c-4エリアの遊園地。お化け屋敷に身を潜める少女がいた。
「どうなってるんだよ……ちくしょう…」
桜高軽音部部長ーーー田井中律。
部活「放課後ティータイム」の部長ではあるが、彼女も齢18の少女だ。
いきなり
殺し合いなどという非日常に放り込まれた事実をありのままに受け止めるほど強靱な精神力は持ち合わせていない。
しかし、一人だけ絶対に守ってやりたい少女が居る。
しっかりしていて、優等生で、歌も上手くて、見た目もかなり可愛い。
なのにいつも恥ずかしがって、恐がりな、律の親友。
「澪…………。」
◆
主催者の荒耶宗蓮は、一つの殺し合いにおける『平等案』を考案していた。
とある世界線にて、人々の呪いや恨みを糧に生まれ出る偉業の怪物がいた。
そこで、ある種族は怪物に対抗するという名目で、本来はエネルギーの回収のために、少女たちに力を与えた。
ーーーーーー魔法、少女。
その原理は、根源の渦に到達するを悲願とする荒耶にとっては魅力的だった。
荒耶宗蓮は結界術師である。
彼らーーーインキュベーターの用いた原理を彼なりに再構築することで、魔法少女を疑似的に再現することに成功した。
だが。荒耶の術式では、不完全な再現しかできないことが発覚した。
魔法少女の力の源、ソウルジェムの汚染速度が通常の数倍の速度で進むというリスク。
浄化する術のない極限状況のため、契約者にはバットエンドしか待っていない。
巡り巡り。『即席契約紙』は、田井中律に支給された。
◆
「魔法少女…?何それ」
にわかには信じ難いことだが、荒耶の芸当は確かに非科学的なものだった。
説明によれば、命の源のソウルジェムが濁らない限り、生命活動の停止しない体ーーーーーーーーーー不死身になる。
律は理解していない。
かつて幾多の魔法少女たちが絶望してきたこの契約の罠を。
更に言えば、願いをかなえるという条件さえ、荒耶のものでは消されていた。
「契約、しよう。澪を守るために」
律の体を、白い光が包み込んだ。
最終更新:2011年07月02日 23:54