血風大伽藍!小十郎vsサーシェス ◆lDZfmmdTWM
「クソッ……!!」
近未来的な建造物が立ち並ぶ、会場の最南に位置する宇宙開発センター
最新鋭の科学技術が集中しているであろうその真っ只中で、一人の男がその拳を怒りに震わせていた。
ここで仮に十人に聞けばその十人全員が、その日本の戦国時代を生きた男―――
片倉小十郎は、
この場にあまりにも似つかわしくないと答えるだろう。
「ふざけた真似をしやがって……外道がっ!!」
小十郎は、そのやり場のない怒りを声に込めて叫び上げた。
当然その矛先は、殺し合いを仕組んだ首謀者たる『帝愛グループ』なる者達である。
彼等は自分達を初めとする、実に65人もの者達を拉致して殺し合いを強要させた。
その殺し合いを誰よりも早く止めようとした勇敢な少女を、嘲笑い爆殺した。
小十郎がその光景を見て抱いた感情は、かつて対峙した松永久秀や、
この殺し合いに呼ばれる直前まで一騎打ちに講じていた
明智光秀に対して抱いた物と同じ。
もしくはそれ以上の怒り……この悪魔の所業に対する、純粋な怒りであった。
「覚悟は出来てるんだろうな、帝愛とやら……俺は出来てるぜ……!!」
故に彼は宣戦布告をする。
この殺し合いを潰す覚悟が、己にはあると……
竜の右目、片倉小十郎のその言葉に一切の揺るぎは無かった。
◇ ◇ ◇
「……殺し合いか……ハッ。
どういう事かは分からねぇが、こいつはありがてぇ話だな」
モビルスーツのパイロットスーツを着込んだその男は、己が置かれた状況を喜んでいた。
唐突に拉致をされ、殺し合いをしろと言われた時には確かに困惑の気持ちを覚えた。
しかし、間も無く男に訪れた感情……それは『歓喜』だった。
戦争を何よりも好む、戦争屋と言っても差し支えないこの男―――
アリー・アル・サーシェスにとって、
この殺し合いは正に大好物の戦争そのものなのだから。
(おまけに、優勝すれば相談次第で願いを叶えるときやがった。
帝愛グループか……どんな組織かは知らねぇが、ひょっとすりゃとんだ当たりクジかもな)
更にサーシェスにとって喜ばしい事が、帝愛から提示された優勝賞品だった。
相談次第で願いを叶える……ならばここで「俺を雇え」と言えばどうなるか。
これだけの人数を、それも誰にも気付かれぬうちに集めるこの組織力。
『金』が全てと言い切った、ある種の狂気をも感じさせるその組織体制。
確実に、この組織は大きな戦争を起こす火種となる……なんとも魅力的ではないか。
ここでイノベイターと手を切り、新たに手を組むのも悪くは無い……サーシェスの唇が狂気に歪む。
彼は今、このバトルロワイアルという名の戦争に乗った。
「面白ぇ……やろうじゃねぇか」
そうと決まれば、早速武器を手にしておきたい。
足元に支給されたデイパックの中へと手を伸ばし、中身を確認しようとした……
「おい、そこにいる野郎!!」
「ん……!?」
その、瞬間だった。
◇ ◇ ◇
「おい、そこにいる野郎!!」
殺し合いを潰すと決めた小十郎がまず最初にとった行動は、周囲の警戒だった。
支給された物品の確認は大切だが、その瞬間をもしも狙われてしまえばまずい事になる。
辺りに敵がいるかいないか、それを確かめるのが先決と考えた結果の行動であり……それは功を奏した。
小十郎のいる位置から、およそ20メートル程離れた格納庫の影。
そこに片膝をついていたサーシェスの姿を、発見する事が出来たのだ。
もしも相手が先にこちらへと気付き、しかも殺し合いに乗っていたならば、確実に狙われていただろう。
だからこそ先手を打ち、小十郎は牽制の意味合いを込めて強く声をかけた。
「……はいはい、何の用だよ?」
サーシェスは小十郎の声に僅かな驚きを見せるも、すぐに冷静さを取り戻し、笑いながら返答する。
笑うのも当然、小十郎にとって今のタイミングはサーシェスを仕留めるチャンスとなりえたからだ。
声をかけずに鉛球を打ち込めば、それだけでお陀仏という好機……しかし彼は、それをせずに声をかけてきた。
ならば考えられる事は二つ。
殺し合いに乗っていないか、乗っていたとしてもこの距離ではこちらを仕留められないか。
どちらにせよ、サーシェスにとっては実に好都合であった。
「その声……松永久秀……!?」
その一方、返ってきた言葉に小十郎は思わず己が耳を疑ってしまった。
相手の声色が、かつてその手で仕留めた武将―――松永久秀に瓜二つだったのだから、無理はない。
しかしよく見れば、その風貌は当然ながら松永久秀とは大違いである。
それにその声の調子も、比べてみればどこか荒々しい粗野な感じがするが……それにしても似すぎている。
「おいおい……一体、俺を誰と勘違いしてやがんだよ?」
サーシェスは、彼自身予想していなかった小十郎の反応に苦笑する。
相手の驚き様からして、余程自分はその知り合いに似ていたのだろう。
それも、あまり好ましい相手ではないらしい。
「で……結局、あんたは俺に何の用があるんだ?」
「……お前の名前と、このふざけた殺し合いに乗っているのかどうかを教えろ」
小十郎は一呼吸置いた後、サーシェスへ殺し合いに乗るか乗らないかを尋ねた。
味方につけられる様ならば行動を共にする。
殺し合いに乗っているのであらば、ここで打ち倒す必要が出てくる。
「教えてやってもいいが、その前にあんたの名前を教えちゃもらえないか?」
「片倉小十郎だ……さあ、答えろ」
「ああ、俺の名はアリー・アル・サーシェス……」
小十郎の問いに対し、サーシェスはその名を聞いた上で答える。
その顔に狂気の笑みを浮かべると共に、
「戦争屋さ……戦争が好きで好きでたまらないなぁ!!」
デイパックから引き抜いた、ガトリングガンの銃撃で……!!
「ッ!?」
凄まじい轟音を響き渡らせながら、大量の鉛球がばら撒かれた。
しかし小十郎も、警戒心を張り巡らせていたのが功を奏して反応が間に合った。
すぐさま横へと跳び、傍らに立つタワーの裏側へと隠れる。
先程まで彼が立っていた地点は、既に無数の弾痕と硝煙によって支配されていた。
もしもこれ等が人体に命中していれば、確実に物言わぬ肉片とされていただろう。
「テメェ……!!」
「殺し合いに乗っているか、だぁ?
こんな美味しい話に乗らねぇ方が馬鹿だろうが!!」
身を隠す小十郎に対し、サーシェスは嘲笑と罵倒を浴びせる。
彼からすれば、殺し合いを止めようとしている者達は気に喰わぬ存在以外の何者でもない。
目の前に美味しい話が転がっているのに、それに食いつかない阿呆がどこにいると言うのか。
人間の最もプリミティブな衝動に準じて生きる事の何が悪いと言うのか。
「戦争屋が戦争に乗って何が悪い、言ってみろよ!!」
「……ざけんじゃねぇ……!!」
そんなサーシェスの言葉が、小十郎の逆鱗に触れた。
彼とて、サーシェス同様に多くの戦へとこれまでに臨んできた。
しかしそれは天下泰平の為であり、事実、無抵抗な領民達を殺すようなマネは間違ってもしていない。
挑んできた敵にもまた、それぞれの大義があった。
真田幸村や武田信玄の様に、同じ天下泰平という目的の下に争い、そして手を取り合った者達だっていた。
だからこそ……許せなかった。
―――本能と欲望のままに生きることこそが世の正しい姿である。
かつて、この様にサーシェスと全く同じ生き方を示した一人の武将がいた。
小十郎にとっては因縁の相手……他ならぬ、あの松永久秀である。
声色のみならず、その思想までも似ている。
まるで、あの男の生まれ変わりが目の前に立っているかのようだ……だからこそ。
「ふざけてんじゃねぇっ!!」
「ッ!?」
私利私欲に生き、あたかもそれを当然の様に言い振舞うサーシェスが、小十郎には心底許せなかったのだ。
「アリー・アル・サーシェス……テメェには地獄の門の開け方を教えてやる!!」
かつて、松永久秀に浴びせたのと全く同じ言葉を小十郎は口にする。
それは必ずサーシェスを倒すという、強い意志表示。
その怒涛の剣幕には、流石のサーシェスですら驚かされていた。
「……よく吼えるじゃねぇか、上等だ。
だがよ、そんなところで縮こまってて何が出来るってんだ、アァッ!?」
しかしそれでも、戦況は俄然としてサーシェスに有利がある。
丸腰の小十郎では、ガトリングガンに対抗する手段が無いのだ。
それは小十郎本人も重々承知しており、どうにか打開しなければならない。
(チッ……こうなりゃ、こいつに賭けるしかねぇか!!)
あのガトリングガンを無力化するには狭い屋内へと誘い込むのが一番なのだろうが、生憎ながらそれは使えない。
タワーの内部へ入ろうにも、入り口があるのは正反対の表側であり、他の建物へと逃げ込むのには距離がやや遠い。
無理に走ったところで、一瞬で蜂の巣にされるのがオチだ。
ならば、正面突破以外に道は無い……それが可能な支給品がある事に、一か八か賭けるしかない。
小十郎は一縷の望みをかけてデイパックを開き、出てきたのは……
「……ありがてぇな……最高の武器だ……!!」
(支給品を探ってるって所か……場合によっちゃ、ちょいとまずいな)
サーシェスは小十郎が隠れるタワーへと、ガトリングの銃口を向けながら考える。
小十郎は間違いなく、この状況を打開出来る何かをしようとしてくる……長年戦場で培ってきた勘が、サーシェスにそう告げていた。
そして現状最も厄介でかつありえそうなのが、相手の支給品にも銃火器の類があるというパターン。
このガトリングガンは見た目通り凄まじい威力があるが、その分弱点もある。
その巨大さ故に小回りが効かず、また引き金を引いてから弾丸が発射されるまでのタイムラグがやや大きい事だ。
ここでもし、小十郎がライフルやサブマシンガンを片手に出てきたならば、どちらが先に銃撃を打ち込まれるかは明白。
ならば、出方を警戒して今のうちに距離を離しておくのが理工か。
サーシェスは小十郎に動きを悟られぬよう、ゆっくりと後方に下がろうとしたが……その瞬間だった。
「アリー・アル・サーシェスゥッ!!」
小十郎が、タワーの影から勢い良く飛び出してきた。
先手を打たれたかと、サーシェスはとっさに身構えるも……直後に、思わず笑ってしまった。
「……ハハハハハッ!!
こいつはお笑いだぜ……とんだ大馬鹿野郎だ!!」
小十郎の得物は、想像していた銃火器の類とは対極に位置するもの。
一振りの日本刀のみだったのだ。
まさか、そんなもので銃火器を相手に真正面から挑むなんて、気が狂っているとしか言い様が無い。
サーシェスは小十郎を愚かに思いつつ、ガトリングガンの引き金を引こうとした……その刹那。
「歯ぁ食いしばれッ!!」
小十郎は、力を込めて刀を真っ直ぐに突き出すと同時に……その剣先から、蒼白い雷撃が迸った。
「何ぃっ!?」
放たれた雷撃は、一目散にサーシェス目掛けて走る。
驚いたなんてレベルではない。
刀から電流を流して攻撃をしてくるなんて、誰が予想できようか。
サーシェスは攻撃を中断、とっさにその場へとしゃがみ込んで間一髪その一撃を避ける。
だが直後に彼へと待ち受けていたのは、間合いを詰めてきた小十郎の一振り……!!
「ちぃっ!!」
この至近距離では、ガトリングガンもただの重石にしかならない。
サーシェスは迷う事無く両手から離し、代わりにデイパックから事前に取り出しておいたナイフを片手に持った。
こんなところで死んでなるものか。
そう言わんがばかりに力を込め、サーシェスは小十郎の一撃を受け止める……!!
「テメェ……何なんだよ、その刀……!!」
激突して火花を散らせあった二つの刃が、拮抗状態に入り。
サーシェスは小十郎の手に持つ刀が何なのかを尋ねた。
剣先から雷撃を出すなんて、そんな珍しすぎる武器には生まれてこの方お目にかかった事が無い。
故に沸いてきた―――実際はこの刀にそんな効果は無く、小十郎自身の力なのだが―――純粋な好奇心からの質問。
「俺の命を預けるに相応しい魂だ!!」
それに対して小十郎は、迷う事無く答えた。
この刀は彼にとって、非常に心強い武器。
敬愛する主君の魂ともいえる刃。
奥州筆頭、独眼竜
伊達政宗が得物―――『六爪』……!!
「光栄に思いな……政宗様の刀をテメェなんかに使うのには、勿体ねぇぐらいだ!!」
「ヘッ……そいつはありがたくて、涙が出てきそうだぜ!!」
サーシェスは皮肉を返しながらナイフを握っていないもう片方の拳を握りしめ、小十郎の腹部へと叩き込む。
鳩尾に丁度入ったのか、表情が苦悶に歪んだ。
「グゥッ……!?
この……ヤロオォッ!!」
しかし小十郎も、すぐさま同じくサーシェスの腹部へと前蹴りを叩き込み仕返しに出る。
サーシェスの体が若干ながら宙に浮き、後方へと距離を開かされる。
「やりやがったな……テメエエェェェッ!!」
怒りの声を上げ、腹部を走る痛みも無視し、サーシェスはすぐに間合いを詰めた。
小十郎の取る行動もまた同様。
両者は再び至近距離へと入り、そのまま格闘戦へと突入する。
「オラアァッ!!」
「甘ぇんだよッ!!」
切りつけてきたサーシェスのナイフを、小十郎の刀が受け止める。
しかし、間髪入れずにサーシェスは次の行動へと入っていた。
「ところがギッチョン!!」
元々、ナイフでの一撃は小十郎の刀を封じる為の囮。
本命は先程同様の肉弾戦法。
しかし、繰り出されたのは拳でも脚でもなく……!!
―――ガチィンッ!!
全力での頭突き……!!
襲ってきた強烈な衝撃に、小十郎はたまらず眩暈を覚えそうになる。
拳や蹴りならばまだ対応は出来たのだが、流石に頭が来るとは予想していなかった。
それもその筈。
「ガッ……!?」
「ハハッ、どうだ気分はよぉ!?」
「気分か……ああ、すぐに味わせてやるさ……!!」
まさか、そんな攻撃をしてくる人間が『自分以外』にもいるとは思わなかったから……!!
―――ガチィンッ!!
「グェッ!?」
頭突き返し……!!
小十郎は、サーシェスが頭を引いたその瞬間に頭を叩きつけ返したのだ。
一瞬の油断を突いたその強烈な一撃が、サーシェスの額を割って血を流させる。
この隙を逃さず、小十郎は刀を逆袈裟へと振り上げた。
しかしサーシェスも、このままやられてなるものかと身を大きく反らし、刃がパイロットスーツを僅かに掠める程度で回避。
そのまますぐに地面を蹴り、後ろへと下がる。
(チッ……こりゃまずいな……!!)
小十郎は予想以上に手ごわい。
肉弾戦では殆ど互角だが、得物にはナイフと刀という大きな差がある。
このまま続ければ、いつかは力で押し切られるだろう。
加えて、先ほど見せたあの雷撃……客観的に見て不利なのがどちらかは、もはや言うまでも無い。
「ったく……随分嫌われたもんだなぁ、俺も」
「テメェの様な、人の命を何とも思っちゃいねぇ外道を生かしておく程、俺はお人よしじゃねぇんだよ……
決めさせてもらうぜ、アリー・アル・サーシェス!!」
小十郎が握る六爪の刀身が、蒼白い光を帯び始める。
電流をまとっての斬撃……あれを受ければ、ただではすまないだろう。
こんなナイフでは、受け止めたところで叩き折られるのがオチだ。
「ウオオオォォォォッ!!」
勢いよく、小十郎が突っ込んでくる。
現状、これを防ぐ手立ては無い。
ならばここは悔しいが、死んではそれこそ元も子もない。
この状況から逃れるべく、サーシェスは決断をした。
「ヘッ……甘ぇんだよ!!」
向かってくる小十郎に対して、サーシェスはナイフを放り投げた。
武器を手放すのは惜しいが、現状ではこれが最善の策。
顔面目掛けて真っ直ぐに、それなりのスピードで飛んでくる刃物。
避けるか防ぐかしなければ、命中して死ぬ。
「ちぃっ!!」
小十郎は僅かに首を傾げてナイフを避ける。
しかし、その一瞬―――小十郎の意識が己からナイフへと移る瞬間こそが、サーシェスの狙いだった。
「馬鹿がッ!!」
小十郎が攻撃の対処をしている間、サーシェスは完全にその狙いから外れる。
その隙を突けば、回収が出来る。
先ほど手放した強力な破壊兵器ガトリングガンを……!!
「くたばりなッ!!」
「テメェ……クソッ!!」
素早く跳躍して地面に落ちたガトリングガンを拾うと同時に、サーシェスは引き金を引いて弾丸を一斉にぶっ放す。
それに対し、小十郎はやむを得ずに刀を地へと叩きつけ……瞬間、爆ぜた。
刀身に纏わせていた電流が弾け、地を吹き飛ばしたのだ。
粉塵が立ち込めると共にアスファルトが捲り上がり、弾丸の嵐から小十郎の身を守る盾の役割を果す。
どうにかこれで、攻撃自体は防ぐ事は出来た……が。
「……何ッ!?」
粉塵が収まり視界がようやく晴れてきた時。
その場に、サーシェスの姿は無かった。
とっさに小十郎は周囲を見渡すと……数十メートル先に、その姿はあった。
サーシェスは、小十郎を殺し損ねたのを確認するや否や……その場から、逃げていたのだ。
「テメェ、逃げる気か!?」
「ああ、悪いがあんたは厄介だからな。
もうちょい良い武器見つけてきて、改めて相手してやっよ!!」
ガトリングガンによる奇襲が通じなかった時点で、既にサーシェスは勝ち目がない事を悟っていた。
ナイフを投げ捨てた以上、あの場でもし接近戦に持ち込まれていれば確実に死んでいた。
ならば、ここは体勢を立て直す為に逃げるのが一番だ。
戦争は好きだが、どう足掻いても勝てぬ戦争に挑むほど愚かではない。
下準備を整えて、改めて臨む……それが最善である。
「あばよ、片倉小十郎。
縁があったらまた会おうや!!」
「待ちやがれ、アリー・アル・サーシェスッ!!」
小十郎は逃げてゆくサーシェスに対して怒りの声を上げ追いかけようとするも、やはり距離が離れている。
その姿は、すぐに視界から消えてしまう……完全に逃げられてしまった。
勝敗こそ決まらなかったものの、この戦い……どちらが上なのかは、もはや言うまでも無いだろう。
「……アリー・アル・サーシェス……
テメェだけは、許しちゃおけねぇ……!!」
欲望のままに生き、その為には他者の命をどうとも思わぬ卑劣漢。
あの男は確実にこの殺し合いにおいて、嵐を巻き起こす……倒さねばならない。
竜の右目の名にかけて……!!
【G-5/宇宙開発局 タワー周辺/一日/深夜】
【片倉小十郎@戦国BASARA】
[状態]:中度の疲労、頭部と腹部に打撲の痣。
[服装]:戦支度
[装備]:六爪@戦国BASARA
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~2個(未確認)
[思考]
1:アリー・アル・サーシェスを必ず倒す
2:殺し合いを開いている帝愛とやらをぶっ潰す
3:帝愛打倒の為の仲間を探す。
[補足]
※まだ名簿を確認していません。
※第11話、明智光秀との一騎打ちに臨んだ直後からの参戦です。
【六爪@戦国BASARA】
奥州筆頭伊達政宗が使う六本の刀。
その名が示すとおり、六本で一セットの名刀。
「ヘヘッ……本当に面白いじゃねぇか……!!」
小十郎の追撃が無いのを確認し、ようやくサーシェスの表情に笑みが浮かんだ。
それは、単に彼から逃げ切れた事への安堵からだけではない。
この戦争には、小十郎が使っていたあの刀の様な、まだまだ自分が知らぬ未知の武器がありそうだ。
それを手にする事が出来たなら、更に殺し合いは楽しくなるだろう……そう考えると、笑いが止まらないのだ。
かつて、ソレスタルビーイングのガンダムを手にした時と同じ感覚だ。
興奮で全身がゾクゾクしている。
「最高だぜ、この殺し合いは……!!」
戦争屋、アリー・アル・サーシェス。
彼の心にある思いは一つ……この殺し合いを、心の底から楽しむ。
そして、勝ち上がってゆく事である。
【E-4/南東/一日目/深夜】
【アリー・アル・サーシェス@機動戦士ガンダムOO】
[状態]:中度の疲労、腹部に打撲の痣、額より軽い出血。
[服装]:パイロットスーツ
[装備]:ガトリングガン@戦国BASARA
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~1個(未確認)
[思考]
1:この戦争を勝ち上がり、帝愛を雇い主にする。
2:殺し合いをより楽しむ為に強力な武器を手に入れる。
3:片倉小十郎との決着をいずれつける
※第九話、刹那達との交戦後からの参戦です
※G-5にナイフ@空の境界が落ちています
【ガトリングガン@戦国BASARA】
魔王の嫁こと濃姫が持つ、強力なガトリングガン。
どう見ても隠す場所が無いにも関わらず、何処からともなく濃姫はこれを取り出しているが、その詳細は不明。
【ナイフ@空の境界】
両儀式が愛用しているナイフ。
特に変わったところは無い、普通のナイフである
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最終更新:2009年11月05日 00:59