※現代にゆっくりがいる設定です




ある夏の晴れた休日

両親から譲り受けた家は、立地が田舎な事もあり庭が広く
それが故に庭の手入れが中々面倒であった。

特に夏場など2週間も放って置くとプチジャングルの様になってしまう。
あまり見栄えの良いものでは無いので、俺は定期的に手入れをしていた。

今も朝方の涼しい時間帯を狙って庭の草むしりと簡単な剪定と掃き掃除を済ませ
池の鯉に餌を投げ込み、一息入れていたところだ。

「ふ〜・・・後は水を撒いて終了かな」

縁台に座りながら、茶を飲みつつ庭を見渡す
時刻は朝9:00を回り段々と日が照って来る時間帯だ。

(暑くなる前に、さっさと済まそう)

そう思って、縁台から腰を上げようとした時、庭先の茂みからゆっくりの一家が飛び出して来た

「ここはれいむたちのゆっくりぷれいすだよ。にんげんさんはさっさとでていってね!
「ばかなにんげんは、まりさにいたいめあわされないうちにさっさとでていくんだぜ!」
「「「「さっさとでていってね!!」」」」

成体のまりさとれいむ(両親)と子ゆっくり4匹(まりさ2、れいむ2)の一家で
親はバレーボール、子はソフトボールぐらいの大きさだろうか。
家族揃ってニヘラと笑った口に、突き出した下膨れの顎
そしてお決まりのテンプレのお家宣言をする。

「・・・・・・・クソ饅頭か」

俺の認識の中でゆっくりとは害獣だ。それ以下はあっても、それ以上は無い。
先日も野良仕事をしてる最中に、ゆっくり一家が野菜を狙って畑に入り込んで来たので
生きたまま肥溜めに家族揃って突っ込んでやった。

「くそじじいきこえないの?ここはれいむたちのゆっくりぷれいすだよ。さっさときえてね!」
「おかしをもってきたらじじいもとくべつにゆっくりさせてやってもいいんだぜ」
「ゆっくりしないでれいむたちにおかしをもってきってね!」
「くそじじい!!ゆっくりしてないでさっさとでていってね!」

ゆっくり達は、家族揃って、ポヨンポヨン跳ねながらギャースカ喚き出す。
俺はそれを黙殺して当初の予定通り、庭に水を撒くためホースを手に取った。

キュッキュッキュッ・・・ジャバジャバジャバ

蛇口を捻って、ホースの口を潰し放水に勢いを付け庭全体に水を撒く。

「ゆゆゆゆ、きゅうにあめさんがふってきたよ」
「れいむ、このままじゃゆっくりてきないからおうちにはいるんだぜ!!」
 みんなゆっくりついてきてね」
「「「「ゆっくりりかいしたよ」」」」

急に水が振ってきた事に驚き、おうち(つまり俺の家)に入ろうと縁台に向かって
ポヨンポヨン飛んでくる。・・・・許す訳無いが

「じじい!!さっさとそこをどくんだゆっべべべべっべ!!!!」

先頭を切っていた親まりさの顔面に思いっきり放水をぶつけてやると
水分を吸った地面の上を派手に転がって体中泥まみれになり、帽子も吹っ飛んだ

「ま、まりさ!!だいじょうぶぅぅぅゆぶぶぶぶぶぶっぶ!!!」

続いて親れいむも同じ目にあわせる。泥饅頭2つ目

「おかーさんんんゆぶうぶぶぶう!!」×4

子ゆっくりも同様。合計6個の泥饅頭が出来上がった。

「ばでぃさのぉぉぉばでぃさのおぼううしぃぃ
 どぼじでごんなにぎだなぐなっぢゃってるのぉぉぉぉ!!」
「おちびちゃんたち、おかーさんがきれいにしてあげるよ!!ぺーろぺーろ!!」
「「「「きたいないよぉぉぉ!!ゆっぐりでぎないぃぃぃ!!」」」」

ドロドロになりながら互いを慰めるゆっくり一家。
しかし、身を寄せ合えば寄せ合うほど泥饅頭の度合いがひどくなる。

俺は気にせず、水撒を完了すると。蛇口を締めホースを片付けた。
ゆっくり達は水に弱いと言うし、ほっとけば勝手に死ぬだろう。
縁台から家に入ろうと庭に背を向ける

「ばかなにんげんはゆっくりしね!!」

右足のふくらはぎにベチョッと泥があたる感触。
振り向くと子れいむが一匹俺の足に体当たりをかましていた。

「れいむをおこらせるとこわいんだからね!れいむたちにあやまってね!」

どうやら、この一匹は水濡れが比較的軽いようだ
ぷくーと膨れ上がって威嚇する子れいむ

「れいむがんばって!!くそじじいはさっさとしね」
「さすがまりさのこどもなんだぜ!!ばかなにんげんはさっさとこうさんするんだぜ!!」
「れいむおねーちゃんがんばって!!」

水濡れが酷く動けない家族は応援と罵詈雑言を叫びだす。
調子に乗って二度三度足に体当たりをしてくる子れいむ
さすがにちょとイラっときた。

「くそじじい!れいむのこわさがわかったら─ゆぎゅう!?」

俺は左手で子れいむを掴みあげると、右手に再びホースを持ちその先端を
子れいむの右目に強引に突っ込んだ
ムニュっとした感触があるだけで簡単に入った。

「ゆぎゃぁぁぁぁぁっぁ!!!いだいいだいだい!!!
 やべでぇやべでぇ!!!でいぶのおべべいだぐじないでぇぇぇ!!!」

子れいむは突然の激痛に、左手の中で底部をもぞもぞ動かし
大暴れしてするが人間の握力にかなうはずが無い。

俺はホースを伸ばし、子れいむを家族の前に置いてやる
暴れてホースが右目から外れると困るので底部を少しちぎっておいた

「ゆぎゅぅぅゆぎゅぅぅぅあしざんがいだいよぉぉ!!!いだいよぉぉ!!
 でいぶのおべべがぁぁぁ!!!なんにもみえないよぉぉぉぉぉ!!!
 おぎゃぁぁさぁぁぁんんだずげでぇぇぇ!!!」」
「れいむしっかりしてね!!おかーさんがペーろぺーろしてあげるからね!!」
「くそじじい!!れいむにあやまるんだぜ!!さっさとたすけるんだぜ!!」
「ばかなじじいはゆっくりしないでおねーちゃんをさっさとたすけてね!!」

また、ギャースカ騒ぎ始めるが全部無視して
俺はホースの蛇口を一気に全開近くまで開く。

「ゆぶしゅぁぁぁぁぁっっっっ!!!!!」

子れいむは爆ぜた。

右目に突っ込まれたホースから大量に水を流し込まれると
蛇のように暴れるホースに右へ左へ振り回されながら
水で薄められた体内の餡子を口と左目から噴水のように噴出し
家族に向かって撒き散らした

しばらくして蛇口を締めるとホースの先には水分でグズグズになった
ゆっくりの皮がへばり付いていた。

子れいむの餡子水を全身に受け、事態が全く理解出来ず呆然とする泥饅頭一家。
数秒後、庭に響くゆっくり達の絶叫

「ゆぎゃぁぁぁぁ!!!でいぶのおぢびじゃんがぁぁぁぁぁ!!!」
「なんでなんだぜぇぇぇえ!!ゆっくりするんだぜぇぇぇ!!!」
「おねぇぇぢゃっぁぁぁぁあんんん!!」

俺はゆっくりの死体をホースから振り飛ばした上で巻き取り
泥を拭こうと家の中に入っていった。



朝から一仕事した事もあり小腹もすいたので
畑で取れたトウモロコシを1本茹でる。

窓をきっちり閉めてクーラーを効かせた部屋から庭を見ると
さっきのゆっくり一家がまだモゾモゾとしていた。

まだ体が乾いてないのだろう、先程からさほど位置が変わっていない
必死にこちらに向かって何か叫んでるようだが
窓はキッチリ閉まってるので何も聞こえない。

「と、そろそろ茹で上がりかな」

トウモロコシをザルに上げる。
今日は特別な予定も無いので早々にこれをツマミに
冷えたビールででも一杯やるとしよう。一汗かいた事だし。

どちらかと言えば、俺はクーラーの効いた部屋で飲むより
縁台に座って夏の空気を感じながら飲むのが好きだ。

しかし、また泥饅頭に足を汚されるような事はシャクなので
しばし考える・・・・殺してしまおうか?だがそれはつまらん

閃いた!!

俺は物置に必要な道具を取りに行った。
持ってきたものは炭挟みトング。

部屋の窓を開け放ち、縁台からサンダル履きでゆっくり達に近づく

「ゆゆゆ、くそじじい!!さっさとれいむたちをたすけてね!!」
「さっさとまりさたちにおかしか、おやさいをもってくるんだぜ!!
 まりさはもうすぐうごけるんだぜ!!そしたらじじいなんていちころだぜ!!」
「「「ゆっくりしないでさっさとおかしをもってきてね!!」」」」

動けない体のクセに相変わらず喧しい。
何故、死に掛けてるのにここまで傲慢になれるのか理解に苦しむ。
理解する気も無いが。

ゆっくり達は先程被った泥水が皮膚を溶かし、
土や小枝等を巻き込んで乾き始めていた為、非常に汚い。
団子を地面に落としてしまった時のようになり始めている。
正直今すぐ潰したい。

俺はぐっと堪えて、トングで子ゆっくりの一匹(子まりさ)を掴むと
庭にある池の方に近づいた。

「ゆっ!!なにやってるだんぜ!!まりさのこどもをはなすんだぜ!!」
「おちびちゃんだいじょうぶ!?ゆっくりできないよ!!」
「ゆ〜おそらをとんでるみたいだよ〜」

何事かと叫ぶ両親と、態度一変して能天気に喜ぶ子まりさ

庭の池はそこそこ大きく、水中には中型の鯉が泳いでいた
また、中央部には小さな島があり亀が日向ぼっこをしている。
島へは俺の腕+トングの長さでギリギリ届く距離だ

「亀よ。ちょっとすまんな」

トングの端で亀をボチョンと池に落とし
そのまま掴んでいた子まりさを島に乗せる。
残った子ゆっくり2匹を同様に島に乗せる

「ゆ〜おそらを(ry」×2

島は子ゆっくりが3匹も乗るとさすがに狭くギュウギュウ詰めだった

「れいむがゆっくりできないよ、まりさゆっくりしないでむこうへいってね」
「ゆ、まりさもゆっくりできないんだぜ。れいむがむこうへいくんだぜ」
「ふたりともやめるんだぜ。これじゃゆっくりできないんだぜ」

早速姉妹同士で揉め事が始まる。予想通りだ
今度は俺から宣言してやる。

「今からそこがお前らのゆっくりぷれいすだ土饅頭」
「ゆ、ここじゃゆっくりできないんだぜ!!」
「ばかなじじいは、さっさとれいむたちをたすけてね!!」
「ゆっくりしないでさっさとたすけるんだぜ!」

「知らん」

さも、救助を当然のように口にする子ゆっくり達を無視し
俺は踵を返すと残った親ゆっくり2匹に近づき言ってやる。

「子供達今に殺し合いを始めるぞ止めなくていいのか?」

「ゆ?なにいってるの?ばかなの?しぬの?
 れいむのかわいいこどもたちがそんなことするわけないでしょ」
「まったくなんだぜ。むのうなじじいにはつきあいきれないんだぜ!!」

2匹でゲラゲラゲラと笑い始める

「ま、俺はどうでも良いんだけどね」

本当にこいつらは、頭しかない分口が良く動く。
トーキックでも口内目がけてぶち込んでやろうかと思ったが
サンダル履きでやると汚れそうだからやめた。

一方島の子供たちは予想通り徐々に険悪になり始めた

「れいむ!ゆっくりできないっていってるんだぜ!みずのなかへいくんだぜ!」
「ばかなのまりさ!!おちたられいむがゆっくりできなくなるでしょ!」
「ふたりともうるさいんだぜ!!まりさがゆっくりできないんだぜ!!
 おかーさん!!ゆっくりしていないでまりさたちをさっさとたすけてね!!」

「「なにいっでるのおぢびぢゃん!!??」

さすがに異常事態と判断した両親は
半乾きの泥饅頭ボディでズリズリと池の淵に移動し始めた。

後は縁台でビールを飲みながら観察するとしよう。
トウモロコシ片手にビールで酒盛りを始めた。

(さて、どうなるかな?)

両親は池の淵から島で居場所確保で争う子ゆっくり達に必死に叫ぶ

「おちびちゃんけんかはやめてね!!ゆっくりできなくなるよ!!!」
「まりさ!!おぼうしをおふねにしてこっちにもどってくるんだぜ!!」
「ゆっくりりかいしたんだぜ!!」

餡子脳にしては中々の提案だ
子まりさの一匹が早速自分の帽子を水に浮かべると、それに飛び乗り
池に浮いていた小枝をオール代わりに漕ぎ出す

「ゆっくりそっちにいくんだぜ!!」
「さすがまりさのこどもだぜ!!がんばるんだぜ!!」

が、忘れてはいけない。この池には鯉が居るのだ。
水中から見た鯉の目には饅頭皮の帽子が投げ込まれた餌に見え先端に噛り付いた。

「ゆ?なにかへんだよ?」

帽子に乗って数秒もしないで子まりさは異変を感じた

「ゆぅぅぅ!!!どぼじでみずさんがはいっでぎでるんだぜぇぇ!!!!
 までぃさのおぼうしさんがんばっでねぇぇ!!」

「「ゆあああぁぁぁまりさぁぁぁぁ!!??」」

泣いて喚いても、鯉が噛り付いた穴からの浸水は収まらない
帽子は既に沈み、上に乗っていた子まりさもすぐに沈没直前になった

「ゆ!!まりさ!!いまたすけるよ!!」

ここで島の子れいむが機転を利かせ
身を乗り出して沈みかけてる子まりさの髪の毛に噛み付いた

「ゆっひゅり ひっひゃるよ!!(ゆっくりひっぱるよ!!)」
「ゆぅぅっぅ!!れいむゆっくりしないでまりさをたすけるんだぜ!!
 ゆっくりさっさとひっぱりあげるんだぜ!!」

「おちびちゃん!!まりさをすぐにひっぱってあげてね!!」
「れいむがんばるんだぜ!!」

岸の親の方も気が気で無い状況で子供達を見守る。

子れいむは必死に子まりさを島に引き上げようとするが
いかんせん子供の為、落ちないように支える事はできても
引っ張りあげる力が足りない。

「ゆーしょ!!ゆーっしょ!!」

掛け声は勇ましいが、一向に子まりさは引き上げられない
そうこうしている内に、水面に浸っている子まりさの底部に鯉達が噛み付き始めた
ゆっくりは饅頭だし普段貰ってる餌より美味しく感じたのだろうか
池の鯉の殆どがピラニアのように子まりさの底部にかじりつく。

「ゆぎゃぁぁぁ!!!ばでぃさのあしが!!ばでぃさのあしさんがたべられてるんだぜ!!
でいぶのばがぁぁ!!!ゆっくりしないでさっさとひぎあげでるんだぜぇぇ!!!」
「どひょじでびょんなごどいうのぉぉぉ!!!」

子れいむは必死にやってるにも関わらず罵声を浴びせられて泣きながら叫んだ。

と、ここで岸の両親から傍観していたもう一匹の子まりさに声がかかる

「まりさもゆっくりしていないでれいむをてつだってね!!
 まりさがゆっくりできなくっちゃうよ!!」
「まりさ!!れいむにきょーりょくしておねーちゃんをたすけるんだぜ!!」

至極まっとうな意見だ。子ゆっくりでも2匹力を合わせれば引き上げる事も可能だろう。
が、もう一匹の子まりさは言い放った

「れいむをてつだうなんてごめんなんだぜ!!
 まりさがむーしゃむーしゃされてるあいだに、おぼうしにのってきしにもどるんだぜ!!」

「「「なにいっでるのぉぉぉぉ!!!????」」」

あろう事か、もう一匹の子まりさは姉妹を囮にして自分だけ岸に戻る腹づもりだ
さすがゲスまりさ。子供でも発想がゲスだ。

言うが早いか、子まりさは自分の帽子を水に浮かべると颯爽と乗り込み
手近に浮いていた小枝をオールに全速力で漕ぎ出した。

「ゆっへっへっへ、まりさだけはたすかるんだぜ!!」

「まりさなにやっでるのぉぉぉ!!れいむをてづだっであげでねぇぇ!!!」
「ざっざどじまにもどっででいぶをだずげるんだぜぇぇ!!」

両親は我が子に対して岸から怒声をあげる。
そうこうしている間に、子まりさは両親達が待つ池の淵にたどり着き大急ぎで上陸した。

「ゆふ〜、おねーちゃんまりさがおとりになってくれたおかげでたすかったんだぜ」

ゲスな台詞をはきつつ島を眺めていると、後ろから大きな2つの影が近づく

「かぞくをみすてるようなまりさは、れいむのこどもじゃないよ!!ゆっくりしね!!」
「げすはゆっくりしぬんだぜ!!」

ッドン!

ほっとしている子まりさに両親が後ろから体当たりをかました

「ゆっ!?」

ゴロゴロ・・・ボチャン

「ゆぅぶゆぶぶびゅぶぶ!!なんでなんだぜゆぶ
 おぎゃぁぁーさん!!ばでぃさはゆっぐり・・ふゅぶぶぶぶぶ」

本気で『信じられない』と言う顔つきで溺れる子まりさ。対照的に岸から冷たく見つめる両親
背後には新たな餌と認識した鯉達が近寄る

「!!ゆぅぅぅやべるぶぶんだべべべ、ばでぃざざばえざじゃなびびびびいびびび」

子まりさは驚愕の表情のまま池に沈み鯉の餌になって死んだ。


一方、島の子れいむは依然として子まりさを支えていた

「ゆーしょ!!ゆーっしょ!!
「・・・・・・・・」

今だ必死になっている子れいむは、子まりさの変化に気づいてない

「ゆ、きゅうにかるくなったよ!!これならひっぱれるよ!!」

軽くなった理由が分かる訳も無く一本釣りのように引き上げる

ベション!!

島の上に子まりさを引き上げ声をかける

「まりさ!!だいじょうぶ!!ゆっくり、ゆっくりして───ゆっゆっゆぎゃぁぁぁぁ!!??」

すぐに絶叫に変わった

引き上げられた子まりさは、目はあらぬ方向を向いており口は上あごしか残っていなかった
水面下に沈んでいた底部が完全に食い尽くされ、そこから流れ出した餡子も全て鯉の餌となり既に死んでいた。

「ばでぃさぁぁぁ!!!!でいぶのこどもがぁぁぁ!!」
「ばでぃさがゆっぐりできなくなったんだぜぇぇ!!!!」

岸の両親も絶叫を上げる
残った家族は島と岸で「ゆ〜んゆ〜ん」と泣き続けた。


一部始終を見ていた俺は、率直な感想を呟く

「・・・こんなオチか。予想通りで面白とも何とも無いな。
 しかし、一つだけ得るものがあったな」

トウモロコシを食べ終えると、縁台からサンダル履いて池に近づく。

「おい、土饅頭」
「ゆ!!くそじじいい!!れいむをこっちに−「お前ら鯉の餌な」」

親まりさの言葉を遮り、蹴っ飛ばして池に落とした。
すぐに池の鯉達が寄ってきた。ゆっくりを完全に餌だと認識したらしい。

「ゆぶぶぶぶゆべべびゅぶぶ!!」
「まりさぁぁぁ!!おぼうしをふねしにて!!!」
「おきゃーさぁぁんん!!おさかなさんがきてるよぉぉぉぉ!!」

溺れる親まりさ、絶叫する親子れいむ。
帽子を船にと言っているが、水中でそんな器用な事ができるゆっくりなどいない。

「ゆぶぶぶやべるんだぜ!!ばでぃざのからだぉだべないでぇっぇぇぇ!!」

鯉達は容赦なく親まりさの体を啄ばみはじめる。

「にんげんさん!!ばでぃさをたずげでぐだざい!!なんでもじまずから!!
 ばでぃさをだずけでぐださいぃぃぃぃ!!」

親れいむがもはやプライドもへったくれも無く
泥だらけの顔を、砂糖水の涙と涎でベチャベチャにしながら俺に懇願してきた。
      • 汚い。本当に汚い顔だ。

「断る。そしてお前も落ちろ」

ッボン。バシャン!!

「ゆびゅぶぶびゅゆぶゆびゅ!!!」
「おぎゃぁぁぁぁさささぁぁぁんん!!!
 おざがなざん!!やべでね!!でいぶのおぎゃーさんをだべるのゆっぐりやべでね!!」

この時点で、親まりさの方は完全に沈み、ものすごい勢いで鯉に食われていた。
新たな落ちてきた親れいむも追加の餌と認識し、鯉達は狙いを変えてかじりつく。

「ゆびゅびゅびゅううううやべでね、おざぁがなざんでいぶをだべるのをやべでねぇぇ!!!」
「れいむおぎゃぁぁぁぁさぁぁぁぁんんん!!!」

涙をボロボロ流して絶叫する子れいむの目の前で
両親は生きながらにして鯉の餌となり死んでいた。

「ゆひゅぅゆひゅゆゆっくりゆっくりゆっくぅぅぅりぃぃぃぃ〜〜〜〜♪」

全てを見ていた子れいむは凄惨な見世物に精神を崩壊させたらしく
ヘラヘラ笑いながら涎を垂らして島の真ん中で歌い始めた。

「おねぇぇちゃぁぁんんまりさぁあぁぁ
れいむとずぅぅぅうっとゆっぐりしましょぉぉぉぉ♪」

先程、自ら島に引っ張りあげた子まりさの死体に
身を寄せ付けるが、死体となった子まりさは水分を多く吸っていたので
子れいむが体をこする度にグズグズと崩れて行き
最終的にぺしゃんこになってしまった。

「あるぇぇえ?まりさおねーちゃぁぁんがいなくなっちゃたよぉぉぉ〜????
 ゆっくりしてないおねえちゃんなんてれいむほしくないよぉぉぉお〜♪」

怒ってるのか、笑ってるのか分からない表情
心配してるのか、不満があるのか分からない言葉で
子れいむは、子まりさの死体の上でビョンビョン跳ね続けた。

「・・・フィナーレは中々意外性があってよかったな。
 後、今後鯉の餌はゆっくりにしよう。餌代がかからなくて済む」

時間は午前10:30時過ぎ
1時間以上ゆっくりに付き合った事になるが、いい暇つぶしになった。

子れいむはこの調子ならばいずれ勝手に池に落ちて自滅するだろう。

「・・・街に出て買出しでもしてくるか」

ニヘラニヘラ笑いながら、意味不明の歌を歌い続ける子れいむを一瞥して
俺は家の中に戻っていった。


────同日 17:00

俺が街から汗だくになって帰宅した際に、ふと朝の子れいむの事を思い出し庭の池を確認する

池の島には、カピカピに乾いた泥の塊のようなものがあった
が、近づいてよく見るとそれは乾燥饅頭になった子れいむだった。

「今日は暑かったしな・・・」

泥まみれの体だったのでヒビの入った肌は土色
眼球は無く黒い眼窩が2つ。最後まで叫んでいたのか口は開いたまま乾燥していた。
てっきり落ちたと思っていたので正直意外だった。

乾燥れいむを眺めていると、島にノッタノッタと亀が這い上がってきた。
亀は、日当たりの良い場所に陣取っている子れいむ(の死体)を
どかそうと身を寄せ付ける

コロンコロン・・・・ボチャン

乾いて軽くなったのかあっさり島から転げ落ちた
そして始まる鯉達による餌の奪い合い。

亀は気持ちよさそうに日光浴を楽しんでいた。



──────あとがき─────
いつも皆様の作品を読ませていただき、「自分も」と思い書いた初SSです。
頭で考えていても文章にするというのは大変だって事が本当に良く分かりました・・

ゆっくりを夏の強烈な日差しの下に一日固定したらどうなるかな?
と考えたのが発端のはずだったんですが、何故かこんな文章に・・・

作:六人

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2022年04月16日 23:17