『野良ゆっくり根絶計画 後日談』
野良ゆっくりがほぼ根絶されて半年が経った。野良でも村と共存できていた1つのゆっくりの群は駆除から免れ数箇所の加工所に分配された。
これらは繁殖用として利用されていた。といっても無理矢理繁殖させたわけではなく適度な環境を整え餌に微量の媚薬を混ぜ自発的に交尾させた。
「おちびちゃん、きょうはおやさいさんがどうやってできるのかをおしえるよ」
「「「ゆっきゅりりきゃいしゅるよ!!!」」」
「おにいさん、あのびでおみせて。あれがいちばんわかりやすかったよ」
「あいよ」
親ゆっくりは赤ゆっくりを教育する。野菜は勝手に生えてくるのではなく種から丹精込めて育ててあげないと生えてこないこと、所有物の観念、
悪いことをするのはいけないこと、そして悪いことをするとお仕置きされること…色々なことを教えた。
「ちぇええええん!!!!」
「らんしゃまー!!!」
ちぇんはゆっくりらんと住まわせている。ゆっくりらん…尻尾が稲荷寿司になってるゆっくりの希少種だ。ちぇんが大好きで根絶によって
ちぇん種が野良からいなくなった後ちぇんを求め希少種であるにもかかわらずよく見かけるようになった。加工所はちぇんを教育するとともに
ちぇんの面倒をみさせるためゆっくりらんをちぇんの番にしている。ゆっくりらんは頭の良いゆっくりであるためちぇんの番として親として
最適だった。
「ちぇええええん。ごはんだよー」
「らんしゃまー。いまいくよー」
「「「りゃんしゃみゃー!!!!」」」
虐待用に繁殖されるゆっくりは生まれた後すぐに親元から引き離され何不自由ない環境に移させた。好き勝手やらせることで我侭にし
昔の野良ゆっくりと同レベルにまで落とした。
「ここはれいむのゆっくりぷれいすだよ!!!じじいははやくおかしをもってきてね!!」
「これはまりささまのおかしなんだぜ!!!れいむはさっさとよこすんだぜ!!」
「どぼじでぞんなごどいうのおおお!!!!」
……
半年もすれば相当な数の養殖ゆっくりが生まれた。これらはペットや虐待用に卸されていった。
「まりさー御飯だよー」
「おにいさんありがとう。ゆっくりいただきます」
「ごごがらだぜえええ!!!!ゆっくりしないでじじいはじねえええ!!!」
「いいねえれいむちゃん。その顔にその態度にその口調。昔を思い出すぜええ!!!!ヒャアッ!!!虐待だああ!!!!」
一応人間との共存はできているようである。養殖ゆっくりのトラブルは数件のみ。ゼロにすることは不可能だ。
「もうここはまりさたちのすめるところじゃないんだね…」
「だからあたらしいゆっくりできるばしょをみつけるんだね。わかるよー」
「うみさんをこえたらゆっくりできるばしょがみつかるといいね」
駆除を免れ生き残った野良ゆっくりの集団は海を越え新しい住処を探すことにしたようだ。大半がまりさ種で残りの種は親の形見なのか
それとも死んだまりさから盗んだのか帽子を持っていた。まりさ種は帽子を船にすることで川を渡ることができる個体だ。
「れいむちゃんとれんしゅうしたもん」
「ちぇんもがんばったよー」
「とかいはなてくにっくでぶじにわたってみせるわ」
まりさ種以外のゆっくりは何度も帽子に乗る練習をした。何匹かは帽子から落ち水死してしまった。
「ゆっくりしないでここをはなれるよ」
「きのうにんげんさんをみたよ!もうじきここがばれちゃうよ」
「じゃあしゅっぱつだね」
「「「「「えいえいゆー!!!!!」」」」」
ゆっくり達は明け方海を出た。ゆっくりとゆっくりと岸から離れていく。
「ゆ!!ぼうしさんにあながあいてるよおおおおお!!!」
「たずげでええ!!!!ありすはたべぼのじゃないわ!!!おさかなさんやべでえええええ!!!!」
「ゆうううううわああああああああ!!!!!!」
帽子が元々ボロボロだったのか沈んでしまうゆっくりに魚に食べられるゆっくり、波に飲まれるゆっくり。
「ばりざあああああ!!!だずげでえええ!!」
「む…むりだよお…ごべんねええええ!!!」
「ごべんなざいい!!!れいむのぶんまでゆっくりするから」
「ぼっど…ゆっぐりじだがっだよお…」
徐々に数が減っていく。残ったのは全てまりさ種だった。やはり元々帽子に乗って川を渡る能力を本能的に持ってないとダメなようだ。
「あんなにいっぱいいたのにもうこれだけしかいないんだね…」
「みんなのぶんまでゆっくりするよ!!ぜったいに!!!」
だが昼頃になり突如数匹のまりさが沈みだした。
「いやあああああ!!!!!どぼじでおぼうじざんしずんでるのおおお!!!!」
「どげぢゃうよおおおお!!!!!だずげでえええ!!!!」
帽子は布でできているとも小麦粉の皮でできているとも諸説ある。共通しているのは長時間水につかると破れるということである。
いつもは長くても数分しか浮かんでいない。数時間も浮かんでいられたことがむしろラッキーだった。
「「「ぼっど…ゆっぐりじだがっだ…」」」
「「「みんなごべんねえ…いまがらそっぢいぐよ…」」」
集団は全滅した。
「なあ、今日はやけに魚が獲れないか?」
「やっぱり?変だよな」
「ここってこんなに釣れる所じゃないぜ」
「加工所がゆっくりの燃えカスでも海に捨てたんじゃね?」
「もしかしたらゆっくりが海を渡ろうとして落っこちたとか」
「ハハハ。まさか」
「ゆう…むらまできちゃったよ…どうしよう…」
駆除を生き残った運の良いまりさがここにもいた。元々は山の中にいた。死んだ親の言いつけを守り山の中でひっそりと暮らしていた。
餌は充分だった。ゆっくりがいなくなって半年の間に木の実や虫が増えたためだ。
だがある日山菜を取りに来た人間を見つけてしまった。人間には気付かれなかったがここまで生き延びてきた優秀なゆっくりだ、
このままではすぐ見つかってしまうだろうと引越しを始めたのだ。深夜に動き始めたが辺りが暗く結果として山を降りることになってしまったのだ。
「このままじゃみつかっちゃうよ…よるがくるまでかくれなくちゃ」
草むらの中に隠れた。すると
「ゆ!なんかくるよ!!」
まりさは小さくなった。
「あさのさんぽだよお~。ゆっくりあるくよ~」
ペットのまりさであった。教育されているおかげで1人で散歩くらいはできるのだ。
「ゆっくりーゆっくりー」
幸せそうな顔だ。野良まりさは恨めしそうな顔でペットまりさを見た。おなじまりさ種なのになんでここまで差があるんだろう…。
食事は不自由なく取れるが毎日毎日警戒しながらの生活…ゆっくりなんてできなかった。風の音を人間の足音と勘違いし何度夜中に目が覚めたことか。
「まりさも…まりさもゆっくりしたいよお…」
そう思うとあのペットまりさが憎くなった。
「ゆ!そうだよ!」
まりさは草むらから飛び出した。
「ない!ない!ない!!!」
「ゆゆ?みかけないゆっくりだよ?」
ペットまりさが野良まりさに近づく。
「どうしたの?」
「ああああああ、ばりざあああ!!!!ばりざの!ばりざのばっじをおとしじゃっだんだよおおお!!」
「ゆ!それはたいへんだね」
「おでがい、さがすのてつだっでえええ!!!」
「ゆっくりりかいしたよ。まりさにまかせてね。まりさはものをさがすのがとくいなんだよ。おにいちゃんのさいふもみつけてあげたんだよ」
「ありがとう!!!」
2匹は草むらを探し始めた。
「(そろーり…そろーり…)」
「まりさ、どうしてこのなかにはいっちゃっt…ゆべしっ!!!!」
野良まりさは背後から思いっきりペットまりさに体当たりをした。
「いだ!!!!なにずるのおお!!!!いだい!!!いだい!!!!やべでえええ!!!!」
「うるさい!!!!!なんでおばえばっがゆっぐりしてるんだよ!!まりざも!まりさもゆっくりするんだああ!!!」
通常ペットゆっくりよりも野良ゆっくりの方が体力がある。昔も今もそれは変わらなかった。野良まりさはペットまりさを踏みつけ続けた。
「ゆげえええ!!!!!!」
「ゆふう…ゆふう…」
ペットまりさは餡子を吐いて気絶してしまった。野良まりさはペットまりさの帽子を自分の帽子と取り替えた。
「あとは…にんげんさんに…」
野良まりさはペットまりさが来た道を歩いていった。
数分後前から男の人がやってきた。
「おい!どこ行ってたんだよ!!」
「おにいざああん!!!まりさね、ばっじがとれちゃったの。さがしてたらこんなによごれちゃったよ」
「そうかそうか…その"赤い"バッジをねえ…」
「ゅ…?」
おかしい、さっき見た時は金色のバッジだったのに?見間違い?野良まりさは内心不安になった。
「そういえばうちのまりさは"おにいさん"ではなく"おにいちゃん"って呼んでくれてたんだけどなあ」
「ゆ!まりさ、"おにいさん"だなんていったかなあ…?」
「ちょっと歩こうか」
「いだ!!!!おにい…ちゃん!いだいよおお!!!」
彼は野良まりさの三つ編みを握り野良まりさをぶら下げて歩いた。
「え~いつもこうやって歩いてるじゃないか」
「ゆ…ゆ…そうだった…ね。まりさびっく…りしちゃった…よ」
おかしい!!おかしい!!!野良まりさは本能的に偽装がばれたことを直感していた。でもなんで??帽子は取り替えたのに…。
「最近のゆっくりは昔と違ってねえ…」
「?」
「飼いゆっくりは昔帽子にバッジをつけてたんだ。でも最近は野良ゆっくりが1匹10万円で売れるんだ。だからね、バッジは帽子だけに
ついてるんじゃないんだよねええ」
「ゆゆ!!」
それは事実だった。金欲しさに他人のペットゆっくりのバッジを取りボロボロにした上で野良ゆっくりであると加工所に売ろうとした
悪い人間がいた。だがそれは予め予想されていた。そこで新しくゆっくりをペットにする場合は帽子にバッジをつけるだけでなく体のどこかに
小さなチップを埋め込んでいる。その場所はランダムであるため分からない。このチップとバッジが離れすぎるとバッジが赤く光り
さらに飼い主がゆっくりを飼う際に配布された発信機がペットゆっくりの本体がいる場所を教えてくれる仕組みになっている。
こうすることで帽子が盗まれることを防ぐのだ。
「ここは一本道だからなあ…どこでバッジを落としたのか大体見当つくよなあ…」
「…"…"…"…"…"!!!!!」
野良まりさは何も言い返せなかった。もうバレていたのだ。
「おお!こんな所にまりさがいるぞお。あれあれ?バッジがついてないな。とうことは野良かなあ?ねえまりさ?」
「ゆ…ゆ…ゆ…」
彼は野良まりさから帽子を取り上げ気絶していたまりさにかぶせた。
「あ!金色に戻ったね。じゃあこれは僕のまりさじゃないか。となると君は…」
「ご…ごべんなざいいいい!!!!!!がごうじょだげにはづれでがないでえええええ!!!!!!なにざれでぼがばんじまずがらああ!!!」
「なんだか君が万札に見えてきたよ」
「おでがいじまずう!!!!!ゆっぐりざぜでぐだざい!!!!!!ゆっぐりじだごどないんでずううう!!!!!」
彼は野良まりさを目の前に持ち上げた
「人のペット痛めつけといてそれか??甘いんだよ。お前の中身よりな」
「ゆぎゃあああああああんん!!!!!!!!!」
その後彼は加工所に野良まりさとペットまりさを連れて行った。ペットまりさの治療をお願いし野良まりさを引き渡した。事情を話し
虐待させてくれることになった。職員からは「確実に殺してください」とのことだ。野良まりさは加工所内の部屋に連れて行かれた。
彼は一旦家に帰り道具をそろえてから戻ってきた。
「ゆぎゃああああ!!!!!!!!!いだい!!!いだい!!!やべでえええ!!!」
まず彼はハエ叩きで野良まりさを痛めつけた。全身を強く打たれ餡子を少し吐き出している。
「次はコイツだ」
彼はバットを取り出した。バットといっても木や金属ではない。ゴムでできた幼児用のおもちゃである。しかしそれでも思い切り叩けば人間の
大人でもかなり痛い。
「ゆぎゃん!!!!!!!ゆべし!!!!!!!!!!ぎゃあああああ!!!!!」
数発殴ったところで大量に餡子を吐き出してしまった。彼は慣れた手つきで餡子を飲ませた。
「ゅ…むぐううううう…むむむ」
「そんな簡単に逝ってもらっちゃ困るよ」
さらに殴り続けた。野良まりさの瞼は潰れ目が見えなくなった。
「あれえ眠っちゃったの?今起こしてやるよ」
彼は2つのバケツを持ってきた。1つは熱湯が、1つは氷水が入っていた。
「そらよっ!!!!」
「ぎゃあああああああ!!!!!!!!あづううううううう!!!!!!!!!」
「じゃあ冷ましてやるよ」
「ゆぴいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!」
その後も虐待は続けられた。髪の毛は乱暴に毟られ皮は千切られた。最後は餡子だけにされ野良まりさは一度もゆっくりすることなく
死んでいった。
「後片付けはこっちでやっておきますから」
「どうも」
「賞金から治療費を抜いた分です。受け取ってください」
彼はまりさを連れて加工所を出た。
「いやあ。俺も運がいいなあ」
実はこうした野良ゆっくりがペットを襲い帽子を取り替えるという事件は1年に数件起こっていた。勿論そのまま騙し通せたケースは無い。
襲われた時間は大抵朝方だった。そのため一部の飼い主は朝ゆっくりを1人で散歩させている。何事もなく帰ってくればそれはそれでよし。
万が一野良ゆっくりに襲われて帽子を奪われても盗難防止のチップと発信機があるから大丈夫。賞金も手に入る。
「まりさ、今日は特別に美味いもの食わせてやるよ」
「うん。ありがとうおにいちゃん」
「もう痛くないか?」
「だいじょうぶだよ。もうげんきだよ」
「それはよかった」
彼らはレストランへ入っていった。
完
by 虐待おにいちゃん
最終更新:2022年05月03日 19:36