あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
第6回トーナメント 特別出張版通常対戦 第3試合
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aioricharabattle
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第6回トーナメント 特別出張版通常対戦 第3試合
《大坂野 尾羽 VS 月代周》
何もない平原。見渡す限り地平線。草すら生えていない殺風景な土地に、二つの影が対峙していた。
一方は、紫のパンチパーマにトラ柄の服、サンダル履きの大阪のオバちゃん——大坂野 尾羽。
もう一方は、気だるげに首を回す青年――月代 周。
「孫のためにオバちゃん、頑張るでぇ!」
「いやぁ……孫のためって、俺その枠で負けたらどうすりゃいいんだよ。」
尾羽がママチャリを押しながら前へ出ると、地面が震えた。その車輪には見えないエネルギーが渦巻いており、普通の主婦が持つべきではない圧を放っている。
彼女の視線は鋭く、全力で敵を押し通そうとする決意が宿っていた。
一方の月代は、指をパチンと鳴らした。
「さーて、今回の能力は……っと、おお、いい感じいい感じ。」
彼の背後に5つのアイコンが光り、一瞬で彼の体に能力たちが流れ込む。
今回の能力は【体術強化】、【空間認識強化】、【雷撃掌】、【残像生成】、【自己再生】。
「当たりだね、これは。」
場合によってはハズレの能力で対処しないといけない必要もあったため、彼はとりあえずは第一関門は突破したようだ。
だが、次の瞬間、なんの脈絡もなく尾羽の「邪魔やで!」が炸裂する。
ビュンッ!
亜光速で突進してきたママチャリに、周は慌てて残像生成と体術強化を組み合わせて飛び退く。
「ちょっ、速ッ!?なんなんそのチャリ!?」
「オバさんの本気や!孫が待ってるんやからぁっ!!」
尾羽のママチャリが滑空するように跳ね、回転しながらタイヤで一撃を叩き込む。
「こんの…!」
月代はギリギリでかわし、100万ボルトの高圧電流で相手を感電させる奥義、雷撃掌で反撃する。
「痺れろっ!」
しかし、尾羽はその一撃を三段腹クッションで容易く吸収してしまう。
電撃は肉に妨げれて内部には届かず、一切のダメージを与えることができなかった。
電撃は肉に妨げれて内部には届かず、一切のダメージを与えることができなかった。
「アッハッハ!これぐらいの衝撃、毎日の特売で慣れてるんやで!」
「いや普段どんなスーパー行ってんだよ!?」
朗らかに笑うオバちゃんのオーラに若干飲まれながらも、月代は油断することなく相手の動きを見極め続ける。
(馬鹿げた速度だが所詮はママチャリ…直線的な攻撃しかできないはず…)
月代は空間認識強化で動きの軌道を読み、相手の速度を利用した強烈なカウンターを狙う。
しかし、その瞬間——
「なんでやねんっ!!」
「なんでやねんっ!!」
バシッ!
尾羽のツッコミが月代の能力行使を遮る。空間認識強化の力が強制的に解除され、一瞬の隙を突かれてしまう。
「おかしいやろっ!」
ドガッ!
尾羽はさらに畳みかけるように前進し、サンダルキックをお見舞いする。ただの一般人のはずなのに、その威力は場数を踏んできた月代でも驚くほどのものだ。
「ちょ、なんだよこれっ!」
残像で攻撃を回避しつつ時間を稼ぎ、後方へ跳ぶ月代。自己再生が発動し、傷が瞬時に癒えていく。
「あっぶねぇ!死ぬところだったぞ!」
今度は月代の番だ。彼は体術強化と残像を同時に使用して相手を混乱させつつ怒涛の連続打撃で相手を攻撃する。
ドゴッ!バシッ!バンッ!
尾羽は三段腹クッションで全てを防御しようとするも、打撃のたびに脂肪が上に押し上げられ、三段腹から二段腹、二段腹から一段腹とどんどん肉が薄くなってくる。
「こりゃアカンわ!変な風に痩せてまう!」
変な心配をする尾羽をよそに、月代はどんどん攻撃を続ける。
ドゴッ!ドゴドゴドゴドゴッ!バスッ!!
絶え間なく続くラッシュはついに鉄壁の防御力を誇る三弾腹クッションを乗り越えて本体に直接ダメージを与えることに成功した。
「オラッ!これでどうだ!」
腹部を抑えてうずくまる尾羽を前に自信満々でそう言い放ち、殴り合いにおいては相手に決して劣らないことを証明する。
だが、家事に育児に人生の修羅場を乗り越えてきたオバちゃんの根性は容易には折れない。
彼の強さが、尾羽の真の強さを引き出すことになってしまったのだ。
彼の強さが、尾羽の真の強さを引き出すことになってしまったのだ。
「乱暴な子やなぁ……こうなったらオバちゃんの奥義、見せたるわ!」
尾羽が空を仰ぎ、腕を広げる。一体何をするつもりなのだろうか。
「阪神大優勝!!」
その掛け声と同時に、地平線が黒く染まり始めた。あれは……もしやすべて人か!?
ドドドドドッ!
無数の阪神ファンが現れ、絶叫と共に突撃してくる。彼らの咆哮と振る舞いはまさに一種の暴風であり、空間そのものを圧迫する。
「いやいやいや、おかしいだろ!阪神ファンがみんなこんな化け物ばっかなわけないって!!」
尾羽に代わってツッコミを入れながらも群衆に呑まれていく月代。もはや能力でこのような人海戦術に対応することは不可能だった。
何人いるのかもわからないそんな大隊の中で一際目立つ尾羽の声が響く。
「あきまへんでぇ!お祝いごとに水を差したらあきまへんで!!」
狂騒と熱狂の渦。抗うことさえ無謀と感じられる恐ろしい軍団。
……だが、その中で月代は深呼吸し、気配を押し殺すように気を整えた。
(こうなればアレをやるしかない…! チャンスは一度だけ!これを防がれたら負けだ!)
そして一瞬、彼の目が鋭く光る。彼の両手にバチバチと雷撃が宿り、群衆の大声に負けないほどの轟音が響き渡る。
「すまないなオバちゃん!ここは勝たせてもらう!」
月代は雷撃掌を両手に宿し、無数の阪神ファンの間を縫うように突き進む。
そして――
そして――
バスンッ!!
雷光が走り、熱気と歓声が交錯する中、月代の拳が尾羽のパンチパーマを貫いた。爆発するような衝撃。尾羽は吹き飛び、ママチャリが宙を舞った。
「ぐっ……オバちゃん、まだ……」
それでも立ち上がろうとする尾羽。その目にはまだ闘志が宿っていた。
しかし、それを消し去るかのように月代の残像たちが2体、3体、4体と次々雷撃掌で彼女の体を貫いていく。
しかし、それを消し去るかのように月代の残像たちが2体、3体、4体と次々雷撃掌で彼女の体を貫いていく。
バチバチバチバチッ!!ドガァァァンッ!!!
……戦場には幾層もの雷鳴と爆発音が響き渡る。
いつの間にか阪神ファンたちは霧のように消えており、尾羽の体力も完全に限界を迎えていた。
いつの間にか阪神ファンたちは霧のように消えており、尾羽の体力も完全に限界を迎えていた。
「所詮は一般人。けど、すげぇ根性だったよ。」
動かなくなった尾羽を尻目に月代は静かにそう呟き、戦いに終止符を打った。
「勝者──月代 周。」