六爪流(後編) ◆LJ21nQDqcs



巨人は未だ、最初に奇襲を掛けた位置から動いていなかった。
私が肩口につけた傷口は、最早痕跡を探すのすら難しいほどにふさがっている。
激しく大地を打ち鳴らす雷光を背に佇む巨人の姿は、ギリシャ彫刻のそれのようにある意味美しい筋肉美を誇っている。
だがその性は戦闘本能のみに特化された化け物だ。
故に戦闘の開始を告げるのは、この巨人の咆哮だった。
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ー!!」
それを合図に私達三人は同時に駆け出す。
目指すは巨人の首一つ!

私が狙う巨人の獲物は、その左腕に握られた巨大な槍。
忌まわしき私の右目が開く。

瞬間、全ての事象が凍結したかのように停止して見える。

私の右目は元々固く閉ざされているために、普段開かれることはない。
閉ざしていることを忘れることすらあるくらいだ。
そしてそんな封印さえ、極限まで集中力を高めたときには解除されてしまう。
私は今、その逆を行っている。
つまり右目を開くことによって、極限まで集中力を高める。要するに条件付けに右目を利用しているのだ。
こんな発想もこの異形の右目を綺麗だと褒めてくれた、上埜さんのおかげだ。
そして同じように右目を褒めてくれた伊達さんのためにも、この力を十二分に利用する!

巨人の肩の起こり、肘の向き、上腕、下腕の筋肉の躍動、手首の変転。
全てが手にとるようにわたしの脳裏に伝わる。
問題はこの情報を如何に有効に扱うか。今までの私には、それを利用する身体が無かった。

しかし今は醜い"左腕"がある!

例え悪魔の腕であろうと、この場においては全て利用する。
明智光秀との戦いの時のように集中さえすれば、巨人の膂力が如何に怪物的であろうと受け止められるはず!

私が巨人の左腕と接触するその瞬間、伊達さんはバックステップを踏んで距離を取る。
さらに左ではヴァンさんが「コノヤロー!」といいながら刀を振り上げている。
よって、巨人にとっては先に到達する攻撃は私とヴァンさんの攻撃、と言う事になる。
当然、巨人も私達二人に神速の攻撃を仕掛け、機先を制して串刺しにせんと大槍を繰り出し、真っ二つにせんと大斧を振りかぶる。
私の眼前に迫るは闘技場控え室での明智光秀の突きを、遥かに凌駕する暴力的なスピードとパワーの奔流。
完全に受け止めることは出来無い。受け流すしか無い。
幸いあの時と違い、私の手元には名刀大包平がある。リーチと頑強さにおいては"左腕"など問題にならない。
そして私の乗る馬は、神速と言うエネルギーを私に与える。
つまり私だってあの時とはリーチとスピードと運動エネルギーが桁違いに増幅されている。
あの遥かに膨大なエネルギーを持つ巨人の突きをずらす事すら、不可能ではないはず!

巨人の槍が近づく。
先端が音速でも超えているのか、激しい爆音をあげながら近づいてくる。
ソニックブームが来たら終わりね、などと思う間も無く穂先が必殺の勢いを増して接近してくる。
私も突きを放ってこれを迎え撃つ。馬の膨大な突進力も加わって、今まで体感したことの無いスピードを私の身体が引き起こす
確か柳生新陰流の奥義に切り返しと言うものがある。
対手の切っ先に自身の切っ先を当て、峰の厚みによって対手の斬撃を逸らし、自分の斬撃を対手の脳天に与えるというものだ。
以前聞いた時は本当にそんな事出来るのかしらと思ったものだけど、今私がしようとしていることはそれと似たようなものだ。
果たして切っ先は合わせた。巨人の剛腕が生み出すエネルギーは本当に凄まじく、触れた瞬間に私の身体がはじけ飛びそうになる。
だが、ここで吹き飛ばされるわけにはいかない!伊達さんの一撃のためにも右へ受け流さなくちゃ!
そう、後はこのまま突き進むのみ!

後ろからロケットの噴射音のような轟音が轟く。
伊達さんが全身のバネを使って跳躍したのだ。
伊達さんは両手を頭上に掲げ、六本の刀を二つの掌の中に納めて×の字に高く高く構え、振りかぶる。振りかぶると言うより、もうあれはエビ反りだ
戦国武将の全力。文字通り魂を掛けた六つの爪が、巨人の頭上に降り注ぐ!
六爪の衝撃波か、爆風が巻き起こり、奔流が荒らしのように巨人の周囲を包みこむ。
もう立っていることすら出来なくなって、私は吹き飛ばされてしまった。


「チェストオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
俺は気合を入れてデカブツの右腕の斧に食らいつく。
振りかぶった一撃を受けた俺の身体は、地面にそのまま杭のように打ち込まれそうになるが、そんなことはさせやしねぇ!
両脚を前後に伸ばして屈伸し、全力で押し返す。
右を見ると片目の嬢ちゃんが、槍の一撃を受け流している。
あ、そっか!大真面目に真正面から受け止めるこたぁ無かったわな。
だがまぁこれくらいなら、眼帯の旦那が一撃を見舞うまでは持ちこたえられそうだぜ。
それ以上だと、このヴァンさんの身体が真っ二つになっちまうだろうけどな!

足がずしりと地面に食い込む。
それと同時に後ろから爆音が響く。
恐らくは眼帯の旦那が一撃を見舞おうと、全力を出しているんだろう。
まったく、あいつとこのデカブツの化け物具合にはほとほと呆れるぜ。
こいつらヨロイと同じくらいのパワーは持っているんじゃねぇのか?
まぁ俺だってダンを使えれば、こんな奴吹き飛ばしてやるってのによ!

突然、全身を襲う圧力がさらに膨大に膨れ上がる。
頭上で拮抗する大斧、その大斧を握るデカブツの右腕が、すげぇ勢いで筋肉の塊になってやがる!
力コブでもう前が見えねぇ!どういうこった?!なんでこんなにもパワーを上げてやがる?!
そうか!旦那の左の一振り、そいつがこいつにとっちゃ致命的なんだ!
左の一振りは奴の左肩口から袈裟斬りに切り裂いていく。つまり首と心臓が泣き別れになるってことだ。
奴にとって、それは一番回避しなくちゃならないことなんだろう。
だからこっちに圧力を重点的にかけて!?

くそっ!旦那の一撃が奴を八つ裂きにするまでの一瞬だっていうのにやたらと長い!
この一瞬さえ奴の攻撃を受け止めれば俺たちの勝ちだってのに!

なのに!
なのに、この一瞬すらも、耐え切ることが、出来ねぇって言うのかよ?!
畜生!畜生!畜生!畜生!ちくしょう!

「この馬鹿野郎がああああああああああああああああああああああああああ!!」

耐え切れねぇんだったら、せめて一太刀浴びせてやる!

旦那、片目の嬢ちゃん、すまん。

ダン、すまん。

エレナ、わりぃ。

折角みんなで、よってたかって生かしてくれたってのに、ここで終わりだ。
結局俺はカギ爪の野郎を殺すことしか出来なかった。
他の何かを見つけることは出来なかった。
だが、あいつに一つだけでも痕跡だけは残す。
それが俺の「何か」、だ。

俺の一撃が、抜きざまの蛮刀の一撃がデカブツの両目を切り裂き、


俺の身体を奴の大斧が切り裂いた。


天賦運賦に身をゆだねるってな、こういう事を言うんだろう。
前すら見ない跳躍でこれまでに無いくらいの全力を一撃に込める。
ぶつかっちまえばどんな爆発が待ってるのか分からねぇ。

だが、やるのみだ。

幸い、ヴァンも福路美穂子も持ちこたえている。
この分なら奴の図体に六爪をぶち込むのは問題ないだろう。
と、視界の端に異様な肉の塊を見つける。奴の、巨人の右腕だと分かったのはその数瞬後だ。
グロテスクに膨れ上がったそれは、無造作にヴァンを叩き斬る。
Shit!ヴァン!
あと一瞬、あと一瞬だけだ。
それでこの巨人をぶちのめせるってのに。
巨人はその一瞬の狭間で、右腕の斧をそのまま振り上げる。
させるか!俺の六爪の方が速い!そいつが到達する前にお前を叩き潰してやる!
Shit!こんなことなら左の刀を右の下に置くべきだったか!二択はどうやら貧乏クジしか引かねぇようだな。
右の三爪が奴の右肩口に到達。
そのまま切り裂いていく。Good!いい調子だ!

次いで左の三爪が奴の左肩口に到た…
つするよりも速く

奴の右腕に掴まれた斧が、


俺の左手首を吹き飛ばした。



「独眼竜は伊達じゃねぇ!てめぇなんざ右の三爪だけで十分だ!」

俺の全身に蓄えたPOWERを、全部お前に叩きつける!

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

奴の巨躯を両断する寸前。
まさにその刹那、奴の頭突きが俺の無防備な脳天を襲った。
脳髄に衝撃が加えられ、意思の伝達に障害が起こる。
鼻から血が吹き出て視界が一瞬で暗くなる。

舐めてんじゃねぇ!
脳が動かねぇからって、それがどうしたあ!

そのまま右の一振りを振り抜いて奴の身体を、ようやくと両断する。
その瞬間、奴の身体からエネルギーの奔流が爆発し、奴の身体ごと俺を吹き飛ばした。


気がついた時、そこはクレーターの縁だった。静寂がうるさいほどにわたしの耳をつんざく。
私が乗っていた馬も土砂に埋れて気絶しているようで、とりあえず命の危険はないように見える。
どうやら爆発の瞬間、飛びすさってくれたおかげで、私の身体は擦り傷だらけとは言え、五体満足ではあった。まぁ心臓は動いていないけど。
私がふとクレーターの中心、底の底を見ると、
そこに横たわっていたのは伊達さんと、…変わり果てたヴァンの姿だった。
ヴァンさんはなんとか意識があるようで、クレーターを滑り降りる私を見ると、なにごとか呟いたようだったが、最早声すら出ないようでヒューヒューと音が漏れるだけだった。
それもそうだろう。
ヴァンさんの身体は、脳天から縦に裂かれ、右半身が吹き飛ばされて消えてなくなっており、残った左半身すら、胸から上までしか無かった。
私の目から、なんの役にも立たない涙がこぼれる。
「ごめんなさい。」
そう呟くことしか出来なかった。
ヴァンさんは自分が喋ることが出来なくなっていることを理解したのか、左手の人差し指で伊達さんの姿を指さす。

伊達さんは、瀕死の状態だった。
鼻から血を流し、どうやら頭を強打しているのは見て分かる。
左手首から先を失っており、おびただしいほどの出血がピュッピュッとほとばしっていた。
私は急いで包帯を取り出すと、伊達さんの左手首をぐるぐる巻きにしてなんとか止血に成功する。
心音を確認すると微弱ながら鼓動は感じられる。
だが、このまま十分な医療措置を取らなければ死んでしまうことは私にも分かった。

嫌だ

この状況は前にも出会った事がある。
片倉さんが眼帯の女に殺された時だ。
私を守ってくれたあの背中を、私は目の前でただ死んで行ってしまうのを、見ていることしか出来なかった。

嫌だ

助けることが出来るかも知れない命を目の前にして、逃げ出してしまうのは嫌だ。
しかもそれが片倉さんの大事な人である伊達さんだと言うのなら、尚更だ。

でもそれじゃあ唯ちゃんはどうするの?

そうだ。巨人は既に無い。唯ちゃんに降りかかる危険も今や無い。
ならば唯ちゃんが居るであろう政庁に向かうべきなのではないか。
そこに伊達さんを連れて行けば、もしかしたら助かる術があるのかも知れない。

駄目だ

そんな低い確率に賭けてしまったら、それはつまり悪待ちだ。
私は上埜さんじゃないから、きっと失敗してしまうだろう。

唯ちゃんを守るんじゃなかったの?伊達さんなんか放って置いてもいいじゃない。

駄目だ。そんなことしたら、助けられる人を殺してしまうなんて、ただの殺人じゃないの!
私が殺すのは主催とこのくだらないゲームに乗った人間。
決して伊達さんのような素晴らしい人じゃない!

私は姑息な誘惑を掛ける、くだらない左腕の拳を大地に叩きつける
そうして左腕で伊達さんを抱きかかえるとクレーターの外へ飛ぶ。
ふと振り返る。
ヴァンさんが、半分の顔で微笑んでいる。
そのように見えた。
「さようなら、ヴァンさん」
もう涙で声にもならなくて、私はそれから振り返ることが出来なくなってしまっていた。


ではどうするのか。
私は思案していた。
そして気がついた。『施設サービス』だ。
闘技場のそれは『ライブサービス』だった。
ならばここなら、もしかしたら、伊達さんを救えるのかも知れない!
でも、施設サービスを使うにはペリカと言う金を使わねばならないらしい。
でも手持ちにペリカはない。
やはり駄目かと思ったとき、片倉さんの顔が思い浮かぶ。
絶望的な手傷を追っていたにも関わらず、私を救おうと立ち上がってくれたあの姿を。
橋の前で横たわっていた、遺体を。


私は伊達さんのディバッグを探ると目的のものを見つけた。
血が滴るその袋を、ごめんなさいと心の中で何回も謝りながら、開く。
そこには目を閉じた片倉さんの顔があった。
そう、これは片倉さんの介錯された生首。
そして片倉さんの、首輪。
主催の思惑にまんまと乗らされるのは本当に腹が立つが、伊達さんを救うことが出来る可能性があるのはこれしか無い。
私は既に意識を取り戻していた馬に伊達さんを横たえ、跨ると一路南を目指す。

薬局へ!

【E-4/薬局前/一日目/夕方】
【福路美穂子@咲-Saki-】
[状態]:前向きな狂気、恐怖心の欠如、健康だが心音停止
[服装]:血まみれの黒の騎士団の服@コードギアス、穿いてない
[装備]:レイニーデビル(左腕)、大包平@現実
[道具]:支給品一式、伊達軍の馬、片倉小十郎の生首と首輪
[思考]
基本:唯ちゃんを守る
0:薬局へ向かい、伊達さんを施設サービスを使って助ける。
1:唯ちゃんの意志を尊重というか優先というか、それを大前提として行動する。
2:主催者を殺す。ゲームに乗った人間も殺す。
3:ひとまず魔法と主催の影を追う。この左腕についても調べたい
4:力を持たない者たちを無事に元の世界に返す方法を探す
5:対主催の同志を集める。その際、信頼できる人物に政宗から受け取った刀を渡す
6:阿良々木暦ともし会ったらどうしようかしら?
7:張五飛と会ったらトレーズからの挨拶を伝える
8:トレーズと再会したら、その部下となる?
?:唯ちゃんを独占したい。
[備考]
登場時期は最終回の合宿の後。
ライダーの名前は知りません。
※トレーズがゼロの仮面を持っている事は知っていますが
 ゼロの存在とその放送については知りません
※名簿のカタカナ表記名前のみ記載または不可解な名前の参加者を警戒しています
浅上藤乃の外見情報を得ました
※自分が死亡もしくはそれに準ずる状態だと認識しました
織田信長の外見情報を得ました
※レイニーデビルを神聖なものではなく、異常なものだと認識しました。

【黒の騎士団の服@コードギアス】
黒の騎士団発足時に井上が着ていたコスチューム
超ミニスカ

伊達政宗@戦国BASARA】
[状態]:瀕死。気絶、ダメージ(大)、疲労(極大)、左肩口に裂傷、左手首喪失(止血済み)
[服装]:眼帯、鎧 、(兜無し)
[装備]:六爪@戦国BASARA
[道具]:基本支給品一式(ペットボトル飲料水1本、ガーゼ消費)、片倉小十郎の日本刀(半分ほどで折れている)@戦国BASARA
[思考]
基本:自らの信念の元に行動する。
0:……
1:小十郎の仇を取る。
2:主催を潰す。邪魔する者を殺すことに抵抗はない。
3:信長の打倒。
4:ゼクス、一方通行、スザクに関しては少なくとも殺し合いに乗る人間はないと判断。
5:戦場ヶ原ひたぎルルーシュ・ランペルージC.C.に出会ったら、12時までなら『D-6・駅』、
 その後であれば三回放送の前後に『E-3・象の像』まで連れて行く。
6:馬イクを躾けなおす。
[備考]
※信長の危険性を認知し、幸村、忠勝とも面識のある時点。長篠の戦いで鉄砲で撃たれたよりは後からの参戦です。
※長篠で撃たれた傷は跡形も無く消えています。そのことに対し疑問を抱いています。
※神原を城下町に住む庶民の変態と考えています。
※知り合いに関する情報をゼクス、一方通行、プリシラと交換済み。
※三回放送の前後に『E-3 象の像』にて、信頼出来る人間が集まる、というゼクスのプランに同意しています。
 政宗自身は了承しただけで、そこまで積極的に他人を誘うつもりはありません。
※政庁で五飛が演じるゼロの映像を見ました。映像データをスザクが消したことは知りません。
※スザク、幸村、暦、セイバー、デュオ、式の六人がチームを組んでいることを知りました。
荒耶宗蓮の研究室の存在を知りました。しかしそれが何であるかは把握していません。
  また、中野梓の遺体に掛かりっきりで蒼崎橙子の瓶詰め生首@空の境界には気付きませんでした。
※小十郎の仇(ライダー)・浅上藤乃の外見情報を得ました。
※中野梓が副葬品(金銀・宝石)と共にB-3付近に埋葬されました。
※宝物庫にはまだ何らかの財宝(金銀・宝石以外)があります。


空が青かった。
嵐が去った今、頭上を遮るものは何も無い。
ヴァンはその不死身性故に無駄に長生きする我が身を呪っていたが、この空の青さは格別だ。
これを見れただけでもよしとしよう。
ふと、視界に見慣れた機影が映る。
「なんだ、お前。そんな壁に引っかかってたのか」
ヴァンは腕を差し伸べてこっちに来いと手を振る。
だが、届かない。
機体は遥か成層圏。さらに結界の彼方にあった。
「俺はもう逝くからよ。お前もぶっ壊しちまえ。このクソッタレのゲームをよ」
差し伸べた手は力を失い、地に倒れた。

その瞬間、島の北東にて大爆発が起こる。
自爆である。
成層圏の彼方。
結界の向こう側だというのに、その爆発は直下の施設を完全に破壊した。
第一放送後にまず封鎖された唯一の施設。
この島の要石。

北東の櫓を。



【ヴァン@ガン×ソード 死亡】
【ダン・オブ・サーズデイ@ガン×ソード 自爆】

※A-7櫓とその周囲は完全に破壊されました。櫓があった地点は深く抉られたクレーターがあるのみとなっています


ズバッ!
直後、地中から腕が生えた。
否、地中深くに埋れていたのだ。
あの大爆発の中心にいた彼は、その爆風によりクレーターの底の底、さらに地中深くへと押し込められていた。
それがようやく地表に出ることが出来た。その直後だ。
左腕はクレーターの中央で静かに息を引き取った、哀れな遺体を鷲掴みにすると、そのまま地中へと引きずりこむ。
あの大爆発。
そして六爪による超絶剣技を受けて無事でいられるはずも無く、彼はその上半身の半分ほどを失っていた。
右肩、右胸、右腕を失った。両目も見えぬ。
地表に出てきたバーサーカーは口から血を滴らせ、這って戦場を目指す。
まだ足りぬ。
足りぬ。
足りぬのだ。
戦いはまだこの地にひしめき、彼を待っている。
戦闘を求めさまよう狂戦士の、落日は何処か。

【D-4南部/一日目/夕方】
【バーサーカー@Fate/stay night】
[状態]:魔力消費(大)、狂化 、右上半身喪失、失明
[服装]:全裸
[装備]:武田信玄の軍配斧@戦国BASARA
[道具]:無し
[思考]
基本:イリヤ(少なくとも参加者にはいない)を守る。
1:立ち塞がる全ての障害を打ち倒し、その力を示す。
2:キャスターを捜索し、陣地を整えられる前に撃滅する。
[備考]
※“十二の試練(ゴッド・ハンド)”Verアニ3は使い切りました。以降は蘇生不可能です。
 ・無効化できるのは一度バーサーカーを殺した攻撃の2回目以降のみ。
  現在無効リスト:対ナイトメア戦闘用大型ランス、干将・莫耶オーバーエッジ、偽・螺旋剣(カラドボルグ)、Unlimited Brade Works
       おもちゃの兵隊、ドラグノフ、大質量の物体、一定以下の威力の刃物、GN粒子を用いた攻撃、輻射波動、ゲフィオンディスターバー
       六爪流、童子切安綱、大包平、ヴァンの蛮刀
※狂化について
 非戦闘時に限り、ある程度の思考能力を有します。


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208:六爪流(中編) 秋山澪 215:HERO SAGA 『角笛』
208:六爪流(中編) 伊達政宗 213:黒い聖母
208:六爪流(中編) 平沢唯 215:HERO SAGA 『角笛』
208:六爪流(中編) 福路美穂子 213:黒い聖母
208:六爪流(中編) ヴァン GAME OVER
208:六爪流(中編) 伊達軍の馬 213:黒い聖母
208:六爪流(中編) バーサーカー 215:HERO SAGA 『角笛』


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最終更新:2010年03月07日 10:08