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思うがままに勧善懲悪さ

31話 思うがままに勧善懲悪さ

ドゴォン!!

爆ぜるような音がショッピングモール二階の通路に響く。

「……っ」

春巻龍の細い身体が大きく後ろに吹き飛び、駄菓子屋の商品棚に突っ込む。
その腹にはぞっとするような穴が空き、内臓と思われるピンク色の物が見えた。

「春巻さんんんん!!!!」
「し……しん…ぱち……くん……」

口から大量の血を吐き、痙攣する春巻。
普段、彼の教え子達にプロレス技やら殴打を仕掛けられ似たような状況に何度もなったが、
今回は笑い事では済まされないと、春巻自身、遠退く意識の中で思った。

「ごぼっ…死にたく…ない……ぢょ……ぉ」

必死で意識を繋ぎ止めようとしたが、無駄だった。
内臓組織を散弾でズタズタにされ、生命活動を維持出来るはずも無く、
間も無く春巻龍は事切れた。

「……! よ、よくも……!」

春巻を銃撃し殺害した、猫獣人の少女に怒りの声を上げる眼鏡の少年志村新八。

「あなたももうすぐ死ぬよ」

猫の少女、長谷川春香は手にしたレミントンM870散弾銃の銃口を、
今度は新八に向け、そして引き金を引いた。

「うおぉ!」

ドォン!!

寸での所で新八は散弾の雨を避けるが、袴の裾が引き裂かれた。
まともに食らえば間違い無く命は無い。

(くそ、このままじゃ……)

新八が手にしている武器は包丁のみ。明らかに分が悪い。
少なくとも散弾銃相手に正面から挑もうなど愚の骨頂。それは新八にも分かる。
無茶な戦い方をする坂田銀時や神楽でもそんな真似はしないだろう。いや、分からないが。
新八はふと、二階から一階へ続く吹き抜けの方に目をやる。

(一か八か…!)

「無駄に暴れると痛いよー?」
「暴れる訳じゃない」

余裕の表情の猫少女に向け、新八は持っていた包丁を思い切り投げ付けた。
激しく回転しながら飛んだ包丁は、春香の右鎖骨付近に突き刺さる。
顔を歪め苦鳴をあげる猫少女の隙を突き、新八は吹き抜けに向けて一気に駆け出した。

「このぉ! 舐めた真似してんじゃないわよ!!」

牙を剥き出しにし怒りを露わにした春香が再びレミントンM870を発砲する。
しかしその時にはとっくに新八は吹き抜けの手すりを越え一階に着地していた。
散弾は手すりを吹き飛ばし破片を新八の上に降り注がせるのみに終わる。

(どこかに隠れよう…!)

ついに武器すら失ってしまった新八、これで再びあの散弾銃を持った猫少女と相まみえる事になれば、
今度こそ命の保証は無い。春巻龍の凄惨な死に様が頭に過る。
適当な通路に向かって走ると、背後で着地音が聞こえた。振り向かずとも何の音かは分かる。

「殺してやる!!」
「ふんぬおおおおおおおお!!!」

……

フラウと大崎綾はショッピングモール内のとある洋品店に隠れていた。
隠れている理由は一つ、追われているからである。

「何となく思ってはいたけど…やっぱり乗っていたのね…銀鏖院さん」
「……(ブルブルブル)」

「…隠れても無駄よ…どこにいるのかな…かくれんぼ…かくれんぼ」

自動散弾銃ブローニングオート5を携えた銀髪の少女が狐娘二人の姿を追い求め通路を徘徊する。
衣服の隙間からフラウは様子を窺う。
拳銃で狙い撃とうとも思ったが、自身は銃に関しては素人故、外す恐れがあった。
もし外せば、下手をすれば散弾の雨を一方的に撃ち込まれる事となる。
無理して戦おうとせず、やり過ごすのが無難と考える。

「…向こう行ってみようか」

水晶は隠れている二人には気付かず通路の奥へ歩いて行った。

「…行ったみたい」
「本当…?」
「…でも、もうしばらく様子を見よう」
「うん……」

……

「どこ…どこに行ったのあの眼鏡」

出血が止まらない右鎖骨付近の激痛に悩まされながら、
春香は散弾銃を携えショッピングモール内を探索する。
どこかに隠れているはずなのだ、自分の獲物である眼鏡小僧が。

「私の身体に傷付けるなんて…許さない…許さない…許さないよ…」

そしてたこ焼き屋の前の曲がり角を曲がった時。

「!」

発見する。
しかし、捜している獲物では無く、銀髪の同年代と思われる人間の少女。
目的の人物では無かったが元々殺し合いに乗る気でいた上負傷させられ気が立っていた春香は、
即座にレミントンM870を構えた。

一方の少女――銀鏖院水晶もまた手にしたブローニングオート5を構える。

そして。

ドォン!!

発砲音が重なった。

二人の身体に同時に複数の小さな穴が空き血が噴き出し、二人は大きく後ろに吹き飛ぶ。
ガチャンと、床に二人の使っていた散弾銃が落ちる。
床に倒れた二人の少女は、血溜まりを作り二度と起き上がる事は無かった。
死に行く中、二人は全く同じ事を思っていた。

まさか、相討ちになるなんて、と。

……

「これは……」

銃声を聞き付けた新八が警戒しつつ、音源を調べにやってくると、
先刻自分を襲い、同行者を殺害した猫の少女が死体となっていた。
すぐ傍には知らない銀髪の少女が死んでいる。

「……こ、これ……」
「うあ…!」
「…君達は…?」

そこへ、更に二人の参加者――フラウと大崎綾が現れる。
二人はついさっきまで自分達を追っていた銀髪の少女が見知らぬ猫獣人の少女と共に息絶えている光景に驚く。

「…これは…あなたが?」
「い、いや違う! 僕が来た時にはもう…僕は、この猫の人の方に襲われていたんです。
同行している人がいたけど、殺された……」
「そうなの…私と大崎さんは銀髪の子…私のクラスメイトの銀鏖院さんに襲われて…」
「…僕は志村新八です」
「私はフラウ…」
「…大崎綾」
「……僕は殺し合う気は無い……」
「私達も…一度、どこかで情報を整理しようか…志村君、で良いかな」
「……ええ」

兎にも角にも、まずは状況を把握し情報を整理する事が大切だと、
新八、フラウ、綾の三人は、死亡した二人の装備を回収した後、どこか落ち着ける場所を探し始めた。


【春巻龍@浦安鉄筋家族:死亡】
【銀鏖院水晶@自作キャラでバトルロワイアル:死亡】
【長谷川春香@オリキャラ:死亡】
【残り:26人】


【朝/D-3ショッピングモール「トヨミツ」:一階タコ焼き「銀たこ一番」周辺通路】
【志村新八@銀魂】
[状態]肉体疲労(中)
[装備]無し
[持物]基本支給品一式、テトの巫女服@自作キャラでバトルロワイアル
[思考・行動]
0:銀さん達と合流し殺し合いを潰す。
1:フラウさん、綾さんと情報交換。
[備考]
※原作ラブチョリス編以降からの参戦です。
※春巻龍の知人の情報を得ました。

【フラウ@自作キャラでバトルロワイアル】
[状態]肉体疲労(中)
[装備]Cz85(15/15)
[持物]基本支給品一式、Cz85のマガジン(3)、レミントンM870(0/4)、12ゲージショットシェル(8)、
スタームルガー スーパーレッドホークアラスカン(4/6)、.480ルガー弾(6)、パワーバングル
[思考・行動]
0:殺し合いを潰す。
1:綾さんと行動。志村君と情報交換。
[備考]
※本編死亡後からの参戦です。

【大崎綾@オリキャラ】
[状態]肉体及び精神疲労(大)
[装備]スティレット
[持物]基本支給品一式、ブローニングオート5(4/5)、12ゲージショットシェル(10)、バタフライナイフ、
ガソリン入り注射器(2)、ノートパソコン
[思考・行動]
0:死にたくない。
1:フラウさんと行動。志村君と情報交換。
[備考]
※フラウより、フラウのクラスメイトの情報を得ました。


※春巻龍の死体及び所持品はショッピングモール二階吹き抜け付近、
長谷川春香、銀鏖院水晶の死体及び所持品はショッピングモール一階タコ焼き「銀たこ一番」周辺通路に放置されています。
所持品詳細は以下の通り。

春巻龍=基本支給品一式、ゴルフクラブ(調達品)、拡声器、Owee@銀魂
長谷川春香=基本支給品一式、馬用精液採取器
銀鏖院水晶=基本支給品一式

また、文化包丁はショッピングモール二階に放棄されました。


030:ああ直哉君フォーエバー 目次順 032:かつて夢見た美しき

013:スーパー・カルマ 志村新八 034:ボロボロの雌猫と眼鏡と二人の女狐
013:スーパー・カルマ 春巻龍 GAME OVER
013:スーパー・カルマ 長谷川春香 GAME OVER
018:澄んだ瞳が呼び覚ます フラウ 034:ボロボロの雌猫と眼鏡と二人の女狐
018:澄んだ瞳が呼び覚ます 大崎綾 034:ボロボロの雌猫と眼鏡と二人の女狐
021:運命なんて匙加減でずっと変わり続けるさ 銀鏖院水晶 GAME OVER

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最終更新:2011年07月10日 21:31
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