あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《加速の勇者 クラウド・ライトニング VS 猫又幻(ねこまた・げん)》
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aioricharabattle
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《加速の勇者 クラウド・ライトニング VS 猫又幻(ねこまた・げん)》
空は青く澄み渡り、草原に風が走る。
何もない平原。それは戦場として完璧だった。障害物も、隠れる影も存在しない。純粋な力と技術と、意志だけが試される場所。
「……来たな。」
ツンツンと跳ねる金髪が風を切る。クラウド・ライトニング。金と緑の瞳が細められ、彼方に現れた影を射抜いた。
その瞳には一切の迷いがない。数多の戦場を渡り歩いた傭兵の眼光。
その瞳には一切の迷いがない。数多の戦場を渡り歩いた傭兵の眼光。
「加速の勇者か。噂に違わぬ気配だな。」
その声は風のように冷たい。 猫耳を立てた剣士──猫又幻。
彼の双剣「蒼月双牙」がわずかに震え、まるで呼吸するように月光を揺らめかせる。
薄霧が足元を包み、気配が幾重にも反響する。その存在は現実にして幻、まさしく霧中に立つ幻影のごとし。
カチッ。
クラウドが腰に手を伸ばし、静かに加速の聖剣を抜く。その動作ひとつに無駄はなく、まるで精密な機械のよう。
抜き放たれた瞬間、黄金の雷光が閃き、周囲の草を焼き払いながら拡散する。
聖剣から放たれる速度の波が風を裂き、空気が振動し、周囲の空間がざわつく。
「行くぞ。」
ドンッ!!
地面が弾け、草原に風柱が立つ。クラウドが一気に空間を切り裂くように加速した。
「受けて立とう。」
ギュゥゥゥゥン――!!
猫又幻の姿が一瞬で霞み、視界に残るのは無数の分身のみ。幻影が踊る。斬。連。交。残像が地を滑り、空を裂き、斬撃の乱舞が空間を支配する。
「……ッ!」
クラウドはその全てを視認し、計算し、見切っていた。
常人には到底追えぬ速度で、身体をわずかに傾け、光の糸を裂くような軌道で攻撃をかわす。
常人には到底追えぬ速度で、身体をわずかに傾け、光の糸を裂くような軌道で攻撃をかわす。
目は一切の恐怖を示さず、理性と本能の狭間で、完璧に戦場を把握していた。
その姿は風を超え、光を裂き、雷鳴の余韻が具現化したかのようだった。
「なるほど……では、これではどうだ?」
幻の背後に九尾が揺れた。 九つの尾が空間を引き裂き、斬撃を誘導する。
「無駄だ。」
まるで全てを否定するかのように、クラウドの剣が地面に触れぬほどの速さで振り抜かれる。
「レールスラッシュ。」
ズガアアァァァァン!!!
凄まじい光が天を裂くように奔り、稲妻のような鋭い閃光が大地を貫いた。
超加速されたレールスラッシュの軌道は、あらゆる原子の結合を断ち切り、空間そのものを引き裂きながら、無数の幻影を一撃でまとめて貫通する。
閃光の尾が空を切り、続く衝撃波は周囲の空気を爆砕しながら、遠くの丘を吹き飛ばすどころか、地平線をも削ぎ落とした。
それはまさに、世界を断ち割る雷の剣。
……だが。
「……惜しいな。」
冷え切った声が、風の隙間から降る。 見上げれば、猫又幻の本体が上空に立っていた。
その姿は月明かりを背に浮かび、双剣に宿る蒼の輝きが冷ややかに煌めいていた。
その姿は月明かりを背に浮かび、双剣に宿る蒼の輝きが冷ややかに煌めいていた。
「蒼炎の舞──。」
咆哮にも似た音が大気を震わせる。
次の瞬間、空を覆い尽くすように、蒼き炎の斬撃が天から降り注ぐ。
次の瞬間、空を覆い尽くすように、蒼き炎の斬撃が天から降り注ぐ。
それはもはや剣の技というよりも、神罰のような滅びの雨。
ブワアァァンッ!!
「……。」
クラウドは何を言うでもなく視線一つでそれを見切り、体を斜め下へと滑らせるように跳躍。
空間を切り裂く速度で、炎の連鎖を掠めながらすり抜けた。
空間を切り裂く速度で、炎の連鎖を掠めながらすり抜けた。
その軌道の背後では、草原が轟音と共に焼け焦げ、真紅と蒼の閃光が激しく交差する。
「合理性が崩れるのは、少し……不快だな。」
風の中、思考を切り替えるように呟いたクラウドは、唐突に加速を止めた。
その目は霧の流れを、粒子一つひとつまで見据えていた。
経験が、そして戦場の嗅覚が告げていた。
経験が、そして戦場の嗅覚が告げていた。
──”この霧が奴の力の根源だ”と。
「この霧、晴れれば貴様の力も落ちる……ならば──」
ピカッ!!
クラウドの加速が四方向へ一気に拡散する。
光が十字に走り、大気に渦を生む。 超加速の衝撃波、ソニックブームが空気を裂き、幻想を纏う霧は音もなく消し飛んだ。
一瞬にして、世界は鮮明な輪郭を取り戻す。
澄んだ空が広がり、視界を覆っていた幻想が払われる。
澄んだ空が広がり、視界を覆っていた幻想が払われる。
幻の表情がわずかに歪んだ。
「……そこまで見切るか。」
想定を上回る展開。
まさかここまで力を引き出されるとは、幻自身も思っていなかった。
まさかここまで力を引き出されるとは、幻自身も思っていなかった。
これまで誰にも破られたことのない霧の戦域、九尾の誘導すら通じなかったという事実が、静かに彼の内側を焦がしていた。
「次で決める。」
カツン──
地を蹴る音が、すべての前兆を告げる鐘のように響いた。
ラウドがその一瞬に全身の出力を解放し、風圧を置き去りにして爆発的な加速を開始。
稲妻の尾が天空を切り裂き、軌道上に雷鳴の爪痕を刻む。
「ならばこちらも迎え撃とう。」
彼は最大最強の能力【九尾化】の発動を決意した。
その瞬間、空間がわずかに軋む。まるで時空そのものが彼の意志に応えるように、足元の草が逆巻き、風が一瞬、重く沈んだ。
幻の身体がゆっくりと蒼白の光に包まれ、輪郭が滲むように揺らめいていく。
その中心から、まるで自我を持つかのように九つの光がほとばしり、刹那、周囲に九つの分身が現れる。
それぞれは尾のように揺れ、流れる水の如く滑らかに、そして不規則に軌道を描く。
分身たちはまるで独自の意志を持った獣のように旋回し、回転しながら幻の本体へと力を収束させ、渦のような魔力の流れを形成していく。
その渦の中心に立つ幻の双剣「蒼月双牙」には、月の魔力が奔流のように注ぎ込まれ、刃はまるで生き物のように脈動し始める。
淡い光はやがて蒼炎となり、その形を竜の意志が宿るかのように変容させる。
刀身からは龍の咆哮を思わせる響きが鳴り、空間そのものがわずかに震える。
それはもはや単なる変化ではない。神話の領域へと踏み込む、真なる覚醒だった。
「九尾・幻影終幕斬──!」
「レールスラッシュ・極限加速──ッ!」
その瞬間、世界が断絶された。交錯の一刹那、空間そのものが悲鳴を上げてねじ曲がる。
光の奔流が互いの技を包み込み、音速を遥かに凌駕した衝撃波が波状に広がっていく。
光の奔流が互いの技を包み込み、音速を遥かに凌駕した衝撃波が波状に広がっていく。
幻想の幕が千切れ、現実の骨格が露わになり、あらゆる法則が一時的に停止する。
凄絶な咆哮が天空を裂き、大地を押し広げる波となって走る。
草原はもはや草原ではなく、裂け目と焦げ跡に覆われた終焉の地と化した。
草原はもはや草原ではなく、裂け目と焦げ跡に覆われた終焉の地と化した。
……全てを焼き尽くした後、一人、剣を支えに立つ者がいた。 クラウド・ライトニング。
肩で息をしながら、目を閉じる。全身は傷つき、聖剣からは煙が立ち上る。
それでも、その姿勢は揺るがない。
それでも、その姿勢は揺るがない。
「強かったな。」
地に伏す猫又幻が微かに笑みを浮かべた。顔に付いた血を指でぬぐいながら、目を細める。
「……負けたよ。完敗だ。」
クラウドは剣を背に収め、言葉を残す。
「お前の剣、嫌いじゃなかった。」
風が再び吹いた。戦場を撫で、静かにすべてを包み込む。
「勝者――クラウド・ライトニング。」