あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
第6回トーナメント 特別出張版通常対戦 第2試合
最終更新:
aioricharabattle
-
view
第6回トーナメント 特別出張版通常対戦 第2試合
《【シロハネ】 VS シェールシュ》
何もない平原。空は抜けるように澄み、地には一点の影もない。ただそこに、二つの異質が佇んでいた。
片や、白き包帯に身を包み、陽気に踊るような足取りの男——シロハネ。
片や、古びた鎖鎌を静かに構える老人——シェールシュ。
「うふふ、どんな反応を見せてくれるかな? その皺だらけの顔……どこまで歪むのか、すっごく楽しみだよぉ。」
シロハネがくねるように身体を揺らし、包帯の先端を空に舞わせた。
風が吹けば、彼の全身に巻きつく布がざわめき、生き物のように蠢いた。
シェールシュは目を細め、微かに首を振ると、重く呟いた。
「刻を縫い、流れを縛れ——延時。」
バチバチッ!
時が裂ける音がした。空間に斬撃の軌跡がそのまま残り、風の動きすら留まった。音がなくなり、風の音さえも沈黙する。
ブロードアルムの鎖が唸りを上げて放たれ、シロハネの身体を狙う。彼の動きは迷いなく、そして容赦もなかった。
「うわっ、危ない危ないっ!」
シロハネは軽やかにステップを踏んで回避し、逆にブロードアルムの鎖を包帯で巻き取らんとする。
ジュッ!
鎖に巻きついた包帯が腐食を始め、煙が立ち上る。これこそがシロハネの異能、白痕(はくこん)の抱擁である。
だが、鎖の硬度は魔力によって保たれているため、腐食毒であっても即座に切断には至らない。
「そう簡単には朽ちないさ。」
シェールシュの声と共に鎖の一部が変形し、鎌の形に変わる。
名匠デゥルンが生み出したこの武器は、二つの形態を兼ね備えており、状況に合わせてその姿を自在に変えることができるのだ。
ザンッ!
風を切る音とともに振り下ろされる斬撃。それにシロハネは直撃してしまうものの、笑いながら身を引く。
「この傷、いいねぇ……染みてくる。心に響くよぉ。」
彼の腕には鎌による裂傷が走っていた。血が滴り、包帯が赤く染まっていく。
その血すらも、シロハネは芸術の一部として受け入れていた。
「そうか。ならば、もっと深く刻んでやろう。」
延時の力が再び発動し、先ほどの鎌の軌跡が空間に留まり続ける。
「へぇ、面白そうだねぇ。」
何か異様なことが起こっているのは分かっているが、シロハネは甘美なる痛みを求めて相手の元へと足を運ぶ。
その中にシロハネが踏み込んだ瞬間、時差で傷が再現される。再び赤い線が身体を裂き、痛みが神経を駆け抜けた。
その中にシロハネが踏み込んだ瞬間、時差で傷が再現される。再び赤い線が身体を裂き、痛みが神経を駆け抜けた。
「っはあああっ! いいっ、これ最高ッ!」
狂気と恍惚の声を上げるシロハネ。しかしその目は鋭く、次の一手を冷静に読んでいた。まるで痛みによって覚醒していくかのように。
「じゃあこっちも……そろそろ舞台は山場を迎えるころさ。」
シュシュシュッ!
包帯が地面に沿って疾走し、相手の足元を絡め取る。シェールシュの動きが鈍り、その体は徐々に腐食を始めていた。
「動きを止めても……延時は止まらん。」
彼は冷静に延時で体内の腐食毒の時間を遅くし、その侵食を極端に弱める。
さらに、包帯によって繋がれているシロハネに向けて鎌が再び振るわれる。
さらに、包帯によって繋がれているシロハネに向けて鎌が再び振るわれる。
ズバンッ!
だが——その刃先が触れたのは包帯によって形作られた虚像であった。
「おっと、そっちは影武者ぁ♪」
背後からシロハネが飛び出し、短剣をシェールシュの背中に突き立てる。
ドスッ!
肉に刃物が突き刺される鈍い音と共に、老人の鮮血が舞う。
「痛い? ねえ、どれくらい痛い? まだイケる?」
相手を傷つけることに至高の喜びを感じる
「……あぁ、痛いさ。」
血を滲ませながらも、老人は反撃の構えを取る。年老いたとてその実力と経験は衰えることなく、老いてますます盛んと言ったところだろうか。
「でも生憎、やられっぱなしというのは性に合わなくてね。」
ザシュッ!ザシュザシュッ!!
シェールシュが鎌を振り上げるのよりも早く、どこからともなく現れた斬撃がシロハネの体をズタズタに引き裂いた。
実は、彼は先ほどの虚像を攻撃した際に数多の延時の斬撃を残していたのだ。
それはまるで見えない罠のように空間を満たしており、不意打ちでシロハネの体に大きなダメージを与えた。
「あぁぁ!!なんと甘美な痛みぃ!」
シロハネは耐えがたき快楽に溺れているが、それは同時に彼に大きなダメージを与えたという証拠でもある。
「…まだやるかい?」
「ええ、終幕は美しくなくちゃ……!」
……再び二人の影が交錯し、白い包帯と古びた鎖がぶつかり合う。
——だが、次の瞬間、突然にシェールシュの膝が崩れた。一体何故だろうか。
「……腐食毒か。」
「そう、あの時ちょっとだけ刺したところ……実はこっそり包帯を入れてたんだよねぇ。」
延時によって腐食毒の時間を遅れさせたのは一番最初の傷に対してのみ。先ほどナイフでさされた傷に対しては、その能力は適応されていなかったのだ。
頭のてっぺんからつま先まで余すことなく回った腐食が動きを奪い、延時も弱まり始める。
「ちょっぴり地味だけどぉ、あなたみたいな老人を凄惨にヤっちゃうのは心が痛むからさぁ。」
本当は心にも思っていないことを言いながらも、芸術家は下品な笑みを浮かべている。
……空間に残された斬撃の軌跡も徐々に消えていく。風が戻り、音が戻り、世界が再び動き出す。
「……やはり、私の刻は……過ぎたか。」
老人は静かに目を閉じ、膝をついた。だがその姿には、敗者の無念ではなく、一つの探求の終焉が滲んでいた。
「舞台は閉幕、観客もいないけど……あんたの反応、最高だったよぉ。」
シロハネが微笑みながら、血の滴る短剣を舌で舐めた。
すぐにその舌を鳴らし、わずかに残った包帯で腕を縛る。
「ふふ……でもね、まだ足りないんだぁ。もっと……もっと強い“叫び”が聞きたいのさぁ。」
風が吹き、彼の包帯がまた舞い上がる。白と赤が交錯するその姿は、まるで舞台から帰らぬ道化師のようだった。
「勝者──シロハネ。」