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第6回トーナメント エキシビションマッチ 第4試合
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aioricharabattle
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第6回トーナメント エキシビションマッチ 第4試合
《落宮スズキ VS玉藻》
エキシビションマッチももう4戦目となり、そろそろ終わりを迎えようとしていた。
落宮スズキは震える足でリングに立つ。ぼさぼさの髪と怯えた瞳は、まるで嵐に追われる小動物のよう。
だが、彼の臆病な心には幸運の女神が寄り添い、落とし穴とブラックホールでどんな危機もすり抜ける。
「う、うわっ…怖いよ! でも、逃げて勝つ…! 絶対、生き残るんだ!」
対するは快楽殺人鬼の少女、玉藻。
今回は月代黒華としてリングに立つ彼女は、二振りの刀を静かに構えている。
禍津日刀と神討之剣を手に、過去の猛者の技を宿す彼女は、戦闘の極みを体現する剣鬼だ。
「どれだけ逃げても私の剣は逃がさないよ。」
二人の視線が交錯し、リングが凍りつく。観衆の息遣いが止まり、ゴングの音が戦いの火蓋を切る。
「試合開始ッッ!」
「ひぃぃぃ!!」
試合開始の合図と同時にスズキが悲鳴を上げ、リングの端へ逃げ出す。もはやこの姿も彼の十八番と言ったところだ。
そして、それと同時に危機を察知した彼の心が震え、リングに無数の落とし穴が自動生成される。
ズポッ!ズポッ!
次々と現れる穴は空間を歪め、脱出不可能な奈落を形成していく。
「ふふっ、面白そうだね。」
対する玉藻は落とし穴も気にせず二刀流の構えで突進していく。
彼女の持つ禍津日刀が光り、スズキの肩を狙う。この刀は相手を絶対に傷つけるという攻撃的な神聖を宿しており、いかなる耐性を無視して斬り裂くことが可能だ。
だが、スズキの身体が幸運なことにずれて奇跡的に刃を回避する。彼の背後に立つ幸運の女神が彼を守っているのだ。
「…避けた!? 面白い!」
玉藻は続けて神討之剣を振り、圧倒的な切れ味でリングを切り裂く。
その一閃は彼の幸運によって直撃こそはしないものの、剣は空間すら粉砕し、スズキをさらに追い詰める。
「怖いよぉぉ!!こんなの当たったら死んじゃうよぉぉ!!」
スズキは転がるように逃げ、落とし穴をさらに生成していく。
そしてついには玉藻の足元に穴が開き、彼女を奈落へ引きずる。
ゴゴッ!
剣鬼の足元が落とし穴に取られ、思わず体勢を崩してしまう。
……しかし、その顔には諦めではなく歓喜の笑みが浮かんでいた。
「ふふっ、穴? それだけじゃ私は止まらないよ!」
そういうと、玉藻はストックしていた飛行魔法を発動。彼女の身体がふわりと浮かび上がり、すんでのところで落とし穴を回避する。
「今度はこっちの番だよ!」
彼女は禍津日刀からまたまたストックしていた炎魔法を放ち、スズキを焼き尽くそうとする。
炎がリングを覆い、観衆がその猛威に息を呑む。
炎がリングを覆い、観衆がその猛威に息を呑む。
ゴオッ!
「うわああ! 熱い! 死ぬ!」
なすすべもなく炎に飲み込まれてしまうスズキ。ただの人間並みの耐久力しかない彼ではこの炎を耐え切るのは不可能に近く、このままでは死を待つのみかに思われた。
……だが、その瞬間!スズキの危機感が極限に達し、リングに巨大なブラックホール(BH)が誕生する。
ズウウッ!
黒い渦が炎を吸い込み、玉藻の放った魔法の炎さえも吸い込んで無力化してしまう
「…何!? 私の技を!?」
玉藻はなんだか嫌な予感を感じ取り、どうにかするべく神討之剣でBHを斬る。
ズバッ!
剣の切れ味が空間を裂き、BHを一時的に破壊することに成功した。
だが、BHは自らの引力によって斬られた自身の姿さえも強引に引き戻しており、その吸引力が復活するのも時間の問題であると考えられる。
「なら、今のうちに!」
彼女はスズキに迫り、禍津日刀で彼の腕を狙う。
しかし、やはり幸運はスズキの味方をするようで、リングの床が勝手に崩れ、玉藻の刃が空を切る。
刃がスズキの顔面スレスレの部分を通り抜け、彼の頭には走馬灯が流れ始めている。
刃がスズキの顔面スレスレの部分を通り抜け、彼の頭には走馬灯が流れ始めている。
(怖い怖い怖い! でも、逃げればいつか勝てる…! あぁ神様!そこにいるなら助けて!)
そんなことを考えながらもスズキは逃げながら落とし穴を連発していく。
「もうその手は喰わないよ!」
玉藻の戦闘センスが直観的に最善手を予測し、即座にストックした雷魔法を放って逃げ場のないようにリング全体を雷撃で埋め尽くす。
バリバリッ!
雷がスズキを追うが、彼の身体がまたも理不尽にずれて回避。次々と襲い掛かる雷たちもスズキを前にしては逸れていくばかりで、不思議なほどに当たらない。観衆もその不条理な生存力に驚愕する。
「うわっ! 電撃!? 死ぬ死ぬ死ぬ!!!」
これによってまたしてもスズキの恐怖がピークに達し、今度は複数のBHとホワイトホール(WH)がリングに出現。
ゴゴゴゴゴ!
BHが雷を吸い込み、WHが吸収した雷を玉藻に向け放出。彼女の雷魔法が自身に跳ね返り、リングが衝撃に揺れる。
ドオオッ!
「…ぐっ…!」
玉藻は超人的なフィジカルでなんとかWHから放たれた雷を耐え抜いたものの、スズキの落とし穴が玉藻の「戦闘センス」にすらも穴を開け、彼女の動きが一瞬鈍ってしまう。
「今のうちに逃げなきゃ!」
隙を見て逃げ出したスズキは逃げながらそんなことを叫んでいる。
(でも……このままでいいのか?)
(このまま逃げ続けても、勝利はあるんだろうか?)
突如として彼の頭の中にそんな疑問が浮かんでくる。今までの敗北や失敗が彼の戦いの無謀さや逃げの不必要さを示しているかのように感じてしまったのだ。
そんなことを考えているうちにいつの間にか玉藻は彼の前にまで回り込んできていた。
「とりあえず…死んでちょうだい?」
彼女は一切の心の迷いも無く刀をスズキに向けて振り下ろす。その一閃には勝利を求める執念が確かにこもっており、彼女とて負けるつもりは全くないことを示していた。
(あぁ……終わりだ……こんなことなら大人しく逃げてればよかった……)
もはやここまで来てはどうすることもできない。彼は完全に諦め、瞳を閉じて審判の時を待った。
(……でも、本当にこのまま終わっていいの?勝ちたくはないの?)
心の中の誰かがそう呟く。これが彼の本心なのだろうか。
彼にとって逃走とは魂に刻まれている物であり、個人の意思でどうこうできるものではない。それは本人にとっても例外ではなく、彼は逃げる以外のことが一切できないのだ。
(…………なら、逃げたうえで勝てばいいんじゃない?死ぬのは怖いでしょ?なら勝たないと。)
その瞬間、彼の奥底から光が漏れ出てきた。勝利という希望の光が。
(怖い…でも、勝ちたい! 逃げて、勝つんだ!)
スズキの心が成長を遂げ、幸運の女神が彼に応える。彼は玉藻の「剣技」に穴を開け、彼女の二刀流がわずかに乱れる。
「いくら逃げてもいい!最後に勝てれば逃げてもいいんだ!」
彼は恐怖心ではなく、自らの意思で最大のBHとWHを生成する。それは彼の成長を意味していた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
BHが玉藻の全て――剣、技、意志――を吸い込む。今までとは桁違いの吸引力だ。
「私の…力が…!?」
さらに、WHがそれを極大のエネルギーとして放出する。
ドオオオッ!
リングが光と衝撃に包まれ、玉藻の身体が吹き飛ばされる。WHから放たれるエネルギーは玉藻のパワーそのものであり、彼女が耐えるにはあまりにも大きすぎるものだ。
「くっ…剣士として…負けるわけには……!」
逆境の中でも彼女は諦めない。玉藻は空間をも切り裂く神討之剣を振り回して最後の抵抗を試みるが、スズキの幸運が彼女の剣を逸らす。
「もう……負けない!」
追撃とばかりにWHのエネルギーが玉藻を直撃し、彼女の動きが完全に止まる。
血と光がリングに飛び散り、観衆がその決着に息を呑んだ。
血と光がリングに飛び散り、観衆がその決着に息を呑んだ。
「勝者――落宮スズキ!!」