あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《戦火禍根殲滅土偶 VS サグター》
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aioricharabattle
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《戦火禍根殲滅土偶 VS サグター》
巨大怪獣の巣――そこは、数多の死骸と骨が積み重なり、灼熱の吐息と腐臭が混ざり合う忌まわしき終末の聖域。空間そのものが狂気に侵され、重力の向きさえ一定ではない。
巣の中心部、黒く溶けかけた大地が軋み、かすかに震えた。
ズゥゥゥゥゥン……。
響いたのは足音ではない。
それは地の呻きであり、過去に葬られた世界の断末魔。
それは地の呻きであり、過去に葬られた世界の断末魔。
この場所に流れるのは時間ではない。怒りと絶望が循環する呪いの濁流だった。
現れたのは、戦火禍根殲滅土偶。
赤黒い巨躯。300メートルを超えるその身体には、幾千の怨嗟と慟哭が走り書きのように刻まれている。
無数の戦場で死んだ兵士たちの断末魔が、その肌に染みついていた。
立っているだけで大地が割れた。生きとし生けるものの感情すら、その場で焼き払われるような圧倒的存在感。
――沈黙。だが、意思は確かにあった。
知的生命体の根絶。それこそが、この巨神に課された唯一にして最終の命題。
そして、その対面に立つのは――サグター。
右腕には波打つ水。左腕は滾るマグマ。瞳の奥には、雷光が走る。
実験的な存在でありながら、異常なまでに複雑で、凶悪なまでに多面的な戦闘機構を持つ生体融合兵器。
その胸部には脈動する複数のコア。まるで何かを訴えるように、明滅のリズムが緊迫感を煽っていた。
バチッ。
額から弾けた小さな雷が、静寂を切り裂いた。空気が震え、周囲の粒子がほんの一瞬、すべて静止する。
それは、まるで世界が一度だけ息を呑んだかのような、静謐と緊張の一閃。
「この場所、異様な気配がしますね……けれど……それでも、やるしかないようです。」
水のコアから出たその声には、恐怖でも勇気でもない、ただひたすらに定められた運命を受け入れる覚悟だけが宿っていた。
ゴゴゴゴッ――!
土偶が一歩踏み出しただけで、巣の天井が大音響と共に崩れ落ちる。
無数の黒煙が熱風とともに滝のように流れ、地を舐めるように拡散した。
岩盤が悲鳴を上げ、空間自体が圧縮と膨張を繰り返す。
重力の法則さえ、この巨躯の前では形を保てず、ねじれ、呻く。
その圧に応じて、サグターの身体が即座に反応する。
額の雷はさらに大きく閃き、全身の神経網が過負荷すれすれで起動。
水の波動が空間を読み、マグマが血のように沸き立ち、雷が次なる一手を刻もうとしていた。
「来るぞ……!」
マグマから放たれたその言葉は、覚悟でも警告でもない。
戦闘開始を告げる鐘――いや、ただの呟きだった。
戦闘開始を告げる鐘――いや、ただの呟きだった。
ズバンッ!
空気が切り裂かれ、開戦の号砲が轟音となって戦場全体に鳴り響いた。
その音と共に、土偶の巨大な片腕がゆっくりと振り上げられる。
赤黒く染まったその腕は、まるで終焉そのものを象徴するかのように、静かなる怒りと重力を纏っていた。
腕に込められた質量は常軌を逸し、過去に滅び去った星々が生み出した“海嘯”
つまり天と地を呑み込んだ恐るべき波動の模倣を内包している。
その一撃は、ただの物理的な衝撃ではない。破滅と終末の意思が形となり、数百メートルの距離を空間ごと削りながら一直線にサグターへと襲いかかるのだ。
振り下ろされた腕が空気を切り裂く音が、耳を震わせる。
周囲の空間は歪み、時空の壁さえも引き裂かれるようだった。
圧倒的な存在感。その一撃は単なる物理の延長線上にはなく、まさしく“滅び”そのものが腕となり、断固たる決意と共に打ち下ろされていた。
ドゴォォォォン!!
巣の壁が消えた。マグマの池が一瞬で蒸発し、残骸が降り注ぐ。
風すら焼け焦げる灼熱の余波が、サグターの皮膚を引き裂いた。
「ハッ、重いですね……!でも!」
即座に反応したのは、水のコア。
空中に漂う微細な水分子を一挙に呼び寄せ、渦巻くように集束させると、瞬時に濃密な霧が生成される。
霧は厚く、息すらも詰まるほどに濃く、空間の温度と明度を奪っていく。
霧粒一つ一つが乱反射することで、可視光線すら複雑に歪み、周囲の形状は曖昧に塗り潰される。
視界は白に包まれ、音が吸い込まれる。世界は、音と色と温度を失い、感覚のすべてが麻痺していく。
その濃密な霧の中、突如として走る鋭い閃光――それは高密度圧縮された水刃だった。
バスッ!
細胞レベルで震える水の斬撃が、土偶の装甲を斜めに切り裂き、傷口を増やしていく。
斬撃は一度では終わらない。 水の刃は、雨のように。あるいは舞い踊るように。次々と襲いかかった。
弧を描きながら、螺旋をなぞりながら、すべての動きに意志と美しさが込められていた。
まるで氷の精霊が戦場を舞踏しているかのごとき優雅さ。
一撃ごとに空間が震え、空気が引き裂かれ、衝撃波が霧をかき乱す。
それは視認すら困難な速度で繰り出される、水の連続斬撃。
そしてその刃の軌跡には、氷刃のような殺意が込められていた。
美しさは即ち、死を告げる装飾であるかのように。
美しさは即ち、死を告げる装飾であるかのように。
水が舞い、空気が割れる。
その一撃ごとに、土偶の巨体が揺れ、わずかずつ装甲が削られていく。
だが、土偶は未だ倒れない。やがて、霧の奥で雷光が走る。
微弱な電気信号が土偶の巨腕に沿って走り、その表層にある筋繊維と関節運動の微細なズレを捉える。
あたかも“未来”を読むかのように、土偶の次なる動きを推定。
神経のように伝達された情報は、サグターの中枢神経に送られ、予測の演算処理が行われる。
結果――斬撃と電撃、二重の干渉を基軸とした迎撃態勢が、寸分の狂いなく整えられた。
それは単なる反応ではない。敵の攻撃パターン、放たれる意図、空気の震え、流れる力の軌跡――そのすべてを“予見”した上での、確信に満ちた布陣。
……しかし、それでも土偶の全てを理解したわけではなかった。
【記録:水の障壁/雷の干渉】
濃霧の中に潜む水の障壁は、速度と温度差を利用して力場を乱し、突進や衝撃波すら滑らせていく。
一方、雷の干渉は空間のひずみに寄り添い、対象の動作とエネルギーの流れに“干渉”を仕掛ける。
それは攻撃ではなく、“理解”の証明――敵の思考を読み、動きを制御するための極限まで高められた迎撃。
そして次の瞬間、霧の帳を裂いて放たれたのは――
“空海雷剣嵐”。
伝承に語られる、かつて神々が世界の終焉を賭けて交わした戦争のなか、最も破壊的と記された複合魔法。
空を割き、海を引き裂き、大地を穿つその術式が、いまや数十倍の密度と威力で再構成され、巣の中を奔流する。
水が剣と化し、奔る。雷が刃となり、大地を貫く。吹き荒れる嵐は、熱と冷気を混濁させた混沌そのもので、あらゆる存在を“戦場”に引きずり込む。
「ッ……!」
サグターの胸部が抉られる。水とマグマ、二重の属性が交差するその“境界コア”に、鋭い亀裂が走った。
赤い閃光が走り、内部の機構――数億度の熱と絶対零度の冷却システムがせめぎ合う“心臓部”が露出する。
グガァァァァン!
水とマグマが激しくぶつかり合い、蒸気爆発が広がる。
サグターの巨体は跳ね上がり、その衝撃で地面が軋み、雷の残響が四方八方に迸った。
落ちた電撃が地を裂き、炎となって天井を舐め上げ、巣の内部を業火の檻と化す。
戦場が、変わった。力と力が衝突し、次元が軋む。ここはもはや、ただの“巣”ではない。神話の戦場――“終焉の境界”が再現されていた。
ズズン……ズズズン……。
ただ、それだけの動作。だが空気が凍りついた。無音のはずの足音が、鼓膜を震わせる錯覚を生み、重力すら震わせるような質量の揺らぎが地を軋ませる。
その存在が一歩を刻むたびに、世界が悲鳴を上げていた。因果律が脆く軋み、あらゆる法則が“異物の到来”を拒絶しながらも、抗えずに飲み込まれていく。
「……分裂するぞ……!」
雷の声が、焦りを滲ませながらも鋭く空を切る。直後、コアの中枢が脈動し、炸裂音とともに二つの波動が放たれた。
水とマグマ――極点に位置する双極のエネルギーが分離し、それぞれが瞬時に人型を構築する。
灼熱の赤と、澄明な蒼。二つの戦士が、まるで交差する彗星のごとく弧を描きながら、土偶に向かって同時突撃を仕掛けた。
「いくぞ!」
水体が濃霧を呼び寄せる。空気中の微細な水分が一挙に凝縮され、戦場全体を包むように視界を遮る。
霧が濃くなるたびに、温度が下がる。音が吸われ、世界が“凪”に変わる。
同時にマグマ体は地を這い、足元を融かし、爆ぜるようにして地下へと逃走経路を作る。
灼熱と冷気が交差する中で、戦況をひっくり返す一手が組まれようとしていた。
……だが、それでも“遅かった”。
霧が晴れる前に、土偶の巨腕が動いた。右腕が、空間を削りながら、音を超えた速度で振り下ろされる。
その内部――構造の奥深くに収められていたのは、遥か遠い過去に崩壊した“黒き惑星”。
そこに存在したすべての命の、断末魔。
滅び、怨嗟し、祈り、絶望し、理解されることなく消えていった生命たちの記憶が、ただ一つの“呪い”として蓄積されたもの。
その叫びが、今、斧のように振り下ろされる右腕へと宿り、撃ち放たれた。
ドグォォォォンッッッッ!!!!!
爆発的な破壊が巣を貫く。ただの一撃ではなかった。空間を構成していた基盤ごと砕くような、時空断層の崩壊。
床が割れ、壁が砕け、重力が捻じれ、上と下の境界が消えた。
巣の構造物が塵へと変わり、すべてが“焼却された現実”へと呑まれていく。
マグマ体は、その灼熱の外殻ごと粉砕され、内部の核もろとも霧散する。
水体は沸騰すら許されず、一瞬で蒸発。水蒸気に変わる暇もなく、消滅する。
雷が空気中に散った――かと思えば、それすらも飲まれて消える。
微粒子、振動、そして“意志”さえも残らなかった。
ただ、コアの中心。柊夜の存在があった場所に――何も、残っていなかった。
そこにあったのは沈黙。そして、終焉。
希望や可能性、反撃の手段も、すべては焼き尽くされ、凍てつき、潰えた。
――世界が、敗北した音がした。
「……」
土偶は言葉を持たない。だが、その存在は確かにこう語っていた。
――知性ある者よ、滅びよ。お前たちはもう、二度と争わなくていい。
――知性ある者よ、滅びよ。お前たちはもう、二度と争わなくていい。
「勝者――戦火禍根殲滅土偶。」