あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
グランドチャンピオンシップ 決勝戦
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グランドチャンピオンシップ 決勝戦
《長嶋小雪 VS 真王ゴルバス》
あにまんオリキャラ最強トーナメント――グランドチャンピオンシップ決勝戦。
リングを囲む巨大スタジアム。空席は一つもなく、熱狂と期待が複雑に入り混じった喧騒が、夜の空にまで響いていた。
【決勝戦】長嶋小雪 VS 真王ゴルバス
スポットライトが天井から差し込み、中央のリングへとゆっくりと降りていく。強い光が、静かに、だが確かに二つの影を照らし出す。
リングの左側、白銀の光が雪の結晶のように舞う中、静かに現れたのは、長嶋小雪。
その歩みは軽やかでありながら、一歩ごとに積み上げてきた過酷な戦歴の重みを感じさせるものだった。
異世界で幾度となく死線を越えてきた彼女は、今やただの少女ではない。
その瞳の奥には、確かな経験と、未来を切り拓く覚悟の炎が揺れていた。
その瞳の奥には、確かな経験と、未来を切り拓く覚悟の炎が揺れていた。
「一度勝った相手ですし、今回も勝っちゃいますよ♪」
その声はあどけなくも、響きには揺るがぬ信念があった。
姿を現すだけで、観客の心を鷲掴みにするカリスマ。
小雪の姿に、スタジアム全体が沸き立つ。
姿を現すだけで、観客の心を鷲掴みにするカリスマ。
小雪の姿に、スタジアム全体が沸き立つ。
ドォォォン……ッ!!
重厚な風が闇を裂くように吹き抜け、その風の中心から現れたのは、真王ゴルバス。
全身に黒き風を纏い、既に勝ったかのような自信をもってリングへと歩を進める。 その一歩は地を鳴らし、視線は静かなる圧力となって観衆を黙らせた。
背筋は一分の揺らぎもなく、王冠にも似た威厳が全身に宿る。
敗北と再起を経てなお輝きを増したその存在は、まさに真王の名に相応しい。
敗北と再起を経てなお輝きを増したその存在は、まさに真王の名に相応しい。
「…やはりここまで来たか。」
低く抑えた声に秘められたのは、氷のような静謐と、灼熱のような執念。
その両極を一身に宿す彼の登場に、世界が再び息を呑んだ。
その両極を一身に宿す彼の登場に、世界が再び息を呑んだ。
リング中央、二人の視線が交錯する。 静かに立つ二人の間で、空気が一変する。
「久しぶりですね。前よりもちょっとは強くなりました?」
「相変わらずだな、小娘。その油断がお前の敗因だ。」
「敗因って負けた理由って意味ですよ?敗者が勝者に言う言葉ではないと思いますけど。」
「…あぁ、俺はかつてお前に敗れた。だが、今回は違う。」
「王は決して折れない。最後に勝ち残った者こそが真の王だ。」
観客は息を飲み、まるで時が凍りついたかのような静寂がスタジアムを包み込んだ。
心臓の鼓動すら聞こえるような張り詰めた空気。
その静寂の裏にあるのは、誰もが理解していた。
これはただの戦いではない。
その静寂の裏にあるのは、誰もが理解していた。
これはただの戦いではない。
魂と魂、歴史と覚悟、誇りと未来がぶつかり合う、すべてを賭けた闘争。
敗北は許されず、勝利はただ一人にしか与えられない。 リング上で交差する二つの視線の奥に、それぞれが背負う重みと想いが燃えていた。
そして、ゆっくりと、だが確実に――その運命の幕が、いま、上がろうとしていた。
あにまんオリキャラ最強トーナメント――チャンピオンシップ決勝戦。
漆黒の夜空の下、世界中の視線が一点に集まる。特設スタジアムは、観客の興奮と緊張で張り詰めた空気に包まれていた。
幾重にも重なるスポットライトが交錯し、まるで天から神が見守るかのように中央のリングへと光が降り注ぐ。
幾重にも重なるスポットライトが交錯し、まるで天から神が見守るかのように中央のリングへと光が降り注ぐ。
その輝きの中に現れるのは、まさに「最強」の名にふさわしい二人。
幾多の激戦を制し、数多の強敵を退け、血と汗と魂を懸けてこの決勝の舞台まで辿り着いた戦士たち。
彼らの存在が、闘技場全体の空気を震わせるほどの威圧感を放っていた。
誰もが知る。
ここで勝った者こそが、真に“最強”の称号を得る存在。
その瞬間が、今まさに始まろうとしていた。
ここで勝った者こそが、真に“最強”の称号を得る存在。
その瞬間が、今まさに始まろうとしていた。
「前に勝ったことありますし、今度も勝っちゃいますよ?ヘボ王様♪」
長嶋小雪がふわりと手を振って笑う。 だがその笑みの裏には、異世界を生き抜いた戦士の鋼の意志が潜んでいた。
今まで数えきれないほどの猛者を打ち倒し、無敗の記録を残してきたこの少女。この戦いにも勝利してトーナメントに永遠に名を刻むことができるのか。
真王ゴルバスは険しい顔つきで静かに佇んでいる。 十本の神器が彼の背に揺らぎ、王たる風格が観客席の空気さえ支配する。
かつて長嶋小雪に敗北して考えられないほどの屈辱を受け、一度は闇に身を落としたが、王としての意地でついにこの舞台まで勝ち上がってきた。今度こそリベンジとなるか。
「負けは一度で十分だ。王は二度同じ過ちを繰り返さない。」
その低く重い声に、空気が震える。
「――試合開始ッ!!」
最初に動いたのは小雪だった。空間が波打つように歪み、彼女の背後に無数の追尾型ミサイルが一斉に飛び出すように生成された。
このミサイルはただの飛翔体ではない。それぞれが小雪の演算能力によって制御されており、目標の動きに応じて進路を変える高精度なホーミング機構を備えている。
「さっきの戦いで扱いは大体掴みましたからね。
その軌道はまるで蛇のように螺旋を描き、生きているかのように空中で軌道を編み直しながら、次々とゴルバスへと向かっていく。
「逃げても無駄ですよ~♪」
その声は無邪気でありながら、そこには戦場を知る者の確信が宿っていた。
「……甘いな。」
静かに、しかし鋭くゴルバスの瞳が細められる。右手をゆっくりと上げたその先には、すでに光を帯びた神器――璽盾《ゴランドル》が浮かび上がっていた。
ドゴォォンッ!!
無数のミサイルが炸裂し、爆音と閃光がリング全体を包む。観客席すら震えるその衝撃の中、ゴルバスの姿は微動だにしない。
盾の表面が爆風を正面から受けた直後、まばゆい光を纏って淡く輝き始める。
それはただの防御ではない。光は盾の中心から集束し、まるで怒りのように渦巻くエネルギーが凝縮されていく。
「お返しだ。」
低く唸る声と共に、ゴランドルの中心部が静かに開き、そこから放たれたのは――光の矢。
だがそれはただの反射ではない。ミサイルが持っていた爆発のエネルギーを丸ごと再構成し、矢として放つ。
バシュン!バシュン!バシュンッ!!
光の矢はレーザーの如く一直線に伸び、残るミサイルを次々に撃ち落とすのみならず、そのまま軌道を変えて小雪へと襲いかかる。
「くぅっ……!」
小雪は慌てて宙に跳び、光の波状攻撃を魔力障壁で受け止める。その瞬間、地面を掠めた矢がリングをえぐり、爆発的な火花を散らした。
爆音と閃光がリングを照らし、観客席に強烈な振動が走る。その中で、ゴルバスの姿は微動だにしない。まるで嵐の中心に立つ王のように、揺るがぬ姿勢を崩さなかった。
だが、その隙をついて、小雪の双剣が煌めいた。
「九尾・幻影終幕斬――!」
その声と同時に、空間の境界が歪み始める。小雪の姿が九つに分かれ、それぞれがわずかに異なる“現実”を宿した幻影としてゴルバスを包囲する。
九つの影が同時に動く。まるで九つの世界から同時に攻撃を受けているかのような錯覚。その双剣の舞は、もはや芸術とすら言えるほど精緻かつ華麗であり、同時に致命的な殺意を帯びていた。
「なに……!」
ゴルバスの動きが一瞬、止まった。空間と時の感覚が狂う。彼の身体がまるで現実から遊離するような違和感に包まれる。
そこへ、小雪の本体が終幕の一閃を振り下ろす。
その斬撃は、まるで幻想そのものを現実に変えるかの如き鋭さだった。
ガギィィンッ!!
しかしその瞬間、ゴルバスの背後で生成されていた神器・乱槍《グラド》が変形し、不可視の軌道で振るわれる。突き上げるような回転の一突きが、小雪の剣を捉えて弾き飛ばした。
幻影が消え、空間が元に戻る中、ゴルバスは深く息を吐きながら呟く。
「この程度で敗北を刻めると思うな、小娘!」
反撃とばかりに神器・天拳《ルフラル》を握りしめ、ゴルバスが正面から拳を突き出す。
その拳には、神器の力と支配の権能が重なり、絶対的な打撃として具現化されていた。
対抗するように、小雪の両手が瞬時に魔力で満たされ、光を放つ。
「なんの!太陽魔法――バンバンサンシャイン!!」
小雪の背後に、直径数十メートルはあろうかという巨大な魔法陣が形成され、中央から眩い光を放ち始める。
その中心から放たれたのは、まるで太陽のコアそのものを凝縮したような高熱の光弾。
バァァンッ!!
光弾が連続してリング上に着弾し、爆発的な衝撃と閃光が空間全体を焼き尽くすように広がる。その輝きは観客の網膜すら刺激し、熱気はスタジアムの外周にまで達する。
だが――その業火の中心に立っていたのは、ひとりの王。
爆煙の中から、威風堂々と姿を現したゴルバス。その肉体には傷一つなく、衣服すら焦げていない。
「これが王の支配領域だ。」
その声音は確信に満ちていた。
ゴルバスの肉体は、支配の権能によって完全に統制されていた。物理的な傷、熱、衝撃、魔力による侵食――すべてを『受けない』と定義されていた。
その力は絶対。
「俺の力は、自らをも支配する。当たり前だろ。王だぞ?」
そう言って笑みを浮かべるゴルバスの瞳は、まるで勝利そのものを内包していた。
「俺の力は自らをも支配する。当たり前だろ。王だぞ?」
笑みを浮かべ、ゴルバスが接近する。
だが小雪も怯まない。
「なら……こっちも全力でいきますっ!!」
彼女は一瞬のうちに【鑑定】を発動し、ゴルバスの能力を再確認。
即座に【習得】で「支配の権能」の一部応用と、神器の耐性を獲得する。
即座に【習得】で「支配の権能」の一部応用と、神器の耐性を獲得する。
空間が悲鳴を上げるように軋み、観客席すら振動するほどの圧力がリング全体に充満する。
「…小細工は終わったか?」
その言葉と同時に、ゴルバスの一撃が振り下ろされる。ゴルバスが振るう神器・剛斧《ラングル》――その一撃は、ただの斧撃ではなかった。
炎を纏った刃は、軌道上の空間すら歪め、まるで大地そのものを断ち割るような威力を秘めていた。
その咆哮に対し、小雪は一歩も退かず、浮遊する四本の魔法制御アームを最大出力で展開。
アームの周囲には高密度の魔力が収束し、粒子状の魔法陣が幾重にも回転していた。
これは天才化学者のクエイフが作成した武器の一つであり、並大抵の武器では逆にへし折られるのが関の山だろう。
「これの強度テストも兼ねてとりあえずやるだけやってみますか!」
彼女は決して怯まず、鋼の意思でその斧撃に挑む。
ガギンッ!!
激突の瞬間、爆音と共に火花が視界を覆い、リングの床は放射状にひび割れて崩壊寸前となる。
剛斧の斬撃と魔法アームの防壁が正面からぶつかり合い、空間そのものが脈動するかのように波打った。
剛斧の斬撃と魔法アームの防壁が正面からぶつかり合い、空間そのものが脈動するかのように波打った。
その場にいた誰もが息を呑み、超越者同士の力の衝突に圧倒された。
「面白い……前よりも遥かに強くなったな。」
ゴルバスは目を細め、敵を賞賛するように呟く。
「それ、前に負けた人が勝った側に言うことです?」
小雪は余裕の笑みを浮かべつつも、四本のアームは一秒の休みもなく防御と反撃の姿勢を繰り返していた。
火花、閃光、爆炎――
それはまさに幻想と現実が交錯する舞台。小雪のアームが鋼のように動き、ゴルバスの神器に次々と干渉していく。
互いの打撃は一歩も譲らず、対等に、あるいはそれ以上に響き合っていた。
アームと神器が幾度も激突し、拳が空気を震わせるたび、空間の法則すら狂い始める。幻想が膨張し、現実がきしみ、観客たちはその非現実の戦場に息を飲んだ。
「まだまだ終わらんぞ!」
ゴルバスは右腰から神剣《クサナギ》を抜刀した。
鋭く横一文字に薙ぎ払われたその一撃は、ただの斬撃ではなかった。
大気を震わせ、風そのものを王の意志によって刃へと変質させた“かまいたち”が伴っていた。
その風の刃は、透明でありながら凶悪。薙ぎ払われた瞬間、空間に青白い筋が走り、その余波だけで周囲の岩片が裂け飛んだ。
「今更その程度じゃどうにもなりませんよ!」
小雪は跳躍。光の粒子を撒きながら宙を舞い、初撃を華麗に避ける。
だがその瞬間――風の刃が空間ごと歪み、湾曲しながら彼女を追尾してきた。
「支配下の風は、王の意志で生きる。」
その言葉通り、かまいたちは意思を持った蛇のように動き、小雪の逃げ場を完全に封じる軌道で殺到する。
小雪は目を見開き、瞬時に魔力を圧縮。次の瞬間、彼女の全身が赤く発光する――活血。
血液を強制燃焼させ、全身の出力を極限まで高める諸刃の剣。その強化状態のまま、両手に握られた神討之剣が閃光を放つ。
「はぁ!」
神討之剣の剣閃が十字に交差し、かまいたちと正面から衝突。爆発的な魔力の逆流とともに、風の刃が一瞬だけ空中で静止し、そして霧散した。
その攻防は、観客の目すら追いつけない速度。ほんの一瞬の交錯。その余波でリングの空気が真空状態に変わるほどの超速戦。
しかし、小雪の肩から微かに血が滲んでいた。風の刃の一筋が、わずかに肉をかすめていたのだ。
「なんか真の王とか名乗るわりに戦法こすくないですか?」
「王とは時に狡猾なもの。恥じることではない。」
「そうですか。」
二人の呼吸が、再び重なった。空間は、さらに緊張感を増していく。
次に現れたのは、漆黒に染まる魔刀《黒》。空気を震わせる一閃と共に、目には見えぬ刃が飛ぶ。
次に現れたのは、漆黒に染まる魔刀《黒》。空気を震わせる一閃と共に、目には見えぬ刃が飛ぶ。
ザンッ!!
「空気ごと……斬った!?」
小雪の魔力障壁が一瞬で断ち割られる。魔刀《黒》の一撃は、物質だけでなく気体や魔力さえ斬る異常な切れ味を持つ。
その斬撃が空を走った瞬間、周囲の風景すら変容した。空気が真空に近づくように沈黙し、直線状に伸びた一閃の先には、まるで空間そのものが裂けたような異様な亀裂が残された。
その斬撃が空を走った瞬間、周囲の風景すら変容した。空気が真空に近づくように沈黙し、直線状に伸びた一閃の先には、まるで空間そのものが裂けたような異様な亀裂が残された。
「貴様の持つどんな能力であろうとも――この刀にとっては紙きれ一枚にすら劣る。」
……しかし、全てを切り裂くはずの魔刀であっても、小雪を切り裂くことはできなかった。
小雪は魔力で形成された通常の結界や防御ではなく、異界から召喚したアンデッドの腕だけを具現化する【神出鬼没の腐蝕(カルマ・ロット)】という死霊術を用いて防御を行っていたのだ。
パスッ。
呪われた亡者の冷たい骨の感触が刃先に触れると、鋭利な切れ味の刃をギリギリのところで受け止めた。
この死霊術は第四回トーナメントでゴルバスと鎬を削ったクロウが使用したものであり、その有効性はわざわざ確認するまでもなかった。
この死霊術は第四回トーナメントでゴルバスと鎬を削ったクロウが使用したものであり、その有効性はわざわざ確認するまでもなかった。
「……のわりにはちゃんと防御されてますけど?」
小雪はいつものようなドヤ顔でゴルバスを見つめる。
「まぁバカとハサミはなんとやらって言いますもんね。単純にヘボ王様がよほどヘボだっただけですよ。」
必死に冷静さを装ってはいるが、この切れ味には小雪も恐れを感じており、間合いを取りつつ冷静に敵の動きを見据える構えに変化する。
「ぬかせ。」
すると、ゴルバスの左腕から閃光のように銃身が伸びた。神器・雷銃《ヒナワ》だ。
バババババンッ!!
轟音とともに放たれた銃弾は、まるで空を切り裂く稲妻の雨のように、小雪の宙を舞う身体を縦横無尽に追い詰める。
小雪は素早く体勢を入れ替えながら、初級の無属性魔法「ガンズ・ヴォド」を展開。
虚無の弾丸を連射し、降り注ぐ雷撃の銃弾を一つ一つ的確に撃ち落としてみせる。
だが、ゴルバスの放つ雷銃の連射速度は増し、魔法の防御を圧倒的に凌駕する勢いで迫りくる。
小雪の視界を覆い尽くす銃弾の嵐が、間断なく飛び交い、その緊迫した空気が場内を震わせた。
炸裂する銃声、閃光、跳弾の軌跡が視界を引き裂き、戦場はまるで電撃の海のように変貌していく。
小雪は浮遊するアームとガンズ・ヴォドで応戦するも、雷撃のように襲いくる弾丸の波に防御が追いつかなくなりつつあった。
その一瞬の遅れを見逃すことなく、ゴルバスは宙を舞う。
身体を美しく弧を描くように反転させながら空中で一回転し、着地と同時に漆黒に輝くロングソード《クライク》を片手に構えた。
《クライク》の刃は薄く光を反射しながら波打ち、そこには闘志と支配の魔力が籠められていた。ただ一振りで空間を切り裂き、戦局をひっくり返すほどの圧力。
「王の一撃を受けよ!」
ゴルバスの咆哮とともに、ロングソード《クライク》が雷鳴のような轟音を響かせながら振り下ろされる。
ズガァァン!!
その一撃はただの剣の一閃ではなかった。斬撃と同時に空間の重力構造が捻じ曲げられ、“重力断”として圧縮された質量が、リング中央へと急速に集中していく。
その場にいた誰もが思った。まるで隕石の直撃だ。
空気が押し潰されるように歪み、リング全体がわずかに沈むほどの重圧が走った。
「なんかヤバそう!」
小雪は瞳を見開き、即座に膝を曲げて飛び退いた。
その跳躍はあまりにも完璧で、まるで未来の動きを読んでいたかのような回避。
その跳躍はあまりにも完璧で、まるで未来の動きを読んでいたかのような回避。
「くっ……正直姉の威厳を示すためにもこれは使いたくなかったんですけどね。」
【予感】――彼女は小春から授かったこの能力を使い、斬撃が落ちるわずか数秒前に“その未来”を予知していたのだ。
ドグォォォン!!!
遅れてリングに衝撃が走る。斬撃が通過した空間は真空に変質し、リングの床が真っ二つに割れて噴煙が爆発的に吹き上がる。
断面は黒く焦げ、灼熱の亀裂がまるで地獄の門を開いたように広がっていく。
「やっぱとんでもないパワーですね。ここまで勝ち残ってきただけはありますよ。」
小雪は跳躍から着地しながら反撃体勢に入ろうとした。
だがその瞬間、空間が粘るように歪み、不気味な気配と共に現れたのは重厚な漆黒の大弓――神器・死弓《フルクラ》。
ビュンッ!
自動装填される毒矢が、弓の震えと同時に矢継ぎ早に放たれる。空を裂くような鋭い音とともに、矢がまるで知性を持ったかのように迫る。
「毒付きって……やっぱ王様のくせに姑息ですよ!」
小雪は瞬時に風を操る【颯】の能力で足元から風圧を発生させ、空気の流れを強引にねじ曲げ、矢の軌道を乱す。
ガンッ!ガンガンッ!ギィン!
無数の矢が風圧に弾かれ、周囲の空間で跳弾するように逸れていく。しかしその中に、一本――濃紫に鈍く光る異質な矢があった。それはまるで意志を持つかのように空中で滑るようなカーブを描き、小雪の死角――背後から迫っていた。
「……やっぱりオート追尾もありましたか。」
小雪は瞬時に気配を察知し、身体をひねると同時に、バックステップから流れるような側転へと移行。その間にも、矢は風の抵抗すら利用して加速し、まるで生きている蛇のように軌道を修正して迫ってくる。
ドシュゥッ!!
彼女は反射的に風の壁を展開し、追尾矢の軌道をわずかにずらす。
だがその矢は、風の乱流の中をすり抜けるようにして迫り――
だがその矢は、風の乱流の中をすり抜けるようにして迫り――
ズリィッ!!
小雪の左腕をかすめ、肌を裂いた。
「っ……!」
裂傷と同時に、鈍い痛みとともに痺れが広がる。毒矢の毒が血流に乗って神経を侵し始めていた。
だが、小雪の瞳に浮かぶのは焦りではない。
むしろ、緊張の中に浮かぶ冷静な戦意――分析と対応力。
むしろ、緊張の中に浮かぶ冷静な戦意――分析と対応力。
「……並の人間ならこれでお陀仏ですけど、生憎私は並じゃありませんからね。」
魔力の流れを腕に集中し、ブレイヴの慈愛の祝福を発動。自らの体内に即席の解毒式を展開し、毒素を少しずつ分解していく。
「貴様は油断ならないからな。徹底的に攻めさせてもらう。」
だが、その合間を縫うように、ゴルバスが神器・星打《ドンドルデュ》を振り上げる。
その姿はまさに、夜空を引き裂く隕鉄の如し。ゴルバスの筋肉が膨張し、空気が震えるほどの気圧が発生する。
振るわれたのは、異常なまでに巨大なモーニングスター。その棘付き鉄球は禍々しい赤黒い光を帯びており、振るわれる軌道には重力さえ引き込まれる。
「王から逃げられると思うな、小娘ッ!!」
ズドォォォォォン!!!
地面に命中した瞬間、周囲数十メートルを巻き込むような大爆発が発生した。
爆炎は生きているかのようにうねり、小雪の背後を猛追する。まるで逃げる者を嘲笑うかのように爆風は曲線を描き、彼女を執拗に追尾した。
リング全体が真紅の火に包まれ、大地は割れ、天が怒りを発したような凄まじい光景が広がる。
爆風の熱と衝撃波に晒されながらも、小雪は土煙の中を縫うように舞い、空中に生み出した落とし穴に逃げ込む。
「あっぶないですねぇ!直撃したら骨も残りませんよ!」
その口元には薄い笑み。しかし額には一滴の汗がにじみ、緊張感が極限まで高まっているのが分かる。
「だが、お前は普通ではないのだろう?」
「…ヘボ王様のくせに言うようになりましたね。」
二人の間に張り詰めた空気が戻り、観客は無言でその余韻に呑まれていた。
「そろそろ終わらせるぞ。」
そう言うと、凄まじい光と共に彼の手からは十個全ての神器を融合させた最強の神器「王剣 エンペラー・オブ・キング」が現れる。
「今度こそ言わせてもらおう…我が最強の神器を前になすすべなく散れ。」
「…何回言われても答えは変わりませんよ。そんな頭痛が痛いみたいな名前の剣に負けたら末代までの恥だと思います。」
お互いのピリピリとした覇気がぶつかり合う。本当の戦いはここからだ。
ザンッ!ゴルバスがエンペラー・オブ・キングを振り下ろすと、大地や空気のみならず、次元や空間、果ては世界そのものが一刀両断される。
「この神器は日々進化を続ける。当たり前だろ、王だぞ?」
しかし、小雪も一枚岩ではいかない。彼女の瞳が一瞬だけ鋭く光り、過去の戦いを思い出すように眉根を寄せた。
「さすがにこれも二回目ですからね。ただで斬られるつもりはないですよ!」
小雪はすべての攻撃を防ぐべく《璽盾 ゴランドル》を構え、左腕には斥壁《グアルディア・アブソルータ》が蠢きながら展開される。
その盾には、幾層もの魔法障壁が複合的に組み込まれていた。
振動衝撃、熱衝撃、呪術、精神干渉――あらゆるダメージに対する防御機構が備わっており、正面からの攻撃ならばほぼ全てを無効化できる。
同時に展開された斥壁《グアルディア・アブソルータ》は生物的構造を持ち、まるで意志を持つように蠢きながら、瞬時に形状を変化させる。防壁というよりも“生きた装甲”。
そして何よりも小雪自身の肉体は、不老不死の呪い【時凍の呪い】に包まれていた。
時間そのものを固定することで、致命傷を受けても“それがなかったことになる”。再生ではなく、“傷が存在しない”と認識されるこの力は、まさに死を拒絶する最終防壁だった。
しかし――王剣《エンペラー・オブ・キング》の一閃は、そのすべてを凌駕していた。
「無駄だ!」
ザンッ!!
圧倒的な斬撃が《ゴランドル》を真っ向から粉砕し、重なり合う骨の壁《グアルディア・アブソルータ》を何層も貫き、小雪の胴体を斜めに両断する。
時凍の呪いがすぐさま発動しようとするが、王剣は「時間の干渉」すら否定する破壊力を持ち、肉体の修復がわずかに遅れる。
「ゲホッ、ゲホッ、え~これでもダメでしたか。…これはマジに死ぬかもですね。」
小雪はかつてと同じように自身の死期を悟り、もはや抵抗することさえ考えていない素振りを見せる。
そんな小雪に対し、ゴルバスは少し寂しさを帯びながらも語り掛ける。
「……貴様はそれで終わるような弱者ではないだろう。大方騙し討ちでも考えているのだろうな。」
その言葉を聞いて、小雪は力を振り絞って何とか言葉を発する。「いやー買い被りすぎですよ。私とて死ぬときは死にます。」
出血量はもはやいつ失血死してもおかしくないほどになっており、体温がどんどん低下していく。
もはや喋ることさえ難しいだろう。
それでも、小雪は最後の言葉を捻り出した。
「……まぁそれは今ではないんですけどね!」
ゴァァン!!
その瞬間、小雪の背後から凄まじい光が放たれる。
それは最強の勇者の息子、ソレイユが編み出した最終奥義。太陽魔法『ユヌ セウル ヴェリテ』であった。
「これ使うと私もかなり危ないですからね!卑怯とは言わないでくださいよ!」
光に包まれると同時に、小雪がブレイヴの勇者の聖剣を手に突撃する。その光には、あらゆる虚偽を否定し、真実だけを照らす力が込められていた。
ゴルバスの支配の権能によって完全に支配されていると定義されたにもかかわらず、この魔法はその定義そのものを“嘘”と断じて否定する。
ズバンッ!
小雪の一撃は閃光を伴ってゴルバスへと迫り、鮮血が舞った。
……が、
その血は小雪のものであった。
「――進剣クサナギ。」
それは、ゴルバスが闇に落ちたかつての自分を受け入れることで得た禁断の神器。
王としての威厳と冷徹な覚悟をもって召喚されたその刃は、ただの神器ではない。 斬った対象を物理的にではなく、存在の位相ごと“切り裂く”次元断裂の力を持っていた。
王としての威厳と冷徹な覚悟をもって召喚されたその刃は、ただの神器ではない。 斬った対象を物理的にではなく、存在の位相ごと“切り裂く”次元断裂の力を持っていた。
「それでも、まだ足りぬな……小娘。」
ゴルバスの腕がわずかに動き、進剣クサナギが虚空を薙ぐ。
バゴンッ!
刹那、小雪の背後に伸びていた聖光が捩れ、断裂される。そこには小雪の姿があった――否、あった“はず”だった空間が、斬られていた。
太陽魔法は真実を照らす。 だがその“真実”すら、存在しなければ照らされることはない。
「……ッ!」
次の瞬間、小雪の体が斜めに裂ける。 進剣クサナギの一撃が、太陽魔法の構築領域ごと小雪の存在を削ぎ落としたのだ。
光が散り、血が宙に舞う。彼女の肉体は次元の裂け目に飲み込まれ、完全に断裂された。 もはやどこにも残っていない。
ゴルバスは剣を静かに収め、微かに顔を伏せる。
ゴルバスは剣を静かに収め、微かに顔を伏せる。
「貴様の敗因はただ一つ……王の力を見誤ったことだ。」
その顔には、達成感と共に、強敵を喪った寂しさが滲んでいた。けれどそれは、ただの別れではなかった。共に死力を尽くし合った末の別離――その重みを、王として、そして一人の戦士として噛み締めていたのだ。
リングにはなおも小雪の残響が漂い、観客の誰もが言葉を失っていた。光と闇、可憐さと威厳、あらゆるものが交差した決勝戦。その終わりは、静寂の中に凛として刻まれていた。
やがて、真王ゴルバスがゆっくりと武器を下ろす。その姿が語るものは一つ。
――勝者の証。
――勝者の証。
「……なーんてね。この流れになって私がマジで負けたことありました?」
その声は、鈴の音のように澄んでいて、それでいて戦慄をもたらす確信に満ちていた。
時空の間から光が差し、小雪の姿が浮かび上がる。 衣は破れ、血に染まっていたが、*その瞳だけは戦いの炎を灯したまま、まっすぐに前を見据えていた。
なぜあの一撃を受けて生きていたのか。
その答えはシンプルなものであった。
「あれは【複製】で生み出した私の複製体です。なので私と言えば私ですけど、少なくとも元の私ではありません。」
「そして、本体の私はマイナスエントリーで消えてたってわけです。やっぱりこの能力は便利ですね。」
そう、彼女は第一回トーナメントの決勝戦で見せたあの戦略でゴルバスの攻撃を攻略していたのだ。
「私の能力ってシンプルだから拡張性とか特にないんですよね。だから覚醒とかもできなくて面白くないんですけど。」
「でもまぁ、何より強いですから。それさえあれば十分です。」
彼女の眼には圧倒的な強さへの自負が輝いており、負ける気など一切ないことを示している。
「…そうか。だが、それがどうした?」
小雪の復活という信じられない現状を目の当たりにしても、ゴルバスの精神は揺るがない。
このような小雪の復活を目の当たりにしたのが初めてではないということもその理由の一つであったが、一番の理由は彼自身の圧倒的な自負にあった。
かつての戦いを乗り越えて強化された支配の権能。それはもはや絶対的な秩序などの超常能力であっても上書きすることはできず、自己支配を行った彼にダメージを与えられる者は存在しないと言ってもいい。
「……しょうがないですね。本当は使いたくなかったのですが。」
そう言い放つと、彼女は静かに両目を閉じ、深く一度だけ息を吸い込む。
静寂が世界を包む中、彼女の唇から音もなく紡がれ始める、不可解で幽玄な言語。詠唱はゆるやかに、しかし確実に空気の密度を変えていく。
そして、ゴルバスはその詠唱を聞いたことがあった。
「まさか…クロウ(やつ)の即死呪術か!」
それはかつて、自身が一度見た“死”を確定させるための呪術。≪完璧なる死の結論 (パーフェクト・タナトス・コンクルージョン)≫の詠唱であった。確かに、ゴルバスの支配の権能の力は至高の領域にある。
だが、それでも変えられない事実というものはある。
木になったリンゴが地面に落ちるかのように当然と対象の命を終わらせる。それが、この呪術の本質であった。
「支配の権能!対象・長嶋小雪!」
真王ゴルバスの咆哮とともに、空間そのものが一瞬凍りつく。王の指先が小雪を指した瞬間、目には見えぬ鎖が空間を裂き、光のない網のように小雪を包囲する。
この権能は、万象に君臨する王の象徴。命令は絶対であり、抵抗など無意味と断ずるほどの支配力を持っていた。
「貴様はこの場に立つ資格すらない。王の命に従い、動くことすら許さぬ。」
全ての支配の力を、小雪ひとりに注ぎ込む。
その瞬間、小雪の背後に流れる風が止まり、足元の空間が黒く染まる。重力すらも歪み始めるような圧力。
「あはは、えげつないですね…!」
それでも、小雪は笑う。しかし、体は確かに蝕まれていた。指先から、足先から、徐々に動きが鈍くなっていく。まるで自らの意思が、自分の中から押し出されていくような異様な感覚。
支配の糸が、精神の深奥にまで侵食を始めていた。
観客席が凍りつく。少女が崩れ落ちる未来が、誰の目にも予感として映る。
「王剣 エンペラー・オブ・キング!!」
ゴルバスは支配を受けた小雪に向けて、最強の神器を高く掲げる。その刃には、王としての矜持と勝利への執念が濃縮されていた。
ドゴォォンッ!!
地を踏み砕くような一歩と共に、神器が天より降り注ぐ雷鳴のごとく振り下ろされる。その動きは詠唱の終了など待たず、まさに雷撃の速度で迫る破滅の斬撃。
だが――その刹那、小雪の唇が、最後の言葉を言い放つ。
「この状況を想定せずに目の前で詠唱を始めると思いました?勝利の鍵は既にこっちが握ってるんですよ!」
「≪既なる死の結論 (パーフェクト・タナトス・デッドエンド)≫!!」
『禁術』既なるデッドエンドと≪完璧なる死の結論 (パーフェクト・タナトス・コンクルージョン)≫の合わせ技。
3分間の詠唱が必要という発動条件を、「既に詠唱を行っていた。」という過去を挟むことによって発動させる奥の手であった。
ゴルバスは即死した。
死が彼を飲み込み、あっけなくその命を奪ってしまった。
それは瞬きほどの刹那にして、永遠にも思える終幕だった。
そして、リングにはただ一人の影が残されていた。
光が散り、残響とともに静寂が戻ってくる。
小雪は、蒼い光の粒子を纏いながら、剣を下ろし、ゆっくりと深く息を吐いた。
今度こそ、正真正銘の勝者として。
「やっぱりあのヘボ王様は相変わらずの自信でしたね。でも、だからこそ言わせてもらいましょう。」
「あなたの敗因はただ一つ……私の力を見誤ったことです。」
歓声が、時間差で押し寄せる波のようにスタジアムを包み込む。 そしてその中心には、長嶋小雪が、静かに立っていた。
「あにまんオリキャラ最強トーナメントチャンピオンシップ決勝戦勝者及び優勝者は――長嶋小雪!!!」