カゲロウ > 仮面ライダーエビル

【名前】 カゲロウ/仮面ライダーカゲロウ
【読み方】 かげろう/かめんらいだーかげろう
【俳優】 日向亘
【登場作品】 仮面ライダーリバイス
【初登場話】 第6話「エビルの正体!衝撃のショータイム!?」
【分類】 悪魔
【契約者?】 五十嵐大二
【変身】 仮面ライダーエビル
【変身アイテム】 ツーサイドライバー
バットバイスタンプ
【モチーフ】 ドッペルゲンガー?
【名前の由来】 陽炎

【詳細】

五十嵐大二が体内に宿す悪魔

バイス/仮面ライダーバイスラブコフと異なり、五十嵐大二の肉体そのものに憑依し行動するタイプの特殊な悪魔。
バイスにラブコフもかなり特殊な例だが、カゲロウもまた特殊性といえばリバイスに登場する悪魔らの中でも際立ったものを持っている。

悪魔としての実体を持っていない分、大二の肉体そのものを自分のものとして行動するわけだが、外見に違いが現れないためひと目で見抜くのが難しい。
性格は大二とは正反対で人の優しさを踏みにじり嗤う残虐性の強い性格。

加虐性が強く、これまで大二が一輝に対して抱いてきた劣等感や嫉妬心が生み出した悪魔であるため兄に対して強い憎悪を抱いている。
自分を生み出した大二も「あのアホ」とこき下ろす等自己中心的な面もあり、基本的に優等生に見える大二の裏の顔そのものとも言える。

大二とカゲロウは肉体の主導権を常に争っている状況にあり、互いのことを鏡のようなイメージを通してお互いを認識している。
第5話から既に大二の体はカゲロウが主導権を握っており、ジョージ・狩崎から渡されたツーサイドライバーバットバイスタンプを使い、仮面ライダーエビルとなって暗躍していた。

上記の通り契約者の兄である五十嵐一輝に対して強い憎悪を抱いており、彼の命を狙っている。
それは大二がカゲロウを生み出す原因になったのが一輝に対するコンプレックスの大きさがゆえであり、そのためデッドマンズと手を組んで彼を精神的に追い詰めようとした。

弟が抱いていた気持ちを知った一輝は動揺するも、大二を取り戻すため決着をつけることを決意。
第10話では一輝が変身した仮面ライダーリバイとエビルに変身して激突し、レックススタンピングフィニッシュを放つ兄に対し、変身を解除し大二のふりをすることで精神的動揺を誘い、
攻撃をかわした直後に再変身してバットダークネスフィニッシュを発動して変身解除に追い込む。
生身に戻った一輝にとどめを刺そうと迫るが、ブラキオ・デッドマンを撃破したバイスとヒロミが駆けつけ撤退していったためその場は収まった。

その後詐欺師達にブラキオプロトバイスタンプを使ってデッドマンを再生産。
バイスの助けによってカゲロウに封じ込められてはいるが、大二の心は完全に消えておらず反抗の機会を伺っていることをしった一輝は心を決めてカゲロウの前に再び立つ。

そしてカゲロウを打倒することを口にした一輝はリバイへ変身。
バイスはブラキオ・デッドマンをヒロミと共に相手取る中、リバイとエビルは廃工場で激しい戦いを繰り広げる。
実力差から押される一輝だが、変身解除しても諦めず弟に対して必死に呼びかける。
それが功を奏し精神世界で覚醒した大二はカゲロウの封印を打ち破ろうともがき、苦しみ始めたエビルに対し、取り落としたブラキオプロトバイスタンプを奪取したリバイはブラキオゲノムへと変身。
懸命の攻撃が通じ、ブラキオスタンピングフィニッシュを受け敗北。

肉体の主導権が逆転し、五十嵐大二は無事復活することとなった。

――――しかしカゲロウは完全に消滅したわけではなく、大二の意識のほうが強いため肉体の主導権を握られている状態にすぎない。
そのため第13話ではフェニックス本部に攻めてきたダイオウイカ・デッドマンの攻撃を受け意識が跳んだ大二に際して復活。
「久々のシャバの空気はうまい」と言いながらショックを受けるさくらの目の前でエビルへと変身。
フリオらに加勢する形で妹へと襲いかかることになる。

3対1の猛攻でさくらを追い詰めるが、そこにバリッドレックスバイスタンプが完成したことで一輝がバイスプテラゲノムに乗って登場。
思わず3人で「面倒なのが来た」とつぶやくも、一緒にやってきたジョージ・狩崎から「仮面ライダーのライダーキックで大二とカゲロウを入れ替えることが出来る」と聞いたさくらは、一輝がデッドマンズを相手取る中エビルとタイマン勝負に持ち込み、クジャクスタンピングスマッシュで撃破に成功。
カゲロウを再び封じ込め、大二を復活させることが出来た。

その後第15話にて再登場。
が、その経緯が凄まじいもので、デッドマンズベースの場所を見つけることが出来ない一輝らは、味方陣営の中で唯一そこへ出入りしていたカゲロウの存在を思い出す。
そして第13話における情報からライダーキックを叩き込むことで主導権を強制的に変更し、カゲロウの意識を引きずり出す作戦を決行。
ジャンヌへ変身したさくらが羽交い締めするなか、ライブへ変身済みの大二に対し、一輝はレックススタンピングフィニッシュを発動。

「痛くしないで――――!!」


兄のライダーキックをまともに受けて吹き飛ぶライブこと大二。
そして作戦は成功してカゲロウが復活し、デッドマンズベースの位置情報を知るために頭を下げる一輝の姿勢を「傑作」とあざ笑いながらも、代償としてさくらのお手製激辛カレーを要求。
それを4杯も平らげ「脳が痺れるぜ…!」と言い残すと主導権を大二に明渡し再び眠りについた。
意識が戻ると同時に口内にひろがる猛烈な辛味に悶絶する大二だったが、カゲロウはきちんと求められた情報を与えており、それを元にフェニックスとデッドマンズは決戦の日を迎えることになる。
なお激辛カレーを要求したのは自分の好みもあるが、辛い食べ物を苦手とする大二への嫌がらせも込むのでは?という見方もある。

その後少しの間大人しくしていたが、第23話でオルテカが変身した仮面ライダーデモンズとの戦いで負傷した大二と入れ替わる形で主導権を握り、オルテカと戦っていた妹であるさくらを守るかのような形で仮面ライダーエビルへと変身。
バッタバイスタンプ、スコーピオンバイスタンプでバッタスコーピオンゲノミクス状態のデモンズと相打ちとなり、少なくないダメージを受けたため再度主導権が大二に移り沈黙する。
カゲロウがさくらを守り、自分を含めた窮地を救ったため大二も彼の行動に困惑していたが、エビルへの変身の際に「この女が死んだらあのカレー食えねえじゃねえかよ」と、第15話でたらふく食べたあのカレーを味わうことが動機であるかのように振る舞っていたが…?

こういった行動の変化は復活が近いギフの影響を受けたものであるとオルテカが口にしていたものの、その影響が大きくなっていたことから大二の身体を完全に支配下に置くため第26話にてフェニックスの基地からツーサイドライバーと、ジョージ・狩崎が開発中だったクロウバイスタンプを強奪し人気のない廃工場にやってくるとバットバイスタンプを押印して自分と大二を分離。
お互いにツーサイドライバーを装着し、仮面ライダーエビルとライブ、カゲロウと大二の存在を賭けた戦いが開始する。

大二とカゲロウは表裏一体、お互いに影響を受け合う関係にある。
カゲロウという「弱さ」を知り受け入れ強くなった大二と、大二の優しさという「強さ」を知り弱くなったカゲロウ。
両者の力は最早拮抗せず、カゲロウは大二との戦いの果て敗北すると、強奪していたクロウバイスタンプを大二に手渡し「あばよ」と言い残して消滅する。

これで大二は自分の悪魔と決着をつけた。――――だが、カゲロウという存在は大二の心にある悪であり、それが失われたことでアライメントが偏ってしまった大二の正義は次第に暴走。
善に比率が偏りすぎた大二の歩みは混迷を極めた末、兄妹、父親、同僚…大二を囲む人々は賢明に彼の説得を試み、それによって今の自分自身を恥じてどうしようもなく追い詰められたことで「変わりたい」と吐露した大二は、消えてしまったカゲロウに向けて助けを求める。

その瞬間。

「遅えよ大二。てめえ、やっと俺が必要だってことに気づいたか」


実は第26話での戦いの際に消えたと見せかけクロウバイスタンプの中に入り込んでいたため、消滅していなかったのだった。
消えていなかったにも関わらず今まで沈黙を貫いていたのは大二から自分自身を求めること、契約者が自分の弱さを自覚してカゲロウが必要であると自覚するのを待っていたようだ。端的に言えばカゲロウ本人も口にしていた通り「大二が泣き寝入りするのを待っていた」。
そうして善と悪、白と黒、相反するはずの2つの要素が大二の元へと戻り、ホーリーウイングバイスタンプはパーフェクトウイングバイスタンプへと変化し、それを使って仮面ライダーエビリティライブが誕生。

ギフを一旦封印することに成功すると、五十嵐一家として受け入れられさくらからは「カゲちゃん」と愛称で呼ばれるようになり、バイスからは「人間が大好きな悪魔」仲間として認定されたため反論するなど、今まで見られなかった一面が見られるようになった。
また大二との関係性も比較的軟化し、意識的にお互いを入れ替えることができるようになり、カゲロウが悪態をつくとそれに対して大二がツッコミを入れるという一輝とバイス、さくらとラブコフらとはまた違った関係性を見せている。

ギフとの決着、ジョージ・狩崎/仮面ライダージュウガとの戦い、一輝とバイスの契約の結末を経て、大二とカゲロウは門田ヒロミが立ち上げたブルーバードへ所属することとなり、未だはびこるギフの影響や、悪魔やそれに類する力の悪用を目論む輩は次々と湧いてくる。

二人で一人の大二とカゲロウ。お互いに憎まれ口を叩きながらも、かけがえのない相棒として彼らの日々はこれからも続いていくだろう。

【劇場版バトルファミリア】

アヅマ/仮面ライダーダイモンが持つギフの瞳の影響で暴走し、大二を痛めつけ捕縛。
同じように暴走したバイス、蛇女と化したラブコフと共に契約者達の的に回ってしまうが、五十嵐幸実の悪魔が出現したことでそれが放つ力によって自我が戻り、大二と共にシックと戦った。

仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル】

五十嵐幸四郎という五十嵐家三男の誕生と、それに宿る悪魔という弟を手に入れた。
今までは大二も自分も弟ポジションだったが、名実ともに自分の弟といえる存在が生まれたことが嬉しかったのかかわいがっている様子。

イザンギバリデロの来襲では仮面ライダーエビリティライブとして応戦し、そこから仮面ライダーエビルにチェンジして戦っている。

その後コラスが始めたデザイアロワイヤルの悪魔マラソンゲームでは奪われた幸四郎の悪魔を奪還するため参加し、桜井景和/仮面ライダータイクーンに興味を示し彼の心を覗いてその悪魔を発見する。
しかし「世界平和を願う一般人」を自称した景和の悪魔に何かを見たカゲロウは絶句するのみだった。

【リバイスForward 仮面ライダーライブ&エビル&デモンズ】

リバイス本編のその後を描くVシネクト作品。

アリコーンというテロ組織の暗躍、そして門田ヒロミの悪魔を名乗るムラマサの存在。
アリコーンとの戦闘中ツーサイドライバーを破壊されたため仮面ライダーエビルへ変身できなくなった上、大二やヒロミを裏切り留美を攫ってしまう。
が、その行為はアリコーンやムラマサを欺くためであり、カゲロウという目標を追うことでアリコーンの本拠地やムラマサ達の正体に大二達が気がつくようにあえてそう仕向けていた。

そしてムラマサを裏切ると大二達と合流し、ジョージ・狩崎が開発したメガバットバイスタンプと一輝から託されたリバイスドライバーを使い仮面ライダーエビルマーベラスへ変身。
その際とある衝撃的な光景がひろがることとなるのだが…それは是非自分の目で確かめていただきたい。

なお裏切りに裏切りを重ねて大二らの元へと舞い戻ったカゲロウだったが、説明もなしに行動したため大二から叱責されるも「察しろよ」と悪びれる様子も無く行間を読めとでも言うかのような態度であった。

留美と一体化しトランザムザ レベル4へ変貌した市村景孝との戦いでは、一旦変身を解除するほどのダメージを与えられるも、リバイスドライバーの性能に賭けた大二の意図を測りかね困惑していたものの彼に応じる形でエビルマーベラスに再変身。
仮面ライダーインペリアルデモンズへと変身したヒロミと共に市村を撃破し、リバイスドライバーの「人間と悪魔を分離する」機能で無事に留美の救出に成功。

ぶっつけ本番だったこともあり思わず「やるならちゃんと説明しろ」と大二に叫ぶも、してやったり顔の彼は「察しろよ」と一言。
図らずとも自分の言動が帰ってきた形になってしまったため、それ以上何も言えなくなってしまったのだった。

【余談】

演じているのは五十嵐大二役の日向亘氏。大二との兼任となる。

カゲロウの名前は自分で名乗り始めたため彼本人の自称だった。由来としては昆虫のカゲロウ(蜉蝣)、自然現象としての陽炎が浮かぶが、日光が照りつけた地面から生じるゆらめきである陽炎は、大二という光が大地を照らすことで生じた悪魔こそカゲロウと考えるとしっくりくるネーミングではある。

大二とカゲロウ、両者の存在は表裏一体。第26話の戦いでどちらが生き残るかの生存競争だったが、当初復活の予定は無かったという。
心の善悪が偏った結果、人格が分裂してしまった人物は宇宙戦隊キュウレンジャーでのアントン博士が該当するが、あちらは悪の科学者として長年行動する内に肥大化した善の心がストッパーになってきたため、主人格の悪の心が善を切り離し始末したという流れで、大二とカゲロウとはほとんど逆に近い。
アントン博士の場合、善の心がストッパーとなっていたが、大二の場合はカゲロウの存在こそが悪意から生まれながらも自分の一部だったことには変わりなく、それを目の前で失った結果引き返せなくなり本編での暴走が加速していった。

脚本上復活の予定はなかったため、公式サイトではギフの影響によって制御できなくなり不本意な形で大二を倒す可能性が生じてきたためそれよりも前に決着をつけたかったこと、自分の非常さを大二に受け継がせ身を引こうとしていたというカゲロウの考えが記載されていたが、第44で復活した際には本文中のセリフ、展開だったため、その食い違いを指摘する声も多い。

一方で迷走を続ける大二を見ていられなかった視聴者からカゲロウの復活を望む声が大きかったのも事実であり、結果として復活路線にかじを切ったことで無事(?)復活を果たした。
デッドマンと違ってカゲロウはあくまで大二の悪意の具現であったこともあり、劇中では宿主の悪意が尽きない限り悪魔は復活するとも言われているため、追い込まれていく過程でわずかでも芽生えた負の感情からカゲロウは復活した、あるいはクロウバイスタンプに意識のみ移した状態で活動できなかったが、大二の負の感情をエネルギーとして少しずつ回復し第44話で完全に復活できた…とも解釈はできる。

ちなみにカゲロウが復活するのは、本編の展開よりも前に劇場版バトルファミリアで仮面ライダーエビルが搭乗していたこともあって視聴者には既に知らていたことでもあった。まさかの公式側からのネタバレである。

最終更新:2024年02月24日 18:30