交通安全ゆっくり
  • 罪の無いゆっくりが死にます
  • 道具として利用するだけで、プレイとしての虐待は薄めです
  • 自動車が出てきます。時代背景・世界観は適当に想像してください




その日は残業で疲れていたのもしれない。
早く帰ってゆっくりしたい。そんな気持ちが自然とアクセルを強く踏ませた。
具体的には何時からかわからない。しかし私は眠ってしまっていたのだろう。
その事に気づいたのは、もうどうにも成らない速度で急カーブに突っ込む直前であった。

「し、しまった・・・うわー!!」
「ぐっ!ぐるなあぁぁぁ!!」
「こっちこないでね!あっちにいってね!」
「はやすぎるよぉぉぉー!!ゆっくりしてよぉぉぉー!!」
「ゆぎゃぁあぁぁっぁ!!」
「いっ、いだ・・・ゆべしっ!!」
「ぶぺっ・・・パーン!ぶち!ブチ!ブチ!ぷち!プチ!プチィ!」
「ぷち・・・ぷち・・・」

「・・・!?生きてる・・・助かったのか?」
「ゆっ・・・ゆぐ・・・ぢ、ぢにだぐ・・・」
「だずげ・・・あんごばぼでづ・・・」
「ゆっぐりぢだげっががごでd・・・」

「危なかった!ゆっくりが無かったら即死だった」




★開発秘話★
時は暫く遡る。
近年急速に普及した自動車により流通や遠距離の交通手段が劇的に進歩を遂げた一方、
自動車による交通事故の増加が深刻な社会問題となっていた。
既存の交通手段とは異なる新しい乗り物に対応する為、新しい安全対策が必要となった。

道路の整備や交通規則の制定が急務とされたが、問題となるのはその規模である。
短期間で効果的な対策を施すには膨大な予算と人的労力が必要となる事は明白であった。

安価にて、短期間に構築可能で、耐久性・安全性に優れ、効果的な安全対策器具の開発。
これら困難な課題に対して開発者は日々頭を悩めていた。

そこで開発者が注目したのが「ゆっくり」である。
大量に発生し、減らしても直ぐに復活する繁殖力を持つこの不思議な物体の有効活用方が
無い物かと日頃より様々な研究がなされていた。
このゆっくりを利用して交通安全に有効な対策を打ちだせれば、余っているゆっくりの
資源有効利用と人命保護が同時に可能となり、大幅な予算の節約が出来る。

しかし、その開発は決して平坦な道のりであった訳ではない。
ここでは開発者が苦心の末に生み出した交通安全ゆっくりの秘密に迫ってみよう。




★ガードレールゆっくりの秘密★
最初に開発されたのが、ガードレールゆっくりである。
当初は金属製のガードレールが試作されたが、加工が難しく大量生産が困難である事と
金属では衝突時に危険と言う事でゆっくりを原料に使用するプランが浮上した。

制作方法は、特殊な薬品で防水加工を施したゆっくり同士をワイヤーでしっかり固定し、
ネット状に展開して金属の支柱に固定するのだ。
ゆっくりが緩衝材となり、衝撃を吸収する事と、完全には固定されていないので
変形して柔軟に衝撃を吸収できるのが利点である。

まず、ゆっくりの柔らかさを利用して、衝突安全性を向上させる狙いがある。
車が接近すると、衝突の恐怖でゆっくりが硬くなり汗をかく。
恐怖で硬くなったゆっくりが、衝撃を周囲のゆっくりへ伝える事で、
点ではなく全体へエネルギーを分散する事が可能と成る。
また、表面が汗で滑る事で衝突のショックを分散しつつ、ネットが変形して包み込む。
衝突の痛みでゆっくりの固形化が解除され、外圧が限界に達すると変形が始まり、
車と乗員のダメージを受け流す。
衝突の衝撃で内臓餡子が急激に撹拌され、運動エネルギーを吸収しつつ
熱エネルギーに変換する。
最後は破裂し、エネルギーを放出する事で衝撃を緩和する。

ガードレールと言うよりはタイヤバリアの機能も兼ねている。
しかし材質に使用されているゆっくりの性質が衝突時の恐怖で変化する為、
進入角が浅い場合などは硬質化して汗で滑って跳ね返すなど、
状況に応じてガードレールとタイヤバリアの両方の性質を持っていると言える。




★エアバックゆっくりの秘密★
次に、乗員保護の観点から車に搭載するエアバックゆっくりを見てみよう。

最近の車には殆ど、このエアバックゆっくりが搭載されている。
これは赤ちゃんサイズのゆっくりがハンドルに内蔵されているのである。

衝突の衝撃や、急激なブレーキを検知すると、特殊な薬品が注入される。
この薬品はゆっくりの時間を加速し、ゆっくり出来なくし、急激に成長させる。
活性化され急激に成長する餡子脳は一時的にその働きを高める事になり
ゆっくりにとっては周囲の時間が非常にゆっくりして見えると言う。
無論、実際の時間では1秒にもみたない一瞬であり、その感情や思考を
周囲の者が認識する事は出来ない。

急激に成長したゆっくりは、ハンドルを突き破り、外に飛び出す。
急成長の副作用で、内部の構造はスポンジの用にスカスカであるが、
この構造により乗員の衝突時のショックを吸収する事が可能である。
衝突時に内部の細かい気泡の様な空間が弾けて潰れる事でクッションとなり、
ドライバーを優しく受け止める事ができる。
万一はじけ飛んで口に入っても、そのまま食べられるほど安全な素材で出来ている。
緊急時には非常食として食べる事も可能だが、
長期間ハンドル内で熟成している為、食用には向かない。




★ゆっくり達の一生とその働き★
-ガードゆっくり編-

「ゆっくりしていってね・・・」
「ゆっくりがんばろうね」

まりさとれいむの姉妹は、消えそうになる元気を振り絞って家族に呼びかけた。
このまりさとれいむ以外の姉妹と両親は、家族全員生きてはいるが・・・動けないのだ。
ある日、森でゆっくりしていた一家の元に人間がやってきて捕まってしまった。

「ゆぐぐう・・・なんでうごげないの・・・!?」
「いだい・・・ゆっぐりぢだい・・・」

変な薬を飲まされて、体に紐を結ばれて動けなくされて、
一家まとめて縛られた状態で杭に繋がれていた。
まりさとれいむも捕まったのだが、この2匹だけは人間が許してくれて逃がして貰った。
しかし、他の家族を置いて逃げる訳にも行かない。
人間が立ち去ってからは、何度も家族を逃がそうと紐を引っ張ったり、
杭を抜こうと努力したが如何にも成らなかった。

周囲には、同じ様な境遇なのだろうか?ゆっくりの一家が同様に繋がれており、
同じく数匹の子ゆっくりが家族を心配して寄り添っている。

れいむとまりさは、もう直ぐ巣立ちが出来る頃と言えるまで成長しており、
親と一緒に狩が出来るほどであった。
下の姉妹は、子ゆっくりのれいむとまりさ、赤ちゃんれいむとまりさなど
まだ小さい。子が大きくなって一緒に餌を採れる様になった為、両親がすっきりして
新しい赤ちゃんを産んで家族を増やしたのだ。

「おながずいだよお・・・」
「ゆぅ・・・ゆぅ・・・」
「ゆっくり待っててね!ご飯取ってくるからね!!」

家族の救出が困難である事を理解したれいむとまりさは、必死で餌を集めた。
両親はともかく、赤ちゃんなどは餌を運ばないと長くは持たないだろう。
しかし、両親と自分達で餌を大量に取れるから産んで増やした家族である。
幾らもう直ぐ独り立ち出来るまでに成長していても、たった二匹で家族分の
餌を運ぶ事は容易ではない。

雨が降って来た時は流石に焦ったし、もうダメだと思って泣き叫んだ。
赤ちゃんゆっくり達は何が起こったのか理解して無いし、姉妹の仲には狂乱して
泣き叫ぶ物も居たが、両親だけは覚悟を決めて、動けるれいむとまりさだけでも
逃げる様に言い聞かせた。

「ゆっぐりしないで逃げてね!!」
「いやだぁぁぁ!おがあざんとずっとゆっぐりぢたいぃぃぃ!」
「わがまま言わないでね!!さっさと行ってね!みんなの分までゆっくりしてね!!」

家族と離れるのは嫌だと泣いたが、両親に怒鳴りつけられて雨から逃れる為に
木の下まで走っていった。
家族が溶ける様は見たくは無かったが、しかし遠くまで離れる事も出来ず、
近場の木の下から家族を見つめ、雨が止むのを祈り続けた。

「はやくやんでね!ゆっくりしないであめさんとまってね!」
「ゆっくり、ゆっくり・・・」

見ると周りには同じ様に家族を心配するゆっくりが何匹も居る。
自分達の不幸を呪い、互いに涙した。
その涙で自分が溶けるのでは無いかと思うほど泣いた。
ところが雨は降り止まず、しかし家族も溶けはしない。
ゆっくり達は知らないが、雨に濡れても溶けない特殊な薬品で加工されている為である。

「ゆっぐり助かったね!」
「よかったね!ゆっくり出来るね!」

雨が上がり、家族はお互いの無事を喜び合ったが、
だがコレは更なる地獄の始まりでもあった。

動けない、助ける事も叶わない、しかし雨で死んだりしない、見捨てる事も出来ない。
命が奪われる当面の危機は去ったが、ゆっくりとした飢えと言う死は近付いてくる。
もう助からない事が確定的であれば、あるいはあの雨で死んでいれば、
まりさとれいむは新しい人生を踏み出せたかもしれない。
しかし目の前で苦しむ家族を見てまりさとれいむは、
家族を見捨てられないと言う鎖で縛られていた。

「ゆぅ・・・もうダメだよ・・・もう動けないよぉ・・・」
「がんばるんだぜ!おかあさん達と妹たちはもっと苦しんだぜ・・・」

一日中餌を集める作業。しかも自分達の餌であれば、採って直ぐ食べる事も出来るが、
動けない家族の分となると取った地点からココまで運ばねば成らない。
餌集めと運搬の重労働。食べ盛りの赤ちゃんが居る為、餌の確保ノルマは
日増しに厳しく成っていく。
十分な量を確保出来ない分は、自分の餌や両親が我慢して子に譲っていた。

「ゆっくり・・・こんなご飯じゃたりにゃいよ」
「はねてあそびちゃいよ・・・ちょうちょさんがほしいよぉ」

両親は子の頑張りを見て、また不自由に成った自分達の赤ちゃん達の為にと考える事で
忍耐が出来た。しかし赤ちゃんゆっくりは違う。
生まれてからずっと家族に愛されて幸せだったのに突然襲った不幸。
ゆっくり出来ない日々。何の為に生まれて、何の為に生きているのか。
両親が賢かった為、赤ゆっくりは姉達の苦労が分からぬほど愚かではなかったが、
心は荒んで行き、生きる事に意欲を見せなくなっていく。

「ゆいっ、ゆ、ゆっくりぃ、ゆっくり・・・」
「ゆへへへ・・・ゆゆーん♪ ゆへひゃー・・・」

やがて赤ちゃんゆっくりはとても幸せな顔で毎日を過ごすようになった。
完全に現実から意識を切り離して楽しい世界へ行く事にしたのだ。
この赤ちゃんゆっくり達は幸せだろう。
両親と姉達に愛されて、楽しい夢を見ながら大切に育てられるのだから。
だが、その夢さえも長くは続かなかった。

「ゆぅ・・・眠いのに煩いよ!しずかにしてね!!」
「ゆっ!夜なのにまぶしいよ?」
「なにかコッチに来るよ?ゆゆ!コッチに来るよ!?!?」
「ぶつかるよ!ゆっぐりにげるよ・・・ゆぎゅっ!なんで動けないのぉぉぉ!!??」
「ごっじぐるなぁ! ゆっぐりごっじぐるなぁあぁぁぁぁ!!」
「こわいよぉぉ!まだじにだぐないよぉ!!」
「おがあざーん!だずげでー!だずけでくだざいぃぃぃ!!」

「い、いだい!・・・ぐぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「つぶれる・・・れいむのあんごが・・・」
「みえないぃぃぃ!まりざ!?まりざどごぉ!?」
「れいむ?赤ちゃん達?どうじでへんじじでぐれないの???」

余談だが、動けないゆっくりは余分なエネルギーを損失しない為、最低限の水分が
雨で補給できれば、交換耐久年数の3年は無補給で生存する事が確認されている。
子供を数匹逃がして希望を残した方が、捕らわれたゆっくり達の肌の張りが良く
生きの良い状態で長期運用できるそうだ。

家族を助ける為と信じて不要な餌を運び、人間の安全の為にガードレールの品質保全に
日々努力する彼等の姿は非常に心打たれる物がある。
我々も自らを戒め、安全には十分気を配るよう心がけたい物である。




★ゆっくり達の一生とその働き★
-エアバックゆっくり編-

「ゆっくりしていっちぇね!」

ココは何処だろう?真っ暗で何も見えない。
お母さんは?兄弟達は?何で誰も居ないの?

あぁそうか。勘違いしたんだ。生まれた夢を見たんだろう。
まだお母さんのお腹の中だ。早く生まれたいなぁ~
生まれたら一番にお母さんに「ゆっくりしていってね」って言おう。
ちゃんと言えるかな?楽しみだなぁ。

「おかあちゃんのこえがききょえにゃいよ?」

おかしい。お母さんの声は聞こえるはずだ。
少し前までは聞こえていた。自分に話しかけてくれていた。
自分が動くとお母さんは喜んで、ゆっくり生まれてきてねと言ってくれた。
もう直ぐ生まれる筈だった。生まれてお母さんに挨拶をして・・・

「ゆ?れいみゅはうまりぇたにょににゃんで??」

やっぱりおかしい。いよいよ生まれるのだと自分でも分かった。
やっぱり生まれた筈だ。ココは自分の知ってるお母さんのお腹の中とは違う。

「ここがおそとにゃの?」

真っ暗だ。こんな世界がお外なのか?自分を産んでくれたお母さんは何処だろう?
なんだが記憶があやふやだ。
生まれたとおもって、目覚めて、気が付いたら真っ暗で・・・

「ゆぐっ!?ふりゅえるよ!ゆっぐりちちぇね!!」

突然振動が始まった。全身を無理やり振動させられる。
なんだかとってもゆっくり出来るような、でもとても怖いような。
このまま振動をつづけてゆっくりすると、ずっとゆっくり出来なくなりそうな
本能の奥底に刻まれた恐怖を覚える。

「やみぇてね!れいむまだしっきりちちゃくにゃいよ!!」

意識が混乱する。知らない単語が自然と口から出てきた。
だんだん思考が定まらなくなって行く。
このままでは自分が壊れてしまうと感じたその時。

「ゆぎゃ~ん!ま、みゃわりゅよ!!」

突然世界がぐるぐる回り始めた。
上右下左上右下左。真っ暗な世界で上下左右の感覚だけがめぐるましく変化する。

「も、みょう・・・やみぇちぇ・・・ゆべっ!!」

今度は何者かに殴りつけられた様な衝撃を全身で受ける。
何か大きな音が鳴っているが、今はそんな事を気にする余裕も無い。
生まれて始めての痛みに、意識をかき回され悶え苦しむ。

気が付くと、真っ暗な空間で自分一人だけがただ静かに居る
元の何も無い状態に戻っていた。
またあの苦痛が何時始まるのかと思うと、全然ゆっくり出来なかった。

それからは毎日が苦痛の日々だった。

「さむい・・・さみゅいよぅ・・・」
「ゆぅ・・・どうしてだりぇもおへんじちてくりぇないの?」
「ゆゆ!?あちゅくにゃってきちゃよ!ゆっくりできないよ!」
「もうやだ!おうちかえりゅ~!!」

そんな日々が唐突に終わる。
突然、今まで感じた事の無い程の衝撃を感じたかと思うと、
目の前が明るく開けた!!

「ゆ?おそとのせかいがみえる?れいみゅうまれるの!?」

やっぱり生まれたのは気のせいだったんだ。
体に激痛が走って締め付けられるけど、
生まれる時にお母さんから出る為の苦しみなのだろう。
随分ゆっくり出来なかったけど、生まれたらお母さんに挨拶しよう。
上手に「ゆっくりしていってね」って言えるかな?
お母さん喜んでくれるかな?
お母さんのお腹の中で、凄く怖い夢をみて寂しくて泣いちゃった事を話そう。
沢山沢山すりすりして慰めて貰うんだ。今までの分もイッパイ甘えて、
これからお母さんとずっとずっとゆっくりしよう。

「ゆ~おちょりゃをとんでりゅみちゃい!!」

外に押し出される感覚があり、次の感じたのは空中に浮遊する様な錯覚。
暗闇から明るい世界へ飛び出た為にその様に感じたのだろう。
事実、背中を固定されている感覚がある。
生まれて飛び出た衝撃で飛んで行って怪我しないように、
多分お母さんがお口で支えてくれているのだろう。

「ゆ?めのみゃえににんげんさんがいるよ?」

親から受け継いだ知識で知っている。あれは人間だ。
どうして自分が生まれる時に目の前に人間が居るのだろう?
この人間さんがおかあさん?そんな筈は無い。
自分が今生まれるのに、目の前に居るはずが無い。
じゃあ、お父さん?・・・あっ!そうか!!おかあさんは人間さんと住んでるんだ!
だったらちゃんと挨拶しなくちゃ。

「ゆっくりちちぇいってにぇ!!」

やった、何度も練習した甲斐があった。キチンと言えた筈だ。
お母さんもコレで鼻が高いだろう。
自慢の赤ちゃんだと喜んでスリスリしてくれるに違いない。

「ゆぅ?にゃんでにんげんさんうごきゃないの?」

おかしい。目の前の人間は全然動く気配が無い。
それだけじゃない。自分も動けない。背中を固定されて身動きが取れない。

「おかあさん!もうだいじょうびゅだよ!はなちてね!れいむうごきたいよ!!」

必死に後ろに居る筈の母に、放して貰おうと伝えるが、まったく返事が無い。

「ゆゆっ!!れいみゅおおききゅなりゅよ!!」

今度は体が膨らんでいく感覚が襲ってきた。
生まれるまで時間が掛かった分、お腹の中で我慢していたので、
一気に成長が始まったのだろうか?きっとそうだ!れいむは大きくなるんだ!!

「ゆぅ?にんげんさん、こっちにくりゅの?」

なんだか人間さんが近づいてくる気がした。動かないと思っていたが、
本当にゆっくりした速度で近付いてくる。きっとれいむが可愛いから
スリスリしたくなったに違いない!!

「ゆぎゅっ!な、にゃんだが、かりゃだがあじゅぐなっでぎだよ!?」

急激な成長で体が熱を持っている。それだけではない。
徐々に体内の餡子が掻き回されて、煮立つようにボコボコと気泡が溢れていき、
皮が引き伸ばされ、激しい吐き気に襲われる。

「ゆげっ、にゃ、にゃんにゃのこりぇ・・・れいむどうなってりゅの?」

スポンジの様に膨らんで穴だらけになった餡子脳では、
最早正常な思考は出来なくなりつつあった。
しかし目の前の人間が、さっきよりも近くに来ていて、
このままでは自分にぶつかる事だけは判っていた。

「こきゃいで、にんげんさん!れいみゅおかしいよ!かりゃだがいちゃいよ!」
「ぶちゅかりゅよ!こにゃいで!いちゃいの!こにゃいでったりゃ!!」
「いー!だー!いぃぃぃー!!ちゅぶれりゅ!!れいみゅのおきゃおがぁぁ!」
「やめでぇ!!おちゃないでぇ!!れいみゅほんちょうにちゅびゅりぇちゃう!!」
「やぶりぇりゅ!れいみょのおきゃおが!!それいじょうおちちゃらやびゅりぇ・・・」
「ゆびっ!ゆべべびゃ・・・じにちゃく・・・れいみゅせっきゃくうまれちゃにょに」

「じにゅ・・・じにたく・・・じ?じぬにょに?・・・じ・・・」
「じにゃにゃい?まだじにゃにゃい!?にゃんでじにゃにゃいの?」
「ぢぬにょがにゃがい・・・しぬのがながいよぉぉぉぉ!!」
「じにたくにゃいげど・・・じなにゃにゃいのもいやぁあぁぁぁ!!」
「いだいのぉ・・・もういやなのぉ・・・」
「あんごさんがでてりゅのに・・・まだいぎれる・・・まだいぎてりゅの・・・」

喋れなくなってもれいむはまだ生きていた。
れいむが経験した時間はココまでで0.9秒程度である。
しかし、投薬により成長と思考を加速させられたれいむにとっての時間は
赤ちゃんゆっくりが成体ゆっくりに成長する程の時間的感覚がある。
れいむが完全に潰れて生体機能を停止するまでは残り2秒程しかない。

一瞬の油断が大事故を引き起こす事もある。
我々もこのれいむを見習って、ハンドルを握る際には一瞬も気を抜く事無く
人生の時間を大事にしたいものである。



★輝ける未来へ★
技術の進歩に伴い、交通事情はめぐるましく変化し、
安全管理もそれに対応する事が求められている。
ゆっくりを利用した交通安全対策製品は日進月歩でありまだまだ研究段階である。
これからも様々な新製品が開発されて人命保護に役立つだろう。


作者当てシリーズ


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最終更新:2022年05月21日 23:20