注意書き
  • 現代物です。
  • ゆっくりでは、れいむ、まりさ、ありすのが登場します。
  • 多少の愛で要素を含んでいます。
  • ゆっくりが死んでしまうような虐待はしてません。
  • 落ちなしと感じる可能性が高いと思います。





家には3匹のゆっくりがいる。
おちゃめで天然なゆっくり霊夢。
やんちゃで落ち着きのないゆっくり魔理沙。
都会派でおしゃべりなゆっくりアリスだ。

去年の年の瀬にスーパーで年越し用の食料を買い込んでいる時に、
たまたま目に留まったゆっくりの叩き売りに惹かれ一つだけ買ってみたのだが、
なぜかおまけでもう2匹つけてくれることになった。
その時は少し得をしたかと思ったが、今にして思えば体の良い在庫処分だったようだ。


普段この3匹が何をしているかと言うと、
部屋で思い思いにゆっくりしているのだが、
テレビの周りに集まっているのを良く見かける。
家のテレビは床に直接置いてあり、ゆっくりでも普通に見る事が出来る高さにある。
15インチのブラウン管というもうすぐ幻想入りしてしまいそうな代物だ。
テレビ破壊するような事はしないが、リモコンを舌で操作するので触るとすこしベトベトする。

まりさは子供向けのアニメにハマッている。
テレビに悪役が映ると、画面に向かって一生懸命に体当たりをしている。
この前は「まりさがたたかわないとひーろーがまけちゃうんだぜ!」と言っていた。

ありすはドラマを良く見ている。
朝ドラ、昼ドラ、夜ドラ、ドラマなら何でも見ているそうだが、
最近は韓流ドラマに嵌っているらしい。

れいむはいつもテレビの上でゆっくりしている。
なんでもゆっくりできるオーラが出ているそうだ。電磁波かなにかだろうか?
テレビ自体はあまり見ないれいむだが笑点だけは欠かさず見ている。


ある日の休日

そろそろ夕方だ。もうじきまりさが毎週見ているアニメが始まる。
少し遅いが、アニメが始まる前におやつとしてキットカットを与えておく。

「れいむ、まりさ、ありす、これ食べていいぞ」

俺が声を掛けると、いち早く反応したまりさがすごい速さでこちらに駆け寄ってくる。
余りの速さに思わず驚いてしまった。
駆け寄ってきたまりさを見ると、鼻息があらくいつにも増して落ち着きがない。
大好きなアニメがもうすぐ始まるとあってテンションがあがっている様だ。

袋から取り出したキットカットを差し出すと、奪い取るように口で咥えとり、
遅れてやってきたれいむとアリスの方に振り返る。

「仲良く分けるんだぞ」

一様言ってみたが、聞いている様子は無いがしばらく見守ってみることにする。

ポキッといういい音がした。
まりさとれいむで咥えて二つに割ったようだ。
よかった。ちゃんと聞いてたようだ。

「む~しゃ♪む~しゃ♪しあわせ~♪」
「うっめ!このちょこむっちゃうっめ!まりさよりうまいんだぜ!!」

よろこびの声を上げるれいむとまりさの横でありすは一人あっけにとられていた。

「あ゛り゛す゛の゛ふ゛ん゛は゛~!!」

驚きの声を上げるがれいむとまりさはキットカットを夢中で味わっている。

ここで、幸せそうに口を動かしているれいむとまりさに拳骨を浴びせる。
拳骨が突き刺さった所が大きく凹むが、拳骨を離すと直ぐに元に戻ってしまった。
至福の時を邪魔されたれいむとまりさは目を細め少し不機嫌そう顔をしてこちらを向いた。
なんでありすにチョコを分けなかったのか聞いてみた。

「ゆっ!ごめんねありす!このちょこふたりぶんだったよ!!」
「ありすのぶんはなかったんだぜ!むっちゃうまかったんだぜ!!」

れいむとまりさの言葉にありすは笑顔で返した。

「ふん!とかいはのありすはおやつなんていなかもののたべものはいらないのよ!!
 おにいさん!!ゆっくりしてないでこうちゃをいれてちょうだい!!」

その言葉を聞くとれいむとまりさは再びテレビの方へと向かっていった。
俺に紅茶を要求した後のありすの後頭部はすこし小さかった。


まあ、ゆっくりが仲良く分け合うなんて出来るわけないので、
もう一つキットカットを取り出しありすに差し出す。
しかし、意地を張っているのか食べようとしない。
俺は胡坐をかいて座りありすを抱えて、両手で口を無理やり開きキットカットを押し込む。
そのまま無理やり口動かしキットカットを食べさせた。
何回か噛んだ所でありすは頬を赤くしてとろ~んとした目をしている。
キットカットの味に酔いしれているのだろう。

コッソリやったつもりだったが、れいむとまりさがこちらの様子に気づいたようだ。

「ゆっ!ありすだけずるいよ!!れいむもおかわりをようきゅうするよ!!」
「まりさもだぜ!ようきゅうにおうじないとまりさがどうなってもしらないんだぜ!!」

身勝手な要求をするれいむとまりさには少しお仕置きが必要だ。
どうやってお仕置きしようか考えていると、まりさがありすの元に跳ねていった。
そして、ありすの唇を突然奪っい、口の中に舌までいれた。まだ中に残っているのを舐めとっているようだ。
ありすも、モゴモゴと抵抗しようとしているがまりさを振りほどけずにいる。

「やめろ!ありすが嫌がっ……………てはいないようだな」

ありすも満更ではない様だが、とりあえずまりさを引き剥がし帽子を取る。
そして頭からそっと床に下ろしてやる。
丸いからだが重力に従って歪み、重心の安定しているお椀形に変形する。

しばらくして、状況が飲み込めてきたまりさが起き上がろうとして体を大きく動かし始めた。
普段のように飛び跳ねる時の動きで丸い体の底部を動かすが、虚しく空を蹴るのみで起き上がれない。
続いてれいむも、同じようにひっくり返してまりさの隣に置くた。

「うごけないよ!おにいさん!!まりさをゆっくりたすけてね!!」

まりさが媚びる様な声で助けを求めてきた。

「あたまがおもいよ!ゆかさんはゆっくりしないではやくどいてね!」

れいむは自分が引っくり返っていることがわかっていない様だ。



テレッテッテー♪テレビの方からなにかの歌が聞こえてくる。
どうやらまりさが楽しみにしていたアニメが始まったようだ。

「だぜぜ!!みえないんだぜ!!」

まりさが向いている方向はテレビがある方向とは反対で、まりさはテレビの画面を見ることができない。

「だぜー!!ありえないんだぜ!みたいんだぜー!!」

まりさは泣き叫びながら懇願するが聞く耳しか持たない。
その様子を見ていたありすが一緒になって助けを求めてきた。

「おにいさんおねがい!まりさにてれびをみせてあげて!!」
「あ…ありす……」
「じゃあ、代わりにありすをひっくり返すけどいい?」
「それはいや!!」
「あ゛り゛す゛う゛う゛う゛!!」

ありすは、まりさにごめんねと軽くウィンクすると少し離れた場所でゆっくりしだした。

まりさが涙で顔をべしょべしょにしている横で、れいむは幸せそうに寝息を立てていた。


まりさのかわいい泣き顔を眺めていると、いつの間にかアニメは終わりエンディングの曲が聞こえてきた。

「ゆ~♪ゆゆ~♪ゆ~ゆゆゆゆ~♪……」

それにあわせてまりさが歌いだす。
何度も見ているうちに完璧に歌を覚えてしまったようだ。
すこし暗い感じの歌なのだが、まりさの歌声にはそれが良く表現されている。



晩御飯を食べ終わったところでれいむとまりさを元に戻してやる。
お仕置きから開放され笑みを浮かべるまりさとは対照的に、れいむは今度はお尻が重いと文句を垂れていた。

すこし食休みしたところで、3匹を連れてDVDのレンタル屋に行くことにする。
近所にあるので歩きで十分だ。何度か行ったことがあるので3匹は俺の前をピョンピョンと跳ねていく。
レンタル屋の中に入ると3匹はそれぞれ自分が見たいDVDを探しに別々の方向に進んでいった。

特にお目当ての物がない俺は適当に新作の棚を見ながら時間を潰してから3匹を探した。

まりさは予想通りアニメコーナーにいた。ただ様子がすこしおかしいく、棚を見上げて涙をポロポロと流している。
見るとまりさが見上げている棚にあるアニメがシリーズ全巻貸し出し中になっている。

「あー、残念だったね。また今度にしてそろそろ帰るぞ」

しかし、まりさは答えずにじっと棚を見ていた。

「……そのうちかえってくるんだぜ!!まりさはそれをまつんだぜ!!」

そういってまりさはその場を動こうとはしなかった。
仕方ないのでこめかみ辺りの三つ編み部分を掴み拾い上げ、そのまま持って帰ることにした。

次はありすを探しにいく、おそらくはドラマコーナーにいるだろう。
しかしその予測ははずれ、ドラマコーナーにありすはいなかった。

どこにいるのかと探していると先にれいむの姿を発見した。
店内で放送されているテレビを見ながら、なにやら奇妙な格好をしている。
テレビに映っているのはヨガのエクササイズだった。
他にもエクササイズに関するDVDが紹介されているようだ。
よっぽど気に入ったのかこちらに気づかずに体を動かし続けている。

面白そうなので適当に1本借りてみることにした。

こちらに気づかないれいむも、もみ上げ掴んで持ち帰る事にした。

ようやくありすの姿を発見した。店の置くの18禁コーナーにいた。
っという事は無くドラマコーナーに戻っていた。入れ違いになってしまったのだろう。

受付でれいむとまりさを持ったままエクササイズ物とドラマを1本ずつ借りた。
受付のお姉さんにれいむとまりさがが「ゆっくりしていってね」と声を掛けると、お姉さんは鼻で笑って返事を返した。
それがよっぽど気に入らなかったのか帰り道はずっと「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」と暴言を吐いていた。


家に帰ると、早速ドラマを見る事になった。
ドラマのあらすじは資産家の霊子が売れないミュージシャンである真理男に一目ぼれをするところから始まり、
二人が恋に落ちかけたところに、田舎から真理男の幼馴染である有子が押しかけてきて奇妙な三角関係を繰り広げるというものだ。

このドラマはれいむとまりさもお気に入りのようで、たまに3匹で主人公格の3人を演じてドラマの名場面を再現する寸劇を演じている。
ドラマの方は、回を重ねるごとに3人の関係は悪化していき、遂に今回は修羅場を繰り広げる回である。

霊子と有子の激しい口論がつづき、取っ組み合いが始まったところで真理男が止めに入る。
結局、どちらと付き合うか真理男が決めることになるというありがちな展開だが、真理男が選んだのは霊子だった。
逆上した有子は懐からバールの様なものを取り出し、霊子に襲い掛かり、遂には殴り殺してしまった。

ドラマを見終わったところでれいむ達3匹はなにやら話し合っているが、
ここで空気を読まずに早速ドラマの名場面再現をお願いした。
小道具としてもちろんバールの様なものを渡しておく。

れいむとありすが口論を繰り広げ、いよいよお待ちかねの場面を迎える。
ここで突然まりさがアドリブをかまし、れいむではなくありすを選んだ。
それに驚いたれいむとありすはそこで演技が止まってしまう。
そしてアドリブをかましたまりさに対してれいむとありすは非難の言葉を浴びせ始めた。
そこからお互いの演技へのダメだしへ発展し、3匹揃っての取っ組み合いになった。


そんな3匹はほって置いてエクササイズのDVDを再生する。

エクササイズが始まり、インストラクターのガチムチな黒人の声が聞こえたところで
3匹は取っ組み合いをやめ、テレビの前へと近寄ってきた。

そしてれいむから、インストラクターに合わせて体を動かしていく。
それにあわせてまりさとありすも、れいむと同じように動きだした。

しばらくその様子を楽しく見ていたが、次第に動きのワンパターンさと
一定のテンポを刻むエクササイズの音楽で眠くなってしまった。


ああ、ねむい…きょうはこのまま寝てしまおう。それほど寒くないし大丈夫だろう…。




翌朝

「ワンモアセッ!」

昨日聞いた黒人の声で目を覚ます。
DVDが繰り返し再生になっていたのかエクササイズのDVDが再生されていた。

テレビの前ではれいむが踊り続けている。
隣にはまりさとありすが餡子を吐いて倒れている。
俺はれいむに朝の挨拶をした。

「おはよう、れいむ。今日も元気そうだな」

「お…おにいさっ…このてれび……おわらないよ!!」

「……ああ、終わらないね」

「と゛う゛し゛て゛お゛わ゛ら゛な゛い゛の゛ー!!」

見るとやっぱり繰り返し再生になっていた。
ということは昨日からずっとこうして踊り続けているのだろうか。
よっぽどこのDVDが気に入ったんだな。
まりさとありすも餡子を吐くほど喜んでたみたいだし。

こうして今日も爽やかな一日が始まった。

「ワンモアセッ!」






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最終更新:2022年04月17日 01:03