モービウス・ザ・リヴィング・ヴァンパイア


"There something inside of me,He wants to hunt and consume blood."

(自分の中の何かが、血を欲している)

+ 日本語吹替声優
斧アツシ
『スパイダーマン(1994年アニメ版)』
青木崇
『アルティメット・スパイダーマン VS シニスター・シックス』
中村悠一
『モービウス』

マーベルコミックの代表作『スパイダーマン』シリーズに登場するヴィランもしくはヒーロー。
初出は1971年の『The Amazing Spider-Man #101』。

本名はマイケル・モービウス。身長178cm。体重77kg。
幼い頃から勉学に励み、ノーベル賞を得る程の生物学者となったが、血液細胞が溶けていく疾患を患ってしまう。
モービウスは治療の為に吸血コウモリを元にした血清を作って投与し、自らの肉体に電気ショックを浴びせた。
その結果、血液疾患から回復するばかりか、超人的な自然治癒力空を自由に飛ぶ能力を得た。なんなんだその血清
反面、日光に弱くなり生き血を渇望する吸血鬼染みた体質となり、肌が色白くなったり犬歯が牙状に伸びたりと怪物然とした姿に変貌してしまう。
目についた人間を噛み殺して吸血していくが、正気に戻ると自分の犯した過ちによって自己嫌悪に陥る宿命を背負っている。
基本的にはヴィランだが、S.H.I.E.L.D.に加勢した事があったり、パニッシャーを蘇生したりと、
単純に悪とも言い切れないキャラクターである。
パニッシャーを助けたと同時期に、ホライゾン・ラボで働き、スパイダー・アイランド・ウイルスの治療薬開発に協力もしている。
その後も自身の治療法を探す途中で、ラフト刑務所に投獄された後、脱獄してテキサス州ブラウンズビルのギャングの抗争に巻き込まれる。
ホライゾン・ラボへ戻った後、治療法を探す研究を進める一方で、
アルティメット・ニューリファイアの模造品を持っていたギャングである4代目ローズを倒した。

つまるところ彼は「吸血鬼に限りなく近い能力者」であって「吸血鬼」ではないのだが、
なぜこんな面倒くさくて分かりづらい出自になったのかというと、悪名高きコミックコードの影響があったためだったりする。
当時、「子供が怖がるから教育に悪い」という理由で、吸血鬼人狼はコミックスに登場させられなかったのである。
そこでマーベルは一計を案じ、「アンデッド(不死者)」ではない「リヴィング(生きている)」モービウスを登場させたのだった。
この程度ですり抜けられるあたり如何にコミックコードがガバガバな判断基準で決められたか分かろうというもの
モービウスの登場から2年後にはブレイドなども現れ、70年代を境に徐々にコミックコードも緩和されていき、
80年代から90年代にかけてコミックコード認定を受けずとも販売できる、通販やコミックショップでの出版に舵を切るコミックが増えていき、
2001年にとうとうMARVELはコミックコードから正式に脱退したのであった。

人気は高く、IGNが開催したスパイダーマンのヴィランランキング「Top 25 Spider-Man Villains」では19位にランクインした。
名前の由来は1956年に公開された傑作SF映画『禁断の惑星』のモービアス博士との事。

長らく実写映画には出演していなかったが、2022年に『ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース』の3作目として主役映画が公開された。
主演はコウモリ宿敵も演じたジャレッド・レト氏。
壁画にサム・ライミ版のスパイダーマンが描かれていたり、『アメイジング』版のオズコープが出ていたり、
『ホームカミング』版ヴァルチャーが登場していたりする予告編が物議を醸していた。

また、1998年公開の『ブレイド』のDVD版特典として収録されたもう一つのエンディングでは、
脚本担当がモービウスのつもりで書いたというキャラクターが登場し、遠く離れたビルの屋上からブレイドと相対する。
当初はこのキャラを続編のボスとして登場させる予定だったため、次回作への引きとして上述のシーンが撮影されたのだが、
最終的にリーパーズ(ウイルスによる突然変異吸血鬼集団)が敵役に採用されたため没となり、エンディングを差し替えられた。
もしこの時点でモービウスが登場していたら、今日のMCUのようなクロスオーバー展開の魁になっていたかもしれない。*1


MUGENにおけるモービウス・ザ・リヴィング・ヴァンパイア

2種類のモービウスが存在。いずれもMUGEN1.0以降専用。
なお、Readmeの類が付属していないため、各種コマンドはcmdファイルを開いて確認する必要がある。

+ Blade氏 & Ghost Rider氏 & Acey氏 & Blagboy氏 & ZVitor氏 & Pilgrim氏製作
  • Blade氏 & Ghost Rider氏 & Acey氏 & Blagboy氏 & ZVitor氏 & Pilgrim氏製作
複数の製作者による共同製作のモービウス。
現在は海外サイト「The Mugen Multiverse」にて代理公開されている。
ドットのベースはBlade氏のアイアンフィストらしく、通常技のモーションとセクシーな胸元に面影がある。
なお、上記gif画像のように若干宙に浮いているので立ち通常技の打点が高く、立っているだけの相手に弱Pや中Pが空振りする事も…。

操作方法は『MVC』風の6ボタン方式で、チェーンコンボやアドバンシングガードが可能。
ただしスーパージャンプこそあるがエリアル始動技が無く、他の『MVC』風キャラのようなエリアルレイヴは不可能。
コウモリを差し向ける飛び道具や、1994年のアニメ版で見せた巨大コウモリに姿を変えて攻撃する超必殺技に加え、
吸血鬼らしく姿を霧(というか煙)状に変えてワープする移動技や、相手から血を吸ってライフを回復する超必殺投げも所持している。
…が、コウモリ攻撃はコウモリ本体と攻撃判定が盛大にずれていて非常に不自然になってしまっている他、
ある技を使うと姿が消えてしまうという不具合があり、いちいちCtrl+Iで直さなければならない。
AIも搭載されてはいるが、上記の不具合もあり残念ながらAI戦には不向き。

+ jspiderman17氏 & candido159氏製作
  • jspiderman17氏 & candido159氏製作
2022年4月に公開された上記のものの改変版。
下記の動画の他、「The Mugen Multiverse」の代理公開場所からも入手可能。

コウモリ攻撃等の不具合修正に加え、カラーパレットやワープ時のエフェクトの変更、ブレイドとの特殊イントロの追加等々、演出面が大幅に強化されている。
性能面では通常技が変更されてエリアルレイヴが可能になり、改変元には無かった通常投げも搭載。
巨大コウモリに変身する超必殺技には無敵が付いて実用性が増し、ついでに某吸血鬼まんまだったのが描き直されている他、
目から催眠光線を発射して相手を気絶させる飛び道具や、手刀を突き刺して体力を吸収するコマンド投げ等が追加されている。
しかし、今度は立ち強Kの打点が高くなって空振りしやすくなってしまうという哀しみを背負う事に…。
また、エリアルレイヴは空中強攻撃の判定に難があるのかコンボを繋ぎづらい上、叩き落とした相手が受け身可能なので反撃を受ける可能性があり、
通常投げは「相手を掴んで飛び上がってから横へ蹴り飛ばす」というものなのだが空中受け身が可能であり、画面端で決めるとやはり反撃を受ける恐れがある。
おまけに催眠光線は気絶した相手に延々当て続ける事が出来るので、これ一つでハメ殺す事が可能だったりと、調整不足な点が見受けられるのが残念な所。
改変元と違いAIは搭載されていない。
紹介動画(キャラ・ステージのDLリンク有り)


"I am──Venom.I'm just kidding,it's Dr.Michael Morbius at your service."

(俺は──ヴェノムだ。冗談だ、私は医師、マイケル・モービウス。)

出場大会



*1
一応、同作に登場する醜く太った吸血鬼「パール」が、
その名前と外見的特徴から『ブレイド』とは無関係で吸血鬼でもない女ヴィラン「ピンクパール」が元ネタの可能性があるため、
ある意味クロスオーバーと言えなくもない。
ただし、同じ肥満体でもピンクパールの方はキャプテンアメリカとすら張り合えるパワーファイターなのに対し、
パールは男性(声は女性のように高い)で自力で動く事すらできないと、名前と体型以外は完全に別キャラである。


最終更新:2023年05月30日 22:05