言葉という無限の刃(前編) ◆lDZfmmdTWM



「これは……?」

充電を終えた首輪探知機を起動し、そのディスプレイをみたその矢先。
レイは、映し出されている光点の位置に声を出してしまった。
その様子に、スザクと一方通行の背にも緊張が走る。
この駅の周辺に誰もいないのであるか、もしくはいたとしてもだ。
ただ周囲に反応があっただけでは、当然ながらレイがこの様な声を出すわけがない。
つまり、それが意味する事は……明らかにおかしい反応があったという事。

「……スザク、一方通行。
 お前達はこれをどう思う?」

レイは二人に探知機を見せ、その意見を伺った。
ディスプレイに映し出されている光点……その一つが、西方より真東へ。
すなわち、自分達のいるこの駅へ向かい真っ直ぐに向かってきているのだ。
そのスピードを見る限り、歩きにしては少し早すぎるが、乗り物を扱っているにしては遅いというレベル。
考えられるとすれば、自転車の様な物を使っているか……あるいは。

「駅に向かって、走ってンのか?」

一方通行が答えた様に、走ってきているかだ。
現状ではまだ断言こそできないものの、もしもそれが事実だとすれば……考えられる事は一つ。
この駅へと、急いで向かわねばならない用件があるということ。
そして……現状から考えられる、その用件は一つだ。

「この人……万が一放送を聞き逃していない限りは、
 僕やセイバーさん達の事を知っている誰かの可能性が高いかもしれません」

この反応の人物は、駅に自分達がいる事を知っている人物だ。
何せこの駅は、もうじきに禁止エリアへと指定される危険地帯。
そこへ好き好んで向かってくる者などまずいるわけがない……
故に、この人物は目的があるからこそ駅に敢えて向かってきている。
そして、現状における目的とは……この駅にいる誰か。
駅を集合場所とし、合流を約束していた誰か相手に他ならないのだ。
この情報を知っているのは、この場にいる三人と既に死亡した者達を除けばたったの三人。
両儀式デュオ・マックスウェル阿良々木暦のみとなる。
だとすれば、この内の誰か―――この場合、最もあり得るのは単独で動いていると予想される阿良々木―――か。
もしくは一方通行の様に、駅に対主催派として行動する者達が集っている事を、誰かから聞かされた者だ。

「だがよ、隣のエリアにも二つの反応があるぜ。
 まさかこっち目当てだってのは……いや。
 それなら、普通に考えりゃ駅を迂回して上なり下なりから行きやがるか」

また、隣のD-7にも―――探知機の範囲上、残念ながらエリア全体の様子は見られないものの―――二つ程反応がある。
この人物を目指して直進しているという可能性もなくはない……が、それはかなり低いだろう。
禁止エリアとなる駅を突っ切るのは幾らなんでもリスクが高すぎる。

「……この二つの反応は、彼女達と見て良さそうですね」

また、三人には現状における最大の問題がもう一つある。
この二つの反応が、先ほど交戦したあの魔眼を駆使する二人である可能性がある事だ。
彼女等はあの時、東の方面へ走り逃亡していった。
無論、それなりに時間が経っている為、二人は既に遠方へと逃れておりこの反応は別人という事もありえる。
しかし……自分達同様に、一定時間体を休めているというパターンも否定できない。
いや、ダメージの具合からすれば寧ろそちらの方が十分にあり得る。
だとすれば、相手が消耗している今この時を突く事こそが得策なのだが……

「……このままでは、奴等に回復の時間を与えてしまうだろう。
 しかし戦力が増える可能性があるのであれば、結果的にはそちらがいいかもしれんな」
「そうですね……この駅が禁止エリアになるまではまだギリギリ時間がありますし、
 僕もこの人を待つ事は賛成です」
「チッ……まあ、誰が来るかが分らねぇ以上は仕方ねぇか」

三人の意見は、この場での待ちに一致する。
一方通行はやや不機嫌そうではあるものの、誰が来るかが分らぬ以上は文句が言えなかった。
強力な戦闘能力を持つ者か、首輪を外す役に立つ技術の持ち主が来る可能性も否定はできない。
ならば今は、ただ向かってくる相手を待つのみだ。
しかし、一応の念入れはしておく。
スザクとレイはそれぞれの得物たる銃を、一方通行は缶コーヒーを手に取り。

「……来たぞ」

そして、それから一分程経った頃か。
ようやく三人の前に、その反応の持ち主―――赤毛をした、一人の男が現れた。

「おい、スザクって奴はいるか!
 式から、ここに仲間がいるって聞いたんだよ!!」




◇◆◇




「ったく……あの色黒野郎といい、おっかねぇのが多すぎるぜ」

さて、話は少しばかり遡る。
両儀式、デュオ・マックスウェル、張五飛の三人が六天魔王との遭遇を果たした直後。
その圧倒的な威圧感に気圧され、かつ逃げろと促された事もあって一目散に逃げ出してから。
戦争屋アリー・アル・サーシェスは、駅へ向けて一直線に走っていた。
目的は当然、そこにいるであろう誰かとの接触を果たす事。

(とにかくここまで逃げりゃ安全だろうが、それでもまだ休めねぇな。
なるべく駅までは急いで行かねぇと、間に合わなくなっちまう……!)

しかし、サーシェスにも一つだけ危惧がある。
それは今し方、D-6のエリアを禁止エリアに指定されてしまった事だ。
さすがにこうなってしまっては、駅から人が離れるのは自明の理……
故に彼は、安全圏に逃れた今も足を休めはしなかった。
禁止エリアとなる前にどうにかたどり着けば、駅にいる誰かと接触できるかもしれないのだから。

(これで誰もいなけりゃ、ただの走り損だがな……
まあその時は、テメェも頼りの援軍が来ねぇんだから諦めるこったな、式よぉ?)

これで誰もいなかった場合、駅に仲間がいるといった式に怒りをぶつけたい所だが、そこはお互い様だ。
彼女や五飛達とて、自分が駅の仲間に知らせて助けに行かせるという手を潰される。
あの男に酷い目に合されるのは間違いないし、運が悪ければそのまま死ぬだろう。
サーシェスとしては、利用できる相手が減るのは残念だが、参加者が減るという点でどうにか相殺できる。
どちらにしても、優勝を目指す立場からすれば構いはしないのだ。

「さてと、どんな奴が出てくるか……名前は確か、スザクとか言ってたな」

やがて、サーシェスは駅を視界に捉える。
望遠鏡で眺めたとおり、その姿は見るも無残だ。
後はここに、式が言っていた仲間がいるか否か。
また、その相手がどの様な者かでも大きく今後の振舞い方が変わる。
サーシェスは速度を少しずつ緩め、駅からやや離れた地点で停止する。
接近戦は言うまでもなく、飛び道具の類を用いられても真正面からなら、ギリギリで回避が効く位置。
相手がお人良しならいらぬ用心だが……ここは何が起きるかがまるで分らぬ戦場だ。
万が一、片倉小十郎アーチャーと接触を果たした相手がいたとしたら、狙われる危険とてゼロではない。
故にこの場でのベストは、この安全地帯から声をかけることだ。

「おい、スザクって奴はいるか!
 式から、ここに仲間がいるって聞いたんだよ!!」

サーシェスは駅に聞こえるよう、やや張り上げた声を上げた。
それもただ呼びかけるだけではなく、相手に一片の不信感も抱かれぬよう、最初に式の名前を出して。
先手はこれで打てた、後は声に反応して出てくるかどうか……サーシェスは警戒しつつ、出方を待つ。

そして、現在……駅より、彼の来訪を既に知っていた三人が姿を現したのだった。




◇◆◇




「アァ……?
 あいつも、俺と同じ境遇かよ」

サーシェスの姿を見て、最初に声を出したのは一方通行。
式に言われて駅にやってきたというならば、まるで自分と全く同じではないか。
だとすれば、殺し合いに乗っている人間ではない……少なくとも、式はそう判断した相手だ。
ならば手の武器をしまっても問題はないと、そう考えるのが普通だろう……しかし。

「……待て。
 あの男の髪の色……」
「ええ……赤い色をしています。
 アーチャーさんが言っていた……」

三人は武器をしまえなかった。
その原因は、サーシェスの髪の色が『赤』だったから。
朝方に情報交換をしたアーチャーの話では、彼は赤い髪をした男に襲われたと言う……つまり。
目の前の相手は、殺し合いに乗っている可能性がある。
故に警戒を解くわけにはいかなかった……が。


その先には進めない。
出来るのは、あくまでもそこまででしかない。

「ですが……アーチャーさんが言っていた相手とは、どことなく特徴が違います」

そう、ここに来てサーシェスの弄した策が思わぬ効果を生んでいた。
髪型を変え、不精髭も剃り、服装も目立つパイロットスーツから至って普通のそれに代えるというイメージチェンジ。
それが三人に聞いた話との僅かな食い違いを覚えさせ、迷いを抱かせてしまったのだ。
唯一共通するのは赤毛の男という点だが……それだけでは決定打になりえない。
髪の毛の色が同じ相手など、他にいても全くおかしくはないのだ。
現状、相手がアーチャーを襲った相手であるという確信は何一つ持てない。
よって……三人には、サーシェスへ攻撃行為を加える事は不可能。

「接触する以外に、手は無いか」

ならば、直接接触して情報を交換し、何者かを確かめるほか無い。
式の事を知っている以上は味方であるかもしれないし、何より彼女の現状における情報は欲しい。
デュオ共々、待ち合わせの時間に間に合わなかった理由が知りたい。
スザクは二人へ無言で顔を合せ、その意思を確認……相手の要望に応えて名乗り出る。

「ええ、僕がスザクです。
 あなたは、式さんの仲間ですか?」




◇◆◇




「ああ……俺はアリー・アル・サーシェスだ。
 禁止エリアになる前に、会えて助かったぜ……」

スザクが声をかけると共に、戦争屋は歩み寄る。
その最中も、相手の観察はもちろん忘れない。
数は三人、その内の二人が手に銃を握っている。
そしてどういうわけか、残る一人の手にあるのは缶コーヒーだ。
まさかそれを投げて攻撃するつもりかと呆れそうになるも、正直油断はできない。
大量の電撃を放出する刀や異様な破壊力のある短剣といった、想像を絶する兵器を見てきたではないか。
あの缶コーヒーだって、実は見た目を偽装した手榴弾の類とかいうオチは十分ありえる。

(しかし……こいつ等、俺の姿を見てからもしばらくは武器を下さなかったな。
 警戒してるってのは間違いねぇが……まさか?)

ここでサーシェスに引っかかったのは、この三人がすぐに警戒を解かなかったことだ。
仲間である式の名前を出せばあっさりといくかと思ったが、念を入れての用心だろうか。
いや、それにしては長すぎる……何せ彼らは、未だにその手から武器を離していないのだ。
ならば、考えられる結果は一つしかない。
サーシェスにとって、ありえてほしくなかった最悪の可能性……それがあり得るという事に他ならない。

(こいつ等、小十郎かアーチャーかに接触してやがるのか……?
 それともまさか、クルジスのガキの仲間か……!?)

そう、彼等は既に自分の特徴を知っているかもしれないのだ。
ならば、この用心の長さにも納得がいくと同時に、あのタイミングで容姿を整えた自分の幸運に感謝せねばなるまい。
彼等がここまでの警戒をしており、かつ攻撃を仕掛けてはこない理由は、それが原因に違いないからだ。
もしも身なりに一切の手出しをしていなければ、今頃とっくに蜂の巣だ。
そして、恐らく彼等が接触したのは……

「サーシェスさんですね、よろしくお願いいたします。
 それで、式さんの事ですが……」

やはり、アーチャーだ。
その証拠が、名前を出した瞬間に襲われなかった事。
サーシェスは小十郎にこそ名乗ったが、アーチャーには己が名を一言も告げていない。
ガンダムの乗り手に関しては、もはや論外だ。
ならば、少なくとも今は安全……迂闊に口を滑らさぬ限り、襲われる可能性はないわけだ。
そうと分かれば行動は早く、早速サーシェスは口を開く。

「それなんだが、いきなりですまねぇがあいつ等を助けにいっちゃくれねぇか?
 駅に行けば仲間がいるって、俺を逃がしてくれたんだよ!」
「何……!?」

開口一発、三人の表情が険しくなった。
彼等は、サーシェスが走ってきているのは単に禁止エリアとなるからだと思っていた。
しかし実際はそれだけではない……
どうやら、彼は『走らなければならない』厄介な状況にあったという事だ。
兎に角、これは話を聞いてみねばならないだろう。

「サーシェスさん、詳しく聞かせてください!」
「ああ……俺は隣のD-5で式とデュオって奴に会って、軽い情報交換をしてたんだ。
 そうしたら、いきなり妙な野郎が来て……ありゃ直感でやばいって感じたぜ。
 式の奴だってそれが分かったから、俺に逃げろって言いやがったみてぇだしな……
 残念な事に、相手の姿はよく見えなかったんだが……いや、待てよ?」

ここでサーシェスは、自分が見た人影の姿をよく思い出してみる。
距離にして200メートルも離れた相手の姿というのだから、本当にぼんやりとしか見えてはいなかった。
だが、サーシェスとて一流のモビルスーツのパイロット……その視力は十分なものだ。
さらにはあの時、相手が徐々に近づいていた事も手伝って……彼は僅かながらといえど、特徴を捉えていた。

「そうだ……確か、何か随分と派手な鎧っぽいのを着ていたぜ。
 首からは、マントっぽいのもあったが……」

サーシェスは、覚えている限りで男の外見を口にする。
一種の防護服だろうか、何か随分と見た目に派手な鎧らしきものを身につけていた。
そして背には、単なる飾りなのかどうかは分からないが、マントらしきものも。
残念なのは、顔が全く見えなかった事ではある……が。

「鎧にマント……?
 まさか、信長か……!?」

その特徴だけで、レイには十分に伝わっていた。
サーシェスが畏怖を抱いた相手―――織田信長と、一度交戦した彼には。
同時に、彼はサーシェスの意見に同意を覚えた。
確かにあの男相手ならば、直感で判断するのも分かる……あれは理屈抜きで危険だ。

「おい、その信長ってのはそンなにやべぇ奴なのか?」
「さっきの二人組を相手にしても、一人で勝ちかねない……そんな奴だ」
「……そいつは、まあ確かにおっかねぇな」

これは、少し厄介な事になった。
サーシェスから色々と素性を聞くどころの話ではない。
信長を相手に戦っているのであれば、まず無事では済まない。
助けに行くならば、この場にいる三人―――サーシェスも戦闘が可能ならば四人―――で行くぐらいの必要がある。
しかし、そうなればライダー達を仕留めるチャンスを逃す事にもなる。
メンバーを分断して両方に挑むか……いや、それは一番危険だ。
どちらも、下手に戦力を割けて勝てる相手ではない。

(式とデュオという奴には悪いが、ライダー達を討つか。
 それとも、助けに行って信長を討つか……)

レイは考える。
リターンが大きいのは、やはり仲間を救出できる可能性がある信長の方だ。
あの信長を相手に足止めを申し出るというなら、それなりに実力のある者だろう。
無事に合流できれば、殺し合いを止めるのには十分益となる。
一方、ライダー達を野放しにする事にはなるが、彼女達は現在進行形で誰かと戦っているわけではない。
加えて手負いという状況を考慮すれば、危険度は信長よりも下だ。


それに……何より、隣の男がいる。


「……レイさん、一方通行。
 式さん達を助けに行きましょう」

やはりと言うべきか。
スザクは、レイが予想をしていた通りの言葉をかけてきた。
彼は仲間を見捨てられるほど、非情な性格ではない。
ここでライダーを討つと言っても、反対されるのは目に見えていた。
ならば、後は一方通行の意見となるが……

「ハッ……あの女を助けろって?
 冗談がきついぜ」

彼の言葉は否定的だった。
それも当然、先程の式との交戦―――とよべるほどのものでもないが―――で、彼は彼女に軽い嫌悪感を抱いた。
式の側もまた似たようなものであるらしく、お互いに合わないと意見は一致している。
助けに行く義理が、彼にはない。
当然、スザクはそんな態度に反論する。

「一方通行、そんな事を言っている場合じゃ……!!」
「だが……あの女の力は、ここで消しちまうにゃ惜しいな」

しかし、その途中で一方通行は新たな意見を出した。
彼からすれば、確かに式は気に入らない相手だ。
だが……式が持つ謎の力に関してだけは、気になっているのも事実。
どういう原理かは分からないが、彼女は反射を打ち消すというまさかの真似をしてみせた。
それに対しては「力を殺した」という、いまいちピンと来ない返答しかなく、また深く考えようともしなかった……だが。

「もしもあの女が、本当に力だのなんだのを消せるっていうなら……
 ここで借り作っといて、どうにかすンのも悪かねぇよなぁ?」

今の今まで能力の使用制限を受けた事が、彼に意識の変化を生ませていた。
そう、一方通行の脳裏にふと思い浮かんだのは、式ならばこの厄介な制限を『殺せる』のではないかと言うことだ。
勿論、すんなりと何もかもが上手くいくとは思っちゃいない。
主催者だってそこら辺は考えて、対策を立ててきているだろう。
しかし、やってみる価値はある……それに何より。


「気に入らねぇ相手に借りを作られるってのも、あいつからすりゃ地味に効きそうだしな」


式に借りを作っておくというのも、中々悪くないものだ。


「……気に入らない、か……」

その一方通行の言葉を受け、レイは先程の信長との一戦を思い出す。
あの時……確かに自分は、信長に対して気に入らないという感情を抱いた。
だがその胸中を大いに占めていたのは、カギ爪の男への復讐心。
あの男を始末するためならば、他の相手などどうでもいいと思える程にそれは色濃いものだった。
故に、信長が気に入らないと言えど、倒そうなんていう感情はあの場を離れればすぐに消えた。
ただあの場では、カギ爪を殺す為の障害であるが故に挑んだのだ。


……では、そのカギ爪が死んだ今ではどうだろうか。
もはや障害ですらなくなった信長を、倒そうと思える気持ちは沸くだろうか。
今もなお、あの男を気に入らないと呼べるだろうか?


……答えなど、言うまでもない。

「決まりだな……信長を討ちに行くぞ」

自分は、スザクの結果を見届けるためにもう少しばかり生きてみると決めた。
だから、その邪魔を……生きる邪魔を信長がするというのであれば、迷わずに討つ。
怒りだとか憎しみだとか、そんなものではない。
理由と言える理由もなく、ただシンプルに……


「俺も、あの男は気に入らない」


気に入らないからだ。




◇◆◇




「サーシェスさん、あなたはどうしますか?」

三人の方針が固まった今。
唯一の問題となるのは、サーシェスの行動方針だった。
この駅が禁止エリアになる時が目の前まで来ている以上、残るという選択肢は当然取れない。
ならば、ついてくるか否かになるが……

「いや……悪いが、俺は一人で行動させちゃくれねぇか?
 一応武器もあるにはあるんだが、精々普通の奴相手に護身が精一杯……
 あんたらには悪いんだが、どうも助けになれそうにねぇよ」

サーシェスは同行を否定。
自身の力では、戦いの足手纏いになりかねないという最もな意見だ。
スザク達からすれば単独行動は危険だと言いたいところだが、何せこれから向かう場所こそが最大の危険地帯だ。
本人が同行を志願したならともかく、否定された以上は一緒に行こうなんて、絶対に言えるわけがない。
ならば、彼にはどこか安全な場所でしばらく身を隠してもらうほかにない。
そして後に、改めて合流するのが最善の方法だろう。

「わかりました……それじゃあサーシェスさん、あなたはしばらくどこか安全な場所にいてください。
 僕達はこっちが片付いたら、第三放送前にE-3にある『象の像』へ向かいます。
 そこで僕達以外にも、何人か仲間が集まる手筈になっています」

サーシェスへと、対主催派の人間が象の像に集まる旨を伝える。
彼との詳しい情報交換は、その時に改めて行えばそれでいい。
後は、右隣のエリア……D-7にだけは向かわない方がいいと忠告するだけだ。

「隣のD-7には、間違っても向かわないでください。
 あそこには、この殺し合いに乗った人……ライダーに藤乃という二人組の女性がいます。
 今はまだ動いていないようですから、安全でしょうが……
 もしも彼女達と遭遇したら、間違っても視線を合わせないでください。
 あの二人は、視界に入った相手に対して何か特殊な力を働かせて攻撃をしてきます」
「……それはおっかない話だな、肝に銘じとくぜ」

サーシェスは軽くため息をつきつつ、スザクの忠告を受け取る。
何とも、危険人物の周囲に多いことかと、思わずにはいられない。

「あんた等が、式達と一緒に無事戻ってくることを祈ってるぜ」
「ええ、サーシェスさんもお気をつけて」


[D-6/駅前/一日目/午後]


枢木スザク@コードギアス 反逆のルルーシュR2】
[状態]:疲労(大)、左腕骨折(処置済み)、「生きろ」ギアス継続中
[服装]:ナイトオブゼロの服(マント無し)
[装備]:ベレッタM1934(8/8)、GN拳銃(エネルギー残量:中) 、鉈@現実
[道具]:基本支給品一式、ノートパソコン@現地調達、赤ハロ@機動戦士ガンダムOO、9mmショート弾(22発)
    救急救命セット@現実、柳刃包丁@現実、工具一式@現実、雑誌@現実×多数、首輪
[思考]
基本:この『ゲーム』を破壊し、ゼロレクイエムを完遂する。
1:D-5に向かい、信長と交戦中の式達を助ける。
2:首輪を外せる技術者を探したい。
3:ルルーシュに危険が及ぶ可能性のある要素は排除する。
4:神原さん……。
5:第三回放送時に『E-3・象の像』へと向かう。
6:明智光秀、織田信長、平沢憂、バーサーカー、ライダー、黒服の女(藤乃)に用心する。
7:確実に生きて帰る為の方法を探す。

[備考]
※ラウンズ撃破以降~最終決戦前の時期から参戦。
※主催が不思議な力を持っていることは認めていますが、死者蘇生が可能という点は全く信じていません。
※もしかしたら『敵のアジト』が『黒の騎士団のアジト』ではないかと少し疑っています。
※三回放送の前後に『E-3 象の像』にて、信頼出来る人間が集まる、というゼクスのプランを政宗と神原から聞きました。
※政庁で五飛が演じるゼロの映像を見ました。また、ビデオメールの送信元と受信時間を確認しました。
※アーチャーとC.C.が行動を共にしていることを知りました。
※政宗、神原、レイ、アーチャー、一方通行と情報を交換しました。
※飛行船についての仮説を一方通行から聞きました。
※神原は絶対遵守のギアスの影響下に類似した状態にあると推測しました。
※ライダーの石化能力と藤乃の念動力についての分析を一方通行から聞きました。
※サーシェスが、アーチャーの接触した赤毛の男なのかどうかを判断しかねています。


レイ・ラングレン@ガン×ソード】
[状態]:疲労(大)、肋骨を数本骨折(処置済み)、左肩に銃創(処置済み)、脇腹に浅い銃創(処置済み)、ツッコミ属性獲得?
[服装]:武士のような民族衣装(所々破損)
[装備]:レイ・ラングレンの銃@ガン×ソード
[道具]:基本支給品一式×1、デイパック、ドラグノフ@現実(10/10)、 GN首輪探知機@オリジナル、平バール@現実、
    麻雀牌@咲×31個、ユンケルスター@現実×8、パチンコ玉@現実×大量、コンビニの商品多数(内容は後の書き手さんにお任せします)
[思考]
基本:もう少し生きてみる。
1:D-5に向かい、信長を討つ。
2:枢木スザクの『結果』を見届ける。
3:あるものは使う。
[備考]
※参戦時期は第8話~第12話のどこかです。
※ブラッドチップ・3ヶ@空の境界は円形闘技場に置いてきました。
※三回放送の前後に『E-3 象の像』にて、信頼出来る人間が集まる、というゼクスのプランをスザクから聞きました。
※スザク、神原、アーチャー、一方通行と情報を交換しました。
※飛行船についての仮説を一方通行から聞きました。
※ライダーの石化能力と藤乃の念動力についての分析を一方通行から聞きました。
※サーシェスが、アーチャーの接触した赤毛の男なのかどうかを判断しかねています。

【一方通行@とある魔術の禁書目録】
[状態]:健康
[服装]:私服
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、缶コーヒー×12、ランダム支給品×1(確認済み)、パチンコ玉@現実×多量、缶コーヒー各種@現実×多数
[思考]
基本:このゲームをぶっ壊す!
1:信長と戦い、式に借りを作っておく。
2:強敵との連戦を懸念。
3:何か武器が必要か……?
2:第三回放送時に『E-3・象の像』へ行くまではスザク、レイと行動を共にする。
5:スザクがゼクスの言うリーダーに相応しい人物か少し気になる。
6:打ち止めを守る(※打ち止めはゲームに参加していません)
7:缶コーヒーの新規開拓でも……。
8:機会があればプリシラの遺言を伝える。


[備考]
※主催側で制限を調節できるのではないかと仮説を立てました。
※飛行船は首輪・制限の制御を行っていると仮説を立てました。
※ゼクス、政宗、神原、プリシラ、スザク、レイと情報を交換しました。
※ライダーの石化能力と藤乃の念動力の制限を分析しました。
※式の力で、首輪の制限をどうにかできる可能性があると判断しています。


[補足]
※D-6の駅周辺ではハロが制御する建設重機が多数、瓦礫撤去及び線路復旧作業を行っています(当然工事現場並みに騒がしいです)。
 建設重機には操縦席が無くハロ以外では動かせません。
 またこれらのハロは工事作業以外のことが出来ない様プログラムされています。
※D-6の駅前ロータリーに面したビルの一室に真田幸村の死体があります。


時系列順で読む


投下順で読む



184:スザク、戦いのあと 枢木スザク 191:言葉という無限の刃(後編)
184:スザク、戦いのあと レイ・ラングレン 191:言葉という無限の刃(後編)
184:スザク、戦いのあと 一方通行 191:言葉という無限の刃(後編)
178:『傷跡』 浅上藤乃 191:言葉という無限の刃(後編)
178:『傷跡』 ライダー 191:言葉という無限の刃(後編)
180: 「無題」じゃあ今いち呼びにくい! このシュトロハイムが名づけ親になってやるッ! そうだな……『メキシコに吹く熱風!』という意味の「サンタナ」というのはどうかな! アリー・アル・サーシェス 191:言葉という無限の刃(後編)


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2010年02月03日 01:03