むかしむかしでもないごく最近。
あるところに、ゆっくりを虐めることを至上の喜びとしているお兄さんがいました。

ある時、お兄さんが、ゆっくりを捕まえるために罠を作っていました。
そんな所に、桃色の髪をしたゆっくりがじっとお兄さんを冷ややかに見つめていました。
視線に気付いたお兄さんは、(桃色の髪?ゆゆこか?)と考えていると、桃髪ゆっくりがしゃべりだしました。
「私はゆゆこではありません。私はゆっくりさとり。あなたは…ゆっくり虐待を生きがいとしているゲダモノですね」
お兄さんはカチンときました。いきなり見たことも無いゆっくりに『ケダモノ』扱いされたのですから。
捕獲道具をとり、ゆっくりさとりを捕まえようとしました。
「おや、私を捕まえて、虐待しようとしていますね。…ふむふむ、まずは足を焼いて、そのあと穴を開けて私の中身の味見ですか。…ほうほう、もし美味しければ発情ありすを捕まえて繁殖させようと言うのですか」
お兄さんは驚きました。まるで自分の考えをゆっくりさとりに朗読されているようです。
「驚きましたか?えぇ、私は心を読むことができます。あなたが私をどう捕まえようかともどう虐めてやろうかともみーんな読めますよ」と、不敵な笑みを浮かべるゆっくりさとり。
お兄さんは完全にキレてゆっくりさとりに襲い掛かりました。
ですが、どう襲い掛かっても、ゆっくりさとりを捕まえるどころか、逆に翻弄されてしまいます。
「まっすぐストレートにぶっ飛ばす」ひょいっ「今度は左から」ぴょん「上から来るぞと見せかけて左から」すかっ
お兄さんに焦りが生じると、ますます攻撃があたりません。そして
ガサッ!
お兄さんは自分の仕掛けた罠に気づかず頭から網をかぶって身動きが取れなくなってしまいました。
「あらあら、自分の罠に自分がかかるなんて、わかりますよ、その悔しさ、私を一思いに潰してやろうと言う憎しみ。でも残念でしたね」と、揚々と奥へ行こうとした瞬間。
ズボッ 「え!?」 サクッ 「ギャッ」
突如、ゆっくりさとりは穴に落ち、短い断末魔の叫びを上げました。
網から脱出したお兄さんはその穴を覗き込みました。
穴のそこには、付近から生え出た木の根に刺さって絶命していたゆっくりさとりの残骸がありました。
お兄さんはその穴を知りませんでした。それ故、ゆっくりさとりもその穴に気づかなかったのでしょう。
味見しようにも、お兄さんにはその穴の幅は狭く残骸に届かなかったので、そのまま穴を埋めました。
お兄さんは、なんだか興が冷めてしまい、その日は帰ってすぐに寝てしまいましたとさ。

その後、各地で新たなゆっくりの存在が確認されることとなるのは別の話。

以下俺設定

ゆっくりさとり

心を読める希少種ゆっくり。
そのため、他者による襲撃からの生存率はきわめて高い。
反面、心の無い自然災害にはきわめて弱い。
悪いゆっくりさとりは、読んだ心をわざわざ朗読し、心を読まれたものの狼狽振りをニヨニヨしながらあざ笑う。
良いゆっくりさとりは、そもそも心を読むことを嫌悪しているため、めったに現れることは無い。


あとがき

ぶっちゃけ、「サトリ」の物語をゆっくり風にしてみただけです。
そろそろ地霊のゆっくりも現れるかなと思い書いてみました。
駄文、失礼しました。

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最終更新:2022年05月04日 22:55