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《田辺哲哉(田辺さん) VS 【定める者】エタリュート》
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aioricharabattle
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《田辺哲哉(田辺さん) VS 【定める者】エタリュート》
地雷原に吹き荒れる風が、戦場の緊張感を際立たせていた。
片や、世界に愛される男——田辺哲哉。どんな困難も奇跡的な幸運で乗り越える男。
片や、秩序を定める者——エタリュート。あらゆるルールを決定し、それに従って戦う戦略家。
戦いの幕が静かに上がる。
「まずは……そうだな。」
エタリュートは静かに宣言した。
「決定的な秩序——"地雷は爆発しない"」
その瞬間、地雷原はただの荒れ地と化した。
これこそが彼の能力「決定的な秩序」である。この能力の発動中、彼の考えたルールが事実として作用されるのだ。
「なるほど……確かに便利な能力ですね。」
田辺は肩をすくめながらも、心の中で違和感を覚えていた。自分の“世界の愛”がどのように作用するのか、未だに確信が持てない。
だが、それでも田辺は動く。
「まぁ、なるようになるでしょう。」
彼は軽い足取りでエタリュートに向かって走り出した。その動きは決して俊敏ではないが、不思議と滑らかで無駄がない。
まるで見えざる力が彼を導いているかのようだった。
通常の者なら田辺の素人丸出しの動きを見て油断してしまうところだが、エタリュートは冷静に次の一手を打つ。
「決定的な秩序——"自分以外にかかる重力は10倍になる"」
その言葉と同時に、田辺の身体がズシリと地面に沈む。
どうやらエタリュートの「決定的な秩序」は物だけでなく空間そのものにもルールを定められるようだ。
「うわっ!?……重っ……!」
田辺は急激な重力の上昇によってまるで押しつぶされるかのように膝をつく。
それもそのはず、通常の人間に毛が生えた程度の身体能力しかない田辺ではこの重力に耐えられないのだ。
しかし——
しかし——
……サッ
「おや?立てるぞ?」
なんと田辺の周囲だけは重力が通常通りに戻ったようだ。
これも世界からの恩寵だろうか?
「やっぱり世界は僕を甘やかしすぎですね……。」
彼は誰に言うでもなくそう言い放つと、突如としてエタリュートに向かって殴りかかる。
「フッ、この素人め。」
戦い慣れているわけでもない田辺の攻撃は、当然避けられてしまう。
しかし、この場面でも運は田辺の味方をした。
カチッ…
なんと、エタリュートが避けた先には偶然地雷が埋まっていた。
地雷を踏んだ音が戦場に響き、両者に緊張が走る。
「なにっ!?」
驚愕するエタリュートだが、地雷が爆発することはなかった。
これは事前に使用していた「決定的な秩序」によって地雷を無効化されていたためである。
だが、もしも地雷を無効化していなければここでエタリュートは爆死していただろう。
「やはりお前のその運、侮れんな。」
「正確に言うと運じゃありませんよ。愛です。愛。まぁ、なんで愛されているのかはわかりませんけどね。」
普段のエタリュートならこの発言を狂人の戯言として切り捨てるところだが、事実としてこの戦いでは田辺にとって都合の良いことばかりが起こっている。
だが、それでも彼の冷静さは揺るがない。
(…嘘ではなさそうだな。利用してみる価値はありそうだ。)
田辺の"愛"という言葉が引っかかったエタリュートは、現状を打破するためにとある策を実行する。
「そうか、愛か。ならば…」
「決定的な秩序——"誰もお前を愛さない"」
その瞬間、田辺の奇跡的な偶然が一切消え去った。
すなわち、環境が彼に有利に働くことは一切なくなったのだ。
「これで、貴様の“世界の愛”は無効化された」
田辺は目を見開いた。これほどまでに完璧な秩序が存在するとは思ってもみなかった。
温かく見守ってくれていたはずの風や大地も、今となってはまるで他人行儀に感じる。
「なるほど……さすがに詰みですかね?」
あまりの田辺の冊子のよさに、エタリュートはわずかに微笑む。
「その通りだ。お前はもはや、ただの人間だ。」
田辺は小さく笑った。
「でも、それはそれで新鮮な気分かもしれませんね。」
その言葉には、新しい世界と接する喜びと、少しばかりの寂しさが感じられた。
「新しい自分の門出を祝いたいところですが……とりあえず重力だけでも元に戻してもらえませんか?」
決意を新たにしたのも束の間、今度は重力が彼の道を遮る。
「新しい自分の門出を祝いたいところですが……とりあえず重力だけでも元に戻してもらえませんか?」
決意を新たにしたのも束の間、今度は重力が彼の道を遮る。
世界のすべてが彼に味方しなくなった結果、10倍の重力の影響をもろに受けるようになり、立ち上がることすらできなくなっていたのである。
「では、宣言するまでもないことだが最後に言っておこう。」
『この勝負、私の勝ちだ。』
エタリュートが最後の宣言を放つ。
その瞬間、田辺の身体から重さが抜け落ちた。
彼は静かに目を閉じ、深く息を吐いた。
「いやぁ、すごいですね……でも、なんだか清々しい気分です。」
田辺は微笑んだ。
「負けるときはこうやって、スパッと負けるのも悪くないかもしれませんね。」
エタリュートは彼の言葉を聞いて、一瞬だけ目を細めた。
「潔さもまた、一つの秩序か。」
こうして、戦いは決着した。
勝者——エタリュート