※バレンタインネタ
※あとがきが愚痴






ある少女が公園で小説を読んでいると、どこからともなく野良のゆっくりれいむがやって来た。

「おねーさん、きょうはばれんたいんだよ!かわいいれいむにちょこれーとさんをちょうだいね!」
「うん。でも今年は虐・・・じゃなくて、逆チョコだよ」
「ゆぅ、ぎゃくちょこってなあに?」
「チョコレートが欲しいなら先に私にチョコレートを渡さなくちゃいけないのよ」
「ゆゆっ!ゆっくりりかいしたよ!」

そう言って、れいむはチョコレートを求めて跳ねて行った。

「ねえ、ありす!しってる!ことしはぎゃくちょこなんだよ!」
「ゆゆっ!しってるわよ!」
「ぎゃくちょこってなんなんだぜ?」
「そ、それは・・・とってもとかいはなものよ!」
「むきゅ!それじゃせつめいになってないわ!ぎゃくちょこっていうのはね・・・」

仲間から仲間へと逆チョコの噂が口づてで広がって行き・・・

「みんな!ゆっくりちょこれーとをさがすよ!」
「「「ゆっくりさがすよ!」」」「わかるよー」
「それからおねーさんたちにちょこれーとをあげるよ!」
「「「ゆっくりあげるよ!」」」「ちーんっぽ!」
「みんなでちょこれーとさんをたべていっぱ~いゆっくりしようね!」
「「「ゆっくり~!」」」「わかるよー」「ぺにすっ!」

やがて、野良ゆっくり達によるチョコレート探しが始まった。

「ちょこれーとさん、ゆっくりでてきてね!」
「まりさのちょこれーとさんのためにちょこれーとさんがゆっくりひつようなんだぜ!」
「とかいはなありすとゆっくりしましょうね、ちょこれーとさん?」
「むきゅ~・・・にんげんさん、ばれんたいんにあげるためのちょこをぱちゅりーにわけてね!」
「ち~んっぽ!」
「はやくでてきてねー、わかるよー」

けれどチョコレートは人間のお菓子。野良ゆっくりに簡単に見つけられるものではない。

「ゆぅ・・・ちょこれーとさんみつからないよ・・・」
「ぜんぜんゆっくりしてないちょこれーとさんなんだぜ!」
「ほんとうよ!いなかもののちょこれーとさんね!?」

公園に集まって作戦会議という名の愚痴り合いをしているのはれいむ、まりさ、ありす。
もっとも、彼女らは公園周辺しか捜索していないし、そもそもチョコレートには何の罪もないのだが。

「おにーさん、ぱちぇにちょこれーとをちょうだい!」
「断る」
「むぎゅ!いぢわるしないでね!ぱちぇはとってもちてきなのよ!」
「知らんがな」
「むきゅ~・・・もってかないで~!」
「何も持っていってねえよ!うぜえ、死ね!」
「むぎゅん!?」

人間さんの食べ物なら人間さんに貰おう作戦を敢行したぱちぇは潰されて死んだ。

「ち~んっぽ!」
「わからないよー」
「ぺにっす!」
「わかってねー」

健脚のみょんとちぇんはひたすら脚で稼ぐ手段に打って出るが、それでもやっぱり見つからなかった。

「ゆぅ・・・ぜんぜんみつからないよ・・・」
「これじゃぎゃくちょこのおかえしがもらえないんだぜ」
「そんなのとかいはじゃないわ・・・」
「まらぁ~・・・」
「わからないよー」

数時間後、再び公園に集合したゆっくり達の目には深い深い悲しみの色が浮かんでいる。
逆チョコをあげられないとチョコレートが食べられない・・・誰もがそう思い始めたその時、救世主が舞い降りた。

「やあ、僕は虐・・・逆チョコお兄さんだよ。よろしくね!」
「「「ゆぅ、ぎゃくちょこおにいさん?」」」
「そうだよ、君たちにとっておきのチョコレート情報を教えに来たんだ」
「「「ゆゆっ!?」」」「びっぐまらぺにす!?」「わかるよー!」
「実は・・・ちぇんとみょんの中身はチョコレートなんだ!」

そう告げると虐・・・逆チョコお兄さんは物凄い速さでどこかへ去って行った。

「ちぇ~ん・・・れいむのためにゆっくりしてね~・・・?」
「みょんもまりさとゆっくりするんだぜ~・・・」
「ありすがとかいはのてくですっきりーさせてあげるわ・・・」
「めがこわいよー、わからないよー」
「い、いちもつぅ・・・」

ちぇんとみょんは一目散に逃げ出した。

「ゆっくりおいかけるよ!」
「にがさないんだぜ!」
「にげるなんていなかものね!」
「ゆっくりできないよー!?」
「ぺにすっ!?」

必死になって公園中を駆け回るゆっくり達。
ちぇんとみょんは必死に逃げ回るが、お菓子のかかったゆっくりの体力は侮れない。
身体能力で劣るはずの3匹が1匹たりとも脱落せずに追いすがってくる。

「ゆっくりまってね!」
「まりさとゆっくりするんだぜ!」
「い、いっしょにゆっくりしてあげても・・・いいのよ?」

ゆっくりしよう。その言葉は悪魔の誘惑だ。
その罠に引っかかったら二度とゆっくり出来なくなってしまう。

「うそつきなんだねー、わかるよー」
「ちーんっぽ!?」

当然、2匹がそんな口車に乗るはずもない。
相手が喋っている間に差をつけてやろうと一生懸命に跳ねる。

「ゆうううううう!ゆっくりできないちぇんとみょんはおともだちじゃないよ!」
「ゆっくりできないゆっくりはゆっくりしね!」
「んほおおおおおおおおおお!?」

そうこうしている内に3匹のゲス因子が覚醒してしまった。
こうなってしまったゆっくりは執念深くて、手に負えない存在だ。
2匹は顔を見合わせため息をつくと追いかけてくる三匹のほうに振り向いた。

「ゆゆっ!やっとあきらめたんだね!」
「ゆっへっへ・・・」
「んほおおおおおおおおおお!」
「ゆっくりしぬのはれいむたちだよー!」
「どちょう!」

問答無用の先制攻撃。
それによってありすとれいむは弾き飛ばされ、まりさはあっという間に包囲されてしまった。

「ゆっ・・・ま、まりさはおまえたちのおともだちなんだぜ?」
「ぺにぃす?」
「かってなこといわないでねー、わからないよー」
「ご、ごのゆっぐぢごろし!?」

まりさがその罵声を吐いた瞬間、2匹は彼女に飛び掛った。

「ゆぎぃ!いだい!いだいぃぃぃい!?」
「まりさはちぇんにおんなじことしようとしたんだよー」
「びっぐまらぺにす!?」
「ゆびぃ!だれが!だれがあああ、だぢゅげでええええ!?」

必死の叫びもむなしく、ありすとれいむが体勢を立て直す頃にはまりさは餡子を漏らしすぎて死んでしまった。

「んほおおおおおおおおおおおおお!」
「れいぱーだねー、わかるよー!」
「ちんぽ!ちんぽ!」

何の策もなしに突っ込んできたありすだったが流石にれいぱーは手強かった。
圧倒的な力で問答無用に押さえつけ、体を揺すって発情させ、にんっしんさせることで衰弱させる脅威の戦法。
しかし、それはあくまで一対一、もしくはれいぱー多数だからこそ威力を発揮するものだ。

「ぢぇええええええええええん!」
「やべでねー、わがらないよー!?」
「ぺにすっ!」
「ゆぎぃ!?じゃなずるなんでいなかものね!?」

ちぇんを押さえつけたところでみょんが後ろから噛みつき、みょんが押さえつけられたらちぇんが同じことをする。
2匹は粘り強くそれを繰り返すことで、ともに3度すっきりーさせられながらもありすを打倒することに成功した。

「ゆっくりかったよー・・・」
「ちー・・・んぽ・・・」

そして、2匹は何かを成し遂げたかのような満足げな笑みを浮かべて朽ち果てた。
後には6本の茎と、18匹の赤ありすと9匹の赤ちぇんと9匹の赤みょん・・・

「ゆゆっ・・・れいむ、ひとりだけになっちゃったよ・・・」

そして、何もかも失ったれいむだけが残された。

「ゆゆっ!このあかちゃんとちょこさんをこうかんしてもらうよ!」

それでも、当初の目的を思い出すれいむ。
数分後に無事産まれた赤ゆっくり27匹を従えて少女のいた場所へ急いだ。

「おねーさん、ゆっくりしていってね!」
「「「「「「「「「ゆっきゅちちていっちぇね!」」」」」」」」」
「「「「「「「「「ゆっきゅちちていっちぇね!」」」」」」」」」
「「「「「「「「「ゆっきゅちちていっちぇねー」」」」」」」」」
「「「「「「「「「びっきゅできゃまりゃぺにしゅ!」」」」」」」」」
「・・・ゆ、ゆっくりしていってね?」

物凄い数の赤ゆっくりを従えたれいむを見て、少女は苦笑することしか出来なかった。

「おねーさん!れいむのおちびちゃんあげるからおかえしのちょこちょうだいね!」
「「「「「「「「「どうちちぇしょんなこちょいうにょー」」」」」」」」」
「「「「「「「「「ありしゅ、おきゃーしゃんとゆっくちちたいよー」」」」」」」」」
「「「「「「「「「しゅてられりゅんだにぇー、わかりゃにゃいよー」」」」」」」」」
「「「「「「「「「ちーんぴょー・・・」」」」」」」」」

意図を察して呆れる少女。
が、そんな彼女の前に突如一人の男が姿を現した。

「やあ、僕は逆チョコお兄さん!」
「は、はいぃ?」
「このゆっくり達は僕の気持ちだ!受け取ってくれ!」
「気持ち悪いのでお断りします」

手短に、かつ丁重にお断りした少女は本を閉じてどこかに去っていってしまった。
後にはれいむと27匹の赤ゆっくりと、あっさり振られて打ちひしがれる逆チョコお兄さんだけが残された。

「おにーさん!どうしてじゃまするの!?れいむおこるよ、ぷんぷんっ!」
「「「「「「「「「ぴゅんぴゅん!」」」」」」」」」
「「「「「「「「「ぴゅんぴゅん!」」」」」」」」」
「「「「「「「「「ぴゅんぴゅんだねー」」」」」」」」」
「「「「「「「「「ぺにすぺにす!」」」」」」」」」

れいむ達の言葉に反応してお兄さんは幽鬼のような表情をした顔を上げる。
そして、力強くまたある意味では力無く叫んだ。

「うわああああああああああん、我慢できねぇ!虐待だぁ!」


---あとがき---
○「今年の流行は逆チョコ」
●「ならば今年は騎上位だ」
○「それはない」
都合のいいときだけ逆にすんじゃねえええええええええええええええええええええ!!?
って思った人は少なくないはずだ・・・。

byゆっくりボールマン

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最終更新:2022年04月15日 23:40