※注1:ゆっくりが虐められますが本人(?)は意に介さないため虐め分ほぼ0です
※注2:原作キャラが登場し、そっちの方が酷い目に遭います
※注3:ゆっくりに対して独自設定を用いています
※注4:一々くどい解説があります

以上の内容に耐えられない方はお勧めいたしません




















ある日、チルノがいつものように蛙やらゆっくりやらを凍らせて遊んでいた。

「ゲk・・・!」ピキッ
ポチャン

蛙を一瞬のうちに凍らせてから湖に投げ込んだ
すると蛙は何事もなかったかのように泳いで湖の中へ消えていった

「うん!最近は百発百中!何回凍らせても失敗することはなくなったわ。
 さすがあたい、さいきょーね!」

次におもむろに足元にいたゆっくりれいむをつかむ
ちなみに底の方を凍らせてあるので逃げようとしても逃げれないようになっていた
「ゆ、ゆゆっ!ゆっくりはなしてね!ゆっくりh・・・!」ピキッ
蛙と同じ要領で一瞬にして凍結させた
そして同じように湖に投げ込んだ

ボチャン
「・・・・!!!・ゆ”ばばばばば!!びゅっぐりばばば!!べ・べ・・・・」
ボコボコボコ・・・

「・・・んー・・・やっぱりこっちは水の中に投げ込むとすぐ沈んで
 完全に戻ったのかわからなくなるなぁ・・・
 ・・・ま、いっか、面白いし!さすがあたい!」

さて、次は・・・と手を伸ばしたところ
蛙もゆっくりもストックが切れていたことに気づいた
というかさっきゆっくりを取った時点でもういないことぐらい気づきそうなものだが
どうにも対象をロックオンするとそれ以外のことには気づかなくなるらしい。
そこら辺はさすが⑨というだけのことはある。

「あー・・・もう終わりか・・・ちぇっ」









ふと地面から顔を上げると草むらの方になにやら動く影が見えた
「・・・あの動きと大きさ・・・ゆっくりだな!」
気づくや否やフルスピードでその方向へ突入するチルノ

「そこのゆっくり!とまれぇぇぇぇ!!!」
そういい終わらないうちにゆっくりらしき影に向けて冷気を放った
普段、このようにして足元を凍らせ自由を奪ってから捕獲するのである。
ロクに確認もせず放つのでたまに凶暴な獣やそこらへんの妖怪に当ててしまい
逆襲されて痛い目に遭うこともあるが、
これが一番手っ取り早いと本人は全く懲りる様子もなく繰り返していた。

「・・・ゆゆ!?」
どうやら直撃したようだ
形や大きさから言って獣や妖怪ではなく間違いなくゆっくりであろう
「楽勝!やっぱりあたいってさいきょーね!」

「すずしくてきもちいい~♪あたいってばさいきょーね!」
「え”!?」

チルノは驚愕した
無論冷気が効かなかったことはショックだったが
それ以上にその台詞を発したゆっくりにショックを受けた

「・・・こ、これって・・・あたいのゆっくり・・・?」

そう、目の前にいるのはゆっくりちるの
チルノのゆっくり種である
希少種なのでまずお目にかかることのないこのゆっくりを
チルノは初めて目にしたのである


「あ、おねーさんがすずしくしてくれたの?」

「・・・・・・」
茫然自失のチルノ

「もう!さいきょーのあたいがきいてるんだからこたえてよ!ばかなの?」

「・・・!ば、バカって言うなーーー!!!」
それまで呆けていたチルノであったが
バカの一言で我に返ると同時にいきなりブチ切れた

そして次の瞬間、チルノはゆちるのに向かって冷気の弾幕を放っていた
      • 先ほど冷気が効かなかったことも忘れて

「ゆゆ~~♪すずし~♪おねーさんすずしくてきもちいいね!
 あたいってばさいきょーね!」

何が最強なのか意味不明であるが、兎にも角にも相手を心地よくするだけで
全くダメージになっていないことに改めてチルノは気づいた

「むき~!!あたいのゆっくりとは言え、さいきょーを名乗るなんて・・・」

悔しいがどうにも冷気は効かない
物理的に潰してしまうことは可能であろうが、
チルノは先ほどのバカ発言や今度のさいきょー発言により完全に逆上し
そう簡単に潰してなるものかという気分になっていた

おもむろにゆちるのをつかまえるチルノ
ゆちるのは先ほどからの冷気攻撃でチルノが友好的であると判断していたため
全く抵抗する様子も見せなかった

「ゆ?おねーさんどうしたの?ちるのをゆっくりぷれいすにつれていってくれるの?」
「(ガマンガマン・・・)そ・・・そうだよ、あんたをゆっくりできる所へ連れて行くんだよ」
「ゆ~!やっぱりおね~さんはやさしいね!
 はやくあたいをゆっくりぷれいすにつれていってね!
 あたいってばさいきょーね!!!」

一々癪に障る発言に耐えつつチルノはゆちるのを持ち湖の方へ戻り始めた

「ゆ~・・・おねーさんのて、つめたくてきもちいいよ!!」
人間は頭に血が上るとカッカして体温が上昇するが
氷精のチルノの場合は全く逆なのか、怒りに比例し冷気を噴出させるため
ゆちるのにとってはまったく極楽のような環境となっていた
「(今に見てろ・・・)」

そして湖のほとりについた

「ねぇねぇ、ここであたいと遊ばない?」
「ゆ?いーよ!さいきょーのあたいがおねーさんとあそんであげる!!
 それでなにをするの?ゆっくりせつめいしてね!!」
「ふふ・・・それはねぇ・・・」

するとチルノはゆちるのを両手でつかんだまま湖に手ごとゆちるのを突っ込んだ

ボチャン!!
「・・・!!ぼgぼgぼg!」
「ふふっ、あんたらが水に弱いことくらいあたいだって知ってるんだから!
 あたいをバカって言った上にさいきょーを名乗った罰として
 ゆっくり遊んであげるよ!水の中でね!!!」

ザバァ・・・
数十秒後、チルノはその苦しむさまを観察してやろうと
ゆちるのを引き上げた
「ふふっ・・・さあ、あたいに泣いて謝れ!
 謝っても許してやんないけ「きもちいいーーーーー!!」
 どね・・・って・・・え?」

「ちょっとくるしかったけど、みずのなかもつめたくてきもちよかったよ!!」
「・・・え・・・あんた水なんともないの・・・?」
「ゆ?おみず?」
「ゆっくりって水に入ったら溶けるじゃん」
「ゆ~!そういえばそうだね!おねえさんなにするの!
 とけたらゆっくりできなるところだったよ!
 さいきょーのあたいにあやまってね!!ぷんぷん!」

全くチルノには理解できない状態であった
チルノに言われるまで水の危険性を忘れていたゆちるのの⑨さ加減はともかく
何故、ゆっくりなのにふやけなかったのか
理解の範疇を超えた異常事態にまたしても呆然となるチルノ

「さいきょーのあたいがほんきになったらおねーさんいちころだよ!!
 ゆるしてほしかったらおわびになにかおいしいものゆっくりもってきてね!!
 おねーさんきこえてないの?ばかなの?」

ブチッ

忘我の彼方にいたチルノを呼び覚ましたのは
またしてもあのキーワードであった

「この饅頭めぇぇぇ!!!」

ゆちるのを地面に放り投げるチルノ

「ゆ”っ!いたいよ!なにするのおねーさん!!」

「死ねぇぇぇぇ!!!」
問答無用でスペルカードを発動させるチルノ
冷気がダメでもそもそも通常の吹っとばす弾幕なら行けるはず・・・!





氷符「アイシクルフォール - easy」






「ゆ~~~~、またまたすずしい~~~♪」

「むき~!!なんで当たらないのさ~!!!」

正面安地の⑨スペカを真正面から受けたゆちるのは
チルノから吹き出る冷気に心地よさげな顔を浮かべていた

「ええい、これでどうだ!!」

チルノの周りから極彩の弾幕が四方に放たれる
「ゆゆっ!!」




凍符「パーフェクトフリーズ」




ピキーン

圧倒的な冷気により弾幕が凍結する
「ゆ~、おねーさんすごい!めっちゃきもちいいよ!
 あたいのつぎにさいきょーかも!!」

「さいきょーは・・・」
そう言いながら冷気をぴたりと止めた
「あたいだぁぁぁ!!」

次の瞬間、ゆちるのの周りに展開していた
凍てついた弾幕がいっせいに動き出しゆちるのに襲い掛かった

「ゆゆ~っ!!」
必死によけるゆちるの
しかし、チルノの放ったパーフェクトフリーズは大人気ないことにルナティックであった
あっという間に逃げ場を失ったゆちるの

「ゆ~~~!!」
「はっはっは!!あたいの勝ちだ!!」



ズドーン
ついに命中した
ゆちるのは跡形もなく霧散



      • したと思ったが、
「ゆゆっ!おもしろかったけどちょっとやりすぎだよ!!
 ゆっくりはんせいしてね!!」


「な・・・なんで死なないのさーーー!!!!!!」
あろうことが全力のルナスペカ直撃でもぴんぴんしているではないか

「ムキー!!!こーなったらこれでどうだああ!!!」






雹符「ヘイルストーム」






無数の雹の弾丸がゆちるのに襲い掛かる
所詮饅頭の体なら直撃すれば簡単に穴だらけ必至である


「くらえぇぇぇ!!!!」
「ゆーー!!!」


ペチペチペチペチペチペチペチペチペチ

「・・・あれ?」
「ゆゆゆゆゆゆゆ!!」

確かに痛がっているようではあるが
直撃しても雹は弾かれるだけで穴の開く気配は一向にない

      • いや、痛がっているというより
「ゆゆ・・・げらげらげら!!おねーさんやめて!!
 めっちゃくすぐったいよ!!げらげらげら!!」

「何でなのさーーー!!!!ムキー!!!」

遂に弾幕攻撃を止め、チルノはゆちるのに殴りかかった!


「潰れろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「ゆゆ!ゆ~~~~~~~!!!」



ゴキッ

「ふっ、この手ごたえ・・・勝負ありね
 ・・・って・・・『ゴキッ』?」

ふと手をみるとチルノの拳は不自然な方向に折れ曲がっていた

「ギャーーーーーーーーー!!!」
「ゆ・・・ゆゆ?!おねーさんだいじょうぶ?!」

あろうことか殺そうとしていたゆちるのに心配される始末
というかゆちるのも死ねだの潰れろだの言われてなおチルノと友好的に接するあたり
やはり生粋の⑨としか言いようがない



「くっ・・・・・・きょ、今日はこれくらいで勘弁してやるよ!
 次はこうはいかないんだからね!!」

と、棄て台詞を吐き哀れな負け犬もとい負け妖精は湖の彼方へと飛び去っていった
「ゆ?かえるの?おねーさんまたね~!
 またさいきょーのあたいがゆっくりあそんであげるよ~!!」











時を同じくして、紅魔館正門前
湖を一望できるこの門の前に紅美鈴は立っていた


「うわぁ・・・スペカまで使ってゆっくりに負ける奴初めて見た・・・」
「ゆぎゅっ!!」
昼飯代わりに支給されたゆっくりを頬張りつつ
美鈴はその一部始終を見ていたのである

「いや~・・・⑨だ⑨だとは思っていたけど
 まさかゆっくりと同等以下だったとはなぁ・・・
 ・・・ん?」
「ゆっゆっゆ・・・ゆゆ?」
そこには先ほどのゆちるのが湖からやってきていた

「ゆ?おねーさんゆっくりできるひと?」
「あー、さっきの様子ゆっくり見させてもらったよ」

そういいながら美鈴はゆちるのをつかんだ
元々ゆっくりちるのを見たことはなく
さらに妖精相手とはいえスペカを耐え切ったゆっくりに興味が沸いたのである
「ゆ~?」
「うわ!冷た!!」
次の瞬間思わず手放していた

ゴチン!
ゆっくりとは思えない落下音が響き渡る

「ゆ!!いたいよ!!おねーさんなにするの!
 おろすならゆっくりおろしてね!
 そんなこともわからないの?ばかなの?
 ゆっくりさいきょーのあたいにあやまってね!!」

「何でこいつこんなに冷たい上にカチカチで動き回れるんだ?」
そういいながら再びゆちるのをつかむ美鈴
今度は手の周りを気で覆っているため冷気は遮断されている

「ゆ~・・・おねーさんのてちょっとあつくるしいよ
 ゆっくりはなしてね!」
「ん~・・・石みたいに硬いわねぇ・・・
 こりゃ妖精程度なら殴ったらああなるわねぇ・・・」
「おねーさんきこえないの?ゆっくりはなしてね!!
 あたいのいってることわからないの?ばかなの?」
「ねぇ、あなた元からこんなに体硬いの?」
「ゆ?どういうこと?」
「あなた普通のゆっくりよりもかなり硬いけど
 あなたの仲間はみんなこんなに硬いの?
 石みたいにカチカチよ?」
「ゆ?あたいのおとーさんもおかーさんもかちかちじゃないよ!
 おかーさんのからだはふかふかできもちいいんだもん!」
「ん~・・・」


そういえばこの饅頭の中身はどうなっているのだろう
ゆっくりといえば種類によって中の餡の種類が違うことで有名である

「ちょっと失礼」
「ゆ・・・ゆぎゅ!!」

そう言うと美鈴はゆちるのの頬を少しかじり取った
美鈴は気を通すことで石程度の硬さでも噛み砕くことができるのである

「・・・これは・・・雪見大福!!」

そう、ゆちるのの正体は雪見大福であった
と同時に美鈴は先ほどの顛末のカラクリを見抜いた













想像してほしい
思いっきりギンギンに冷えた冷凍庫に放りこまれ
長時間放置されて完全にガチガチに冷え固まった
片手にかろうじて乗る程度の雪見大福を




まず冷気が効かないことについてはその正体が雪見大福である以上自ずと理解できる
ではその後水に沈められても大丈夫であったのは何故か?


アイスクリームのてんぷらというのを知っているであろうか
よく冷やしたアイスに衣をつけて油で揚げると
外はアツアツの中はひんやりのアレである

この場合、衣が一時的に断熱材の役目を果たし
かつアイスクリームは十分に冷えているため
衣が揚がりきるまでの時間ていどであればアイスは溶けないのである

このゆちるのの場合も同じことが起きた
この場合衣の代わりに雪見大福の皮が断熱材となり
さらに逆上したチルノからほとばしる冷気を浴び続けたゆちるのは
十分すぎるほど冷却されていた
結果、油より遥かに冷たい水の中に数十秒程度沈められてもふやけすらしなかったのである

付け加えるならその直前までその湖近辺で凍った蛙やゆっくりを
放りこみ続け遊んでいたお陰で、凍らせすぎた物が溶けずに残り
周辺の水温をさらに低下させていたというのも一因となっていた



では、あの弾幕を耐え切ったのは何故か

あれは完全にチルノの戦略ミス
そう、弾幕の順番がまずかったのである

凍符「パーフェクトフリーズ」

もし真っ先にヘイルストームを放っていたら勝負は違っていたのかもしれない
しかし、それより先に放ったこの弾幕
冷気により周囲の「弾幕を一時的に完全凍結」させ時間差で攻撃するこの弾幕の性質が仇となった
そうこの冷気により「ゆちるのまで完全凍結」してしまったのである

なぜ凍結状態になっても動けるのか
原理は不明だが、このゆっくりという不条理の塊にそのような疑問を抱いても仕方がない
現に動いているのだから仕方ないと理解するしかない

ともかく、こうして完全凍結することにより強度を石レベルにまで強化してしまったおかげで
弾幕や雹、そしてチルノの全力パンチを全て無効化させる結果になってしまったわけである










「相性が悪いのか頭が悪いのか・・・ま、これで納得がいった
 おい、ゆちるの・・・って・・・あ」
「ゆ”・・・ゆ”・・・」

そんなことを色々考えながら
いつの間にか他のごはんのゆっくりのように
ゆちるを貪っていた事に気づいた
もう半分くらい無くなっている


「・・・アイヤー・・・珍しい種類だから逃がしてやるつもりだったんだけど・・・
 ここまで来たら仕方ないね。ごめんよ。」
そういうと一気に残りを口に放り込んだ

「ゆ”・・・・ゆ”っ!」

「・・・・!!!!!
 あ・・・頭が・・・っくぅ~~~~!!」

ギンギンに冷えたゆちるのに頭をキーンとさせつつ
紅魔館の門番は昼食を終え仕事に戻った










「チルノちゃん、一体何してこんなことになったの!」
「何でもないよ!」
一方、チルノは友人の大ちゃんこと大妖精に
ひねった手首の治療をしてもらっていた
「も~!余り危ないことしないでね!」
「わかってるよ~!
 ・・・ちくしょー・・・こんどあったらギッタンギッタンにしてやるんだから!」
「あ!さてはまた誰かとケンカしたんでしょ!
 だめだよ乱暴は!!」
「もー!ほっといてよ~!!」

治療してもらいながら放っておけなどと無茶苦茶を言いつつ
頭の中で次にゆちるのに遭遇したときの作戦とも言いがたい作戦を立てるチルノであった

      • 無論、その後チルノはそのゆちるのに再び相見えることはなく
数日後、手首の全快と共にチルノはゆちるののことを忘れ再び蛙やらゆっくりやらを凍らして遊ぶのであった




美鈴曰く
「本当・・・あの妖精、ゆっくりといい勝負ねぇ・・・」








以上、初投稿で作法がわからんのですがこんな感じでいいのでしょうか?
本当は美鈴のくだりは書かず、ゆちるのを生かしたまま終了予定でしたが
読み返してみて虐SSにしてはいくらなんでも虐成分薄すぎではないのかと
急遽こんなエンドにしてみました

ご意見等ございましたらよろしくお願いいたします 

以上




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最終更新:2022年05月04日 22:44