元の世界に戻った暁美ほむらが取った行動は、単純明快だった。
"鹿目まどか"との出会いをやり直す。未だ叶っていない望みを叶えるために、再び時を繰り返す。しかし、ほむらにはとある秘策があった。
皮肉にもそれは、あの
殺し合いでまどかの力を確認したからこそ成立する策なのだが。
まずは、最初のCDショップ。ここで巴マミ達と遭遇するのは既に確認済みだ。今までの時間軸では、ここで巴マミに敵と確信させてしまっていた。しかし今回は違う。巴マミの死を回避するには、彼女が魔女シャルロッテと戦う際に拘束されてはいけない。
つまり、最初からすべて話しておく。
ソウルジェムの真相を知ったマミが錯乱するのは確認済み。なら、策についても当然教えておく必要がある。勿論、美樹さやかにも。
そして、上條恭介へのさやかの恋を不完全な形では終わらせない。
失敗にしろ成功にしろ、さやかの絶望が崩壊を生む可能性は捨てきれないのだから。
そして佐倉杏子。彼女は一番楽に仲間にできる。
少なくとも、今までの時間軸で杏子と露骨な敵対をしたことはない。
そして、五人で『ワルプルギスの夜』を迎え撃つ。いや、正確には『四人』か。
ワルプルギスは障害物にすらならない。何故なら、こちらにはそれを一撃で撃破できるクラスの力を秘めた『最終兵器』があるのだから。
◆
「ーーーーー予定通り、行くわよ」
「りょーかいっ。あたしと杏子が接近戦ってことね」
「ちっ、危険な場所。…まあいいよ、しっかり時間は稼いでやるよ」
「暁美さんの作戦なら、何もかもを救うことができる……ね。…乗ったわ。円環の理に導かれる人が誰一人いませんように」
「厨二病乙。円環の理(笑)に導かれる人がいませんように(笑)…似てたかしら」
「もうやめて!マミさんのメンタルはとっくに0だよ!」
まるで普通の少女達の会話。
でも、目の前にはもう『怪物』がいる。
マミが大量のマスケット銃を発射したところで時を止め、自分もありったけの弾を発射する。時を戻すと、すべてがワルプルギスを直撃した。
それでも暇は与えない。打ち上げられたワルプルギスを地上からさやかと杏子が迎え撃ち、更にマミとほむらの追撃がそれを叩き落とす。
時を止めれば攻撃の大半は回避できたが、やはり格がまったく違う。
ピンピンしているワルプルギスの夜を見て、ほむらは笑顔を浮かべる。
「私、魔法少女になる」
「私の願いは、」
「魔法少女からソウルジェムの概念を消失させること」
ソウルジェムが割れた。
しかしそれは死を意味している訳ではない。意味するのは、作戦の成功。
ソウルジェムが魔女を生むなら、みんな死ぬしかない。なら、それを消し去ってしまえばいい。それが、暁美ほむらの答えだった。
まどかの放った矢が、ワルプルギスを射抜き、消し飛ばす。
すべて、終わった。
神となるほどの因果が蓄積されたまどかに更にもう一つ因果を集めた。
なら、もうそれは『存在』しながら神を越えた存在。魔法少女を生き返らせるなど造作もない。
最悪の終わりの代わりに、永久に戦い続ける未来を選んだ。
ーーーけれど、私は後悔していない。
ーーーたとえ、戦う未来しかなくったって
ーーー夢と希望と、仲間達がいればきっと乗り越えられる。
あれから様々なことがあった。
例えば、杏子が突然現れた親戚に引き取られて見滝原中学校に通い始めたり。
さやかと仁美の仲を取り持つために暗躍?したり。
マミの厨二病を止めようとしたり。まあ途方に終わったが。
もう、絶望は生まれない。今の彼女たちは、本当に楽しそうに青春を謳歌している。
「ねえ、まどか」
「何、ほむらちゃん?」
「交わした約束、忘れないよ」
【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ HAPPY END】
【アニメ・ロワイアル 完】
最終更新:2011年07月19日 20:12