ゆっくりいじめ系1762 しあわせの蛇足

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※これは[[ゆっくりいじめ系1655 しあわせ]]の蛇足です。  彼女はしあわせでありたかった。  れいむ種とまりさ種の夫婦の間に生まれ、三人の姉たちに囲まれて過ごした幼少時代。  しっかり者で面倒見のいい長女まりさ。  狩りが一番得意な次女まりさ。  歌が上手な三女れいむ。  甘えん坊の彼女を暖かく包み込むゆっくりとした生活。  越冬を経験し、捕食種から逃れながらも、彼女は自分がとても幸福だったと実感している。  独り立ちし、あるドスの群れに加わったとき、周囲に馴染めない不安。姉たちと離れているという恐怖。  そんな不安と恐怖を癒してくれた、ドスの側近のぱちゅりー。  ぱちゅりーのとりなしでやがて彼女は群れに打ち解けていく。  やがて彼女は恋をした。ぱちゅりーに恋をした。  何日も悩んだ。けれどどうするかは決まっていた。プロポーズをした。返事はOKだった。  群れの全員からの祝福。ドスの前での結婚式。  しあわせだったのに。 「やあ。生きてるかい? さあ、今日も君の可愛い子供たちの姿を見ようじゃないか」  身動き一つ出来ない箱の中に閉じ込められた彼女に、言い返す気力はとっくに尽きていた。 「これは昨日撮影したものだ」  そう言って人間は、彼女の目の前に一台のモニターを置く。  そのモニターに映るのは、紛れも無い彼女の子。  一度も頬ずりしたことのない我が子。 「ちょっとした映画を撮ってたんだ。おととい編集が終わったから、早速試写会と思ってね、君の可愛い子供たち全員に見せてあげた。  ほら、君が映ってる。……そう、君自身の生まれた当時だね。自分の姿はよくわかるだろう?  ああいや、違うか。自分の飾りは見えないんだったね。  そうだ、君と一緒に生まれた赤ちゃんを見てごらん。それとも親のほうかな。紛れもない、君の家族だろう。  家事の得意な母親れいむ。狩りの得意な父親まりさ。  リーダー気質の長女まりさ。父親譲りの狩りの腕前を持つ次女まりさ。歌の得意な三女れいむ。  ……紛れもない、君の家族だろう。  しあわせだろう、小さい頃の君はとてもしあわせだったろう」  彼女は知っている。  自分の子供たち──ぱちゅりーとの間に生まれた子供たち六人全員が、彼女の顔を知らないことを知っている。  六人全員が、最初に食べるはずの茎を食べられなかったことを知っている。  六人全員が、冷たい壁としか頬ずりできなかったことを知っている。  六人全員が、ろくに眠れなかったことを知っている。  六人全員が、歌を知らないことを知っている。  六人全員が、もう子供を成せないことも知っている。  れいむ。ぱちゅりー。ぱちゅりー。れいむ。れいむ。ぱちゅりー。  自分の子供たちが、姉妹の顔を知らないことを、知っている。  自分の頭に茎を生やした朝に、大量の人間によって群れを壊滅させられたことを知っている。  群れのリーダーであるドスが何人もの人間によって丁寧に足を焼かれ、キノコを奪われ、何度も痛めつけられたことも知っている。  そのドスがいまだに生きていることも知っている。  彼女の餡子脳では考えられない拷問を受け続けてなお、生きていることを知っている。  群れの仲間が現在進行形で殺されていることも知っている。  若い彼女の子育ての準備を手伝ってくれたれいむは、ひたすら殴られ続けて死んだ。  群れで一番の狩り達人だったまりさとみょんの夫婦は、自分たちがどの生物よりも弱いことを何度も何度も何度も何度も言い聞かせられて発狂した。  彼女を慕っていた群れの子れいむたちは、極限まで苦しめられた後、共食いをさせられて全滅した。  いつも寝てばかりで馬鹿にされていたけれど、誰よりも優しかっためーりんは、目の前で仲間を殺されたショックで物言わぬ饅頭となった。  いたずら好きの悪ガキまりさは、レイパーの集団にひたすら嬲られた。  仲間思いのありすは、ひたすら孤独にさせられた。ある日、中身を吐き出して、自害した。  いつも元気に飛び跳ねていたちぇんは、足を焼かれて二度と動けなくなった。  いつも知識を分け合っていたぱちゅりーは、甘い甘いお菓子にされた。  群れ一番のバカップルだったれいむとまりさは、頭飾りを燃やされ、互いの見分けがつかなくなって殺しあった。  ある生まれたばかりの赤ちゃんありすは、とても甘いお菓子を食べた。他の食べ物を受け付けなくなって餓死した。  みんなみんなみんな、ゆっくりできずに死んだことを、彼女は知っている。  みんなみんなみんな、ゆっくりできずに死んでいくことを、彼女は知っている。  すべて、人間がモニターで見せたから、知っている。  妻のぱちゅりーが死んでいることも。  壮絶な拷問の末に死んだことも。  彼女は知っている。 「独り立ちした君にはとても大きな世界が広がっている。君の子供たちが知っているのは透明な箱の中だけだ。  ドスの群れに君は入ったよね。今まで見たことの無いゆっくりたちと一緒に暮らすんだ。  ドスは優しいし、ぱちゅりーも優しい。  君は気付かなかったかもしれないけど、群れの誰もが、とてもゆっくりとした君のことが好きだったんだ。  でも君がぱちゅりーのことを好んでるのは一目瞭然だ。……自分のことを客観的に見たらわかるよね。  みんな認めたんだ。君がドスの側近であるぱちゅりーと夫婦でいることを。素晴らしいカップルだと認めたんだ。  盛大な結婚式。みんな少し寂しそうだけど、それ以上に嬉しそうだ。  君は、とてもしあわせだった」  映画はそこで終わる。  その映画を見終わった彼女の子供は例外なく涙を流した。  うれし涙なんかじゃない。悔しいのだ。それが彼女にはわかった。  なぜ自分にはこんな幸福が与えられないのだろう。ただ、それだけが悔しい。  餡子の中に僅かに受け継がれる記憶に、しあわせがなんなのかが刻まれている。  その記憶が小さい子供たちを苛んでいる。  彼女はしあわせが欲しかった。  そのしあわせを、子供たちに全てあげてしまいたかった。  生まれたとき目の前に両親がいるというしあわせを。  生まれてはじめての挨拶を両親とするというしあわせを。  姉妹たちと共に生きているというしあわせを。  初めて食べる茎の瑞々しさを。  家族全員で野原を駆け回る夢を。  母親や姉妹と歌う歌を。  多くの食料を採ってくる父親の凄さを。  姉妹たちとの遊び方を。  やがてくる越冬の厳しさを。  捕食種の恐ろしさを。  そしていつか独り立ちすることを。  誰かと夫婦になって、そしていつか子を生むことを。  その全てを、自分から子へとあげてしまいたかった。 「そうそう、今日は君に見せたいものがあったんだ」  そう言って人間は、五つの箱を彼女の前に置いた。  彼女は何も言えなかった。  一番左のれいむは髪飾りのリボンこそついていたが、髪のほとんどが剃り落とされ、眼球を抉り抜かれていた。  隣のまりさは片方の眼を塞がれ、歯の全てが折られていた。  真ん中にいるゆっくりは頭飾りを失っていた。しなびた金髪だけが生えていて、ひたすら殴られ続けたような痕があった。  頭飾りの無いゆっくりの隣のまりさは、足、ぺにぺに、まむまむ、耳が焼かれ、口も糸で縫われていた。  一番右のれいむは、壊れていた。ただひたすらに「ゆっくり」と呟き続けていた。 「久しぶりの対面だよ。どうしたんだい、嬉しくないのかい?」  彼女は知っている。モニターでひたすら見せられ続けたから知っている。  髪を剃り落とされたれいむは自分の母親。  歯を折られたまりさは自分の父親。  頭飾りの無いゆっくりは長女まりさ。  焼かれたまりさは次女まりさ。  壊れたれいむは三女れいむ。  だから、彼女は知っている。  彼女はしあわせが欲しかった。    *   *   *   *   *   *  しあわせ、と題したあるれいむの生涯を撮影した作品は、なかなか好評だった。  愛で派のゆっくりんピースとかいう団体に売ってみたところ、予想以上の金額で売れたのである。  幸せなれいむが今、仲間や子供たちが苦しみ絶望し死んでいく映像を見せ付けられ続けている特典映像を追加したバージョンはこれから編集することにする。  虐待派のベテランお兄さんからの評価がどうなるかはわからないが、いい評価をもらえるように頑張ってみよう。  編集した映像はまた子供たちに見せてあげよう。  次々と虐待されていくゆっくりたち。  陰湿に苦しめられ続けて死ぬ母ぱちゅりー。  その映像を見せ付けられ続ける母れいむ。  ああ、子ゆっくりたちの反応が楽しみだ。  これだから虐待はやめられない。 ---- どうも田吾作の人ことEGSです。最近田吾作出してませんが。 レポートがヤヴァイのに何書いてんだ俺。 ああぬるい。死ぬほどぬるい。ターゲットのれいむに傷ひとつつけてないなんてぬるすぎる。 というかもう意味わからん。\(^o^)/ 前作・しあわせの超蛇足。ごめんなさい

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