ウルトラマンロッソ&ウルトラマンブル

これは俺たち兄弟の物語。
ウルトラマン、はじめます。


「俺色に染め上げろ!ルーブ!!」

円谷プロの特撮作品『ウルトラマンR/B』に登場するウルトラ戦士。
シリーズでは珍しい二人組の主人公であり、タイトルの名を冠していないウルトラマンである。
別に『ストEX』のヴルカーノ・ロッソは関係無い

湊カツミ・イサミ兄弟がルーブジャイロとルーブクリスタルを用いて変身する。
基本フォームはロッソがフレイムでブルがアクアだが、
兄弟間で共有しているお互いのクリスタルを交換して別の形態にチェンジすることも可能
(共有している故に二人で同じ属性の形態に変身することは不可能)。
また、共通して「ルーブスラッガー」という武器を持つ。
またダブルウルトラマンということもあり、「ハイブリットシュート」を始めとした合体技が非常に豊富。
変身前にはピシガシグッグッお互いの拳を打ち合わせるのが通例。

湊兄弟は普通の地球人であり特別な出自はなく、ルーブジャイロに変身者と見定められた存在である。
ロッソとブルは1300年前に地球に飛来した存在として断片的に伝承が残っており、
ルーブジャイロを入手した時、湊兄弟はロッソとブルに加えて怪獣グルジオボーンが、
全員ボロボロの状態で落下してきた、先代変身者の記憶と思しきヴィジョンを見ている。

+ 出自(ネタバレ注意)
ロッソとブルは『R/B』の宇宙とは別にあるO-50ワールドの宇宙を起源とするウルトラマンである。
カラータイマーの形がウルトラマンオーブと酷似していることやオーブリングNEOと互換性があるなどの伏線が見られる。
先代変身者は変身態と同じくロッソ・ブルという名前の戦災孤児の兄弟で*1、ヒューマノイドタイプの異星人だったらしい。
彼らは犯罪者を追剥ぎ目的で殺すことで孤児院の生計を立ててており、その境遇故に悪人を殺すことに躊躇は無かったが、
正義の名の下に力を振りかざす星間連盟が支配し、弱肉強食が蔓延したO-50ワールド出身者でありながら、弱者を見下して食い物にしない善性を備えていた。
しかし、幹部を殺された宇宙ギャングのボスであるバルサスが落とし前をつけるべく兄弟達を狙い、
兄弟は唯一の妹と共に孤児院を出奔して逃亡生活を送り、逃亡先で人助けをしては居場所を捕捉されるという出来事を繰り返した末に、
この時期は辺境惑星と化していた惑星O-50に落ち伸びた。

戦士の頂の伝説を聞きウルトラマンになることを望む妹とは対照的に、兄弟は伝承を御伽噺とみなして信じていなかったものの、
過酷な戦士の頂の道のりならばバルサスの部下の監視もないだろうと山越えを決めたのだが、
バルサスはマーゴドンで星ごと兄弟を始末しようとし、さらに直前に接触した少女フラウが人質に捕らわれる。
無関係な者を捨て石に出来ない兄弟達が腹を括って投降を選ぼうとした時、
その行為を認めた「光の輪」が力を授け、兄弟達は窮地を脱した。

しかし、兄弟以前に戦士の頂に辿り着いたガイとジャグラス ジャグラーのケースと同じように、
ウルトラマンの力を授かったのは伝承を信じていなかった(ガイと同様にウルトラマンに成る気はなかった)ロッソとブルのみであり、
妹が授かったのは怪獣グルジオボーンに変身する力だった。

妹と共にオーブの光のミッションをこなしていた兄弟だったが、ある戦いでルーゴサイトという強大な怪獣を倒し切れず、
命がけで1300年周期の楕円軌道に押し込む形で時間稼ぎは出来たものの、力を使い果たした兄弟はすぐ側にあった地球に落下して絶命。
しかし、クリスタルとジャイロに残留思念を宿して、将来再度来襲するであろうルーゴサイトに対抗出来る後継者を待っていたのであった。

『超全集』及び『ウルトラ特撮PERFECT MOOK ウルトラマンR/B』では、この先代達の変身前の姿として
カツミ役の平田氏とイサミ役の小池氏が本編に出なかった中世代の様な服を着ている写真が掲載されており、
元から湊兄弟に似ていた、もしくは死後に地球人に生まれ変わっていた可能性が示唆されている。

+ 作品概要
本作は主役が最初から二人一組というダブル主人公構成もさることながら、物語もコメディタッチ強めな異色作となっている。
これは、シリアス強めの作風だった『ウルトラマンジード』との差別化と、
戦闘シーンでウルトラマンが2人がかりで攻撃するのをリンチに見えないようにするための意図があったとのこと。
また新世代の作品では珍しく、本編内で過去作のゲスト出演は無く、劇場版まで客演が無かった事が挙げられる
(一応回想ではウルトラマンオーブは登場している)。

コメディ路線に対して視聴者からは批判的な意見もあったが、現場からは路線変更しない方がいいとの声が挙がり、
キャストや制作陣の尽力で作風は一貫され続けたという。
また、この時期から密かにプロジェクトが進められていた『ウルトラギャラクシーファイト』シリーズの影響で、
予算やスケジュールがカツカツで世界観をコンパクトにする必要性があったこともコメディ路線の理由の一つだったらしい。
何にせよ、批評サイトなどでは王道作寄りの『エックス』、『オーブ』、『ジード』の盛り上がりと比較した声や、
これらの歴代作品のようなカタルシスを求めるファン層からの肯定的でない意見も少なくなく、
実際シリーズのセオリーから外れた作風なのは事実だが、ストーリーはテーマや起承転結もはっきりしており、
ブースカの登場など古参ファンには嬉しいファンサービス回もあり、最終的に異色作だが一定の評価を得ているという方向で落ち着いている。

+ 変身形態
  • ウルトラマンロッソ
「纏うは火! 紅蓮の炎!」

ツノが二本ある方。湊カツミが変身する。基本形態はロッソフレイム。
ブルと比較して慎重で冷静な戦闘スタイルを取る。
また、カツミが野球経験者なためか、球体状の光線を用いる傾向にある。
主に「フレイムスフィアシュート」と、各形態共通の「ストライクスフィア」が必殺技として扱われる。
なお、先代はこれとは別のスペシウム光線風の放射状の光線を使用している。

  • ウルトラマンブル
「纏うは水! 紺碧の海!」

ツノが一本の方。湊イサミが変身する。基本形態はブルアクア。
ロッソと比較して直情的で前のめりな戦闘スタイルを取る。
放射状の光線を用いる傾向にあり、ロッソが敵を拘束した所でブルがフィニッシュするのがセオリーとなっている。
主に「アクアストリューム」が必殺技として扱われる。
アクアの変身に使うメダルが水要素ゼロなギンガな事は度々ネタにされる。
公式も思う所があったのか、オーブクロニクルでの先行紹介時に「水といえばあの先輩を思い出す」とウルトラマンアグルが紹介されていた

ロッソ、ブル共に所謂中間形態は存在しないのだが、代わりにウルトラマンオーブダークの変身アイテムであるオーブリングNEOを使う事で
オーブ主要4形態の必殺光線及び合体技「トリプルオリジウム光線」が使用可能。

+ ネタバレ
  • ウルトラマンルーブ

「纏うは極! 金色の宇宙!」

ロッソとブルがクリスタルを融合させた「キワミクリスタル」を用いて合体変身した形態。
専用武器「ルーブコウリン」を用いて戦う。必殺技は「ルービウム光線」と、
ルーブコウリンを使用した「ルーブボルテックバスター」。
先代達は必要なクリスタルを収集しながらもこの形態に至っておらず、
湊兄弟が先代達を超えた証の形態でもある。
ただし、考え方の違いなどで兄弟の意思が合致していない場合は変身は不可能。

あくまで強化形態であり、この形態が本来の姿ではない
(プロットではルーブが真の姿でロッソとブルは分割形態だった)。
メタ的な難点としてリング操作はカツミが行うため、イサミが常に手持無沙汰

  • ウルトラマングルーブ
「纏うは真!不滅の真理!」

ロッソとブル、そしてウルトラウーマングリージョの3人が、マコトクリスタルの力で合体したスーパーウルトラマン。
ちなみにルーブとグリージョでも合体可能。
兄妹3人で合体したためか男性とも女性ともとれる独特のスタイルをしており、
金色だったルーブと異なり二人のパーソナルカラーである赤、青がメインとなっている。
武器は続けてルーブコウリンであり、必殺技は「グルービング光線」と「グルーブボルテックバスター」


MUGENにおけるウルトラマンロッソ&ウルトラマンブル

     
ガ・タキリ・バ氏の製作したキャラが公開中。
スプライトはコンパチヒーローシリーズ風に作られている。
『バトルドッジボール』ベースのドット絵でロッソをメインに操作し、ブルが追従する挙動となっている。
コンボは苦手だが単発の飛び道具が強く、これらが主力技となる。
超必殺技は「ストライクスフィア」と「アクアジェットブラスト」。
当初AIは未搭載だったが、2022年2月25日の更新よりデフォルトで搭載されている。

出場大会



*1
というよりO-50ワールド起源のウルトラ戦士は、ウルトラマン化しても本名と同じ名を冠しているのが普通らしい。
イレギュラーであるウルトラウーマングリージョも元の力の持ち主の本名が由来であり、
あの輪っかと同じ名を冠しているガイ/ウルトラマンオーブだけが特別な存在である模様。


最終更新:2024年04月17日 17:33