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狐の儀式

『目を覚ませ』

心の中に流れ込んでくるような声で、七原秋也は目を覚ました。
ここはどこだろう。七原の記憶にあるのは、『プログラム』の職員たちを殺害し、逃げだそうとして、戦友である川田章吾の最期を看取るまでだ。
こんな所に、最も守りたい相手の中川典子を置いてまで来るはずがない。
頭を掻きながら辺りを見回すと、七原はまさに、『有り得ない』ものを見てしまう。

「三村……相馬さん…………桐山……!?」

おかしい。
七原の記憶では、三人はプログラムの中で死亡した筈だった。
しかも、三村信史と相馬光子はともかくとして、だ。桐山和雄は七原の目の前で確かに死んだ。見間違いようもない、頭を撃ったのだから。

何がどうなっているのだろう。必死に考えたが、分からなかった。
三村たちに話しかけようとしたが、声が出ない。恐らくは混乱で大騒ぎになるのを防ぐため、なのだろう。だが、それこそ何のために?
……なんて現実逃避は、所詮幻想だった。

『注目しろ。私は狐神ーーーーいや、こっくりと言った方がイメージは沸くかな』
「(こっくり…?こっくりさん、ってことか?)」

確かに、金色の尻尾が見られた。にわかには信じがたい話だが。

こっくりさん、と見るのが一番自然だ。
人型で、狐の部位は耳と尻尾だけ。胸は小さいが膨らみがある。

『悪いな。貴様等を召喚したのは、とある儀式をーーー正確には、私の封印を完全に解き明かすための儀式を行ってもらうためだ』

儀式。普通は演舞でも舞うのだろうが、わざわざこれだけの人数を集める理由はない。
やはり、どうしても七原には、最悪の想像しかできなかった。
そしてそれは、最悪の形で現実となる。

『これより貴様等には、最後の一人まで殺し合いをして貰う』

最悪だ。またしても、この悪夢が七原の希望を砕くのだ。
これには三村たちも呆然とした様子であった。桐山だけは冷静であったが。

『だが。何もタダで殺し合えとは言わない。勝者には、どんな願いも叶える権利を与える。私は弱っているとはいえ神格の力はあるのでな。死者の蘇生なども可能だ』

状況は改善された?いや、七原はより悪化したことに気付いていた。
殺し合いという極限状態はただでさえ混乱による殺人を生むのに、それに願いを叶えるなんて『ご褒美』を与えたら、殺し合いに乗る者は更に増える。
そこで、七原はすっ、と手を挙げる。質問の合図だ。
こっくりは七原を指差す。

声が急に出せるようになったが、相変わらず体は固まったままだ。

「……俺が知っている『プログラム』には首輪があった。今回は無いのか」
『首輪では無いがな。貴様等の逃亡を防ぐために、ある呪いをかけさせて貰った』

ぱちん、と指を鳴らすと、こっくりの横に茶髪の美少女が急に出現した。
声は出せないし体は動かないと、七原たちと同じ状態にあるようだ。
しかし、彼女はこれが殺し合いだと知らないようにきょとんとしている。

『儀式を放棄すると、こうなるからな』

メキャッ、という音。
少女の体が、空間ごと潰されていた。四方から潰された体は、跡形も残らない。
こっくりの笑い声だけがしばらく響いて。
世界が白く染まり、『それ』は始まった。

【色々カオスなバトル・ロワイアル  儀式開始】
【残り40/40人】

【高坂桐乃@俺の妹がこんなに可愛いわけがない】   死亡


GAME START 投下順 怪奇さえ通じない
GAME START こっくりさん [[]]
GAME START 七原秋也 虐殺天使綯ちゃん
GAME START 新垣あやせ 『最悪だ』
GAME START 高坂桐乃 GAME OVER

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最終更新:2011年08月06日 00:07
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