「むきゅきゅ、まりさまってー。」
「ぱちゅりー、こっちだぜ!」

俺の家の庭で、二匹のゆっくりが飛び跳ねている。
二匹はゆっくりまりさとゆっくりぱちゅりー。最近現れだしたゆっくりという饅頭の種類のうちの二つだ。
共にこいつらがまだ赤ん坊の頃に俺が森で見つけて育てた奴らだ。
その時はまだ、どんな生態かも解明されていなかったが小さいながら必死に傷ついたぱちゅりーを守ろうとするまりさを見て連れ帰ったのだ。
二匹はお互いに助け合いながらすくすくと成長をし、今では立派な成体となっていた。
二匹がやってきてそろそろ1年になる。今では畑仕事を手伝うようになった二匹に、俺はささやかなプレゼントを贈ることにした。
元気なまりさには欲しがっていた箒型の丈夫な棒を、ぱちゅりにーは百科事典を。
棒は二匹に気づかれないようにこっそりと、本は店を駆け回り、何とか間に合わせることが出来た。
後は渡して驚く二匹の顔を見るだけである。



プレゼントを渡す日、俺は普段と変わらないように畑仕事に向かった。
今日は二匹は手伝わなくてもいいと言っておいた。

「ゆゆっ、ほんとうにてつだわなくていいの?じゃあぱちゅりーとゆっくりしてるよ!」
「むきゅ、ひさしぶりにゆっくりできるわね。」

二匹は久しぶりに出来た長い時間を有効に使うかのように庭でゆっくりしだした。きっと今もゆっくりしているだろう。
用意したプレゼントを渡すのは帰ってからだ。早く帰りたいので自然と力が入る。

「れいむ、これおいしいよー!」
「ほんとだね!ゆっくりたべようね!」

畑に着くとゆっくりれいむとゆっくりちぇんが俺の作った野菜を齧っていた。
またか。俺はため息をつき鍬を手に取った。
食べ物をとるのに困ったゆっくりはたまに人の畑を襲う。
ゆっくりも必死なのだろう。が、こっちも生活がかかっている。
出来るだけ苦しまないように、俺は後ろからそろそろと近づいて鍬をれいむの方に振り下ろした。

「ゆぐっ!?」
「れ、れいむううううううううう!」

いきなり潰れ中身を噴出したれいむにちぇんは目を大きく見開き驚く。
そして、すぐに俺がやったと気づいたのか一目散に森に跳ねていった。
このまま逃がすと仲間を連れて戻ってくるかもしれない。俺は逃げたちぇんの後を追った。
幸い、れいむの中身を被ったせいでちぇんが跳ねるごとに辺りにれいむの中身が飛び散っていた。それを追っていけばすぐに見つかるだろう。
森に入り、逃げたちぇんを追うと一本の枯れた木の下で先ほどのちぇんが何かをしているのが見えた。
どうやら穴を隠しているようだ?俺には理由が分からない。
とにかく、穴を隠すのに必死なちぇんは後ろに対する注意が薄かった。
俺は躊躇なく鍬をちぇんの頭に叩き込む。

「ゆぎぇ!」

ちぇんはよく分からない悲鳴を上げて潰れた。
死んだ二匹はあの世でゆっくり出来ているに違いない。
俺はそう思うことにして、先ほどちぇんが隠そうとしていた穴を掘り返した。
自分は外にいたのだから囮になろうとしていたのだろう。それほど大事なものがあるのか。
程なくして隠れていた穴が出てきた。中を覗き込む。

「ゆゆっ、おかーしゃん?」
「ゆっ、ちがうよ!だれ?」

中にはまだ小さいれいむとちぇんが茎らしきものを食べていた。
ゆっくりの出産は近くに住んでいる俺と同じようにゆっくりを育てている男から聞いたことがあった。
生まれてすぐの赤ゆっくりは自分達のなっていた茎?を食べるとか。
どうやら先ほどの二匹のうちどちらかが子供を生んだのだろう。
俺の野菜を食べていたのはしばらく動けなかったどちらかの体力を回復する為か。
俺のせいで親を失った赤ゆっくりをどうしたものかと頭を掻いた。
このまま放っておけば餓死するだろう。食べるのもいいが、恐怖を感じさせないと不味いらしい。
それだとまだ生まれて間もない赤ゆっくりは不味いだろう。
育てる・・・はすでにまりさとぱちゅりーを育てているし・・・
ここまで考えて俺はまりさとぱちゅりーに育てさせればいいことに気がついた。
こいつらを食べるなら食べるでよし、子育ての真似事をしたら本当の子供を作るときの練習になるだろう。
思わぬプレゼントを見つけた俺は喜ぶ二匹を想像しながら赤れいむたちを捕まえ始めた。



その夜、畑から戻った俺はまりさとぱちゅりーを庭に作られた巣から呼びだした。

「ゆっくりしていってね!」
「ゆっきゅりしていってね!」
「おにーさんどおしたの?」
「むきゅ、おなやみごと?」

不思議そうに頭に?マークを浮かべる二匹に俺は袋に包まれたプレゼントを渡す。

「ゆっ?なにこれ?」
「むきゅきゅ、これはふくろにつつまれてるのよ。」
「なるほど、おにーさんあけていい?」

俺は許可を出す。
まりさは勢いよく袋を破った。中からは俺の手作りのゆっくりに合わせたサイズの箒が現れた。

「ゆゆゆ!?これはまりさにぴったりなほうきなんだぜ!おにーさんありがとなんだぜ!」

まりさは飛び跳ねて喜んでいる。寝る時間を削って作った甲斐があった。
ぱちゅりーはまだ開けれていない。まりさが手伝って上げている。

「むきゅ~、まりさ、なかのものをきずつけないでね。」
「まかせるんだぜ!」
「あいたんだぜ!」
「むきゅ・・・むきゅ~~ん!これはすてきなほんだわ!」
「ほんとなんだぜ、まりさもみたいぐらいだぜ!」

ぱちゅりーは出てきた百貨辞典を大事そうに頬を摺り寄せている。
まりさもその本の良さが分かるようだ。ぱちゅりーをうらやましそうに見ている。
もしかして、まりさも本が良かったんだろうか。

「そんなことないんだぜ!おにーさんありがとなんだぜ!」
「むきゅん、おにいさんありがとうね!」

喜んでくれたみたいなので俺はおまけと言って大きい包みを二匹の前に置いた。
二匹の見守る中、包みをゆっくりと開けていく。
中には眠った赤れいむと赤ちぇんが入っていた。昼に捕まえた赤ゆっくりたちだ。
持ち帰っている間に寝てしまったので、仕方なく袋につめて持ってきたのだ。そのまま寝ていたらしい。

「ゆゆ、このこたちもゆっくり?」
「わたしたちとちがうわね・・・」

二匹は不思議そうに赤ゆっくりを見つめている。
二匹も赤ちゃんの頃にここに連れてこられて生きてきたので他のゆっくりを知らないのだ。
今だ不思議そうにする二匹に、俺はこいつらを好きにしていいよ、と言ってやった。
先ほど渡した百科事典はゆっくりのことが良く書かれているらしい。
なので、知らないゆっくりでも調べて育てることが出来るだろう。もしかしたら食べるかもしれないがそれならそれでかまわない。

「ゆゆっ、わかったよ!おにーさんありがとね!」
「むきゅきゅ、まりさ、このこたちどおするの?」
「ゆーん、あとでいっしょにかんがえるんだぜ!」
「しょうがないわね、わかったわ。」
「おにーさんきょうはまりさとってもうれしかったよ!」
「ぱちゅりーもうれしかったわ!」

二匹は俺にお礼を言って、赤ゆっくりを引っ張って帰っていった。
後は二匹が考えて決めるだろう。
どうなるか、少し期待して、俺は寝ることにした。






まりさとぱちゅりーがプレゼントをもらって暫くがたった。
ここはまりさとぱちゅりー達の巣である。

「ゆっ、ゆ~ん・・・」

巣の中で眠っていたまりさがもぞもぞと起きだした。
顔を数回ふると男にもらった桶にたまった水で顔を洗う。
目が覚めたまりさはとなりで寝ていたぱちゅりーをゆすって起こした。

「あさだぜ、おきるんだぜ!」
「むきゅ~、まりさおはよう。」
「おはようなんだぜ!」

まりさに起こされ、ぱちゅりーも桶の水で顔を洗った。
目が覚めたに引きは伸びたり縮んだりした後、頬を寄せ合い日課の挨拶をした。

「「ゆっくりしいていってね!!」」

二匹はそのまま頬を重ねてお互いの健康を調べあう。
無事に何もないことを確認すると、二匹は巣の入り口の方に進んでいった。
巣の入り口では先客が朝ごはんの用意をしていた。

「「「「おはようございます!」」」」
「おはようなんだぜ!」
「おはよう。」

ご飯の用意をしていたのは男にもらったゆっくりれいむ達。
赤ん坊だったれいむ達も、今では子ゆっくりサイズとなっていた。
食べ物は男が用意した売れない野菜や男の家で出た生ごみだ。
最初は男が用意して持ってきていたのだが、いっぱいいるので大変だからと、ぱちゅりーが今の方法を提案したのだ。
男は大丈夫と言っていたが、ぱちゅりーがもらった本に書いてあったわと言うとその提案を呑んだ。
まりさとぱちゅりーの前には売れない野菜が積まれていて、子れいむ達の前には生ごみと少量の野菜が積まれていた。

「いただきますだぜ!」
「「「「いただきます!」」」」

まりさの号令の元一緒に食べ始めるまりさ達。
まりさとぱちゅりーは美味しそうにゆっくりと野菜を食べる。
子れいむ達は口の中に押し込むように生ごみと野菜を口に入れていく。
時折、まりさとぱちゅりーは話を交わしていたが、子れいむ達はお互いに無言で黙々と口の中に押し込んでいく。
まりさたちより早く食べ終わった子れいむ達は食べかすを掃除し、まりさとぱちゅりーの寝ていた場所に向かった。
まりさとぱちゅりーは横を通り抜ける子れいむたちを無視してゆっくりと朝ごはんを食べている。
まりさとぱちゅりーが食べ終わるころ、ずりずりと巣のおくから水の入った桶を押してきた子れいむたちが現れた。
まりさとぱちゅりーは子れいむ達が運んできた桶の水で口周りを洗った。

「きれいになったんだぜ!」
「むきゅ、もういいわよ。」
「「「「わかっちゃよ!」」」」

ぱちゅりーの発言に子れいむ達は桶をずるずると巣の外に押していく、水を捨てるのだ。
子れいむ達が水を捨て終わる頃、大事そうに本を持ったぱちゅりーとまりさが現れた。
子れいむ達は慌てて横一列に並ぶ。

「それじゃ、おにーさんのをてつだってくるんだぜ。るすばんたのむんだぜ!」
「あいつらにえさをやるのもわすれずにね。」
「「「「ゆっくりがんばってね!」」」」

まりさとぱちゅりーが巣を出ると子れいむたちは分担して仕事をすることになる。
あるれいむは、ぱちゅりーのお願いで男が用意した子ゆっくりサイズの桶を背中に乗せて井戸に跳ねていく。
井戸の近くに溜められた水を小さい桶に入れ、今度は慎重に進んでいく。

「ゆっくりしていってね!」
「ゆっくりしていってね!」

背中に桶を乗せた子れいむ達はお互いに声を掛け合い水を巣の前の大きな桶に移していく。
一回の往復では到底足りず、これを何回も繰り返す。

ある子れいむ達は巣の近くに置かれた壊れた箱2つに野菜を運んでいく。
その中には子れいむ達と同じぐらいの子ちぇんが入っていた。
子ゆっくり達では重くて動かない箱の中、子ちぇんたちは思い思いにゆっくりとしていた。
そんな様子を小さな隙間から確認したれいむはまりさに教えられた場所にいき箱を叩いた。
すると少しの隙間ができ、子れいむはそこから野菜を放り込んでいく。

「「ちぇーん、ごはんだよー。」」
「にゃあああああん!」

子ちぇんたちが全部食べるのを確認した子れいむ達は、庭に咲いた花や実を集め始めた。
この花や実はれいむ達の昼ご飯となるのでれいむ達も必死に集める。
まりさとぱちゅりーは男と一緒に昼ごはんを食べるので帰ってこない。
男はれいむ達にも野菜を用意していたのだが、それはちぇん達のもので、昼ごはんは自分達で集めるようにと言われていた。

「ゆっくりがんばろうね!」
「ゆっくりがんばるよ!」

ここでもれいむ達はお互いに声を掛け合い、食べれそうなものを必死に集めていた。

あるれいむ達は巣の中の掃除をしていた。
巣は穴を掘って作ったものなので定期的に確認しないとぱちゅりーがれいむ達に言い聞かせていた。
隅々まで確認し、もし崩れそうな場所を見つければ固めていく。

「みんな!ここがくずれそうだよ!」
「ほんとだね!ゆっくりなおすよ!」
「「「ゆっくりしていってね!」」」

子れいむ達は体重を乗せて崩れそうな場所を固めていく。崩れた土は口で壁に戻していく。
昼になる頃には子れいむ達は体中に土がくっ付いていた。


何とかそれぞれ作業を終えると昼ごはんになる。
このときは朝ごはんのときのように急いで食べることもなく、自分のペースで食べることができた。
昼ごはんのあと子れいむ達は巣の前でじっと待っている。
すると、男と昼ごはんを食べたまりさとぱちゅりーが戻ってきた。

「「「「おかえりなさい!」」」」
「ごくろうなんだぜ!」
「なにももんだいなかったかしら?」

子れいむ達は何もなかったことを報告する。
まりさとぱちゅりーは用意されていた水で体の汚れた部分や帽子、箒を洗っていく。
それが終わると、その水は子れいむ達が使用できるようになる。
土がいっぱい付いたれいむ達は汚れをその水で落とし、やっとすっきりすることができた。

「きょうもちぇんをたのむんだぜ!」
「ゆっくりがんばってね。」
「「ゆっくりするよ!」」
「「ゆっくりがんばるよ!」」

水汲みれいむ達は朝のように水を汲みに行き、残りはまりさとぱちゅりーについていく。

「ゆっと。」

まりさが箒で器用に箱を持ち上げる。
その隙間から子ちぇん達が飛び出す。すぐにどこかに行こうとするちぇんたちを子れいむが必死にまとめようと動き回る。

「むきゅ、ぜんぶでたわ。」
「わかったんだぜ!」
「にゃあああああん!」
「うごかないでね!」
「まだだめだよ!」
「じゃあがんばってさんぽさせるんだぜ!」
「ゆっ、わかったよ!」

それは散歩と言うより追いかけっこだった。
子ちぇん達は庭のさまざまな場所に行こうとする。
子れいむはそれを監視し、逃げないように見張らなければならなかった。

「にゃあああああああ!」
「そっちにいっちゃだめだよ!」
「ゆっくりしすぎだよ!」

ちぇん達をまとめ、再び魔理沙たちが戻ってくる頃にはれいむ達はくたくたになっていた。

「ちゃんとぜんぶいるわね。」
「よくやったんだぜ!」

まりさのほめ言葉に付かれきった子れいむ達は反応できない。
まりさもそれを分かっているのはすぐにちぇん達を調べ始める。

「こいつとこいつがよさそうだぜ!」
「そうね。そろそろたべごろね。」

まりさは選んだちぇん以外を先ほどの箱に戻して行き、選んだちぇんをもう一つの方の箱に入れた。

「こいつらをみるとおにいさんもよろこんでくれるんだぜ!」
「むきゅ!たのしみね!」

そんなことを話しているまりさの横で、疲れたれいむ達は何とか起き上がると水を汲み終わった子れいむ達と合流する。

「ゆ~、もうちゅかれたよ・・・」
「はやくもどろうね・・・」

子れいむ達は疲れた体を押し、ずるずると巣の中に用意されたれいむ達の寝床に戻ると、そのまま眠り始める。
まだ暗くなって間もないのだが、子れいむ達の朝は早い、少しでも疲れを取ろうと、れいむ達は頬を寄せ合ってぐっすりと眠った。






俺は、昼にまりさ達と別れた後、晩御飯を食べて縁側でゆっくり酒を飲んでいた。
今日はぷれぜんとのお返しがあるらしい。
酔いが少し回り、俺はまりさとぱちゅりー達のことを考える。
俺の渡したプレゼントを二匹は大変気に入ってくれたようで、まりさは何時もぼうしの中に箒を隠し、ぱちゅりーは何時も百科事典を持っていた。
百科事典の方は見ずにぱちゅりーに渡したので、そこまで大事にするほどのものなのかと、見せてもらおうとしたことがあった。
その時、ぱちゅりーは目に涙を溜めて、今にもなきそうになったのですぐに戻したと言うことがあったのを覚えている。
それほどまでに大事にしてくれるとプレゼントして本当に良かったと思う。
プレゼントと言えば、一緒に渡した赤ゆっくりともよくやっているようだ。
昼ごろは子れいむと子ぱちゅりーが二匹で追いかけっこしているのを良く見かける。
子れいむはさらに働き者で、俺が用意した桶でみんなの為に水や野菜を運んだりもしているようだ。
きっとまりさとぱちゅりーの教育が良かったのだろう。
そんな子れいむ達のことを考えていたころ、まりさとぱちゅりーがやってきた。

「「ゆっくりしていってね!」」

まりさたちの挨拶に、俺もゆっくりしていってね、と返す。
子れいむ達はどうしたのか?と聞くと、寝てしまったらしい。まぁまだ子供だし仕方ないか。
それでプレゼントは何なのだろうと待っていると、まりさはが箱をずるずると運んできた。

「ゆっくりあけてね!」

まりさに言われた通り、ゆっくりと箱の中を見る。
中には二匹のちぇんがいた。しゃべらずに箱の中でじっとしている。
目が大きく見開かれているのが気になったが、それ以外は普通だった。
これは食べろと言うことだろうか?

「そうだよ!まりさたちがそだてたちぇんだよ!」
「おいしさはほしょうするわ。ゆっくりたべてね!」

しかし、こいつらはお前達が育てた子ちぇん達じゃないのか?
俺が聞くとまりさとぱちゅりーは問題ないと答えた。

「だいじょうぶだよ!このこたちもおにーさんにたべられるならほんもうだよ!」
「そうよ!とってもめいよなことだわ!」

俺はちぇんたちをもう一度見る。
確かに、ちぇん達は声も上げずにじっとしている。本当に覚悟しているようだ。
これは食べない方がダメだろうと言う事で、ちぇんを手に取りおもむろに齧る。
さすがに痛かったのか食べられたちぇんは白目をむいていた。
もう一匹は驚きで小刻みに震えている。
なるほど・・・・・・確かに上手い。
ちぇんは中身がしっかりと詰まっていた。どこを食べても美味しい。
もう一匹も手に取る。今度は尻尾をつかんで丸呑みした。
こっちも美味しい。まりさとぱちゅりーががんばって育ておかげだろう。

「おにーさんがよろこんでくれてよかったよ!」
「むきゅ、べんきょうしたかいがあったわ!」

美味しそうにちぇんを食べる俺を見て二匹はうれしさを表現する為に俺の周りを跳ねる。
俺は二匹をそれぞれ膝の上に乗せて、ありがとう、と頭を撫でてやった。

「ゆへへ・・・」
「むきゅ~・・・」

それから三人で暫くゆっくりした後、二匹は巣に戻っていった。
二匹を見送った俺はまたちぇんを食べたいなと思いながら寝床に向かった。





「さすがぱちゅりーなんだぜ!おにーさんよろこんでたんだぜ!」
「むきゅ・・・ほんにかかれたとおりにしただけよ。」
「それでもすごいんだぜ!」
「まりさ、ありがとね。」

二匹はぽよんぽよんと巣に跳ねていく。

「それにしてもちぇんをしゃべれなくしといてよかったんだぜ。」
「ほんとうね、しゃべれてたらおにーさんたべなかったわ。」
「ほかのちぇんもぜんぶしといたほうがいいんだぜ!」
「そうね・・・れいむたちにやらせましょう。」
「それがいいんだぜ!」

二匹は巣の入り口に着きましたが、そこを通り過ぎてちぇん達のいる小屋に向かっていく。
そして箱を覗くと、子ちぇんに囲まれて生まれて間もない赤ちぇんが見えた。

「みるんだぜ、こどもができてるんだぜ!」
「こどもでもできるってかいてたのはほんとうだったのね。」

二匹は増やす方法をこの目で見て、改めて男にもらった本のすごさを思い知りました。
今度こそ巣に入るとき、二匹はれいむ達について話します。

「ゆっくりできてないからおおきくならないはずだぜ・・・」
「こどももできたし、こっちもほんとうかしらね・・・」
「れいむたちもふやすといいんだぜ・・・」
「そうね、れいむにそだてさせればいいんだし・・・」

二匹はそういって寝床に入る。
れいむ達は寝ていて話を聞いていなかった。
二匹は本と棒を大事に横に置き寄り添って眠りはじめた。
二匹は本に書かれたことをまだまだ試したくてたまらなかった。





それから暫く、男が畑に向かっていると、男の作った桶を必死に運んでいる子れいむを見つけた。
男はあまり成長していない子れいむを不思議がり、子れいむに尋ねた。

「ゆっくりしてるか?」
「とってもゆっくりしてるよ!」

男は満足して畑に向かった。
子れいむは桶を運ぶのを再開する。
子れいむ達は今日も一日中ゆっくりとすごした。






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最終更新:2022年05月21日 23:51