、「ガチで不良品だったので不法投棄した」という説が浮上している*2

コアは光線を無効化する特殊な装甲で覆われており(過去回想ではタロウのストリウム光線で外装を破壊されながらもコアは無傷)、
さらに不利になるとすぐにデータの世界に逃げ込むため、
宇宙警備隊に厳重にマークされていたものの、M78ワールドのウルトラ戦士はデータの世界に干渉する術が無く
(『メビウス』で見せたようにウルトラ戦士が自身をデータ化できないわけではないが、リスクが高いと言及されている)、
何度か本体が現実に出た時に追い詰めこそしたが仕留め損ねており、長らく根本的な対処を取ることができなかった。
よりによって少し前に宇宙警備隊入りの打診を蹴ったオーブが、ほぼノーリスクでサイバー空間入りできたという悲しさ

  • ギャラクトロンMK2
対ウルトラマン用に作られたギャラクトロンのカスタム機。
後頭部に格納されている戦斧「ギャラクトロンベイル」は高い切れ味とガルネイトバスターを平然と防げる強度を持つ。
さらに手先のビームマシンガン「ギャラクトロンゲベール」、手の甲のビームキャノン「ギャラクトロンシュトラール」、
近接格闘用ブレード「ギャラクトロンクリンガー」拘束光線「ギャラクトロンファング」などを持ち、
飛び道具を備えつつ原種以上の高い近接戦能力を獲得している。
更に対象をサイバー空間に強制的に取り込む能力がある。
その脅威はキングの力を持つロイヤルメガマスターですら問答無用であり、
一度取り込まれてしまうとノーリスクで自分をデータ化可能なエックスか、彼の力を持つオーブトリニティでもないと対処しようがない。

  • ナヴィ
ソーシャルゲーム『ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ』のマスコット。
惑星ウルバトでブリーダー達のサポートを行っていたマスコットだが、
その外見にギャラクトロンを思わせる部分が多く、何らかの関連性を疑うブリーダー(プレイヤー)も少なくなかった。
そして、サービス終了時のラストイベントで製造主がギルバリスであると発覚しており、
ギャラクトロンの兄妹or姉弟機のようなものだと明かされた。

  • キングギャラクトロン
『ウルトラマンフェスティバル2017』及び『ウルトラマンジード』に登場。
元々はステージショー向けにデザインされたが、後に映像作品に登板したキャラである。
ベリアル融合獣の1体で、前者ではウルトラマンベリアル
後者では『ジード』の敵である伏井出ケイがキングジョーとギャラクトロンのカプセルを使い変身した。

+ 他作品のギャラクトロン
オーブ劇場版『絆の力、おかりします!』ではムルナウが捕獲・改造を施したカスタム機が登場。
ャラクトロンスパークに代わり、物体を宝石に変える光線「ギャラクトロンジェムスパーク」を備えている。
ちなみに、この個体のみ別名が「奇機械改竜」となっている。

『ウルトラマンジード』では第7話「サクリファイス」、第8話「運命を越えて行け」で、ストルム星人伏井出ケイが怪獣カプセルで召喚した個体が登場。
この個体はタメが短いギャラクトロンスパークを放てるようになっている。威力は相応に低下はしているが、それでもウルトラマン相手には十分な武器であり、
まだ戦闘経験が浅かったとはいえ、レムのシミュレーションにて想定される17通りの戦い方全てでジードが敗北すると断定される、
観客を人質に取られて変身できないゼロ(厳密にはゼロが一体化していたレイト)に対して光線を放ち、
ゼロが一時的に活動不能になる(周囲は死亡したと解釈された)、本調子ではないとはいえ復活したゼロを追い詰めるなど、
ベリアル融合獣共々、序盤の敵とは思えない程の強敵として描かれていた。

ジード劇場版『つなぐぜ!願い!!』では発展機種であるギャラクトロンMK2と共に登場。
本作では沖縄で聖獣グクルシーサーとギャラクトロンが激突するという、某東宝特撮作品を連想させる展開がある。
実質上級の雑兵ポジションだが、オーブオリジンでも苦戦するなど、扱いは決して悪くない。

ちなみにオーブは本編、劇場版、ジード劇場版と通算3回も戦っているが、何故か毎回ギャラクトロンシャフトで首を吊り上げられている。

ゲーム『ウルトラマンフュージョンファイト!』では、
サンダーブレスターに相性の不利な風属性となっている。

ソーシャルゲーム『ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ』でも実装された。
固有スキル「実正なる裁き」は攻撃を受けた時2ターンの間相手の回避率を中ダウンさせ、
必殺技「ギャラクトロンスパーク」は次のフェイズ終了時まで、
この必殺技を受けてHPが0にならなかった相手のスキル発動をガード・反撃を除いて封印できる。
固有スキル、継承スキル、リーダースキルを全てロックする強力な効果であり、オークションでは毎回のように高騰していた。


「耳が痛いか?
 だから君たちは耳を塞ぐ。都合が悪いから無視する。*1
 だがこの星は、君たちの都合で存在しているのではない。

 よって、この星の文明と、
 「食物連鎖」という間違った進化を選んだ生態系全てを、

 リセットする」


MUGENにおけるギャラクトロン

カーベィ氏の製作したキャラが公開中。
blibiliで活動しているPinkSheepX氏と邓v东西氏から提供されたスプライトを用いて作られている。
ギャラクトロンシャフトによる奇襲がリーチも発生も優秀で強力であり、
さらに「アイレーザー」などの遠距離攻撃も備えており、器用万能な性能となっている。
超必殺技は1ゲージ技の「ギャラクトロンブレード」「閃光光線」、
1.5ゲージ消費の「ギャラクトロンスパーク」がある。
AIも搭載されている。
紹介動画

+ 警告「Warning」
先に述べたようにこのキャラはカーベィ氏とblibiliの製作者達の共同製作で作られたのだが、
経過報告の時などにクレクレ厨が「製作途中でもいいからクレ」「(他のキャラ)作ってクレ」などと粘着し、
製作者に多大な迷惑をかける事態があった。
無論blibiliのMUGENユーザーが全て該当する訳ではなく、諫めようとした真っ当なユーザーもいるが、
ともかくそのせいで氏やMUGEN特撮愛好家のSNSなどが殺伐とした雰囲気になった。

MUGEN界において製作者に「キャラくれ」「作ってくれ」はご法度である。
ルールとマナーを守り、楽しくMUGENをプレイしよう。

As mentioned earlier, the character was co-produced by Mr. Kirbey and the creators of blibili.
At the time of progress report, the beggar sticks to "Give me the middle of char" and "Make (another char) ".
There was a situation that caused a great deal of trouble to the creators.
Of course, not all blibili MUGEN users are applicable, and some legitimate users have tried to give up.
Anyway, because of that, he and MUGEN Tokusatsu enthusiast users SNS etc. becomes a terrible atmosphere .

In the MUGEN world, it is illegal to ask the creators to "give me 〇〇""make 〇〇".
Follow the rules and manners and have fun playing MUGEN.

出場大会



*1
尤も、ジェッタの「平和が望みなら他の星の女の子を拉致ったりするなよ!」という至極真っ当な言葉に対し、
スルーしている様子が正に「都合が悪いからと耳を塞ぐ」行為そのものなのだが。

*2
実の所ギルバリスや惑星クシアの存在は『つなぐぜ!願い!!』にて後付け設定されたもので、
『オーブ』での初登場時点では、明確なバックボーンを敢えて設定せず謎の存在として演出されていた
だからこそ「生態系すら否定する狂った価値観と独善的な主張」が衝撃的だったと言えるので、
「知的生命体の排除」というありがちな悪役っぽい目的が設定されてしまったことを残念に思う視聴者もいるとか。


最終更新:2023年12月12日 21:08