※お兄さんが虐待するだけ、特に目的はないです









大きいのかごを背負い、近くの森へとやってきた。
少し開けた場所に着いた。今日はこの辺で良いだろう。
少し咳払いする、今日ものどの調子は良好だ。大きく息を吸って、

「ゆっくりしていってね!!!」

獣除けになるかどうかの大きさで叫ぶ。すると

「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」

返事とともにゆっくりが出てくる。普通の野生生物だったら逃げるのが
普通だと言うのに、これでは賢いとはいえないな。
出てきたのはれいむ1、まりさ1、それとありすとまりさのペア1。
多くいたらいたで問題はないんだが若干少ないな。

「おにいさんはゆっくりできるひと?」
「ゆっくりできる人だよ。森のみんなにお菓子をあげたくてね、
 だから家族を呼んできてくれないかな?」
「ゆっくりりかいしたよ!れいむはおかあさんといもうとたちをよんでくるよ!」
「ありすとまりさはおともでちをよびにいくわ!」

そしてそれぞれどこかへ散っていった。と思ったんだがまりさが1匹だけ残っている。

「まりさはお母さんを呼びに行かなくていいのかい?」
「まりさにはかぞくがいないよ!だからあまあまちょうだいね!」

何がだからか知らないけどどうやら独り身らしい。
まりさにみんなが来たらあげるよと言ってしばらく待っていた。
だがこのまりさ、なぜかこっちばかりを見てくる。初めは荷物を隙あらば
取ろうとしているのかと思ったがどうやら俺のほうしか見てないようだ。
警戒しているのか近づくと離れていく。
自然に適応しようとしてんのかな、だが姿を見せている時点でその警戒心は無意味だ。
暇つぶしににじり寄ってみたり、体をびくっと動かしてみると
律儀にまりさをそれぞれ反応してくれる。

そんな遊びをしながら待っていると出てくること出てくること。
池にうごめく大量の鯉のように集まるではないか。
れいむは母親と2匹のれいむ(妹)たちを連れてきた、子はもうすぐ巣立ちできるだろう
親より2周りぐらい小さい。もう片方の親がいない様だがそんなことはどうでもいい。
ありすとまりさは子供はやはりいないようで友達のれいむ親子を連れてきたようで、
その親子は生まれてそんなに経っていない様に見える5匹の赤ゆっくりと親れいむの親子だ。
というかその大きさじゃまだ巣にいなきゃいけないような大きさだろ、バカれいむだな。
それと呼んできた奴らとは別の方向の茂みからぱちゅりーとまりさが出てきた。
話していないはずなのにお菓子のことは知っていた。
どうやら話を聞いていたが安全かどうかを確かめるために出てこないで様子を見ていたんだろう。
その狡賢さは称賛に値するかもしれないが、反面仲間を囮にする薄情者でもある。
そうでなきゃ自然の中で生きていけないんだろうが。

ここら辺に棲んでいるゆっくりが集めたわけだが俺はこいつらにお菓子をあげるために来たわけではない。
そろそろ始めようか。

「集まってもらって悪いんだけど、お前らにあげるお菓子はありません」

ゆっくりが騒ぎ出す、嘘吐きだとかいいからよこせとかゆーゆーとか喧しい。
さっきよりも3割増しうるさくなったかな、いやあまり変わらないな。

「お兄さんはゆっくりできない人です。だから早く逃げないとゆっくりできなくなっちゃうよ」
「うるさいよゆっくりきえてね!」
「まりさにおいしいものたべさせないといたいめみることになるんだぜ!」
「むきゅ!あのかごのなかにたべものがはいってるんだわ!」
「さすがぱちゅりーだぜ!」

聞く耳持たず、あれ?元々なかったな。警告しても逃げようとするのはいないし、
うろうろしたり、ゆーゆー泣いたり、喧嘩売ってきたりとまるで危機感知能力がないな。

「逃げるなら今のうちだぞ」
「うるさいんだぜ!まりさにひれふすがいいんだぜ!」

足にぶつかってくるが痛くない、でもうざい。

「うわーやられたー」
「ゆふん!まりさのつよさおもいしったかだぜ!」

ちょうどいい高さの枝が折れている木を発見。

「ぬわーなんてつよいんだー」
「ゆっへっへ、さっさとあまあまをよこすんだぜ!」

まりさを持ち上げ、枝に突き刺す。

「おそらをとんでるみだああぁぁぁ!!!」

枝が開いた口から出てくる、なんというか間抜けだな。
ゆっくりたちが集まっているほうに向いて、

「さあ逃げなきゃ死ぬぞ!」

今更逃げても遅いんだけどね。早速親れいむと3匹のれいむをかごに入れる。

「みんなにげてええぇぇぇぇ!!!」
「おかあさんをはなしてね!!」
「れいむおこるよ!ぷくー!」

親から先に入れていく、潰れたりしたらがっかりだからな。そして蓋をする。
くぐもって何言ってるのか聞こえないが「ゆっくりできない」だけは聞こえた。
次はれいむと赤ゆっくりたちは遠くへは逃げられないだろうから後回し。
ありすとまりさに近寄っていく。

「いなかもの!ゆっくりごろし!」

再三警告したというのにこいつは、呆れるしかない。逃がすはずもないが。

「ありすはまりさのかわりにやられてね!」
「ゆべぇっ!!」

おっと、まりさがありすをこっちに突き飛ばした。
いいねぇそのゲスっぽさはいいよ。

「まりざどうじでぇ!!!」

ありすを捕まえ、まりさを追いかける。

「まりさああぁぁありすを置いていくなんてひどい奴だなあぁ!」
「どおじでおいかげでぐるのおおぉぉぉ!!?
 ありずをづがまえだんだがらいいでじょおおぉぉ!!!」
「どおじでぞんなごどいうのおおおぉぉぉ!!!」
「そんなまりさはこうしてやる!」

ありすを両手で持って逆さにし、まりさに振り下ろす。

「「ゆぶべぇぇっ!!!」」

もちろん一回で終わらす気はない、何度も打ち付ける。

「えいやっほらよっどっこいしょーのしょ!」
「ぼおっやべっでっぐだっざいっ!!!」
「いだっいっゆっぐりっざぜっでぇっええっ!!!」

まりさの帽子はぺしゃんこに、ありすの飾りは砕けて、頭も平坦になっている。
ありすをまりさの上に乗せる、少し離れて助走をつけてジャンプする。

「トォーーーー!!」

左足を曲げ、右足を前に出しありす目掛けてキックする!
グチャッっと音がして、そこには餡子とカスタードがぶちまけられた
何かが転がっている。散らばった金の毛が気持ち悪い。
靴底についたものを地面に擦り付けながられいむと赤ゆっくりのもとに向かう。
なんと赤ゆっくりは泣いていて親れいむはおろおろしているだけじゃないか!
とりあえず親れいむによっていく。

「おにいさんはこっちにこないでね!」

いやいや、今更その反応はおかしいだろ。膨らんで威嚇しているがそんなことせずに
何かするべきだろうに。

「口の中に赤ちゃん入れたら?」
「おにいさんあたまいいね!あかちゃんはれいむのおくちにはいってね!」
「「「「「おきゃぁしゃんありがちょぉ!」」」」」

言われるまで気づかないとかどんだけバカなんだか、待っているのも面倒なんで
赤ゆっくりを口に放り込んでやる。れいむが今更逃げようとするので捕まえる。
こいつも捕獲するために懐から風呂敷を取り出す。風呂敷を広げ、
その上にれいむを置いてきつめに包み込む、これでお土産ゆっくりの完成だ!
持ち帰る分はこれでいいかと思い、帰ろうとしてあのまりさはどうしたかと
あたりを見渡すがまりさはいなかった。全部を捕まえようとしたわけじゃないから
別にいいんだけどな。
最初に串刺しにしたまりさと一緒にいたぱちゅりーがクリームを吐いて苦しみながら
どこかに這っていく、巣に戻ろうとしているのか?
なんとなく面白そうだから付いて行こう。

「む…きゅ…む…きゅ…」

おおのろいのろい、ただでさえゆっくりの進む速度は遅いというのに
這っていくものだからさらに遅い。蹴り飛ばして帰っちゃおうかな、と思っていたら
木の下の穴に着いた。さっきまでいた開けた場所からほとんど離れていなかった。
ぱちゅりーはその穴にずりずりと入っていく。

「これでにんげんはぱちゅにてをだせないわっ!」

勝ち誇ったように胸(?)を張っているが穴の中はそんなに奥行きがない。腕を全部
入れれば届くだろう、だがそれでは面白くない。
というわけでかごに括りつけてきた松明の出番だ。何故つくったか?
あると便利だからだ。

「むーきゅっきゅ!ばかなにんげんはまけをみとめなさい!」

いい感じにムカつかせてくれるなぁ、松明を入れたらどんな反応をするか楽しみだ。

「それじゃ、松明投入~」
「むぎゅっ!?あづいぃぃぃぃ!!!」

もうちょっとで届くところで寸止め、じわじわとあぶられて熱かろう。

「むぎゅうぅううぅぅぅ!!!やべでええぇぇぇぇ!!!」
「ははは、そ~れそ~れ」

横に避けようとしても俺が追いかけるから避けられない。
火にあぶられ続けて髪っぽいものが解けはじめている。

「おーい、息を吹きかければ良いんじゃないの?」
「むきゅ!?そんなこといわれなくてもわかってるわ!!!ぱちゅりーはかしこいんだから
 あたりまえでしょ!ばかなの?しぬの?」

一々挑発してきてうざいなぁ、息吹きかけたら逆効果だっつうの。

「ふーっふーっ、どうしてきえないのおおぉぉぉ!!?」
「もっと思いっきり吹きかけないとだめだよ~」
「しってるわよ!ばかなにんげんはだまってててね!!すううぅぅ…」

その時を待っていた!
大きく開かれたその口に松明を入れる。

「むぎゅぎゃぎゃびゃびゃびゃばばば!!!」

松明を引っ張り出してみると口はドロドロになっていて、皮は熱で溶けかかってるし、
目は左右別々のほうを向いている。まだ火は消えていないのだろう、時々ぼこぼこと音がする。
クリームを吐き出せないから死ねなくて、地獄を味わっていることだろう。
自分でやっといてなんだが気持ち悪いので穴に戻しておこう。

そういえば一人ぼっちのまりさはどこに行ったのかな、逃げたのなら人間の恐ろしさを
堪能してもらっただろうし、それでよしとするか。
かごも背負ったし、右手にはお土産れいむを持ったことだし帰ろう。
しばらく歩いていたら呼び止められた。

「おにいさん!みんなをかえしてね!」

大きさから見てもあのまりさだ、そいつが目の前に現れてゆっくりを返せという。
逃げたけどやっぱり戻ってきたのだろう、だが返してやる道理はない。

「嫌だと言ったらどうするんだい?」
「おにいさんをゆっくりできなくするよ!」

さっきのまりさがどうなったかもう忘れたのか?それほどまでに餡子脳なのか?
そう思ったが違う、よくみれば今にも泣き出しそうな顔をして震えているじゃないか。
でも愚かだな、そんな無理してなんになる。

「わかった、今放してやるよ」
「ゆっ!?おにいさんほんとっ!!」

まりさは安堵の表情を浮かべている。俺は近くまで寄っていく。安心して緊張が解けたんだろう
さっきまでのように逃げようとはしない。傍によって屈みこんだ。

「はやくみんなをはなしてね!」

まりさを両手で掴み、顔の近くまで持ち上げる。

「嘘だよバカ。どうして俺がそんなことするって信用できるんだ?どうして嘘だと考えないの?」
「だましたの!?」
「騙したのじゃねえよ、ゆっくりできなくするって何?俺は別にゆっくりできなくて構わないんだけど?」
「ゆううぅぅぅぅ」
「だからゆーじゃなくて質問に答えろよ、お前言葉も分からないほどバカなの?」
「まりさばかじゃ…」
「はいはいうっせえうっせえ、てかお前何今頃着てるわけ?遅すぎるにも程があるだろ、あれか?
 お得意のゆっくりしていたってか?ゆっくりし過ぎでみんなゆっくりできなくなってるけど?
 はい無駄な努力お疲れでーす」
「ゆっくりできないじじいはしんでね!!」
「死んでねとかそういう問題じゃねーだろ、お前これから永遠にゆっくりすることに
 なるかもしれないって考えなれないの?死ぬの?」
「おうぢがえるううぅぅぅ!!!」
「何?仲間見捨てて自分だけ逃げるってか、ひどい奴だねぇ無事に帰れるとか思っちゃってんの?」
「おねがいじまずぅぅぅぅもうかえらぜでぐだざいぃぃぃぃ」
「最初から出てこなければ何もなく帰れたのにねぇ、妙な正義感なんか出すからこうなんだよ。
 お前らは怯えて逃げてれば良いんだよ、わかったか?」
「わがりばじだぁぁぁゆるじでぐだざいぃぃぃ」
「分かったようだな、なら生かして帰してやる。だが帽子はだめだ」

帽子をとり、まりさだけ地面に落とす。

「まりざのぼうじ!まりざのぼうじがえじでっ!!」
「駄目だね、罰として帽子は永遠にお別れだ」

帽子を細かく引き裂き、そこらにばら撒く。なんとも風情がないことだ。

「ばりざどっ!ばりざどぼうじぎゃああぁぁぁぁぁ!!!」
「それじゃ、ゆっくりしていってね!!!」

笑いながら今度こそ家に帰ろう、まりさが必死こいて帽子の破片かき集めているのが笑える。


帰宅してお土産れいむはとりあえず置いといて、かごの中のれいむ親子で遊ぼうか。
蓋を外してひっくり返す。親もそうだが子も成体一歩手前な大きさだから重かった。
さすがに多すぎたか?

「ゆっ!」
「ゆぐっ!」「ゆべっ!」
「ゆぅ!」「ゆがっ!」「ゆばぁ!」
「ゆふっ!」「ゆぎっ!」「ゆぶぅっ!」「………!!」

上から小さい順に入れたから後から降ってくる家族に潰されてひどいことになってるな、
頭頂部から落下したから逃げることはできないし、最初に落ちてきた奴は痙攣してるし、
その次の奴も餡子を吐き出している。このままだと死ぬね、間違いなく。

「ゆううぅぅ!?どうしてえぇぇぇ!!?」
「れいむのいもうとがああぁぁぁ!!」

親と姉(最初に会った奴)が気づいて喚いている、何もできないだろうけど。

「おにいさんみてないでたすけてね!!」
「これじゃゆっくりできないよ!!」

やっぱりこっちに振るんですね。

「たすけてっていってるんだよ?きこえないの?ばかなの?しぬの?」
「はいはい」

誰が助けてなどやるものか、調理場へ包丁とフォークを取りに行く。
戻ってくるとまだ親れいむがほえていた。

「なにやってんの!?れいむたちがゆっくりできてないのにゆっくりしてるなんてばかなの!?」

うるさいなぁ、ならさっさと楽にしてやろう。
痙攣してるれいむに包丁を振り下ろす。

「でやぁぁぁぁ!一刀両断!!」

包丁はやわらかいゆっくりに深く切り込み………そして止まった。
やっぱり包丁は引きながら切らなきゃだめだよな、なんか目と目の間らへんで止まってるし。
包丁から手を離すと刺さったままで固定されているじゃないか。

「ゆがあああぁぁあぁ!れいぶうううぅぅぅ!!!」
「まっててね!ぬいてあげるからね!」

それ抜いたらまずいんだけどなぁ、あ~あ抜いちゃったよ。切ったとこから餡子が漏れ出してるじゃん、
これじゃあもう助からねえよ。

「ゆがああぁあぁぁぁあんこさんがとまらないよおおぉぉぉ!!!」
「ゆっくりできなくなっちゃうでしょおおぉぉぉぉ!?」

これも自業自得っていうのかね、とりあえず弱ってるれいむを手にとってフォークを突き刺す。

「ゆぎいいいぃぃぃぃ!!」
「ゆうぅぅうぅぅ!?なにやっでるのおおぉぉぉぉ!!」
「何ってこいつを楽にしてやってるんだよ、お前らみたいに言えばゆっくりさせてやっているっていうのかな、
 永遠にゆっくりしていってね!ってか!はっはっはっは」
「わらうなああぁぁざっざとがえぜええぇぇぇ」
「まあ待ちなって、これで仕上げだからよっと!ぐ~るぐ~る、ぐ~りぐ~りってな!」

突き刺さったフォークでかき回す、これは少し楽しいかもしれない。

「つぐればがぎらばばでぎぜうぎぇらべぶらば」
「ぼうやべでえぇぇぇ!じんじゃうよおおおぉぉぉ!!!」
「やべであげでねっ!いだがっでるよっ!!!」

これなかなか体力を使うな、もういいや降ろそう。

「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛」
「ゆっぐりじでいっでね!!ゆっぐりじでいっでね!!ゆがあああああ!!!」
「どおじでぎょんなごどじゅるのおおぉぉぉぉぉ!!!」
「さあ次はどっちからゆっくりさせてやろうかぁ」
「……れいぶをざぎにじでね」
「おがあざんなにいっでるの!?」
「れいぶはずごじでもゆっぐりじでね!」
「おがあざんといっじょにゆっぐりじだいよおお!!」

おお、親子愛親子愛。何でこんな状況でゆっくりしようとするのかねぇ、
ここは命乞いするような場面でしょ、ゆっくりの思考は分からんわ。

「じゃあどっちかだけ助けてやろうか」
「ゆゆっ!それほんとっ!?」

おいさっきまでのは泣きまねか?顔芸か?まったく不思議物体め、
もう泣き止んでやがる。

「ただし、助かりたかったら相手を食い殺せ」
「「ゆ?」」
「わかってねえようだな、目の前のお母さんを、娘を食い殺したら助けてやるって言ってるんだよ」
「ぞんなごどでぎるわげないでしょおおぉぉぉ!!!」
「何言ってんだ、お前らには『さあおたべなさい!』があるだろ」
「ゆっ!」

まあ普通は躊躇うよな、人間で言えば相手を助けたかったら舌を噛みきれと言っているようなものだ。

「早くしないと俺は両方ともやっちまうぞ?」

決心がついたのかれいむは相手に向かって微笑んだ後、「さあおたべなさい!」と言った。

2匹同時に

相手が言ったことに驚き絶望した顔のまま2匹は真っ二つになった。


はっ腹が捩れる!苦しい!笑死にする!
まさか同時に言うとは思わなかった!ゆっくりはこれだから面白い!
生まれながらにしてエンターテイナーだ!

腹筋が攣りそうになるまで笑って落ち着いた俺は饅頭になったゆっくりを我が家で一番でかい鍋に入れて
お土産れいむの包みを開けた。
寝ている…普通に寝てやがるぞ。ゆぅゆぅとかむかつく寝息たてながら寝てやがる。
まずは中の赤ゆっくりたちを取り出そう、寝ているれいむの口を無理やり開けて中をのぞく。
おかしいな、赤ゆっくりが1匹も見当たらないぞ?
れいむを口が下になるようにして持ち上げる、れいむが何か訴えているが無視。
振ってみたけど1匹も出てこないな?どこいったんだろう、風呂敷も広げてみても何も見当たらなかった。
そもそもれいむの口は開かなかったはずだから口の中にいなきゃおかしいんだが。
れいむ自身に聞いてみようか。

「れいむおはよう」
「れいむはゆっくりできなかったよ!あやまってね!あやまったらあまあまもってきてね!」

うぜぇすこぶるうぜぇ。でも聞くのが優先。

「そんなことより赤ちゃんどこ行った?」
「あかちゃん?………ゆゆっ!あかちゃんどうしていないの!?」

おいおい、母親は赤ちゃんを第一に考えるもんだろ、赤ゆっくりも哀れだ。

「本当に知らないのか?」
「ゆゆゆゆゆ、ゆゆっ!きっとおにいさんがかくしたんだね!あかちゃんをかえしてね!」

なんでそうなるの、こいつも嘘をついているようには見えないし、あれかな?

「れいむ、口の中甘くないかい?」
「あまあま~しあわせ~」
「じゃあ俺から逃げるときに赤ちゃんをどこに入れた?」
「おくちのなかにいれたよ!」
「ならなんで起きたら赤ちゃんはいなくて口の中が甘いの?」
「おにいさんがかくしたからっていってるでしょ!ばかなの?しぬの?」
「分からないなら教えてやる、お前が赤ちゃんたちを食べちゃったからだよ」

れいむが一生懸命考えようとしているのが分かる。

「ゆぐゆがああぁぁぁ!ぞんなわげないでしょおおおぉぉぉ!!」

やっぱりれいむの餡子脳は答えを拒否したか。

「赤ちゃん食っちゃうなんてお前は最低な親だな」

聞き取れない言語を話しているれいむを鍋にぶち込んで水と一緒に煮込んでやろう。

「この中で存分にゆっくりしていけ!」

水は全てれいむの口に入るようにして入れたから満足にしゃべることもできまい。
さて、煮込んでいる間に床をきれいにしておこう。


20分ほど煮込んだ鍋のふたを取ると、むせ返るほどの甘い臭いが広がってきた。
中には解けきらなかったリボンと髪が混ざってすごくグロい。
まあ俺が食うわけじゃないからいいんだけどね。
この見るに耐えないお汁粉モドキを犬の餌皿に入れる。
そして庭にある大型犬用の犬小屋の前に立つ。

「おい、飯だぞ、出てこい」

すると出てきたのは、ぶよぶよとした手足、蒼い毛が乗ったぼてっとした顔、
桃色のよく分からない服、そうれみりゃだ。

元々ここには俺が飼っていたシェパードが住んでいた。
そいつが亡くなってしまって一ヶ月ほどが経った時に現れたのがれみりゃだ。
俺がいくら蹴っ飛ばして追い出してもこいつは次の日にはケロッとしてまたいるのだ。
それに「ここはれみりゃのこうまかんなんだどぉ~」とか
「れみりゃにきやすくさわるんじゃないどぉ~」などとぬかしやがる。
それなら気の済むまでここに住めよとばかりに首に縄をくれてやった。
そうしてこいつは犬小屋の周りしか移動できなくなったというわけだ。

でもって今日は気まぐれに3日ぶりの飯を持ってきてやったというわけだ。
餌皿を地面に置いて聞く。

「これ食べたいか?」
「う~さっさとよこすんだどぉ~」

餌皿はれみりゃの手が届かないところに置いてある。
その餌皿をれみりゃがいる方とは別の方向に蹴り飛ばす。

「れみりゃのあまあまが~!」

目に涙を浮かべ、首に縄が食い込むのも忘れて必死に手を伸ばしている。
かわいい奴だよお前は。なんというか虐めたくなってしまう。
皿を拾ってまた餡子を入れて戻ってくる。

「ほら今度はちゃんとあげるからありがたく食えよ」
「う~♪ぐずはきらいなんだどぉ~」

泣き止んで今度は届く範囲にあるさらに手を伸ばす。が、

「あづいっ!!あづいどぉぉぉぉぉぉ!!!」

当たり前だ、さっきまで魔女の鍋よろしくぐつぐつと煮立っていたんだから。
手を思いっきり振っているが、餡子がうまくとれず足掻いている。

「出されたものはちゃんと食べなきゃ駄目じゃないか」

皿を手に取り、

「そぉい!」

頭にぶっ掛けてやる。

「あづいどぉぉぉぉぉいだいどぉぉぉぉぉぉざぐやあああざぐやあああぁぁぁぁ!!!」

あまりの熱さにそこら中を転げまわり苦しんでいる。
その滑稽な姿を見ながら俺は考えた。

どうしてこんなことしているのだろうか
ゆっくりが嫌いだから?
違う、ゆっくりなんてどうでもいいと思っている。
害獣だから?
それも違う、ここらに畑はないし家に進入しようとするのもいない。
だったらなんで?
それはきっと『楽しい』からだ。
あいつらがバカな行動、身の程知らずな振る舞い、野生生物とは思えない習性、
苦しむ姿、絶望へと突き落とされた表情、どれもが好きなんだ。
だから俺は見返りなどない苦労をしてあいつらを虐めたりしているんだろう。
それには目的なんてない、手段など何だっていい。
今を楽しめればそれでいいんだ。
そんなことを思いながら俺はまたゆっくりを虐め続けるんだろう。











あとがき?


ゆっくりを虐待するのに理由が必要か?と思い書いてみました。

そしたらこんなになりました。

俺は何がしたかったんだろう。よくわからん


今まであげたもの

  • バカは死んでも
  • ゆっくりを排除せよ

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2022年04月16日 23:33