Terragen 4.6のリリース
"Half Dawn" by Kadri Özel
Terragen 4.6のリリースビルドがWindows版とLinux版で利用できるようになりました。Mac版は近日公開予定です。
4.6には、新機能と改良点が満載です。
誰でも使えるジオリファレンス
ジオリファレンス機能は、Professional版だけでなく、Creative版、無料版を含むすべてのエディションで有効化されました。
OpenVDB Export
Unreal Engineを使ってTerragenからエクスポートしたVDBファイルを編集
Blender 3Dを使ってTerragenからエクスポートしたTerragen SkyとVDBファイルを編集
VIDEO
OpenVDBのエクスポートは、Professional版またはCreative版のライセンスにより、WindowsとMac(以前はLinuxのみでした)で利用できます。VDBファイルは、コマンド ライン(Professional版)、またはノードネットワークのUIからエクスポートする事が出来ます。
FBXの改良
FBXインポーターは、Unreal Engineからエクスポートされたものなど、デフォルト以外の座標系を使用するFBXファイルに対応しました。
RPCおよびPython API
TerragenのRPC(リモート・プロシージャ・コール)システムを開発しており、外部プログラムが実行中のTerragenのインスタンスにプロジェクトに関する情報を照会したり、ノードに変更を加えたり、ノードを作成したりする事が出来ます。アプリケーションはTCP(正確には
JSON-RPC
2.0 over TCP)上でTerragenと会話する事が出来ます。また、Pythonモジュールも用意されており、root()、children()、delete()、save_project()などの高レベル関数を備えた、使いやすいAPIを提供する事が出来ます。スタンドアロンのPythonプログラムや他のアプリケーションで実行されているスクリプトは、このモジュールをインポートして、Terragenのインスタンスと対話する事が出来ます。
RPC機能は現在「ベータ」に指定されており、Terragen 4.6で利用可能です。Professional版のライセンスが必要です。
可能な用途は次の通りです:
生産性向上ツール(モノの作成やアクションの自動化など)
ライト、カメラ、アセットを他のアプリケーションとリアルタイムで同期
レンダーファームへの送信スクリプト
スタジオパイプラインツール
他
もちろん、『Sunlight』のパラメータを変更は、RPCで可能なことのほんの一部にすぎません。Terragenを利用する方々が、RPCを使って何を始めようとしているのかを見るのが待ちきれません!
インスタンスデータのインポート/エクスポートするためのXMLフォーマット
ポピュレーションキャッシュは、".popxml"という拡張子を持つファイル名を選択することで、XMLベースのフォーマットで保存(および読み込み)する事が出来ます。
バイナリの".pop"ファイルの代わりに、".popxml"ファイルを使用してポピュレーションをキャッシュする事が出来ますが、その真価は、他のアプリケーションとデータを共有するためにサードパーティのスクリプトで読み込んだり保存したりする事が出来る事にあります。
"Wild Spring River" by Marc Schneider
レンダリングの高速化
過去1年間に行われた多くの漸進的なコード変更により、平均してレンダリング時間が短縮されました。
雲や大気のプレビューをより速く、より美しく
3Dプレビューの雲中のボクセルバッファーのディティール計算を改善しました。 プレビューは、ビューに依存する最小ボクセルサイズが使用されるようになり、カメラに近い雲は、雲が提供する最高のボクセル解像度でレンダリングされる可能性が高くなり、遠くにある雲は近似される可能性が高くなるようになりました。これには2つのモードがあります。RTPの最初のパスとRTP以外のプレビューのすべてのパスは、高速になるように設計された低ディティールモードを使用します(結果を表示する前にキャッシュする必要のあるボクセル数が少なくなります)。後続のRTPパスは、最終レンダリングに近い高ディティールモードを使用しますが、結果が表示される前にボクセルをキャッシュするためにより時間がかかる場合があります。
『Planet Atmosphere』のRTPで使用されるGI近似のために、最大レイ深度が増加しました。
試行に基づく: RTPは、『Planet Atmosphere』の場合と同じ方法で『Cloud Layer V2』のGIを近似しようとします。
雲と大気へのその他の変更
『Easy Cloud』および『Cloud Layer V3』では、多重散乱の外観に若干の改良が加えられました。
画像タイル間の整合性に問題が発生したため、クラウドレイヤーから"Acceleration cache"機能を削除しました。
バグ修正: 『Planet Atmosphere』の"Reset Tweaks"は、色の1つを間違ったカラースペースに設定していました。これは、カラーマネージメントが有効な場合のみの問題となり、セッション中にのみ発生します(保存されたファイルは影響を受けません)。
シェーダとFunctionの強化
『Fractal Warp Shader』にシードパラメータが追加されました。
バグ修正: HSVカラーを構築するFunctionで、間違った色相が出力される場合がありました。
正しいsRGB出力
コンピュータ画面などのsRGBディスプレイに表示するピクセル強度値を変換する際、「ピュアガンマ」曲線で近似する事があり、過去25年間(25年? そうなんです! 忙しすぎて忘れるところでした! Matt氏は、Amiga 1200からWindows 95 PCにダウングレードした後、1997年にTerragen v0.x(現在は Terragen Classicとして知られています)の作成を開始しました。その経験は、彼が時々自身について三人称で書いていることから、どうやら彼に影響を及ぼしているようです。)、Terragenはこの方法を採用してきました。しかし、適切なsRGB変換と比較すると、ピュアガンマは、特に画像の暗い部分でわずかに異なって見えます。適切なsRGB 変換により、黒に近い値がわずかに暗くなり、低~中域のコントラストがわずかに高くなります。Terragen 4.6は適切なsRGB変換をサポートしながら、カーブをカスタマイズしてより明るい、またはより暗い画像を作成する事も可能にしました。
Render Settingsの「Tonemap」タブには、ガンマ補正モードを変更するための3つのラジオボタンがあります。「sRGB」、「sRGB with custom gamma」、「Pure gamma」です。
EXR出力は常に"scene linear"のライトデータが含まれているため、影響を受けません。
その他の改善点
進行中: オブジェクトリーダとオブジェクトジェネレータのノードネットワークのコンテキストメニューに、"Replace with another object(別のオブジェクトに置き換える)"が追加されました。元に戻すためのUndoはまだ機能しません。
Windowsのみ: ライブラリがUNCネットワークパスを持つファイル参照を含んでいない場合に発生する、潜在的に非常に低速になる可能性のあるネットワーククエリをいくつか削除しました。
バグ修正: ハイトフィールドの読み込み時に時々発生するクラッシュを修正しました。
Macのみ: 多くのコントロールを含むビュー、例えばスタンドアロンウィンドウやメインウィンドウのパラメータービューを扱う時のパフォーマンスが大幅に改善されました。レイアウトビューやメインウィンドウの異なるノード間の切替がより速くなりました。
その他多数のバグ修正と安定性の向上。
Terragen 4.6の入手方法
有効なサブスクリプションをお持ちの方、または2022年1月1日にメンテナンスが有効だった方は、Terragen 4.6に完全に入手可能です。
新しいバージョンのダウンロードやメンテナンス状況を確認したりするには、Terragenを起動し、メニューバーの「Help」から"Check for Updates"を使って下さい。なお、Terragenを使用するには、インターネットにアクセスする必要があります。または、弊社ウェブサイトのアカウントにログインし、最近購入されたTerragenの詳細とダウンロードにアクセスする事も可能です。
なんだ、この余裕のあるメンテナンスの日程は?
今年初めに4.6の開発途上ビルドを公開した際、メンテナンスの終了日を2022年1月1日に設定しました。4.6.xxのすべてのビルドに同じ日付を適用する方針です。Terragen 4の永久ライセンスをお持ちで、10か月前にメンテナンスが切れた方でも、Terragen 4.6を完全に入手可能する事が出来ます。
Terragen 4.6のリリーススケジュールが通常より長くなっているのは、裏で新しいソフトウェアに取り組んでいるため です(これについては、後ほど説明します)。昨年メンテナンスを更新された方は、4.6にアップデートしていただけるようお願いします。今後ともご支援よろしくお願いいたします!
新製品のご案内
来月は、全く新しい製品をご紹介します。Terragen Sky です。
Terragen Skyは、新鮮な新しいUIを備え、360°HDR出力を含む空の作成と、レンダリングのための合理化されたワークフローを持っています。スタンドアロンアプリとしても、Terragen 4の相棒としても使用する事が出来ます。すべてのノード配線は見えないところに隠されているので、気を散らす事なく探索と創造に集中する事が出来ます。今こそ、楽しさを取り戻す時です!
Terragen Skyの早期アクセスビルドは、Terragen Professional版、またはCreative版の有効なメンテナンスまたはサブスクリプションをお持ちの方であればどなたでもご利用になれます。 今すぐライセンスを更新して4.6を手に入れるか、Terragen Skyがどんなものなのか楽しみに待つか、迷っている方もご安心ください。どちらにしても、この機会を見逃す事はありません。
NWDA 『
Horizons
』コンテストの入賞者紹介
Hannes Janetzkoさんの作品 『Listening』
New World Digital Artが主催する今年のテーマチャレンジの入賞者たち、おめでとうございます。
1位 Hannes Janetzkoさん
2位 Doug Campbellさん
3位 Abe Martinさん
特別賞 Ionut Armasuさん
いずれもすべてTerragenレンダリングが使用による受賞です。お疲れ様でした!
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Kadri Özelさん作品 『Kozmik Kesisme-ler (Cosmic Intersection-s)』
このニュースレターで使用されているアートワークを提供してくださったKadri Özelさん、Marc Schneiderさん、Hannes Janetzkoさんに感謝します。
最終更新:2022年12月11日 22:00